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◆A級パーティ ラズマダズ
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——ダズ視点——
「おいダズ、ヴェインはどこだ? 魔法剣の効果が切れたからかけ直してもらいたいんだが」
オーガの掃討から戻ったジンガが開口一番、そう口にした。
ダズはヴェインの名前を聞いて、苛立ちを覚える。
このパーティのリーダーは俺だぞ、と怒鳴りつけたい気分だった。
「お疲れ~」
ジンガから少し遅れてシーフのウィン=ルゥが戻ってきたが、その姿は血にまみれている。
「お、おい大丈夫か?」
慌てたダズがその体に手を伸ばすが、ウィン=ルゥは笑いながら手を跳ね除けた。
「ダズちゃん、お触りはだーめっ。それに私は平気よ? これは返り血だもの」
「なんだ、そうだったのか……」
ダズはホッとして息を吐いた。
「ヴェインちゃんにかけてもらった封術が切れちゃったみたいで、いつもみたいに華麗に返り血を避けられなかったのよねぇ」
またヴェインか……、ダズは奥歯をぎりりと噛みしめる。
「おうルゥ。珍しくいいカッコしてんじゃねえか」
「ジンガちゃんたら、ひどーい。あーん、気持ち悪いよぉ」
ウィン=ルゥはそういうと、泣き真似をする。
百歳を超えてるババアがぶりっこしてるんじゃねえよ、思わず口から出そうになった。
「そうか、お前さんも封術がきれたんだな。前に封術してもらってからもう一ヶ月経ったか、年を取ると時間が飛ぶように過ぎらぁ」
「ジンガちゃん、喧嘩売ってる……?」
「あ、いや……そ、それより早く封術をかけ直してもらおうぜ!」
「はぁ、そうね」
ジンガはふぅ、と安堵の息を吐く。
それから目の上に庇をつくるように手を当てて周囲を見回す。
「あれ、あいつどこいったんだ?」
「ええっ、ヴェインちゃんいないの? もしかしてダズちゃんに愛想つかして家出でもしたのかしら?」
ダズは青筋を立てて、強く握った拳を震わせる。
こいつら、なにかあればすぐヴェイン、ヴェインって……ダズは怒りで頭がどうにかなりそうだった。
だから二人にはっきりと告げてやる。
「アイツならクビにしたぞ」
これでヴェインなんていう忌々しい名前を聞かなくてすむようになるだろう。
これからは恩着せがましく魔石を渡されることもないし、完璧な作戦に口を挟まれる煩わしさもなくなるんだ。
「「は?」」
ヴェインのクビを聞いた二人の反応は全く同じだった。
揃って顎が外れたように口を開け、間抜けな面をしている。
「心配するな、新しい封術士はもう見つけてある」
「ダズ、お前ぇ……馬鹿じゃねえのか?」
「そうよ、ヴェインちゃんみたいな封術士が他にいるわけないでしょ。さすがのおばさんも絶句だわぁ」
何が絶句だ、いつも通りペラペラと喋ってるだろうが。
ダズは心の中で悪態をつくと、最終奥義を繰り出す。
「これはリーダー様の決定だぞ!」
ダズがそう告げると、二人は顔を見合わせて肩をすくめた。
そうだ、そうやって黙って従ってりゃいいんだよボケが。
ダズはかつてない満足感に包まれていた。
✕ ✕ ✕
「そ、そんなの無理ですって!」
ギルド内に泣きそうな声と、それにいきり立つような怒声が響いた。
「は? 封術が使えるって言ってたじゃねえか!」
思わずテーブルを殴りつけると、飲みかけのエールが飛び散った。
それでも苛つきが抑えきれず、テーブルを指で忙しなく叩く。
「確かに封術というのは物に魔術紋を刻むものです。それによって体が軽く感じたり、耐久力も少し上がったり……」
そんなことは知っている。
あの野郎がいつも偉そうに魔法陣を展開して封術していたからな。
ダズは顎をしゃくり、少女に話の続きを促す。
「けど魔石に魔術を封じる、なんてことはできませんからっ!」
封術士の少女が、涙を溜めながらダズに反論をする。
「は? あいつができるんだからできるにきまってんだろ! 魔法陣でちょちょいとやんだよ」
ダズはそう叫ぶと、テーブルに広げたクズ魔石を少女に押し付けた。
「魔法陣……? いえ、封術というのは少しでも記述を間違えると効果を発揮しないんです。だから手作業で時間をかけて刻むものであって——」
「うるせぇ、ごちゃごちゃいってねえでやれ!」
少女はついに涙を一筋こぼすと、クズ魔石をひとつ摘み上げた。
そして針のような道具を魔石に近づけると、ガリガリと封術を刻み始めた。
極めて慎重に時間をかけて削っていたが、百文字を超えたあたりでいきなり魔石が音もなく崩れ始める。
「何やってんだ!」
「だから無理だって言ったじゃないですかっ!」
「ちっ、半人前のくせに封術が使えるって俺を騙しやがったのか!?」
ダズがそう詰めると、少女は顔を紅潮させながら立ち上がる。
「私はっ……私は半人前なんかじゃありません! 王都で三本の指に入る封術士だったんですよ!?」
「もしそれが本当なら、なんでそんな奴がこんな辺鄙な街に来るんだ? おかしいじゃねぇか」
「そ、それは……この街にいる、と聞いたからです」
「は、誰がだよ? ああ、もしかして俺のことか」
王都にまでこの名前が轟いているとは、思わず上機嫌になったダズはぬるいエールを口にする。
が、少女は呆れた顔をして首を横に振った。
「まさか、違いますよ。私が会いたい人は天才ですから。それも封術の天才——」
大嫌いな奴の名前が少女の口から紡がれて、ダズの怒りは頂点に達した。
飲みかけのエールを床に投げ捨て、懐からナイフを取り出す。
ギルド内の刃傷沙汰は禁止、そんなの知ったことか。
ざわめく周囲を無視してナイフを振り上げ——すぐにその薄汚ぇ口を塞いでやる。
「おいダズ、ヴェインはどこだ? 魔法剣の効果が切れたからかけ直してもらいたいんだが」
オーガの掃討から戻ったジンガが開口一番、そう口にした。
ダズはヴェインの名前を聞いて、苛立ちを覚える。
このパーティのリーダーは俺だぞ、と怒鳴りつけたい気分だった。
「お疲れ~」
ジンガから少し遅れてシーフのウィン=ルゥが戻ってきたが、その姿は血にまみれている。
「お、おい大丈夫か?」
慌てたダズがその体に手を伸ばすが、ウィン=ルゥは笑いながら手を跳ね除けた。
「ダズちゃん、お触りはだーめっ。それに私は平気よ? これは返り血だもの」
「なんだ、そうだったのか……」
ダズはホッとして息を吐いた。
「ヴェインちゃんにかけてもらった封術が切れちゃったみたいで、いつもみたいに華麗に返り血を避けられなかったのよねぇ」
またヴェインか……、ダズは奥歯をぎりりと噛みしめる。
「おうルゥ。珍しくいいカッコしてんじゃねえか」
「ジンガちゃんたら、ひどーい。あーん、気持ち悪いよぉ」
ウィン=ルゥはそういうと、泣き真似をする。
百歳を超えてるババアがぶりっこしてるんじゃねえよ、思わず口から出そうになった。
「そうか、お前さんも封術がきれたんだな。前に封術してもらってからもう一ヶ月経ったか、年を取ると時間が飛ぶように過ぎらぁ」
「ジンガちゃん、喧嘩売ってる……?」
「あ、いや……そ、それより早く封術をかけ直してもらおうぜ!」
「はぁ、そうね」
ジンガはふぅ、と安堵の息を吐く。
それから目の上に庇をつくるように手を当てて周囲を見回す。
「あれ、あいつどこいったんだ?」
「ええっ、ヴェインちゃんいないの? もしかしてダズちゃんに愛想つかして家出でもしたのかしら?」
ダズは青筋を立てて、強く握った拳を震わせる。
こいつら、なにかあればすぐヴェイン、ヴェインって……ダズは怒りで頭がどうにかなりそうだった。
だから二人にはっきりと告げてやる。
「アイツならクビにしたぞ」
これでヴェインなんていう忌々しい名前を聞かなくてすむようになるだろう。
これからは恩着せがましく魔石を渡されることもないし、完璧な作戦に口を挟まれる煩わしさもなくなるんだ。
「「は?」」
ヴェインのクビを聞いた二人の反応は全く同じだった。
揃って顎が外れたように口を開け、間抜けな面をしている。
「心配するな、新しい封術士はもう見つけてある」
「ダズ、お前ぇ……馬鹿じゃねえのか?」
「そうよ、ヴェインちゃんみたいな封術士が他にいるわけないでしょ。さすがのおばさんも絶句だわぁ」
何が絶句だ、いつも通りペラペラと喋ってるだろうが。
ダズは心の中で悪態をつくと、最終奥義を繰り出す。
「これはリーダー様の決定だぞ!」
ダズがそう告げると、二人は顔を見合わせて肩をすくめた。
そうだ、そうやって黙って従ってりゃいいんだよボケが。
ダズはかつてない満足感に包まれていた。
✕ ✕ ✕
「そ、そんなの無理ですって!」
ギルド内に泣きそうな声と、それにいきり立つような怒声が響いた。
「は? 封術が使えるって言ってたじゃねえか!」
思わずテーブルを殴りつけると、飲みかけのエールが飛び散った。
それでも苛つきが抑えきれず、テーブルを指で忙しなく叩く。
「確かに封術というのは物に魔術紋を刻むものです。それによって体が軽く感じたり、耐久力も少し上がったり……」
そんなことは知っている。
あの野郎がいつも偉そうに魔法陣を展開して封術していたからな。
ダズは顎をしゃくり、少女に話の続きを促す。
「けど魔石に魔術を封じる、なんてことはできませんからっ!」
封術士の少女が、涙を溜めながらダズに反論をする。
「は? あいつができるんだからできるにきまってんだろ! 魔法陣でちょちょいとやんだよ」
ダズはそう叫ぶと、テーブルに広げたクズ魔石を少女に押し付けた。
「魔法陣……? いえ、封術というのは少しでも記述を間違えると効果を発揮しないんです。だから手作業で時間をかけて刻むものであって——」
「うるせぇ、ごちゃごちゃいってねえでやれ!」
少女はついに涙を一筋こぼすと、クズ魔石をひとつ摘み上げた。
そして針のような道具を魔石に近づけると、ガリガリと封術を刻み始めた。
極めて慎重に時間をかけて削っていたが、百文字を超えたあたりでいきなり魔石が音もなく崩れ始める。
「何やってんだ!」
「だから無理だって言ったじゃないですかっ!」
「ちっ、半人前のくせに封術が使えるって俺を騙しやがったのか!?」
ダズがそう詰めると、少女は顔を紅潮させながら立ち上がる。
「私はっ……私は半人前なんかじゃありません! 王都で三本の指に入る封術士だったんですよ!?」
「もしそれが本当なら、なんでそんな奴がこんな辺鄙な街に来るんだ? おかしいじゃねぇか」
「そ、それは……この街にいる、と聞いたからです」
「は、誰がだよ? ああ、もしかして俺のことか」
王都にまでこの名前が轟いているとは、思わず上機嫌になったダズはぬるいエールを口にする。
が、少女は呆れた顔をして首を横に振った。
「まさか、違いますよ。私が会いたい人は天才ですから。それも封術の天才——」
大嫌いな奴の名前が少女の口から紡がれて、ダズの怒りは頂点に達した。
飲みかけのエールを床に投げ捨て、懐からナイフを取り出す。
ギルド内の刃傷沙汰は禁止、そんなの知ったことか。
ざわめく周囲を無視してナイフを振り上げ——すぐにその薄汚ぇ口を塞いでやる。
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