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一章
地球支配
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二実が驚いてリグロに尋ねた。
「地球にいる人々全ての心の操作って?それじゃあセルティアは地球の全てを支配してるって事ですか?」
リグロが二実に言った。
「そう考えて問題ないだろう。現状天の導きの束縛を受けていない場所はこの九木礼だけだ。この地以外の場所は全て象(しょう)の制御下にある。この世界の人々はドルイアの人々と比べて神通力に対しての感性がとても強いようだ。ただでさえ強力な神器をセルティアがこちらの世界に持ち込んだために絶大な効果を発揮してしまった訳だ。」
晃太がリグロに尋ねた。
「それじゃああの時俺達はベルガでみんなが首吊りを無視するって騒いでいたけれど、実際は逆だった事ですか。明井田の人達がおかしくなったのではなく、僕たちが首吊りに気づけるようになってしまったって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「そういう事だ。」
晃太がリグロに尋ねた。
「という事は俺達にかかっていた天の導きによる洗脳を黒輪さんやリグロさんが解除してくれたって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「ああ、フウキ殿にも協力してもらって九木礼にいる人々は天の導きによる束縛を解除してある。」
二実がリグロに尋ねた。
「フウキ殿ってフウキ様の事ですか??」
リグロが二実に言った。
「そうだった。すまいない、フウキ殿を紹介せねばならないな。」
リグロが大きな声で言った。
「フウキ殿!!紹介が遅くなり申し訳ない。」
すると周囲に優しそうな女性の声が響いてきた。
「いえ別に構いませんよ。今はみなさんに状況をお知らせする方が大事でしょう。」
再び優しそうな女性の声が響いた。
「二実さん、三緒さん。大変な思いをさせてしまってすいませんでした。」
二実が大きな声で尋ねた。
「フウキ様なんですか?」
優しい女性の声が響いた。
「はい、そうです。町の皆さんからはそう呼んで頂いております。二実さんお告げという形でしか情報をお知らせする事ができずにすいませんでした。みなさんにも気苦労ばかりおかけして申し訳ありません。」
二実が大きな声で言った。
「いえとんでもありません。フウキ様とお話できるなんて夢にも思いませんでした。」
二実がフウキに尋ねた。
「あのうフウキ様??彼らの言っている事は事実なのですか?」
三緒が二実に言った。
「二実??リグロさん達の前でそれを聞くの??」
二実が三緒に言った。
「ごめん、私はフウキ様に仕えてる身だからね。オバケの言う事を全部はい分かりましたって言って納得する事はできないから。」
優しい女性の声が響いた。
「はい私の知る限りにおいてになりますが全て事実です。」
二実がフウキに尋ねた。
「そうですか。それじゃあ魔王ゼルゴンというのは信用できる方なんですか?」
フウキが二実に言った。
「はい魔王ゼルゴン様は信用できる方であると考えております。正直な所ゼルゴン様を頼るのは大きな掛けではありました。女神セルティアよりも危険な存在である可能性があったからです。ですが今は頼って正解であったと感じています。ゼルゴン様は女神セルティアよりも話が分かる方でした。」
二実がフウキに言った。
「分かりました。フウキ様お教え頂きありがとうございます。」
晴南が尋ねた。
「フウキ様も私たちを助けようとしてくれたんですか?」
リグロが晴南に言った。
「ああ君たちの救出はフウキ殿の協力なしでは不可能だっただろう。明井田大規模火災から君たちを守る事ができたのも、封木神社で天の導きの束縛を解除できたのもフウキ殿の全面協力があったからこそ可能だった。」
優斗がリグロに尋ねた。
「そういえば封木神社での怪奇現象はどういう事なんですか?」
リグロが優斗に言った。
「あの時は驚かせてすまなかった、なにせあの時は時間もなかったからな。私もこの世界にやってくるのと黒輪殿の封印を解除するのに霊力を使い果たしてしまってな動くに動けなかったのだ。神社の敷地内を真っ暗にしてもらい、敷地と外の空間を一時的に隔離してもらった。私が黒輪(こくりん)殿に頼んでしてもらった事だ。君たちの天の導きによる束縛を一刻もはやく解除したかったからな。」
優斗が尋ねた。
「黒輪さんの封印を解除したのはリグロさんだったんですか?」
すると黒輪が優斗に言った。
「ああその通りだ。リグロ殿には大変世話になった。わしの封印を解いてくれた上にフウキ殿との和議の仲立ちもしてもらったからな。リグロ殿に協力させてもらった。」
晃太がフウキに尋ねた。
「それじゃあフウキ様?あの時のみんなが消えたのはなんだったんですか?」
フウキが晃太に言った。
「天の導きの効果によるものです。もっとも効果と言っても反効果(はんこうか)の方ですが。」
晃太がフウキに聞き返した。
「反効果(はんこうか)というのは??」
フウキが晃太に言った。
「反効果(はんこうか)というのは本来の効果とは別の効果が出てしまう事です。」
晃太がフウキに尋ねた。
「つまり薬の副作用みたいなものですか?」
フウキが晃太に言った。
「はい、それに近いです。天の導きの反効果には死ぬ時間が近づくとその人が見えなくなったり、集団催眠を起こしたりする事が多く起こります。」
すると優斗がリグロに尋ねた。
「それはまさにあの時に起こった事ですね。それじゃあ天の導きによる束縛ってどうやって解除するんですか?」
リグロが優斗に言った。
「天の導きに限らず神通力の効果は霊力をぶつけることで効果を大きく減退させる事ができる。つまり我々が霊力をまき散らせば神器の効果を消滅させられるわけだ。」
晃太がリグロに尋ねた。
「その現象が天の導きの副効果だとすると、みんなあの時に死にかかっていたって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「うむ、おそらくあのままだと副効果から見て巫女殿以外は全員が死んでいたはずだ。」
晃太がリグロに言った。
「それを阻止する為に封木神社に現れたって事なんですね。」
リグロが晃太に言った。
「ああ天の導きの反効果というのは逆に言えば死が迫っているというシグナルでもあるのだ。フウキ殿が干渉して君たちが明井田に行かないようにしてくれていたが、それでも天の導きの束縛は消えていなかった。だから大急ぎで束縛を消す必要があったのだ。」
晃太がリグロに言った。
「つまり実際はあの時みんな神社の中にいたけど、その天の導きの反効果(はんこうか)によってみんなを認識できなくなっていたって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「うむその通りだ。」
晃太がリグロに言った。
「それじゃあ晴南はすぐ横にいたのに、俺が晴南が消えたって勝手に誤認してたわけか。」
優斗がフウキに尋ねた。
「フウキ様??先ほど話されていた天の導きが10年前から発動されていたっていうのはどういう事なんですか?」
フウキが優斗に言った。
「セルティアは10年前に地球に再びやってきて地球を制圧したのです。それ以降ずっと天の導きによって人々の心と記憶をいじくられ続けています。今回の明井田のように。」
優斗がフウキに尋ねた。
「それじゃあ僕たちもずっと天の導きによって行動を操られてたってことですか?」
フウキが優斗に言った。
「そうです。あなた方も含めてセルティアは地球の人々全てを天の導きによって操っていたのです。」
優斗がフウキに尋ねた。
「でも女神セルティアは異世界ドルイアを司る女神なんですよね?地球の神様じゃないのになんで地球を支配しているんですか?」
フウキが優斗に言った。
「セルティアは110年前に地球に現れました。ですがその時は現れただけですぐに帰っていきました。その時は異世界という存在があるという事を地球の神々が知っただけで終わりました。」
優斗がフウキに尋ねた。
「その時は地球の支配をしなかったんですか?」
フウキが優斗に言った。
「はい、ただこの時はセルティアが異世界に帰った理由は分かりませんでした。」
フウキが優斗に言った。
「ですが10年前に再びセルティアが地球に現れました。」
フウキが優斗に言った。
「地球の神々はまたセルティアはすぐに異世界に帰ると思いこんでいました。ですが10年前の時は違いました。セルティアは地球に長く滞在したのです。地球の神々はセルティアが地球の事を気にいってくれたのだと勝手に思い込んでいました。それが大きな間違いでした。この時セルティアをもっと警戒していれば今の状況にはならなかったかもしれません。」
フウキが優斗に言った。
「それからしばらくしてからでした。世界中の各都市で集団での不審死が続出するようになりました。原因の分からない怪死が世界中で起こったんです。」
優斗がフウキに尋ねた。
「それって??明井田で起こってる集団自殺みたいにですか。」
フウキが優斗に言った。
「はい、今明井田で起こっている事が世界中で多発したんです。」
フウキが優斗に言った。
「ですが我々は最初セルティアを疑いませんでした。セルティアは善良な女神だと勘違いしていたのです。我々は闇の勢力であるお化け達が暗躍したせいで集団での怪死が起こったのだと考えたのです。ですが全くの見当違いでした。全てはセルティアが引き起こしていたのです。」
優斗がフウキに尋ねた。
「セルティアは一体何をしていたんですか??」
フウキが優斗に言った。
「地球の人々を死の運命を確定させて殺しその魂を奪っていたんです。そしてその魂を異世界ドルイアに送っていたのです。今になって考えればセルティアは初めて地球にやって来た時に地球を異世界ドルイアより大きく劣った世界とみなしていたのでしょう。ですので支配する価値もない世界だと判断して異世界に帰ったのだと思います。異世界のドルイアでは魔法という技術が発達しているようなのですが、残念ながら地球ではその魔法というものが使えないからです。象(しょう)はよく地球の人々を魔法も使えない無価値な連中だと言っています。」
フウキが優斗に言った。
「セルティアが怪死を引き起こしている元凶だとようやく気づいた我々はセルティアに問いただしました。ですがセルティアは悪びれる事もなくあろうことか地球の神々を攻撃してきたのです。」
フウキが優斗に言った。
「セルティアの力は圧倒的でした。たくさんの神々がセルティアによって消滅させれていきました。地球の神々とセルティアとの戦いはあっという間に決着がつき残った地球の神々はセルティアに屈するしかありませんでした。」
すると黒輪が優斗に言った。
「地球の神々を屈服させたセルティアは今度は我々闇の勢力を攻撃した。セルティアの力はすさまじく顕現していたオバケの多くが消滅させられた。残っているのはわしのように封印されていたオバケや山奥でひっそりと存在していた幽霊達だけだ。」
フウキが優斗に言った。
「そして闇の勢力への攻撃を終えるとセルティアは地球の神々にこう命令しました。地球の人々をセルティアが殺したい数だけ殺させろというものでした。そしてセルティアは地球の支配を始めたのです。そして天の導きを使い人々を操作し、現在は象(しょう)に地球を管理させています。」
フウキが優斗に言った。
「そしてその象(しょう)は地球の人々をたくさん殺しています。殺した人々の魂を異世界ドルイアへと送るために。」
すると晃太がリグロに尋ねた。
「象(しょう)というのはやっかいな相手なのですか?」
リグロが晃太に言った。
「かなりやっかいな相手だ。セルティアは象に強大な神通力を与えているようだ。地球の神々でどうにかできる相手ではない。」
優斗がフウキに言った。
「でも世界中でそんな怪死事件があったなんて知りませんでした。そんな出来事があったら一大事件として残ってると思うんですが。」
フウキが優斗に言った。
「セルティアが天の導きを使い人々の記憶から消し去ったからです。セルティアは地球での自分の行動の全てを人々の記憶から消し去っています。」
優斗がフウキに尋ねた。
「セルティアは自分の事をわざわざみんなの記憶から消しているんですか?」
フウキが優斗に言った。
「はい、先ほども言いましたがセルティアは地球の人々を魔法が使えない無価値な人間だと思っています。だから地球の人々に名前を覚えられる事すら嫌なのでしょう。」
晃太がリグロに尋ねた。
「象(しょう)というのはどういう姿をしているんですか?」
リグロが晃太に言った。
「少年の姿をしている事が多い。三象(さんしょう)の姿は君たちも見ているはずだ。」
晃太が聞き返した。
「えっ??」
リグロが晃太に言った。
「あの日、封木神社に我々以外のものがいただろう。」
晃太がリグロに尋ねた。
「もしかしてあの男の子の幽霊の事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「ああ、彼こそがセルティアの部下である三象(さんしょう)だ。」
すると二実がフウキに尋ねた。
「待ってください。でも彼からは禍々しい邪気を感じなかったんですが?」
フウキが二実に言った。
「彼は異世界の神の使いなのです。とても高位な存在故に禍々しさを持っていません。」
二実が納得した様子で言った。
「それであの子からは禍々しさを感じなかったのか。」
すると優斗がリグロに言った。
「色々と教えて頂いたんですが、正直俺達の理解力を越えてると思います。少し時間を頂けませんか?」
リグロが優斗に言った。
「当然だろうな。君たちも我々から突然こんな話を聞いて混乱するばかりだろう。分かった。少し整理してみるといいだろう。」
そして晴南達は一旦下山して下社へと降りて行った。
「地球にいる人々全ての心の操作って?それじゃあセルティアは地球の全てを支配してるって事ですか?」
リグロが二実に言った。
「そう考えて問題ないだろう。現状天の導きの束縛を受けていない場所はこの九木礼だけだ。この地以外の場所は全て象(しょう)の制御下にある。この世界の人々はドルイアの人々と比べて神通力に対しての感性がとても強いようだ。ただでさえ強力な神器をセルティアがこちらの世界に持ち込んだために絶大な効果を発揮してしまった訳だ。」
晃太がリグロに尋ねた。
「それじゃああの時俺達はベルガでみんなが首吊りを無視するって騒いでいたけれど、実際は逆だった事ですか。明井田の人達がおかしくなったのではなく、僕たちが首吊りに気づけるようになってしまったって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「そういう事だ。」
晃太がリグロに尋ねた。
「という事は俺達にかかっていた天の導きによる洗脳を黒輪さんやリグロさんが解除してくれたって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「ああ、フウキ殿にも協力してもらって九木礼にいる人々は天の導きによる束縛を解除してある。」
二実がリグロに尋ねた。
「フウキ殿ってフウキ様の事ですか??」
リグロが二実に言った。
「そうだった。すまいない、フウキ殿を紹介せねばならないな。」
リグロが大きな声で言った。
「フウキ殿!!紹介が遅くなり申し訳ない。」
すると周囲に優しそうな女性の声が響いてきた。
「いえ別に構いませんよ。今はみなさんに状況をお知らせする方が大事でしょう。」
再び優しそうな女性の声が響いた。
「二実さん、三緒さん。大変な思いをさせてしまってすいませんでした。」
二実が大きな声で尋ねた。
「フウキ様なんですか?」
優しい女性の声が響いた。
「はい、そうです。町の皆さんからはそう呼んで頂いております。二実さんお告げという形でしか情報をお知らせする事ができずにすいませんでした。みなさんにも気苦労ばかりおかけして申し訳ありません。」
二実が大きな声で言った。
「いえとんでもありません。フウキ様とお話できるなんて夢にも思いませんでした。」
二実がフウキに尋ねた。
「あのうフウキ様??彼らの言っている事は事実なのですか?」
三緒が二実に言った。
「二実??リグロさん達の前でそれを聞くの??」
二実が三緒に言った。
「ごめん、私はフウキ様に仕えてる身だからね。オバケの言う事を全部はい分かりましたって言って納得する事はできないから。」
優しい女性の声が響いた。
「はい私の知る限りにおいてになりますが全て事実です。」
二実がフウキに尋ねた。
「そうですか。それじゃあ魔王ゼルゴンというのは信用できる方なんですか?」
フウキが二実に言った。
「はい魔王ゼルゴン様は信用できる方であると考えております。正直な所ゼルゴン様を頼るのは大きな掛けではありました。女神セルティアよりも危険な存在である可能性があったからです。ですが今は頼って正解であったと感じています。ゼルゴン様は女神セルティアよりも話が分かる方でした。」
二実がフウキに言った。
「分かりました。フウキ様お教え頂きありがとうございます。」
晴南が尋ねた。
「フウキ様も私たちを助けようとしてくれたんですか?」
リグロが晴南に言った。
「ああ君たちの救出はフウキ殿の協力なしでは不可能だっただろう。明井田大規模火災から君たちを守る事ができたのも、封木神社で天の導きの束縛を解除できたのもフウキ殿の全面協力があったからこそ可能だった。」
優斗がリグロに尋ねた。
「そういえば封木神社での怪奇現象はどういう事なんですか?」
リグロが優斗に言った。
「あの時は驚かせてすまなかった、なにせあの時は時間もなかったからな。私もこの世界にやってくるのと黒輪殿の封印を解除するのに霊力を使い果たしてしまってな動くに動けなかったのだ。神社の敷地内を真っ暗にしてもらい、敷地と外の空間を一時的に隔離してもらった。私が黒輪(こくりん)殿に頼んでしてもらった事だ。君たちの天の導きによる束縛を一刻もはやく解除したかったからな。」
優斗が尋ねた。
「黒輪さんの封印を解除したのはリグロさんだったんですか?」
すると黒輪が優斗に言った。
「ああその通りだ。リグロ殿には大変世話になった。わしの封印を解いてくれた上にフウキ殿との和議の仲立ちもしてもらったからな。リグロ殿に協力させてもらった。」
晃太がフウキに尋ねた。
「それじゃあフウキ様?あの時のみんなが消えたのはなんだったんですか?」
フウキが晃太に言った。
「天の導きの効果によるものです。もっとも効果と言っても反効果(はんこうか)の方ですが。」
晃太がフウキに聞き返した。
「反効果(はんこうか)というのは??」
フウキが晃太に言った。
「反効果(はんこうか)というのは本来の効果とは別の効果が出てしまう事です。」
晃太がフウキに尋ねた。
「つまり薬の副作用みたいなものですか?」
フウキが晃太に言った。
「はい、それに近いです。天の導きの反効果には死ぬ時間が近づくとその人が見えなくなったり、集団催眠を起こしたりする事が多く起こります。」
すると優斗がリグロに尋ねた。
「それはまさにあの時に起こった事ですね。それじゃあ天の導きによる束縛ってどうやって解除するんですか?」
リグロが優斗に言った。
「天の導きに限らず神通力の効果は霊力をぶつけることで効果を大きく減退させる事ができる。つまり我々が霊力をまき散らせば神器の効果を消滅させられるわけだ。」
晃太がリグロに尋ねた。
「その現象が天の導きの副効果だとすると、みんなあの時に死にかかっていたって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「うむ、おそらくあのままだと副効果から見て巫女殿以外は全員が死んでいたはずだ。」
晃太がリグロに言った。
「それを阻止する為に封木神社に現れたって事なんですね。」
リグロが晃太に言った。
「ああ天の導きの反効果というのは逆に言えば死が迫っているというシグナルでもあるのだ。フウキ殿が干渉して君たちが明井田に行かないようにしてくれていたが、それでも天の導きの束縛は消えていなかった。だから大急ぎで束縛を消す必要があったのだ。」
晃太がリグロに言った。
「つまり実際はあの時みんな神社の中にいたけど、その天の導きの反効果(はんこうか)によってみんなを認識できなくなっていたって事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「うむその通りだ。」
晃太がリグロに言った。
「それじゃあ晴南はすぐ横にいたのに、俺が晴南が消えたって勝手に誤認してたわけか。」
優斗がフウキに尋ねた。
「フウキ様??先ほど話されていた天の導きが10年前から発動されていたっていうのはどういう事なんですか?」
フウキが優斗に言った。
「セルティアは10年前に地球に再びやってきて地球を制圧したのです。それ以降ずっと天の導きによって人々の心と記憶をいじくられ続けています。今回の明井田のように。」
優斗がフウキに尋ねた。
「それじゃあ僕たちもずっと天の導きによって行動を操られてたってことですか?」
フウキが優斗に言った。
「そうです。あなた方も含めてセルティアは地球の人々全てを天の導きによって操っていたのです。」
優斗がフウキに尋ねた。
「でも女神セルティアは異世界ドルイアを司る女神なんですよね?地球の神様じゃないのになんで地球を支配しているんですか?」
フウキが優斗に言った。
「セルティアは110年前に地球に現れました。ですがその時は現れただけですぐに帰っていきました。その時は異世界という存在があるという事を地球の神々が知っただけで終わりました。」
優斗がフウキに尋ねた。
「その時は地球の支配をしなかったんですか?」
フウキが優斗に言った。
「はい、ただこの時はセルティアが異世界に帰った理由は分かりませんでした。」
フウキが優斗に言った。
「ですが10年前に再びセルティアが地球に現れました。」
フウキが優斗に言った。
「地球の神々はまたセルティアはすぐに異世界に帰ると思いこんでいました。ですが10年前の時は違いました。セルティアは地球に長く滞在したのです。地球の神々はセルティアが地球の事を気にいってくれたのだと勝手に思い込んでいました。それが大きな間違いでした。この時セルティアをもっと警戒していれば今の状況にはならなかったかもしれません。」
フウキが優斗に言った。
「それからしばらくしてからでした。世界中の各都市で集団での不審死が続出するようになりました。原因の分からない怪死が世界中で起こったんです。」
優斗がフウキに尋ねた。
「それって??明井田で起こってる集団自殺みたいにですか。」
フウキが優斗に言った。
「はい、今明井田で起こっている事が世界中で多発したんです。」
フウキが優斗に言った。
「ですが我々は最初セルティアを疑いませんでした。セルティアは善良な女神だと勘違いしていたのです。我々は闇の勢力であるお化け達が暗躍したせいで集団での怪死が起こったのだと考えたのです。ですが全くの見当違いでした。全てはセルティアが引き起こしていたのです。」
優斗がフウキに尋ねた。
「セルティアは一体何をしていたんですか??」
フウキが優斗に言った。
「地球の人々を死の運命を確定させて殺しその魂を奪っていたんです。そしてその魂を異世界ドルイアに送っていたのです。今になって考えればセルティアは初めて地球にやって来た時に地球を異世界ドルイアより大きく劣った世界とみなしていたのでしょう。ですので支配する価値もない世界だと判断して異世界に帰ったのだと思います。異世界のドルイアでは魔法という技術が発達しているようなのですが、残念ながら地球ではその魔法というものが使えないからです。象(しょう)はよく地球の人々を魔法も使えない無価値な連中だと言っています。」
フウキが優斗に言った。
「セルティアが怪死を引き起こしている元凶だとようやく気づいた我々はセルティアに問いただしました。ですがセルティアは悪びれる事もなくあろうことか地球の神々を攻撃してきたのです。」
フウキが優斗に言った。
「セルティアの力は圧倒的でした。たくさんの神々がセルティアによって消滅させれていきました。地球の神々とセルティアとの戦いはあっという間に決着がつき残った地球の神々はセルティアに屈するしかありませんでした。」
すると黒輪が優斗に言った。
「地球の神々を屈服させたセルティアは今度は我々闇の勢力を攻撃した。セルティアの力はすさまじく顕現していたオバケの多くが消滅させられた。残っているのはわしのように封印されていたオバケや山奥でひっそりと存在していた幽霊達だけだ。」
フウキが優斗に言った。
「そして闇の勢力への攻撃を終えるとセルティアは地球の神々にこう命令しました。地球の人々をセルティアが殺したい数だけ殺させろというものでした。そしてセルティアは地球の支配を始めたのです。そして天の導きを使い人々を操作し、現在は象(しょう)に地球を管理させています。」
フウキが優斗に言った。
「そしてその象(しょう)は地球の人々をたくさん殺しています。殺した人々の魂を異世界ドルイアへと送るために。」
すると晃太がリグロに尋ねた。
「象(しょう)というのはやっかいな相手なのですか?」
リグロが晃太に言った。
「かなりやっかいな相手だ。セルティアは象に強大な神通力を与えているようだ。地球の神々でどうにかできる相手ではない。」
優斗がフウキに言った。
「でも世界中でそんな怪死事件があったなんて知りませんでした。そんな出来事があったら一大事件として残ってると思うんですが。」
フウキが優斗に言った。
「セルティアが天の導きを使い人々の記憶から消し去ったからです。セルティアは地球での自分の行動の全てを人々の記憶から消し去っています。」
優斗がフウキに尋ねた。
「セルティアは自分の事をわざわざみんなの記憶から消しているんですか?」
フウキが優斗に言った。
「はい、先ほども言いましたがセルティアは地球の人々を魔法が使えない無価値な人間だと思っています。だから地球の人々に名前を覚えられる事すら嫌なのでしょう。」
晃太がリグロに尋ねた。
「象(しょう)というのはどういう姿をしているんですか?」
リグロが晃太に言った。
「少年の姿をしている事が多い。三象(さんしょう)の姿は君たちも見ているはずだ。」
晃太が聞き返した。
「えっ??」
リグロが晃太に言った。
「あの日、封木神社に我々以外のものがいただろう。」
晃太がリグロに尋ねた。
「もしかしてあの男の子の幽霊の事ですか?」
リグロが晃太に言った。
「ああ、彼こそがセルティアの部下である三象(さんしょう)だ。」
すると二実がフウキに尋ねた。
「待ってください。でも彼からは禍々しい邪気を感じなかったんですが?」
フウキが二実に言った。
「彼は異世界の神の使いなのです。とても高位な存在故に禍々しさを持っていません。」
二実が納得した様子で言った。
「それであの子からは禍々しさを感じなかったのか。」
すると優斗がリグロに言った。
「色々と教えて頂いたんですが、正直俺達の理解力を越えてると思います。少し時間を頂けませんか?」
リグロが優斗に言った。
「当然だろうな。君たちも我々から突然こんな話を聞いて混乱するばかりだろう。分かった。少し整理してみるといいだろう。」
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ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
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酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
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死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
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