あなた達を異世界の勇者として召喚してあげますよ?

しまうま弁当

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一章

集団行動

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九木礼警察署の会議室では引き続き明井田大規模火災についてのカメラ映像の検証作業が続いていた。

モニターの映像を早送りにしながら笹岡刑事が言った。

「それからおよそ3時間の間は明井田駅前には誰もいない状態が続きました。そして午後6時10分にその状況に変化が起こります。」

「午後6時10分に誰もいなくなった明井田駅前にやってきた者達がいます。」

浜本警視正が笹岡刑事に尋ねた。

「かなりたくさんの人数が移動してきているが誰なんだ?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「顔の確認作業を行いましたが大半は今回の大火災で行方不明になっている明井田中学や明井田高校の生徒達であると判明しております。」

吉崎警部補が言った。

「疑問点その2 突如駅前に集団でやってきた若者達」

浜本警視正が笹岡刑事に尋ねた。

「この子達はどこからやって来たんだ?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「明井田駅の西側から大挙して現れたようです。」

浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「うーむ、理由は分からんが続きを見てみるか。」

笹岡警部が映像を再生する。

吉崎警部補が言った。

「そしてやってきた子達は駅前のロータリー前に集まった。まるでこの後にやって来る物を待っているかのように。」

笹岡刑事が言った。

「そして午後6時20分に3台のタンクローリー車が駅前ロータリーにやってきて停車しました。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「異様な光景だな。駅前のロータリーにタンクローリー車なんて普通来ないぞ。しかもこのタンクロリーには危険物が満載されているんだからな。このタンクロリーの積載物は3台ともガソリンか?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「左側のタンクローリーの積載物はガソリンですが、中央と右側のタンクローリーの積載物は軽油のようです。タンクローリーの後ろの部分に軽油という表示があります。」

浜本警視正が吉崎警部補に言った。

「そっちの2台は軽油か。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「この子達は燃料満載したタンクロリー車を待っていたという事か?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「分かりません。」

笹岡刑事が言った。

「そして各タンクローリーの運転席から人が降りてきます。」

浜本警視正が笹岡刑事に尋ねた。

「このタンクローリーを運転しているのは誰だ?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「神奈川県在住の白焼明洋(しらやきあきひろ)という男です。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「そして左側のタンクローリーから降りてきた女が柿枝敏子(かきえだとしこ)という名前で、右側のタンクローリーから降りてきたのが村上里穂(むらかみりほ)という女です。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「そしてその白焼明洋(しらやきあきひろ)という男が午後6時25分からロータリーに集まっている子達に軽油の配給を始めます。」

吉崎警部補が言った。

「まるで給水車ですね。並んでる子達に水を配っているみたいです。」

浜本警視正が吉崎警部補に言った。

「だがこのタンクローリーの積載物は水ではなく軽油だ。」

浜本警視正が吉崎警部補に尋ねた。

「もしやこの子達はみんな軽油だと知らずに渡されているのではないか?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「それはないかと、この子達みんな大きな容器を抱えていますよね。これは燃料専用の携行缶です。中身がガソリンや軽油だと理解していなければこんなものを用意していないでしょう。」

浜本警視正が言った。

「ここまでで十分意味不明すぎるな。だがまだ終わりじゃないからな。続けてくれ。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「軽油を受け取った子達が明井田周辺に散らばっていった。」

浜本警視正が笹岡刑事に尋ねた。

「この子達は軽油を抱えてどこに行くんだ?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「各カメラの映像を連動させて確認しましたが、どうやらサンライズ明井田を含む周辺の商業施設に散っているようです。」

浜本警視正が言った。

「疑問点その3 若者達がなぜガソリンをばらまいたのか?」

笹岡刑事が言った。

「サンライズ明井田にやってきた若者達は各階ごとに10人前後分かれて散っていった。そしてその子達が一生懸命に抱えて持ってきた軽油を周囲にバラまき始めます。」

笹岡刑事が言った。

「その後、軽油をまき終わった子供達は再び下の階に降りていって駅前のロータリーに移動した。」

笹岡刑事が言った。

「駅前ロータリーでは白焼明洋(しらやきあきひろ)が今度はガソリンの配給を始めており、今度は空になった携行缶にガソリンを注いでいった。」

吉崎警部補が言った。

「そしてガソリンを携行缶に注いでもらった子達は再び駅周辺の商業施設の各階に散っていった。だがさきほどいた場所に到着後は直立不動のまま全く動かなくなる。」

浜本警視正が笹岡刑事に尋ねた。

「本当に映像を再生しているか?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「はい、確かに再生しています。時間カウントも進んでいます。」

吉崎警部補が笹岡刑事に言った。

「微動だにしない。画像停止を押したのかと勘違いしてしまいますね。」

浜本警視正が言った。

「この映像には10人が映っているが誰も微動だにしないぞ。どうなっている?」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「ですが午後7時15分になると突然子供達が一斉に動きだします。みんな携行缶を開けて周囲にガソリンをばらまき始めます。」

浜本警視正が笹岡刑事に言った。

「他の場所の子達はどうしてる?」

吉崎警部補が浜本警視正に言った。

「ホームにいる子達も午後7時15分になった途端にガソリンをばらまき始めました。」

笹岡刑事が浜本警視正に言った。

「交差点にいる子達も一緒です。7時15分になった途端に道路に携行缶のガソリンをばらまきはじめました。」

笹岡刑事が言った。

「そして午後7時16分にサンライズ明井田ビルディングの2階フロアにいた白焼明洋(しらやきあきひろ)という男がライターをつけてそれを床に落とした。それによって床にまかれているガソリンに引火した。撒かれていたガソリンによって一気に燃え広がった。そしてスプリンクラーが発動して大量の水が散布される。だが火は消えるどころか大爆発が起きてしまった。」

笹岡刑事が言った。

「これがおおよその顛末になります。」
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