あなた達を異世界の勇者として召喚してあげますよ?

しまうま弁当

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一章

異世界転生阻止

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ここは異世界ドルイアである。

時間がかなり戻って魔王軍の四魔将のリグロが迷宮都市セルバで迷宮内の魔物を外に出そうとしていた。

部下の魔物が念話でリグロに言った。

「リグロ様、それでは地下迷宮より魔物達の解放を始めます。」

リグロが念話で部下に言った。

「うむ頼んだ。」

そしてリグロは前にいる冒険者達の様子を見た。

「さて目的は達成しつつあるが、この後はどうしたものかな?もう少し冒険者達を引き付けておいた方がいいか。」

するとリグロが何かの異変を察知した。

リグロは上空を見上げた。

「うん??空に雲が集まっていく。」

空を見上げると快晴の青空にどこからともなく大量の雲が発生してそれが大きな黒い雲を形成していった。

そしてその黒い雲はすごい速さで大きくなっていった。

リグロが驚いた様子で言った。

「まさか冒険者が残っている状況で天地神雷(てんちじんらい)を使うつもりか??」

リグロが念話で部下に指示を出した。

「作戦中止だ!!!セルティアが神器(じんき)を使おうとしている。すぐに迷宮都市セルバから退避しろ!!!作戦中止!!直ちにセルバから離れろ!!!」

リグロは部下の魔物達に退避命令を出した。

神器(じんき)とは神々が所有する強力な力を発揮する道具の事である。

天地雷光(てんちじんらい)は広大な地域に雷を落とし攻撃することができる強力な兵器であった。

だが命令を出すのが少し遅かった。

女神セルティアはすでに天地神雷(てんちじんらい)を発動しようとしていた。

ダギルス天廊の中央広場で女神セルティアが天写鏡(てんしゃきょう)(神が下界を見る道具)を使いセルバの上空からの映像を見ながら神器(じんき)の一つである天地神雷(てんちじんらい)を発動した。

「今流界より生まれし大いなる御力よ!!その神々しき御光によりてあまたの閃光を走らせたまえ!!今この地においてその力を解放せん!!天地雷光(てんちじんらい)!!」

するとセルティアの手元に浮かんでいた水晶玉のようなものが光を発しながら消えた。

セルバの上空では巨大な雷雲ができあがっておりすぐに凄まじい数の稲妻が地上に降り注いだ。

その稲妻は迷宮都市セルバにいた者その周囲にいた者全てに降り注いだ。

魔物達はもちろん、冒険者達にもこの稲妻の雨が降り注いだ。

天地雷光によってセルバ周辺にいた者達の多くが倒された。

「さてと出入口は塞いでおいた方がいいでしょうね。」

「灼熱の業火よ、この地に集いてその猛々しき炎で轟音を轟かせ!!エクスプロージョン!!」

この魔法は爆発魔法であった。

地下迷宮への入口部分にこの爆発魔法を発動させた。

凄まじい爆発が起こり轟音と共に、地下迷宮への入口は土で埋まってしまった。

リグロは実体を消して闇へと溶け込む事でこの天地神雷を何とか回避していた。

だが魔王軍の被害は大きく退却するしか選択肢は残されていなかった。

リグロに率いられていた魔王軍は地下迷宮の魔物達との合流を諦めて退却していった。

「これでもう出てこられないでしょう。まったく私自ら魔法や神器を使わなければならなくなるとは。冒険者共め余計な手間を!!」

するとセルティアは天写鏡でブル司教とセルバの町長に話しかけた。

「どうです??魔王軍は退却しておりますか。」

セルティアの問いかけにブル司教が天写鏡越しに言った。

「はっ、現在リグロに率いられた魔王軍は大きな犠牲を出して迷宮都市セルバから退却しております。」

セルティアがブル司教に尋ねた。

「リグロは倒せましたか?」

ブル司教がセルティアに言った。

「いえ魔王軍は統率のとれた退却をしておりますので恐らくリグロはまだ健在かと。」

セルティアがブル司教に言った。

「そうですか、できれば一緒に倒しておきたかったですが。」

ブル司教がセルティアに尋ねた。

「魔王軍はどう動きますでしょうか?」

セルティアがブル司教に言った。

「魔王軍にも打撃を与えましたからすぐには動けないでしょう。その間にトゥナス騎士団を鍛えて上げなさい。それと貿易都市クリートの防衛力の強化を進めなさい。時間が稼げるとはいえゼルバが落ちたとなれば魔王軍はいずれゼルバの先にある貿易都市クリートを狙うはずです。」

ブル司教がセルティアに言った。

「承知致しました。」

するとセルバの町の町長がセルティアに天写鏡越しに尋ねてきた。

「セルティア様、本当に宜しかったのですか?」

セルティアが町長に尋ねた。

「何がです?」

町長がセルティアに言った。

「天地神雷(てんちじんらい)の事でございます。」

セルティアが町長に言った。

「ええ神器の使用は極力避けたかったんですが、そうも言ってられませんでしたからね。」

町長がセルティアに言った。

「あいえ??そうではなく冒険者達の事でございます。巻き込まれたのではありませんか?」

セルティアが町長に言った。

「冒険者達??ああ全員殺しておきましたよ??」

町長がセルティアに尋ねた。

「殺しておいたというのはどういう事でしょうか??」

セルティアが町長に言った。

「天地神雷(てんちじんらい)を冒険者達のいる場所に集中的に食らわせときましたからね。間違いなく全員死んでますよ。」

町長がセルティアに尋ねた。

「非常時であったとはいえ冒険者達にこのような事をして良かったのですか?」

するとブル司教が町長に言った。

「別に問題はあるまい。冒険者達がちゃんと戦ってセルバの防衛ができていれば言う事もなかったが。」

セルティアがブル司教に言った。

「ええ冒険者達にはがっかりしました。もっと仕事をしてくれると思ってたんですが。おかげで私が立てた計画が全てパアです。」

町長がセルティアに尋ねた。

「計画というのは??」

セルティアが町長に言った。

「まず冒険者達に大金を支払って魔王軍と戦わせます。冒険者達が魔王軍をせん滅した後で冒険者達を宴に招待します。そして隙をみて冒険者達を全員始末してお金を回収するという計画です。これで実質的に冒険者達をタダ働きさせるナイスな計画だったのですが、冒険者共が敗北したせいで計画が全てパアです。」

町長がセルティアに尋ねた。

「セルティア様??まさか最初からそのつもりだったのですか?」

セルティアが町長に言った。

「当然でしょう?冒険者共は私への信仰心を全く持っていませんでした。私を軽んじる不信者共だったのですよ。あんな連中に大金を払う訳ないでしょう。」

町長がセルティアに尋ねた。

「では冒険者達が帰ってこなかったのは?四魔将リグロにやられたのでないのですか?」

するとブル司教が町長に言った。

「これ町長、セルティア様の御心を知りたいと思うのは信徒として理解はできるが、あまりセルティア様の御手を煩わせるでない。」

セルティアがブル司教に言った。

「ブル司教、別に構いませんよ。」

セルティアが町長に言った。

「あれはですね。まず冒険者達の数人の心を操作しました。」

町長がセルティアに尋ねた。

「人を心を操作??そんな事ができるのですか??」

セルティアが町長に言った。

「魔物を一時的に操る魔法コモンがあるでしょう。あれを応用すれば人を操る事もできるのですよ。」

ブル司教がセルティアに言った。

「おお!!そのような魔法を開発しておられたとは、さすがセルティア様でございます。」

セルティアが町長に言った。

「それで冒険者達が魔物を倒した頃合いを見計らって私がコモンの魔法で冒険者達に殺し合いをさせたんです。あの数の冒険者共を一気に始末するとなると大変ですからね。後の負担を減らしておこうという訳ですよ。」

ブル司教がセルティアに言った。

「おおっ!!そこまで深い御心があったとは!!このブル感服致しました!!」

セルティアがブル司教に言った。

「ブル司教、後で冒険者達の亡骸からお金を回収しておいてください。」

ブル司教がセルティアに言った。

「了解致しました。」

ブル司教がセルティアに言った。

「セルティア様。冒険者達が生き返ってこないようセルバ周辺に蘇生無効の祝福を出した方が良いと思われますが?」

セルティアがブル司教に言った。

「そうですね、心が汚れきった冒険者共の事です。あろうことかこの私に逆恨みしてくるかもしれませんね。あんな連中は蘇生させずに消滅させるべきです。すぐに蘇生無効の祝福を出しておきましょう。」

するとセルティアが大声を上げた。

「ローザ!!ローザ!!命令があります!!!すぐにここに来なさい???」

少しして女神のローザが慌てた様子で広場にやって来た。

そしてローザがセルティアに尋ねた。

「お呼びですか??セルティア様??」

セルティアがローザに指示を出した。

「大託宣(だいたくせん)の内容を地球の象達(しょうたち)に伝えなさい。この大託宣(だいたくせん)に基づいて駆除を行うようにと。」

ローザがセルティアに言った。

「分かりました。」

魔王軍は退却していった。

一方こちらは魔王城である。

リグロは魔王軍の拠点まで部下達と共に後退した。

そしてリグロは魔王城へと向かったのだった。

魔王ゼルゴンに報告をするためであった。

魔王城の玉座の前でリグロが報告を行っていた。

「以上が戦況報告となります。ゼルゴン様からお預かりした者達を多数失ってしまいました。面目次第もございません。」

魔王ゼルゴンが低い声でリグロに言った。

「リグロお前を指揮官の任より外す、代わりにレギオを新たな指揮官とする。良いな?」

リグロが申し訳なさそうな様子でゼルゴンに言った。

「はっ!当然の判断でございましょう。」

魔王ゼルゴンはとてもおおきな姿をしており、その姿の大半がマントに覆われていた。

その顔はいかにも魔王という風体で2本の角を生やしており青色の顔であった。

すると魔王ゼルゴンの御前に紫色の大きなミノタウロスが姿を現した。

この魔物はリグロと同じ四魔将のレギオであった。

四魔将のレギオが魔王ゼルゴンに言った。

「魔王様、リグロの失敗は我が魔王軍において大きな損失でございます。ですがリグロは才ある魔物でございます。リグロのような魔物はそうそうおりません。どうかリグロにもう一度チャンスを与えて頂く事はできぬでしょうか?」

魔王ゼルゴンが四魔将のレギオに言った。

「勘違いするなレギオ、リグロに他に任せたい任務ができた故の事だ。余のリグロへの信頼は全く揺らいでおらん。」

レギオがゼルゴンに言った。

「魔王様、申し訳ございません。無用な心配でございました。」

リグロが魔王ゼルゴンに尋ねた。

「ゼルゴン様、他に任せたい任務というのは何でございましょうか?」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「リグロそなたに地球にいってもらいたいのだ。」

リグロが魔王ゼルゴンに尋ねた。

「地球??確か勇者達の故郷の世界でしたか?そんな所に何の目的で?」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「それがな大託宣(だいたくせん)がおりたようなのだ。」

リグロが魔王ゼルゴンに聞き返した。

「なんと!!大託宣(だいたくせん)がおりたのですか??どのような内容だったのですか?」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「地球より勇者がやってきてこのドルイアを救うというものだ。」

すると魔王城の大広間は騒然となった。

魔物達が口々に叫んだ。

「何という事だ。せっかく戦況を有利に展開できているのに。ここで勇者だと??」

「勇者がきたら簡単にひっくり返されてしまうぞ。」

すると魔王ゼルゴンが大きな声で言った。

「皆落ち着くのだ。それを阻止する為にリグロに地球に行ってもらいたいという話だ。」

リグロが魔王ゼルゴンに尋ねた。

「ゼルゴン様、地球に行く目的は何なのですか?」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「そちには地球に行って勇者殿を守ってもらいたいのだ。」

リグロが魔王ゼルゴンに言った。

「ゼルゴン様申し訳ございません。ゼルゴン様の意図が分かりかねます。地球に行って勇者を守るというのはどういう事でございますか?」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「異世界転生というのはあちらの世界で勇者殿が命を落とす必要があるのだ。あちらの世界での生が終わり、こちらの世界で新しく勇者としての生を始めるという事になる。」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「勇者殿が異世界転生されれば我々の敗北は確定だ。」

リグロが魔王ゼルゴンに言った。

「何を仰います。」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「では勇者殿があちらの世界で生き続けたらどうなる?」

リグロが魔王ゼルゴンに言った。

「そうか、勇者殿があちらの世界で生き続ければ、このドルイアに勇者として異世界転生はしてこないという事ですね。我々が強大な勇者と戦う必要は無くなるという事ですね。」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「その通りだ。異世界転生が実行されれば我々の敗北だ。ならば異世界転生を阻止すればよいのだ。」

魔王城の大広間は魔物達の歓声で沸き返った。

「おお-!!」

「さすがはゼルゴン様。」

そして魔王ゼルゴンがリグロに尋ねた。

「どうだリグロやってくれるか?」

リグロま魔王ゼルゴンに言った。

「はっ、ゼルゴン様もちろんでございます!!必ずや勇者殿をセルティアの手よりお守りしてみせます!!」

魔王ゼルゴンがリグロに言った。

「頼むぞ、リグロ!!」
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