あなた達を異世界の勇者として召喚してあげますよ?

しまうま弁当

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一章

ゴーストタウン

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少し時間が遡って6月28日の午後3時の九木礼警察署の会議室である。

会議室の中には大人数が座れるようにたくさんのテブールと椅子が並べれていた。

ここで明井田大規模火災合同捜査本部の捜査会議が行われていた。

そこにはたくさんの捜査員の姿があった。

明井田大規模火災発生直前の駅前周辺に設置された安全カメラの映像の検証が行われていた。

そして映像を見た捜査員達が凍りついていた。

すると捜査員の一人である笹岡(ささおか)刑事が言った。

「この映像はどういう事なんでしょうか?」

すると背広姿の中年の男が言った。

「何がどうなっているんだ?」

この男はこの明井田大規模火災捜査本部責任者である浜本(はまもと)警視正であった。

浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「安全カメラの映像を見れば、大火災の真相が分かると思っていたんだがこれは奇々怪々すぎるだろう。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「ここは当日の午後2時頃から安全カメラの映像を確認しながら順を疑問点を確認していってはどうでしょうか?何か糸口が見つかるかもしれません。」

浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「そうだなそうしてみるか。」

笹岡刑事が浜本警視正に尋ねた。

「どこの映像を流しますか?」

浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「明井田駅前交差点カメラの映像と駅前ロータリーの映像を頼む。」

すると近くに座っていた吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「あとサンライズ明井田ビルディングの中の映像と明井田駅構内の映像もあった方がいいのでは?」

浜本警視正が言った。

「そうだなその二つも頼む。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「分かりました。」

笹岡刑事が着席すると机の上に置かれたパソコンを操作した。

会議室の前方には映像を確認するために複数台の大画面のモニターが用意されていた。

「では始めます。」

笹岡刑事はそう言うと各映像を流し始めた。

そして全員に言った。

「では6月11日午後2時の映像です。」

捜査員達が用意された大画面のテレビの画面に流されている映像を注視して見ていた。

すると浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「サンライズ明井田ビルディングの店内はたくさんのお客でごった返しているな。」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「明井田交差点も明井田駅の構内もたくさんの人で混雑しています。」

浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「この時点では至って普通だな。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「そうですねここまでは普通の土曜日の光景ですね。」

浜本警視正が言った。

「問題はここからだ。」

笹岡警部は再び着席するとパソコンを操作した。

そしてモニターに映し出されている映像が早送りにされた。

「では映像を午後3時4分まで早送りします。」

笹岡警部がそう言うと各モニターに映像が映し出されていた。

浜本警視正が言った。

「午後3時5分になったと同時にサンライズ明井田ビルディングの中にいた全員が移動を始める。」

浜本警視正が言った。

「エスカレーターと非常階段に分かれて全員が整然と下の階に降りていっている。そしてそのままビルの外へ出た。そして駅の南側に向けて歩き始めるとそのまま全員が歩いていった。」

浜本警視正が言った。

「そして明井田ビルディングから人の姿が消えた。」

浜本警視正が吉崎警部補に言った。

「そちらも同じか?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「はい駅前交差点を渡っている者も歩道を歩いている者も午後3時5分になった途端に全員が南に向けて移動を始めました。更には自動車や大型車両まで南側に向けて移動を始めています。駅ロータリーにいた人達も午後3時5分になった途端に南に向かって移動を始めています。」

吉崎警部補が笹岡刑事に尋ねた。

「駅構内はどうです?」

笹岡刑事が吉崎警部補に言った。

「こっちもほぼ同じです。午後3時5分になった途端にホームにいた乗客達が一斉に移動を始めました。」

吉崎警部補が笹岡刑事に尋ねた。

「どこに行ったか分かるか?」

笹岡刑事が吉崎警部補に言った。

「南側改札口の方に消えていきましたから恐らくロータリーに向かったはずです。」

浜本警視正が言った。

「不可解すぎるな??」

吉崎警部補が言った。

「ええ意味不明ですよね。」

浜本警視正が言った。

「明井田駅の周辺から人の姿が消えてしまっている。道路には人の姿も車の姿もない。駅にも店の中にも人が一人もいない。まるでゴーストタウンだ。」

浜本警視正が言った。

「疑問点その1、なぜ明井田駅周辺にいた人達全員が一斉に移動を始めたのか?」

浜本警視正が言った。

「駅から南に向かっていた人達がそのまま南に向かっていくのは理解できるが、駅に向かって歩いている人達がなんで突然方向転換をして南に向かって歩き始めるんだ?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「全員が同じ時刻に方向転換したのがまずありえないですよね。」

浜本警視正が吉崎警部補に言った。

「そうだな、個人個人はそれぞれ自分で判断して行動をしている訳だから、全員が同じ行動をする訳がないんだ。」

浜本警視正が尋ねた。

「サンライズ明井田のテナントで働いていた人達もお客と一緒に移動しているのか?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「この後の映像には従業員らしき人の姿は映っていませんでしたから移動していると思われます。」

浜本警視正が笹岡刑事に尋ねた。

「この日のサンライズ明井田に入っているテナントの営業時間はどうなっている?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「この日一番早く閉まるのはコスメショップのテルリアで午後7時に閉店します。他のテナントは午後9時に閉店です。」

浜本警視正が笹岡刑事に聞き返した。

「それじゃあここの従業員達は店をほったらかして午後3時5分に一斉退社してるのか??」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「はいそうなります、おかしいですよね。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「明井田駅の電車の方はどうなっていた?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「はいそれが電車が来てないんです。」

浜本警視正が聞き返した。

「電車が来ていない?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「午後3時11分に札幌行きの特急電車が来るはずなのですが来ません。それどころかそれ以降に明井田駅に来るはずの電車が全て来ないんです。本来なら土曜日の午後ならば1時間に30本を超える電車の往来があるはずです。ですが3時3分の電車を最後に明井田駅には電車は来ませんでした。そして通過電車も一つもありませんでした。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「真っ昼間なのに駅には利用者が誰も来ない。電車も到着も通過もない。そんな事があり得るのか?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「まずありえません。明井田駅は主要駅の一つですし、1日の平均乗降客は3万人を超えています。毎日3万人を超える人に利用されている駅なら数時間に渡って誰も来ないなんてまずないでしょう。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「同じことがバスやタクシーにも起こっています。バスも午後3時5分以降の到着が一切ありません。本来であれば1時間に20本のバスが戻ってくるはずです。さらにはタクシーも一緒です。いつもならばロータリーでたくさん待っているはずなのに午後3時5分以降にはロータリーにタクシーの姿はありません。」

浜本警視正が言った。

「ありえないえなだろう。土曜日の昼下がりだろう。賑わう時間帯じゃないのか?」

浜本警視正が尋ねた。

「何か人がいなくなる理由はなかったのか?交通規制や電車の遅延なんかは?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「6月11日のこの時間帯には明井田駅周辺での交通規制及び鉄道の遅れなどは一切発生していません。」

浜本警視正が言った。

「他に人がいなくなりそうな理由となると火災報知器の誤作動や爆破予告があったなどが考えられるが。」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「そういう状況になったのなら真っ先に我々の所に通報があるはずです。ですがその時間帯に明井田駅周辺からの通報はありませんでした。つまりそういう事はなかったという事になります。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「テナントの従業員からの聞き込みはもう行っているのか?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「従業員の何人かに聞き込みを行いましたが、当日はちゃんと大火災が発生するまで勤務していたというのです。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「はあっ?一斉に帰ってるじゃないか?なぜ勤務していたなどと嘘をつくんだ?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「私はこの映像は先に見ていたので、その点を疑問に思いました。それでその点を問いただしたのですが、全員がちゃんと勤務したの一点張りでした。」

浜本警視正が吉崎警部補に言った。

「そうか、分かった。この疑問点はここまでにしておこう。」
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