転生貴族の異世界無双生活

guju

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第五章 ミュンヘン戦争

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 遂に、戦の火蓋が切って落とされた。

 それは3日前のこと。
 北と西の国境をまたぐ平原であるミュンヘンに、帝国騎士が現れた。戦前の会議の時に陛下の命令により、攻めてくる可能性が高い場所にそれぞれ国士騎士を派遣していた。

 王国の最南に位置するドローシア山脈、最北に位置して海を渡ってたどり着ける島リリー島、そして今回攻めてきた国境をまたぐ平原ミュンヘン平原。この三ヶ所が王国に攻め入る最初の場所だろうと推測。

 山脈にしろ島にしろ平原にしろ、武力の強い領地から離れている為、攻めやすいのだ。

 そして読みは当たり、10万を超える大群を引き連れて帝国は進軍を開始した。

  状況は決して良い物だとは言えない。全く方角の違う距離のある三ヶ所にある程度の兵士を向かわせていただけあってか、1箇所1箇所はそれほど数が居ないのだ。

 帝国は質よりも量という軍であったのが幸いし、3万の兵士で足止めは出来ているものの、このままではじわじわと戦線を上げられる。
 国士騎士も戦場に出てはいるのだが、数が数なだけあってか相当苦戦しているようだ。

 ネメスとスーリヤには、山脈と島の方へ派遣した国士騎士と私兵の統率を取らせているため、こちらに来るのは今しばらく時間がかかるだろう。
 
 「アルト様! 」

 書類の整理をしていたら、1人の兵士が駆け込んできた。

「なんだ? 」
「はい。たった今、戦線が崩壊したとの連絡が! 」
「なに! 」

 戦線が……崩壊? 俺は握っていたペンを驚きから手を離した。それは転がり落ち、緊迫した部屋に物音を立てた。

「何があった! 国士騎士が討たれたのか!?」

 あれ程までに育った国士騎士の面々が簡単に討たれるとは思えない。それに、彼らは
最低でもASランク魔法を一度は発動できるはずだ。その中には戦略級の大魔法も何個か存在している。そう簡単に戦線が崩れるほどの軍力はしていないはずだ。

「状況はよく分かりませんが、伝令兵によると、オーガのようなものが現れたと」
「オーガのようなもの? オーガではないのか? 」
「はい。人型の巨大魔物とオーガの特徴を持っているらしいのですが、腕が4本と魔法が効かないとの事で……」
「魔法が効かない? ASランクの魔法もか? 」
「いえ、放つ隙もなく殺されたと」

 国士騎士の中には、無詠唱でASランク魔法を放つ事が出来る者もいるが、それは魔法に特化した兵士のみだ。殆どは、詠唱を必要としている。その隙に殺されたのか。

 魔法が効かないということに関して言えば、まだ判断は出来ない。私兵や付近の領地の兵士達の放つ魔法となれば、高位の魔法とはならない。

 ここは俺も出なければならないか。せめてスーリヤかネメスがこちらに到着するまでは俺も戦線で動き回る羽目になるだろう。
 四天王達も使いたいが、今そいつらは自領の守りに徹して貰っている。魔物が増えて危ないのは、何も辺境領だけでは無かったからな。

「よし、俺が出よう。怪我をした兵士はすぐに撤退させて、まだ動けるものは俺の打ち漏らしの対処の当たらせろ」
「りょ、了解しました」

 そう言って部屋を後にした兵士。
 俺はそれを見送ると、キウンを完全戦闘状態で纏わせて部屋を後にした。
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