1 / 29
0章
隠れたある集団について
しおりを挟む1
⦅こんなときがあろうかと、寒い山と熱いジャングルに待機してもらっていた⦆
⦅計画どおりにやろう⦆
だれが言いだした訳でもない。
不安は自然に湧きおこった。
その危機感が他の集団に伝播し、いつしかパルスで会話を交わすようになっていた。
⦅でも、前回ように全滅の必要はない⦆
⦅そうだ、今回は一部を滅ぼすだけでいい⦆
⦅そして様子をみよう⦆
⦅それでいい⦆
⦅賛成だ⦆
賛成の声が、パルスを交わす、世界のあちこちから湧きあがった。
2
だれかがわたしに呼びかけてきた。
遠い過去からの声のようだった。
⦅あなたは、だれ?⦆
覚醒する意識の中で、わたしは問いかけた。
⦅そのうち思い出します。また出番がきたのですよ⦆
目覚めなければならないんだ……。
わたしはぼんやり、そう考えた。
3
地球にはじめて誕生した生き物は、微生物たちだった。
千分の一ミリほどの細菌、古細菌、ウイルス、菌類などである。
微生物は、たった一つの細胞でできた単細胞の生き物だった。
この単細胞の生物はDNAを獲得し、37億年という長い歳月をかけ、徐々に進化する。
その大きな進化は、異なる細胞同士の合体だった。
多細胞の生物である。植物や動物を誕生だった。
微生物たちは、協力し合うことで新しい生命となり、種となったのだ。
植物であれば、その宿主の茎や根の内部に住み、養分の補給、機能の補助、耐病・耐虫などの役割を担った。
動物である人間の場合であれば、主に1・4キロほどが腸などに住み、食物の消化を手伝い、病原菌と戦い、体内の臓器をコントロールした。
微生物たちは、地球上に『共存共栄』のルールをつくったのである。
また微生物たちは、地球上の廃棄物を分解し、すべてを土に還す仕事を担った。
土がなければ植物は育たない。動物たちは生命を維持できない。
緑の地球は、微生物がいなければ、ただの岩と砂の世界でしかないのだ。
また微生物たちは、DNAが与えた集団感知というセンサーを備えていた。
生態環境を守るため、危機を感じ取ると、仲間たちとパルスで情報を交換し合う。
いちはやく防衛体制を整えるのである。
微生物は、パルスという言葉を持っていたのだ。
こうして地球は、微生物が編みだした共存共栄のルールを基本に、様々な生き物が繁栄する星になった。
ところがここで、生物界に気になる種が出現した。
その種は、多細胞生物として進化を重ね、二百万年前に大変身をとげた。
その結果に獲得した英知を駆使し、たちまち地球上の頂点の生き物として君臨するようになった。
その一部の種が、地球の生命体たちが数十億年をかけてつくりだした共存共栄のルールを無視しはじめたのである。
微生物たちには、地球を永続的に維持する使命があった。
自らの繁栄のみを願う利己的な行為は、地球の破滅につながりかねなかった。
わずかな兆候であっても、それを見逃してはならなかった。
(0章ー了)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる