あなた達を異世界の勇者として召喚してあげますよ?

しまうま弁当

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一章

中間報告

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6月26日午後3時を過ぎたところである。

ここは明井田市内にある須木良(すきよし)公民館である。

須木良(すきよし)公民館には明井田火災対策本部が設置されていたが、明井田市の市役所機能も須木良(すきよし)公民館に移転させていたのだった。

その須木良公民館の会議室で明井田市の市長が記者達を集めて現場検証の中間報告を発表を始めていた。

市長が言った。

「まず未曽有(みぞう)の大火災となり多くの人命が失われました。心よりご冥福申しあげます。また今回の大火災によって負傷させた方々が1日も早く全快できるように全力を尽くしていくつもりでございます。」

市長が言った。

「それでは明井田大規模火災の現場検証の中間報告をはじめさせて頂きます。まずこの度の6月11日から12日にかけて明井田市中心部で発生しました大火災の名称ですが明井田(あけいだ)大規模火災(だいきぼかさい)とさせて頂きます。この度の明井田(あけいだ)大規模火災(だいきぼかさい)の発生時刻に関しては6月11日午後7時10分から20分の間であると推定されます。出火場所は周辺の燃え方などから明井田本通り2丁目1-1番地サンライズ明井田ビルディングの低層階からであると推測されます。」

すると中間報告の取材に来ている記者の一人が挙手をした。

それに気づいた市長がその記者に言った。

「はいどうぞ。」

その記者が市長に言った。

「なぜこれほどの大惨事になってしまったか原因を伺いたいのですが?天候の悪化で被害が拡大してしまったのではないですか?そうであればあの日火災警報の発令が必要だったのではありませんか?」

市長がその記者に言った。

「強風が吹き始めたのは12日の午後3時20分頃からです。火災が発生したと思われる11日の午後7時以降の風速は毎秒2メートル前後で安定しており12日の午後3時20分になるまで強い風は吹いておりません。さらに11日の午後7時以降の実行湿度(じっこうしつど)も平均値が90%を越えていました。通常の火災警報を出す基準が平均風速平均風速は10メートル以上です。そして実行湿度の基準は60%以下です。消防隊が到着した11日の午後10時20分の時点で、すでに広範囲に火災が広がっていました。にも関わらず平均風速も実行湿度もどちらも火災警報を発令する基準に達していませんでした。天候が原因であるとは考えにくいでしょう。」

その記者が市長に言った。

「では町の構造に問題があったのですか??」

市長がその記者に言った。

「その可能性もほぼないと考えられます。明井田本通り周辺は防災計画をしっかりと練られた上で開発されています。明井田中心部の区画は火が燃え移らないように道路の幅が大変広く取られています。延焼対策として明井田本通り周辺は各道路の幅が50メートル以上道路幅を設けられております。他の災害との複合発生であればまだ理解できるのですが、火災の単独発生でここまでの被害がでるのははなはだ疑問を感じております。」

その記者が市長に言った。

「そうなるとあまり考えたくはありませんがこれは人為的に引き起こされた物なのではありませんか?悪意を持った誰かがサンライズ明井田ビルディングに放火をしたのではありませんか?」

市長がその記者に言った。

「それについても疑問を感じざるおえません。明井田市本通りの周辺は防火地域に指定されており、耐火建築物(たいかけんちくぶつ)しか建てる事はできません。当然サンライズ明井田ビルディングもこの基準を満たしております。さらにサンライズ明井田ビルディングの消火設備や防火設備は最新鋭の物が設置されておりました。人が集まる土曜日の夕方だった事もあり警備員もたくさん配置されていました。不測の事態に備えて何重もの防火対策や消火プランが準備されていたのです。仮に放火をされたとしてもあれだけの大惨事になるとは到底考えられません。」

その記者が市長に尋ねた。

「では出火原因は何だったのですか?」

市長がその記者に言った。

「申し訳ありませんがまだ調査中でございます。」

その記者が市長に言った。

「それは明井田大規模火災の出火原因はまだ判明していないという意味でいいのですか?」

市長がその記者に言った。

「さきほどお答えした通り出火原因につましては現在調査中でございます。原因調査に関して時間がかかっている事は申し訳ありません。現在火災発生時の明井田本通り周辺の安全カメラの映像の分析を進めております。この映像の分析が終われば真相究明に大きく近づく事ができると考えております。」

市長が言った。

「これで中間報告を終了とさせて頂きます。」

この市長の中間報告の様子はテレビや動画サイトでライブ配信されていた。

一方の晴南達も同じ時刻に封木神社の第一社務所の西の間で、ライブ配信の映像をテレビに写し出してみんなで見ていたのだった。

中間報告のライブ中継を見終わった所だった。

二実がリモコンでテレビを消してから言った。

「結局詳しい事は分からないままじゃない。」

三緒が二実に言った。

「現場検証で詳しい原因が分かるかもって少し期待してたのにね。」

優斗が三緒に言った。

「最終報告を待つしかなさそうですね。」

三緒が優斗に言った。

「そうだね、映像の分析が終われば真相究明できるって市長さん言ってたからね。」

優斗が三緒に言った。

「でもいくつか分かった事もありますね。出火場所がサンライズ明井田って事と、出火時間が6月11日の午後7時20分から30分って事が。消防への第一通報が午後7時42分だったはずですから、僕も出火時間はそのくらいだと思います。」

すると二実が大声で言った。

「あーもう!!歯がゆいわね!!たったこれだけのしか分からないなんて!!あの日何があったのか気になって仕方ないってゆうのに!!」

晃太が二実に尋ねた。

「二実さんどうかしたんですか?」

三緒が二実に言った。

「二実、イライラしてるでしょ?少し落ち着かなきゃ?みんなが怖がるでしょ??」

二実が我に帰って三緒に言った。

「えっ?ごめん?怒ってるように見えた?」

三緒が二実に言った。

「機嫌が悪いの丸分かりよ?」

二実が三緒に言った。

「そうだった?ごめん。ちょっと深呼吸するわね。」

二実は立ち上がると何度も深呼吸をした。そして冷静さを取り戻すと再び着席した。

麻衣子が二実に言った。

「どうかしたんですか?」

二実が麻衣子に言った。

「実は昨日ミキさん(敏子のお母さん)から連絡があったんだけど敏子のスマホが見つかったらしいの。明井田大規模火災の現場からね。」

麻衣子が驚いて言った。

「ええっ??」

二実が麻衣子に言った。

「里穂ちゃんの財布もサンライズ明井田の焼け跡から見つかったらしいの。久美子さんからさっき連絡があったわ。」

三緒がみんなに言った。

「それとね、明洋(あきひろ)君が明井田本通りに設置されてた安全カメラ映ってたらしいの。11日の午後5時過ぎにサンライズ明井田に向かって歩いていく様子が映ってたんだって。寿恵(すえ)さん(明洋の母親)が今日の朝に教えてくれたの。」

晃太が二実に尋ねた。

「それじゃあ明洋さん達は見つかったんですか?」

二実が晃太に言った。

「ううん誰も見つかってないわ。ただこれで明洋達が大火災の時にあそこにいた可能性が高くなっちゃったのよ。」

晴南が二実に言った。

「それで二実さんはイライラしてたのね。」

三緒が二実に言った。

「二実、もどかしい気持ちは分かるけどそれを表に出しちゃダメよ。」

二実が三緒に言った。

「うん分かってる。」

二実がみんなに言った。

「みんなごめんね。ちょっと余裕が無くなってたわ。みんなも柚羽ちゃんの事で大変だったのに。」

麻衣子が二実に言った。

「いえ。」

二実がみんなに尋ねた。

「そういえば満子(みつこ)さんはまだ見つかってないの?」

晃太が二実に言った。

「まだみたいです。誠二郎(せいじろう)さんと健太で心当たりをくまなく探してるらしんですがまだ見つけられてないようです。」

二実が晃太に言った。

「そっか。まあ満子さんの気持ちもわからなくはないけど、さすがにこのままはよくないわよね。」

晃太が二実に言った。

「それでもし満子さんが九木礼に来る事があったら連絡して欲しいって誠二郎さんが言ってました。」

二実が晃太に言った。

「そっか満子さんも九木礼の出身だもんね。こっちに戻ってくる可能性は確かにあるわね。」

二実が三緒に言った。

「それじゃあ三緒??もし九良平(くらひら)神社の方に満子さんが来たら教えてね。」

三緒が二実に言った。

「ええ、二実もここに来たら教えてよ?」

二実が三緒に言った。

「ここにはさすがに来ないでしょ?避難してくる人すらいなかったのに?」

三緒が二実に言った。

「もしかしたら来るかもしれないでしょ。」

二実が三緒に言った。

「もちろんいいけど?だけど留守の時に来られたらどうしようもないわよ?これからは留守にする事も多くなるから?」

三緒が二実に尋ねた。

「えっ??二実はしばらくここにいるって言ってたじゃない?」

二実が三緒に言った。

「ええ、もちろんそのつもりよ。ただ明日からやろうと思ってる事があるのよね。ここを留守にする事が多くなると思うわ。」

三緒が二実に尋ねた。

「大学にはしばらく休学するって伝えてあるんでしょう?一体どこに出かけるの?」

二実が三緒に言った。

「大学じゃなくて実家の方よ。」

三緒が二実に言った。

「九前坂(くぜんざか)神社の方か。もしかして誰か辞めたの?」

二実が三緒に言った。

「そうじゃなくて参拝者が押し寄せてるらしいのよ。まあ参拝者っていうか依頼者っていった方がいいのかもしれないけど。」

三緒が二実に言った。

「ああそっちか。」

二実が三緒に言った。

「うんそれでお父さんだけじゃ手が足りないのから私にも手伝ってくれってさっきお父さんから連絡がきたのよ。ここに籠ってても気が滅入るだけだから手伝おうって思ってるの。」

二実が三緒に言った。

「まあそういう訳だから明日から結構忙しくなりそうなのよね。」

晴南が二実に尋ねた。

「それじゃあ今までみたいにここに来ない方がいいですか?」

二実が晴南に言った。

「うーんそうね。できれば晴南ちゃん達にはこれからも気兼ねなく遊びに来て欲しいんだけど?とはいえ鍵を掛けない訳にもいかないし。」

二実が晴南に言った。

「そうだ晴南ちゃん?これを預かってくれる?」

二実はそういうとバッグから鍵の束を出して晴南にそれを渡した。

晴南が興味津々に二実に尋ねた。

「これは何の鍵ですか??」

二実が晴南に言った。

「封木神社の第一社務所と第二社務所の鍵よ。」

晴南が二実に言った。

「いいんですか?ありがとうございます。」

二実が晴南に言った。

「いつもここにいるって訳にはいかなくなりそうだからね。晴南ちゃんにも持っといて欲しいの。晴南ちゃんが合鍵を持っててくれればみんなもここに来やすいと思ってね。」

二実がみんなに言った。

「それじゃあみんな?三緒にも合鍵を渡してあるから私は留守の場合は三緒か晴南ちゃんに頼んでね。」

晴南が二実に言った。

「分かりました。」

晃太がみんなに言った。

「とはいえさすがに今までみたいに毎日封木神社には来るわけにはいかなくなるだろうな。」

拓也が晃太に言った。

「そうだな、最近はこの封木神社に入り浸ってたからな。二実さんが忙しくなるなら来る頻度は落とした方がいいだろうな?」

晴南が晃太に言った。

「えー??なんで??二実さんは来ていいって言ってくれてるじゃない??」

晃太が晴南に言った。

「だからって家主が留守してる家に毎日上がり込む訳にはいかないだろう?」

晴南が晃太に言った。

「うーん???分かったわ。それじゃあ今から新しい遊び場所を決めましょうか??」

麻衣子が晴南に言った。

「あっ晴南、その必要はないよ。」

晴南が麻衣子に尋ねた。

「えっ??それどういう事??麻衣子??」

麻衣子が晴南に言った。

「明日から学校が始まるから。」

晴南が麻衣子に聞き返した。

「ええっ???何ですって!!」

麻衣子が晴南に言った。

「午前中に中学校から連絡があってさ。もう避難してきてた人達も全員が明井田に帰還できたから明日から授業を再開するんだってさ。ちょうどいいから今ここでみんなに伝えておくね。」
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