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一章
九前坂神社
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二実達は車で同じ明井田市内にある九前坂(くぜんざか)神社へと向かっていた。
だがその道中にも玄関前やベランダで首吊りを吊るたくさんの人達を目撃する事になった。
二実達は車の中からその様子を見ていた。
すると車内にいる優斗が言った。
「ここもおかしいですね。」
三緒が優斗に言った。
「そうね。これだけたくさん首吊ってる人がいるのにまったく騒動になっていない。」
二実がみんなに尋ねた。
「ここに来るまでに首吊ってた人は何人くらいいたか分かるかな??」
晃太が二実に言った。
「二実さんのマンションで首吊りしてた人たちを含めて俺の数え間違いがなければ732人が首を吊っているのを見てます。」
三緒が訝しげに言った。
「どうなってるの??明井田中で首吊り自殺が起こってるの?」
優斗が三緒に言った。
「そうみたいですね。」
晃太が優斗に言った。
「訳が分からないな全く。」
すると車がスピードが落ちて停車した。
そして二実がみんなに言った。
「着いたわここよ。」
二実が車を九前坂神社の駐車場に止めたのだった。
九前坂神社は比較的新しい神社で規模も大きく駐車場だけで100台近く停める事ができた。
社殿や拝殿なども大きくて立派な造りをしていた。
境内もかなり広かった。
駐車場から本殿や社務所までは少し離れており、境内の中を少し歩かなければならなかった。
すると二実はある事に気がついた。
「あれっ??どうしたんだろう??境内にだれもいないなんて??」
二実は誰もいない事に不安を感じて九前坂神社の境内を大急ぎで走っていった。
晴南達も慌ててそれに続いた。
二実は奥にある九前坂神社の社務所へと急いだ。
いつもなら広い境内の中にはたくさんの参拝客がいるのだが、今日に限って誰もいなかったのだ。
二実は九前坂神社の社務所前まで到着すると入り口の引き戸を勢いよく開けた。
二実が社務所の中に入ると大きな声で叫んだ。
「みんな??どこにいるの??出てきてよ??」
すると社務所の奥から男性の声が響いてきた。
「二実か??」
少しして中年の和服姿の男性が奥から姿を現した。
二実は安堵した様子で出てきた男性に言った。
「お父さん、良かった。誰もいないから心配しちゃった。」
この男性は九前坂(くぜんざか)二彦(つぎひこ)という名前で二実の父であり、この九前坂神社の神主を務めていた。
二彦(つぎひこ)が二実に言った。
「それが明井田中で不可解な集団での首吊りが起こっていてな。みんなも怖がっていたから今日はもう早めに神社を閉めて帰ってもらったんだ。」
二実が二彦(つぎひこ)に言った。
「そうだったの。」
二実が二彦(つぎひこ)に尋ねた。
「ねえお父さん??一体何が起こってるの??」
二彦が二実に言った。
「それが俺もさっぱり分からないんだ。」
二彦(つぎひこ)が言った。
「二実??ここで話すのもなんだ。上に上がりなさい。みなさんもどうぞ。」
晴南達は社務所の中に上がっていった。
社務所の内装は床や壁は木でできており、照明によって社務所の中はかなり明るい雰囲気になっていた。
そして晴南達は100畳以上の広さがある大広間へと通された。
その大広間の床に晴南達は腰を下ろした。
二彦がみんなに言った。
「今日も昨日と大して変わらない1日になると思っていたんだが、正午頃からピッタと参拝客が来なくなったんだ。いつもなら昼時は混み合うから珍しいなとは思っていたんだが、それでみんなに早めに休憩に行ってもらったんだ。そしたらみんなが慌てて帰ってきたというわけだ。」
二彦がみんなに言った。
「お昼休憩で外に行ってた子達が慌てて帰ってきたからどうしたのかって聞いたら、明井田中でたくさんの人たちが首吊りをして死んでいたそうなんだ。」
二彦がみんなに言った。
「そんなバカなと思ってこの神社の周辺を回ってみたら、本当にみんなが首を吊って死んでるじゃないか。本当に驚いてしまったよ。それでみんなが怖がってしまってな。俺も不気味に感じたし参拝者もいなかったから今日はもう早めに神社を閉めてさっきみんなを家に返した所だ。」
すると二彦が二実に尋ねた。
「ところで二実?彩乃(あやの)君を知らないか?午前中に早退で帰ってしまってそれ以降連絡が取れないんだ?」
二実は今日あった事を二彦に詳しく説明した。
「なるほどそんな事があったのか。それで彩乃(あやの)君は吉崎警部補に家まで送り届けてもらったんだな。」
二彦は納得した様子で二実に言った。
二実が二彦に言った。
「ええそうよ。」
二彦が二実に言った。
「しかし今日は妙な事が立て続けに起こっているんだな。」
二実が二彦に言った。
「しかも明井田中のあちこちでね。」
二実が二彦に言った。
「でもさすがに境内に参拝者の人が全くいないのはおかしくない?私が知る限りこの神社に参拝客がいないのは今日が初めてよ。」
二彦が二実に言った。
「俺も全く同じこと考えていたんだが理由が皆目見当がつかない。祭事があるのに参拝者がまったく来ないなんて生まれて初めてだ。祭事がない昨日や一昨日でさえあれだけたくさんの参拝者が来ていたのに今日誰も来ないのは明らかにおかしいからな。まさかこの辺りの人たちは全員首を吊って死んでしまったのではないかと思っていた所だ。」
二実が二彦に尋ねた。
「ねえお父さん?禍々しい気配とかはなかった??」
二彦が二実に言った。
「全く無かったな。気配だけで言えばとても平穏だった。」
今度は二彦が二実に尋ねた。
「二実は何か感じたか??」
二実が二彦に言った。
「ううん何も感じなかった。」
二実が二彦に言った。
「こんなにたくさんの人たちが首を吊って死んでるのに、禍々しい気配を全く感じないのは一体どういう事かな?」
二彦が二実に言った。
「本当だな、たくさんの人間が死んでいるというのに平穏そのものなんだ。町の中が騒ぎにもならうずに霊達も静かなものだ。何がどうなっているというんだ??」
二実が二彦に言った。
「今の明井田はおかしいわ。異様な状況が広がってる。」
二彦が二実に言った。
「そうだな、近所の人たちがみんな首吊り自殺をしてるんだからな。明らかに異常だろう。」
二彦が二実に尋ねた。
「それで二実はこの後どうするつもりだ?」
二実が二彦に言った。
「うーん、ここまで逃げてこれば大丈夫だと思ってたんだけど、この辺りまで集団首吊りが起こってるなんて思ってなかったわ。どうしようか迷ってる。」
二彦が二実に言った。
「明井田から脱出するべきだろうな。」
二実が二彦に尋ねた。
「確かにそうするべきなんだろうけど、どこに逃げろっていうの?」
二彦が二実に言った。
「まず九木礼に逃げた方がいい。」
すると勇雄が二彦に言った。
「そうですね、詳しい状況は依然分かりませんが、今は一刻もはやく明井田から出るべきでしょう。」
二実が二彦に言った。
「そうね、分かった。それじゃあ九木礼まですぐに逃げましょう。」
二彦が勇雄に言った。
「勇雄さん二実達をお願いします。」
二実が二彦に尋ねた。
「まさかお父さんは逃げないつもりなの?」
二彦が二実に言った。
「俺はこの神社の神主だ。フウキ様からお預かりしているこの神社を捨てていくなんてできる訳がないだろう。」
二実が二彦に言った。
「九木礼に逃げろって薦めたのはお父さんでしょ。だったらちゃんと九木礼まで一緒に逃げましょう。それにフウキ様だって自分のせいで死人を出たら嫌だと思うわ。」
二彦が二実に言った。
「そうだな、分かった。」
二実がみんなに言った。
「そうと決まればすぐにここを出ましょう。」
二実達は数台の車に分かれて九前坂神社を後にするのだった。
だがその道中にも玄関前やベランダで首吊りを吊るたくさんの人達を目撃する事になった。
二実達は車の中からその様子を見ていた。
すると車内にいる優斗が言った。
「ここもおかしいですね。」
三緒が優斗に言った。
「そうね。これだけたくさん首吊ってる人がいるのにまったく騒動になっていない。」
二実がみんなに尋ねた。
「ここに来るまでに首吊ってた人は何人くらいいたか分かるかな??」
晃太が二実に言った。
「二実さんのマンションで首吊りしてた人たちを含めて俺の数え間違いがなければ732人が首を吊っているのを見てます。」
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晃太が優斗に言った。
「訳が分からないな全く。」
すると車がスピードが落ちて停車した。
そして二実がみんなに言った。
「着いたわここよ。」
二実が車を九前坂神社の駐車場に止めたのだった。
九前坂神社は比較的新しい神社で規模も大きく駐車場だけで100台近く停める事ができた。
社殿や拝殿なども大きくて立派な造りをしていた。
境内もかなり広かった。
駐車場から本殿や社務所までは少し離れており、境内の中を少し歩かなければならなかった。
すると二実はある事に気がついた。
「あれっ??どうしたんだろう??境内にだれもいないなんて??」
二実は誰もいない事に不安を感じて九前坂神社の境内を大急ぎで走っていった。
晴南達も慌ててそれに続いた。
二実は奥にある九前坂神社の社務所へと急いだ。
いつもなら広い境内の中にはたくさんの参拝客がいるのだが、今日に限って誰もいなかったのだ。
二実は九前坂神社の社務所前まで到着すると入り口の引き戸を勢いよく開けた。
二実が社務所の中に入ると大きな声で叫んだ。
「みんな??どこにいるの??出てきてよ??」
すると社務所の奥から男性の声が響いてきた。
「二実か??」
少しして中年の和服姿の男性が奥から姿を現した。
二実は安堵した様子で出てきた男性に言った。
「お父さん、良かった。誰もいないから心配しちゃった。」
この男性は九前坂(くぜんざか)二彦(つぎひこ)という名前で二実の父であり、この九前坂神社の神主を務めていた。
二彦(つぎひこ)が二実に言った。
「それが明井田中で不可解な集団での首吊りが起こっていてな。みんなも怖がっていたから今日はもう早めに神社を閉めて帰ってもらったんだ。」
二実が二彦(つぎひこ)に言った。
「そうだったの。」
二実が二彦(つぎひこ)に尋ねた。
「ねえお父さん??一体何が起こってるの??」
二彦が二実に言った。
「それが俺もさっぱり分からないんだ。」
二彦(つぎひこ)が言った。
「二実??ここで話すのもなんだ。上に上がりなさい。みなさんもどうぞ。」
晴南達は社務所の中に上がっていった。
社務所の内装は床や壁は木でできており、照明によって社務所の中はかなり明るい雰囲気になっていた。
そして晴南達は100畳以上の広さがある大広間へと通された。
その大広間の床に晴南達は腰を下ろした。
二彦がみんなに言った。
「今日も昨日と大して変わらない1日になると思っていたんだが、正午頃からピッタと参拝客が来なくなったんだ。いつもなら昼時は混み合うから珍しいなとは思っていたんだが、それでみんなに早めに休憩に行ってもらったんだ。そしたらみんなが慌てて帰ってきたというわけだ。」
二彦がみんなに言った。
「お昼休憩で外に行ってた子達が慌てて帰ってきたからどうしたのかって聞いたら、明井田中でたくさんの人たちが首吊りをして死んでいたそうなんだ。」
二彦がみんなに言った。
「そんなバカなと思ってこの神社の周辺を回ってみたら、本当にみんなが首を吊って死んでるじゃないか。本当に驚いてしまったよ。それでみんなが怖がってしまってな。俺も不気味に感じたし参拝者もいなかったから今日はもう早めに神社を閉めてさっきみんなを家に返した所だ。」
すると二彦が二実に尋ねた。
「ところで二実?彩乃(あやの)君を知らないか?午前中に早退で帰ってしまってそれ以降連絡が取れないんだ?」
二実は今日あった事を二彦に詳しく説明した。
「なるほどそんな事があったのか。それで彩乃(あやの)君は吉崎警部補に家まで送り届けてもらったんだな。」
二彦は納得した様子で二実に言った。
二実が二彦に言った。
「ええそうよ。」
二彦が二実に言った。
「しかし今日は妙な事が立て続けに起こっているんだな。」
二実が二彦に言った。
「しかも明井田中のあちこちでね。」
二実が二彦に言った。
「でもさすがに境内に参拝者の人が全くいないのはおかしくない?私が知る限りこの神社に参拝客がいないのは今日が初めてよ。」
二彦が二実に言った。
「俺も全く同じこと考えていたんだが理由が皆目見当がつかない。祭事があるのに参拝者がまったく来ないなんて生まれて初めてだ。祭事がない昨日や一昨日でさえあれだけたくさんの参拝者が来ていたのに今日誰も来ないのは明らかにおかしいからな。まさかこの辺りの人たちは全員首を吊って死んでしまったのではないかと思っていた所だ。」
二実が二彦に尋ねた。
「ねえお父さん?禍々しい気配とかはなかった??」
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「全く無かったな。気配だけで言えばとても平穏だった。」
今度は二彦が二実に尋ねた。
「二実は何か感じたか??」
二実が二彦に言った。
「ううん何も感じなかった。」
二実が二彦に言った。
「こんなにたくさんの人たちが首を吊って死んでるのに、禍々しい気配を全く感じないのは一体どういう事かな?」
二彦が二実に言った。
「本当だな、たくさんの人間が死んでいるというのに平穏そのものなんだ。町の中が騒ぎにもならうずに霊達も静かなものだ。何がどうなっているというんだ??」
二実が二彦に言った。
「今の明井田はおかしいわ。異様な状況が広がってる。」
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「そうだな、近所の人たちがみんな首吊り自殺をしてるんだからな。明らかに異常だろう。」
二彦が二実に尋ねた。
「それで二実はこの後どうするつもりだ?」
二実が二彦に言った。
「うーん、ここまで逃げてこれば大丈夫だと思ってたんだけど、この辺りまで集団首吊りが起こってるなんて思ってなかったわ。どうしようか迷ってる。」
二彦が二実に言った。
「明井田から脱出するべきだろうな。」
二実が二彦に尋ねた。
「確かにそうするべきなんだろうけど、どこに逃げろっていうの?」
二彦が二実に言った。
「まず九木礼に逃げた方がいい。」
すると勇雄が二彦に言った。
「そうですね、詳しい状況は依然分かりませんが、今は一刻もはやく明井田から出るべきでしょう。」
二実が二彦に言った。
「そうね、分かった。それじゃあ九木礼まですぐに逃げましょう。」
二彦が勇雄に言った。
「勇雄さん二実達をお願いします。」
二実が二彦に尋ねた。
「まさかお父さんは逃げないつもりなの?」
二彦が二実に言った。
「俺はこの神社の神主だ。フウキ様からお預かりしているこの神社を捨てていくなんてできる訳がないだろう。」
二実が二彦に言った。
「九木礼に逃げろって薦めたのはお父さんでしょ。だったらちゃんと九木礼まで一緒に逃げましょう。それにフウキ様だって自分のせいで死人を出たら嫌だと思うわ。」
二彦が二実に言った。
「そうだな、分かった。」
二実がみんなに言った。
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