11 / 31
10話 (見習い)
しおりを挟む
宿の自室で目を覚ました。
頭はすっきりしているが、なんだか妙に疲れが残っている。
そりゃそうだ、べろべろの女二人を宿まで運んだんだからな。
「ん……あ、おはようございます」
ベッドで小さな寝息を立てていたロッカが、ちょうど目を覚ましたようだ。
寝起きで赤毛の髪がぼさぼさになっているが、それもまた可愛らしい。
「おはよう。頭は痛くないか?」
「はい、大丈夫です……あれ、ここどこですか?」
ロッカはきょろきょろと辺りを見回している。
「宿の部屋だよ。昨日酔い潰れたお前を運んできたんだ」
「はっ、もしかしてヴェインさんってば私を手籠めにっ!?」
思わずデコピンをした。
「するわけないだろ。紳士は酔いつぶれた女に手を出さないもんだ」
「あぅ……」
ロッカは額を押さえながら、恥ずかしそうに頭を下げる。
「そういえば、あいつはどこに……?」
俺がそう呟いた瞬間、部屋の扉がばんと開いた。
「師匠ー! おはようございまーす!」
元気よく飛び込んできたのは、昨夜べろべろになっていたはずのティアだった。
なぜか俺よりも元気そうに見える。
「朝から騒々しいぞ。どこいってたんだ?」
「元々の宿を引き払って荷物を取りに行ってました!」
ほら、と手に持った大荷物を披露してくれる。
「ちょっと待て……なぜ宿を引き払う? ああ、王都に戻るのか」
「いいえ? ここで師匠と一緒に過ごさせていただけたら、と」
弟子として認めたわけでもないのに、何をいいだすんだ。
それにこの部屋はそもそも一人用だぞ。
「そういえば師匠、なんか昨日のことがあまり思い出せないんですよね。気づけばこの宿にいて……まさか師匠、私たちを手籠めに……っ!?」
二度目のデコピンだ。
ティアはおでこを押さえて、目の端に涙を溜める。
べろんべろんの二人を宿まで運んでやったのに、この言われよう。
道端にでも置いてくればよかったかもしれない。
「宿のおばさんにもゴミを見る目で睨まれたんだからな……」
月単位で契約してるのに、居づらくなったらどうするんだ。
酔っ払いの女を連れ込んだわけじゃない、とあとで言い訳しておかなくちゃな。
「ところで、ティア。お前は王都から来たんだよな。なんで俺のことを知っていたんだ?」
「王都にいると色んな情報が入ってくるもんですよ」
ティアは誇らしげに胸を張ると、さらに続けた。
「リーンベルで活動しているA級パーティのメンバーが使っている装備には強力な封術がかけられていて、それはまさに伝説級の武具らしいっていう……」
伝説級ってそりゃ言いすぎだろう。
確かに二人の装備は気合いを入れて封術していたが。
まあ噂に尾鰭がつくのはよくあることか。
「バターを切るように敵を一刀両断する戦士ジンガ、風のように飛び回るシーフのウィン=ルゥ、息切れもせず強力な魔法を撃ち続ける魔術士ダズは向こうでも有名でしたよ」
A級パーティともなれば王都まで噂が轟くものなのか。
でもそこに自分の名前はないんだな、とちょっと肩を落とす。
「でも実はメンバーを裏で支えているのは封術士のヴェインだ、って私は確信したんです!」
それでわざわざ王都からここまで教えを請いに来たってわけか。
ちょっと過大評価かもしれないが遠く離れた王都のやつに評価されていたってのは素直に嬉しい。
「話は分かったが、しばらくしたらロッカとこの街を出ることになるだろうし……やっぱり無理だな」
ベッドで身支度を整えているロッカを見つめると、彼女は少し考えて口を開いた。
「いえ、まずは小さな依頼を受けながらあの豹がいた辺りを探索しませんか?」
今後の方針について、ロッカがそう提案した。
「でも買った情報は偽物で、エコーライトはないんだろ?」
「いえ、もしかしたら私の探索に漏れがあったのかもしれません。情報源からもらったのは下手な絵で描かれた地図でしたから。もう少し探索範囲を広げればもしかしたら……」
目が飛び出るほどの高い金を払ったんだ、諦めきれない気持ちもあるのかもしれない。
「分かったよ、じゃあ朝飯を食ったらそうするとしよう」
「師匠、あのー私は……」
結局、ティアはこの街を離れるまでの臨時エコーライト(見習い)とすることにした。
断りきれなかったのもあるが——。
「元々は聖職者だったんです。でも授かったジョブが封術士で……」
ギルドまでの道すがら、ティアの話を聞いていた。
ジョブってのは本人の行動や思想から賜るものというのが通説だが、ティアのように本人の性質や資質とは全く違ったジョブを発現することがある。
人生というものは得たジョブに引っ張られることが多い。
だから彼女も聖職者としての道を諦めて封術士として活動をしていたらしい。
「でも封術の才能はそれほどでもないんですよね……」
「謙遜することないだろ。昨日、飲みながら王都で三本の指に入るって言ってたじゃないか」
「あ、あれは……ちょっと盛りました」
ティアは頬を赤くして視線を逸らす。
「実際のところどうなんだ?」
「普通の封術なら一通りできます。でも魔石に魔術を封じるなんて高等技術はさすがに……」
そりゃそうだろうな。俺だって完成させるまでに何年もかかったんだ。
「まあ、封術士でありながら治癒魔術も使えるってのは凄いと思うぞ」
「ほ、本当ですか!?」
それが見習いを許した最大の理由だしな。
ティアは褒められたことに気をよくして飛び跳ねて喜んだ。
短い丈の修道服でそんなことをするもんだから、また下着が見えそうで思わず目を逸らした。俺は紳士なので。
ギルドに着くと、さっそく受付のミーナに声をかける。
「おはようございます。今日はどのような依頼をお探しですか?」
「この周辺で採取系の依頼はないか? できれば森の奥の方がいい」
ミーナは依頼書の束をめくりながら探してくれる。
「そうですね……月夜茸の採取依頼がありますが、場所がちょっと……」
「どのあたりだ?」
「例の森林豹が出た森の、さらに奥になります」
どうやら昨日報告した森林豹の件で、その周辺は危険地域として認定されたらしい。
他にもあんな魔物がいるとしたら危険だからな、英断だろう。
「その依頼、受けよう」
「え、でも危険では……」
「仮にも俺は元A級パーティの一員だぞ?」
「ですね!」
ミーナははにかむと、依頼書に印を押して手渡してくれた。
「ついでだし他に危険な魔物がいないかも調査してくるよ」
「それはギルドとしても助かります!」
なかなかギルドの人員を割けなくって、とミーナは困り顔をした。
俺が頷くと「無事に戻ってきてくださいね」と受付嬢専用スキル〝おまじない〟をかけてくれた。
もちろんそんなスキルはない。
ただ、出発のときミーナに微笑んでもらうとほんの少しだけ運が良くなる気がするような感覚があったりなかったりすると冒険者の間でひそかに噂になっているだけだ。
「それでは、行ってらっしゃい」
そんなことは知らず微笑むミーナに見送られて、俺たちはギルドを後にした。
頭はすっきりしているが、なんだか妙に疲れが残っている。
そりゃそうだ、べろべろの女二人を宿まで運んだんだからな。
「ん……あ、おはようございます」
ベッドで小さな寝息を立てていたロッカが、ちょうど目を覚ましたようだ。
寝起きで赤毛の髪がぼさぼさになっているが、それもまた可愛らしい。
「おはよう。頭は痛くないか?」
「はい、大丈夫です……あれ、ここどこですか?」
ロッカはきょろきょろと辺りを見回している。
「宿の部屋だよ。昨日酔い潰れたお前を運んできたんだ」
「はっ、もしかしてヴェインさんってば私を手籠めにっ!?」
思わずデコピンをした。
「するわけないだろ。紳士は酔いつぶれた女に手を出さないもんだ」
「あぅ……」
ロッカは額を押さえながら、恥ずかしそうに頭を下げる。
「そういえば、あいつはどこに……?」
俺がそう呟いた瞬間、部屋の扉がばんと開いた。
「師匠ー! おはようございまーす!」
元気よく飛び込んできたのは、昨夜べろべろになっていたはずのティアだった。
なぜか俺よりも元気そうに見える。
「朝から騒々しいぞ。どこいってたんだ?」
「元々の宿を引き払って荷物を取りに行ってました!」
ほら、と手に持った大荷物を披露してくれる。
「ちょっと待て……なぜ宿を引き払う? ああ、王都に戻るのか」
「いいえ? ここで師匠と一緒に過ごさせていただけたら、と」
弟子として認めたわけでもないのに、何をいいだすんだ。
それにこの部屋はそもそも一人用だぞ。
「そういえば師匠、なんか昨日のことがあまり思い出せないんですよね。気づけばこの宿にいて……まさか師匠、私たちを手籠めに……っ!?」
二度目のデコピンだ。
ティアはおでこを押さえて、目の端に涙を溜める。
べろんべろんの二人を宿まで運んでやったのに、この言われよう。
道端にでも置いてくればよかったかもしれない。
「宿のおばさんにもゴミを見る目で睨まれたんだからな……」
月単位で契約してるのに、居づらくなったらどうするんだ。
酔っ払いの女を連れ込んだわけじゃない、とあとで言い訳しておかなくちゃな。
「ところで、ティア。お前は王都から来たんだよな。なんで俺のことを知っていたんだ?」
「王都にいると色んな情報が入ってくるもんですよ」
ティアは誇らしげに胸を張ると、さらに続けた。
「リーンベルで活動しているA級パーティのメンバーが使っている装備には強力な封術がかけられていて、それはまさに伝説級の武具らしいっていう……」
伝説級ってそりゃ言いすぎだろう。
確かに二人の装備は気合いを入れて封術していたが。
まあ噂に尾鰭がつくのはよくあることか。
「バターを切るように敵を一刀両断する戦士ジンガ、風のように飛び回るシーフのウィン=ルゥ、息切れもせず強力な魔法を撃ち続ける魔術士ダズは向こうでも有名でしたよ」
A級パーティともなれば王都まで噂が轟くものなのか。
でもそこに自分の名前はないんだな、とちょっと肩を落とす。
「でも実はメンバーを裏で支えているのは封術士のヴェインだ、って私は確信したんです!」
それでわざわざ王都からここまで教えを請いに来たってわけか。
ちょっと過大評価かもしれないが遠く離れた王都のやつに評価されていたってのは素直に嬉しい。
「話は分かったが、しばらくしたらロッカとこの街を出ることになるだろうし……やっぱり無理だな」
ベッドで身支度を整えているロッカを見つめると、彼女は少し考えて口を開いた。
「いえ、まずは小さな依頼を受けながらあの豹がいた辺りを探索しませんか?」
今後の方針について、ロッカがそう提案した。
「でも買った情報は偽物で、エコーライトはないんだろ?」
「いえ、もしかしたら私の探索に漏れがあったのかもしれません。情報源からもらったのは下手な絵で描かれた地図でしたから。もう少し探索範囲を広げればもしかしたら……」
目が飛び出るほどの高い金を払ったんだ、諦めきれない気持ちもあるのかもしれない。
「分かったよ、じゃあ朝飯を食ったらそうするとしよう」
「師匠、あのー私は……」
結局、ティアはこの街を離れるまでの臨時エコーライト(見習い)とすることにした。
断りきれなかったのもあるが——。
「元々は聖職者だったんです。でも授かったジョブが封術士で……」
ギルドまでの道すがら、ティアの話を聞いていた。
ジョブってのは本人の行動や思想から賜るものというのが通説だが、ティアのように本人の性質や資質とは全く違ったジョブを発現することがある。
人生というものは得たジョブに引っ張られることが多い。
だから彼女も聖職者としての道を諦めて封術士として活動をしていたらしい。
「でも封術の才能はそれほどでもないんですよね……」
「謙遜することないだろ。昨日、飲みながら王都で三本の指に入るって言ってたじゃないか」
「あ、あれは……ちょっと盛りました」
ティアは頬を赤くして視線を逸らす。
「実際のところどうなんだ?」
「普通の封術なら一通りできます。でも魔石に魔術を封じるなんて高等技術はさすがに……」
そりゃそうだろうな。俺だって完成させるまでに何年もかかったんだ。
「まあ、封術士でありながら治癒魔術も使えるってのは凄いと思うぞ」
「ほ、本当ですか!?」
それが見習いを許した最大の理由だしな。
ティアは褒められたことに気をよくして飛び跳ねて喜んだ。
短い丈の修道服でそんなことをするもんだから、また下着が見えそうで思わず目を逸らした。俺は紳士なので。
ギルドに着くと、さっそく受付のミーナに声をかける。
「おはようございます。今日はどのような依頼をお探しですか?」
「この周辺で採取系の依頼はないか? できれば森の奥の方がいい」
ミーナは依頼書の束をめくりながら探してくれる。
「そうですね……月夜茸の採取依頼がありますが、場所がちょっと……」
「どのあたりだ?」
「例の森林豹が出た森の、さらに奥になります」
どうやら昨日報告した森林豹の件で、その周辺は危険地域として認定されたらしい。
他にもあんな魔物がいるとしたら危険だからな、英断だろう。
「その依頼、受けよう」
「え、でも危険では……」
「仮にも俺は元A級パーティの一員だぞ?」
「ですね!」
ミーナははにかむと、依頼書に印を押して手渡してくれた。
「ついでだし他に危険な魔物がいないかも調査してくるよ」
「それはギルドとしても助かります!」
なかなかギルドの人員を割けなくって、とミーナは困り顔をした。
俺が頷くと「無事に戻ってきてくださいね」と受付嬢専用スキル〝おまじない〟をかけてくれた。
もちろんそんなスキルはない。
ただ、出発のときミーナに微笑んでもらうとほんの少しだけ運が良くなる気がするような感覚があったりなかったりすると冒険者の間でひそかに噂になっているだけだ。
「それでは、行ってらっしゃい」
そんなことは知らず微笑むミーナに見送られて、俺たちはギルドを後にした。
0
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる