転生貴族の異世界無双生活

guju

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領地運営と戦争準備⑭

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 クロード辺境伯、俺の生まれ故郷であるその町は、何ひとつとして変わらぬ風景を感じさせる。
 ひとつ変わったとすれば、領主の妻と長男が死んだ事だろう。それだけで、誰も俺の存在を知らない。

 今回の遠征に参加させる軍隊を引き連れ、俺は馬車に乗り久方ぶりに見る我が家――クロード辺境伯の屋敷へと到着した。

 馬車を降りると、父であるガルム本人が出迎えに出た。

「長旅、ご苦労であった、シルバー伯爵。貴殿の噂はよく耳にしているぞ」
「これはこれは、誠に光栄でございますクロード辺境伯」

 どうにか笑顔を崩さぬようにと、恐らく少しひきつっているであろう顔で父の手を握り返した。

「まずは旅の疲れを癒して欲しい。食事に風呂に、全て用意してあるからな、今夜は我が家と思ってくつろいで欲しい」
「それはありがたいです。では、御遠慮無くお言葉に甘えさせて頂きます」

 どうやら兵士達には別の宿を用意しているらしく、俺と付き添いというていで連れてきた悪魔の四天王ザックスの2人が屋敷の中へと案内された。

 その後は風呂を楽しみ、食事を楽しみ、久方ぶりのベッドで熟睡をして翌朝を迎えた。

 いよいよ今日から被害の出ている魔物狩りの手助けをする予定だ。兵士達には事前に行動の班を伝えている。

 内訳としては、1班治癒魔法を使える戦場治癒士に魔法薬を数個持たせ、その他魔法士が2名、剣士が3名の合計6名。それが10班だ。

  既に日が昇り数刻が経たんとする頃、街を出て少ししたところに兵士達を集めた。

「事前に伝えていたが、今日から君達には実技の訓練を行ってもらう。とは言え、これはしっかりとした辺境伯様からの救援要請だ。俺の顔に泥を塗るような行為だけはするなと、改めて厳重注意を呼びかけておく」

 自軍の兵士が出先で女に乱暴をしたり、酷く横暴な態度を取られては俺の顔が立たない。それに悪評が広まれば、スラムの人間が寄り付く可能性も下がる上、今後このような救援が見込めなくなる。

 貴族たちに顔を売るチャンスであるこのような機会を、今後とも是非に欲しいため、それをみすみす逃すような事は出来ない。

「だが、無理に戦う必要は無い。君たちはあくまでも研修生なのだから、下手な正義感で周りに迷惑をかけるな」

 一呼吸置いて、俺は言う。

「だが、助けを求められたなら、君達が助けたいと思ったのならば、命に変えてでもそれらを守り抜け。それが、君たちの目指す騎士と言うものだ」

 それを聞くと、静まり返っていた兵士達は腰から剣を抜き、それを天へと掲げ雄叫びを上げる。
 足で地を鳴らし、士気は最高値まで跳ね上がる。

「よし、行け! この街に、貴様らの力を示してやれ! 」

 まるで戦争の火蓋を切るような声とともに、兵士達は各方面へと散らばり行く。

「さてと、これで一旦は問題ないだろうかな」
「では大主様、これより私はスラムへ行ってまいります」
「ああ、宜しく頼む。昨日伝えた基準値だが、多少下回っている程度であればお前の判断で連れてこい」
「了解致しました」

 そう言って、俺の影に消えていく。影の魔法に精通している彼は、影の中を自在に移動できる。今も、俺の影から街にある家の影や人の影を伝い、静かに隠密にスラムへと向かっている。

 さて、俺も仕事に移ろうかな。
 そりゃあ勿論、兵士達が働くと言うのに、その主である俺が怠けてなど居られない。
 
 少し森の奥地を探索して、この魔物の異常発生の原因を突き止めなければならないのだ。
 推測できる限りでは、森の主の死去、何らかの大型魔物の介入、最悪の場合は人的な魔物の操作。

 最後に関しては可能性は薄く、その手だても何も知らないため見つけることは困難を極めるだろうが、それでもやるしかない。

「さて、行きますか」

 俺はスキルで気配を遮断し、氷属性の氷翼を使い空を飛び森の奥の方へと飛び去った。
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