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一章
異世界送り
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午後3時になった。
晴南達は二実達の車で封木神社へとやって来た。
二実達は封木神社西側の広場に車を停めて、晴南達が車から降りてきた。
晴南が二実に尋ねた。
「二実さん?どこに行けばいいんですか?」
二実が指を差しながら晴南に言った。
「奥にある拝殿(はいでん)でいいはずよ。」
そして晴南達は拝殿に向かって歩き始めた。
晴南がとなりを歩いている麻衣子に言った。
「なんか一昨日から封木神社を行ったり来たりしてるわね。」
麻衣子が晴南に言った。
「そうだね、リグロさん達の考えをその都度確認しに行ってたからね。」
晴南が麻衣子に言った。
「となるとこれからは封木神社にもちょくちょく顔を見せに来た方がいいかもしれないわね。」
麻衣子が晴南に言った。
「いやすでにしょっちゅう顔を見せてるでしょ??もう封木神社って私たちのなじみの場所になってるわよ。」
晴南が麻衣子に言った。
「でもこの1か月ぐらいで20回ぐらいしか来てないわよ?」
麻衣子が晴南に言った。
「だから20回も来てるんだって。」
晴南達はこんな会話をしながら拝殿へと歩いて行った。
そして拝殿前に到着すると靴を脱いで拝殿に上がっていった。
拝殿は床の間になっており50畳ほどの広さがあった。
拝殿と本殿は屋根続きで一つの建物になっていた。
本殿と拝殿の境目には木戸が設けられていた。
二実と三緒は拝殿に上がると拝殿と本殿を仕切る木戸を開けて拝殿から本殿が見えるようにした。
拝殿には大きな祭壇が置かれており神聖な雰囲気であった。
拝殿には木製の簡素な椅子が人数分置かれており各々が着席していった。
三緒が二実に尋ねた。
「拝殿に来たのはいいけどこの後どうすればいいのかな?」
二実が三緒に言った。
「たぶん呼べばいいんじゃない??」
すると二実が呼びかけてみた。
「フウキ様?聞こえますか??」
フウキ様の声が拝殿内に響いた。
「ええ聞こえます。」
二実がフウキ様に言った。
「すいません、リグロさん達と話をしたいんですけど。」
フウキ様の声が響いた。
「そのまま待っていてください。」
少しして拝殿の中に黒い球体の暗闇と甲冑姿の黒い影の騎士が姿を現した。
黒輪(こくりん)とリグロであった。
リグロがみんなに尋ねた。
「うむ、待たせてしまったかな?」
晴南がリグロに言った。
「いえ、大丈夫です。今来たばかりですから。」
リグロが晴南に尋ねた。
「彼女の家にはもう行って来たのかね??」
晴南がリグロに言った。
「はい、二実さん達に霊視をしてもらったんですがたぶん私達の知り合いの柚羽(ゆずは)らしいんです。」
晴南達はあの後に判明した事をリグロ達に説明した。
リグロがみんなに言った。
「そうかやはり君たちの知り合いだったか。」
晴南がリグロに尋ねた。
「あのう?柚羽を九木礼に連れてきてくれたのはリグロさんなんですか?」
リグロが晴南に言った。
「いや彼女を九木礼に連れてきたのはフウキ殿だ。彼女が明井田でさまよっていたところをフウキ殿が見つけたらしい。」
すると晴南がフウキ様に尋ねた。
「あのうフウキ様?どういう経緯だったのか教えてくれませんか??」
フウキ様の声が拝殿に響いた。
「柚羽さんは三象(さんしょう)によって自殺させらてしまいました。私は晴南さん達を明井田にこさせないように神通力を注いでいたので、柚羽さんの事は後手に回ってしまったんです。柚羽さんが巻き込まれていたと分かったのは明井田大規模火災が発生した後でした。ただ彼女の魂を異世界送りする事だけは何として阻止したいと思いました。それで明井田駅周辺をさまよっていたを彼女を見つけて九木礼まで連れてきたのです。」
すると優斗が尋ねた。
「異世界送(いせかいおく)りというのは??」
フウキ様の声が響いた。
「異世界送りというのは、異世界門(いせかいもん)をつかって地球の人々の魂を異世界まで送る事です。」
優斗が尋ねた。
「それじゃあ異世界門(いせかいもん)というのは??」
するとリグロが優斗に言った。
「異世界門(いせかいもん)というのはその名の通り、異世界と地球をつなぐ門のようなものだ。私もこの異世界門を使ってこの地球にやってきたのだ。もっとも私の場合は見つからないようにこっそり使わせてもらったがな。」
優斗がリグロに尋ねた。
「という事は異世界門を管理しているのは??」
リグロが優斗に言った。
「恐らく異世界側の門は女神セルティアが管理し、地球側の異世界門を象(しょう)が管理しているのだろう。」
リグロが優斗に言った。
「この異世界門というのは地球の人々の魂を送る手段になっている。」
拓也がリグロに尋ねた。
「俺達はまだ生きてるから守ろうって言うのは理解できるんですが、なんで幽霊になった子まで守ろうとしてるんだ?」
麻衣子が拓也に言った。
「そうよね、異世界に行ったらセルティアが新しい命として転生させてくれるんでしょう?別に邪魔しなくてもいいわよね?」
するとフウキ様の声が響いた。
「残念ながらセルティアは全ての地球の人々の魂を転生させている訳ではありません。転生させている魂はほんの一部にすぎません。セルティアは地球の人々を転生させるに値しない魂だと決めつけているんです。」
フウキ様の声が響いた。
「セルティアは勇者として召喚し魔王軍と戦わせる場合だけ転生を認めるのです。これ以外では女神セルティアは地球の人の魂を異世界転生させる事はありません。」
晃太がフウキ様に尋ねた。
「えっ??じゃあなんで地球の人達の魂を異世界に送っているんですか??」
フウキ様の声が響いた。
「燃料にするためです。」
晃太がフウキ様に尋ねた。
「燃料??どういう事ですか??」
フウキ様の声が響いた。
「地球の人々の魂を限界まで燃やして神通力を生成しているのです。魂を極限まで燃やして魂に最大限の苦痛を与えると大きな神通力が生成させるのです。」
麻衣子がフウキ様に尋ねた。
「燃やされた人達の魂はどうなってしまうんですか??」
フウキ様の声が響いた。
「消滅します。」
麻衣子が尋ねた。
「消滅ってどういう事ですか?」
フウキ様の声が響いた。
「そのままの意味です。消えて無くなってしまうのです。」
麻衣子が言った。
「そんな??」
冬湖が言った。
「そんなのってひどすぎます。」
晴南がリグロに尋ねた。
「セルティアは地球の人達になんでこんなひどい事をするんですか?」
リグロが晴南に言った。
「セルティアは地球の人々を価値のない人々であると考えているからだろう。」
リグロがみんなに言った。
「だが問題はそれだけではない。」
優斗がリグロに尋ねた。
「どういうことですか?」
リグロが優斗に言った。
「異世界門を魂が通る事じたいが大きな問題なのだ。異世界門というのは神々が世界間の移動の為に使うものなのだ。異世界門は巨大な力を持つ神々や魔物しか使う事ができない。異世界門は人の魂を安全に異世界に送れるようなものではないのだ。異世界門を通った魂は大きく傷ついてしまう、そして魂が傷つけば大きな痛みを感じるはずだ。肉体を傷つけられる時とは比較にならないほどの強烈な痛みがな。実際大半の魂は異世界まで辿り着けずに悶えながら消滅していた。」
優斗がリグロに聞き返した。
「それ本当なんですか??」
リグロが優斗に言った。
「ああ、魂というのは本来は別の世界に送れるようにはできていない。魂というのは同じ世界で何度も輪廻を繰り返すようにできているのだ。同じ世界を輪廻しているだけなら魂が傷つくことはない。だが別の世界に送れば魂は傷ついてしまう。それが異世界門を使って魂が送られているのだ。そんな事をすれば魂が消滅するに決まっている。私ですらこの異世界門を通り地球にきた時はかなり消耗したのだ。」
三緒がフウキ様に尋ねた。
「それじゃあ柚羽ちゃんをお祓いしないでって言ったのは、その異世界門が関係してるんですか?」
フウキ様の声が響いた。
「はい、現在異世界門は明井田の地に降りています。ですので明井田周辺にいる魂達は全て異世界に送られてしまいます。下手にお祓いをすれば柚羽さんが九木礼より弾き出されて異世界門に吸い込まれてしまう恐れがあるからです。さらに異世界門は成仏した魂も吸い込んでしまうのです。」
三緒がフウキ様に言った。
「それでフウキ様はお祓いをしないでって言われたんですね。」
三緒がフウキ様に尋ねた。
「それじゃあ明井田大規模火災の現場に行った時に幽霊達が一斉に消えてしまったのって??」
フウキ様の声が響いた。
「はい、恐らく異世界門に吸い込まれてしまったのでしょう。」
すると二実がフウキ様に尋ねた。
「待ってくださいフウキ様??それじゃあ明洋(あきひろ)はどうなったんですか??明洋の幽霊はその時に明井田大規模火災の現場にいたんですけど??」
するとフウキ様の声が響いた。
「恐らく異世界門に飲み込まれ異世界送りになったと思われます。燃料にされたかドルイアまでたどり着けずに消滅したかのどちらかでしょう。」
二実がため息をつきながら言った。
「そんな!!!」
すると二実がその場に座り込んでしまった。
そして頭を抱えながら大きな声で言った。
「どうしよう??明洋(あきひろ)を助けてあげようって思ってたのに!!魂まで消滅させてしまってたなんて!!」
二実が大きな声で言った。
「明洋、ごめん!!本当にごめん!!本当に知らなかったの!!」
二実が目に涙を浮かべながら言った。
「私助けてあげったかったの!!明洋の無実を証明してあげたかったの!!!それなのに!!!目の前にいたのに!!すぐそこで話しかけてくれてたのに!!!何も、何もできなかった!!!」
フウキ様の声が響いた。
「二実さん!!落ち着いてください!!」
だが二実は相変わらず大きな声を出し続けていた。
二実の顔には後悔の色がにじみ出ていた。
「私が目の前にいたのに明洋の魂を消滅させてしまった!!たぶん敏子(としこ)や里穂(りほ)ちゃんの魂も!!!」
三緒が二実に言った。
「二実!!落ち着いて!!!」
だが二実は変わらず悔み続けていた。
「私のせいだ!!私がいたのに助けられなかった、救ってあげられなかった!!ただ異世界に送られるのを黙って見てるしかできなかった!!!ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!」
すると三緒が大きな声で言った。
「二実!!」
そしてパアーンと頬を叩く音がした。
三緒が二実の頬にビンタを食らわせたのだった。
二実が三緒の方を見つめていた。
「三緒???」
すると三緒は落ち着いた口調で二実に言った。
「二実っていつもすごいって思ってた。なんでも挑戦できて、新しい事を難なくひらめけたりして積極的に行動できる二実が羨ましかった。でもだからこそ言わせてもらうわ。二実??あなたにだってできない事はあるの!!!あなただって間違える事はあるの!!!だからそんなに自分を責めないで!!ここにいる誰も二実も責めたりなんかしないわ。」
リグロが二実に言った。
「その通りだ。少なくともこれは巫女殿の責任では決してない。貴方は全力で明洋という青年を助けようとしたのだ。きっと明洋という青年も巫女殿の行動を喜んでくれるはずだ。」
晴南が二実に言った。
「そうですよ、二実さん!!明洋さんも二実さんが無実を信じてくれて喜んでくれてると思います。」
冬湖が二実に言った。
「みんなで力を合わせて乗り切りましょう。」
優斗が二実に言った。
「まあ僕達じゃ話を聞いてあげるくらしかできませんけど。」
二実が泣きながら言った。
「ありがとう、みんな!!」
二実はまだ泣いていたがかなり落ち着きを取り戻していった。
そして話が再開された。
二実が尋ねた。
「でもお祓いや成仏が無理となると柚羽(ゆずは)ちゃんはどうすればいいんですか?」
黒輪(こくりん)が二実に言った。
「妖(あやかし)になるしかないだろうな。」
二実が黒輪(こくりん)に聞き返した。
「あやかしになる?柚羽ちゃんをオバケにするって事ですか?」
今度はフウキ様の声が拝殿内に響いた。
「はいその通りです。異世界門が降りてきているこの状況ではお祓いや成仏は全て異世界送りとなり危険極まりありません。となるとオバケになるしか方法はありません。」
晴南が黒輪(こくりん)に尋ねた。
「それって簡単にできる事なんですか?」
黒輪(こくりん)が晴南に言った。
「簡単ではないな。可能ではあるが危険も大きい。」
リグロが晴南に言った。
「柚羽(ゆずは)殿が霊力を暴走させてしまったら自ら出した霊力に飲み込まれ魂は消滅してしまうだろう。ただそれでも異世界送りをされて柚羽殿の魂を完全に消滅させてしまうよりは、妖(あやかし)になる方が遥かにマシであると考える。」
晴南がリグロに言った。
「分かりました。」
リグロが晴南に言った。
「彼女が飲み込まれないように我々も手を貸そう。」
晴南がリグロに言った。
「お願いします。」
リグロが黒輪に言った。
「ふむ、そうなるとすぐに動いた方がいいかもしれませんな。話を聞く限り彼女はもうかなりの霊力を貯め込んでいるのようです。時間を費やすのは得策ではないかと?」
黒輪がリグロに言った。
「そうですな、ではこれから向かうのはいかがか?」
リグロが黒輪に言った。
「異存はありません。」
リグロがみんなに言った。
晴南がみんなに言った。
「それじゃあ美咲の家に向かいましょう。」
晴南達は二実達の車で封木神社へとやって来た。
二実達は封木神社西側の広場に車を停めて、晴南達が車から降りてきた。
晴南が二実に尋ねた。
「二実さん?どこに行けばいいんですか?」
二実が指を差しながら晴南に言った。
「奥にある拝殿(はいでん)でいいはずよ。」
そして晴南達は拝殿に向かって歩き始めた。
晴南がとなりを歩いている麻衣子に言った。
「なんか一昨日から封木神社を行ったり来たりしてるわね。」
麻衣子が晴南に言った。
「そうだね、リグロさん達の考えをその都度確認しに行ってたからね。」
晴南が麻衣子に言った。
「となるとこれからは封木神社にもちょくちょく顔を見せに来た方がいいかもしれないわね。」
麻衣子が晴南に言った。
「いやすでにしょっちゅう顔を見せてるでしょ??もう封木神社って私たちのなじみの場所になってるわよ。」
晴南が麻衣子に言った。
「でもこの1か月ぐらいで20回ぐらいしか来てないわよ?」
麻衣子が晴南に言った。
「だから20回も来てるんだって。」
晴南達はこんな会話をしながら拝殿へと歩いて行った。
そして拝殿前に到着すると靴を脱いで拝殿に上がっていった。
拝殿は床の間になっており50畳ほどの広さがあった。
拝殿と本殿は屋根続きで一つの建物になっていた。
本殿と拝殿の境目には木戸が設けられていた。
二実と三緒は拝殿に上がると拝殿と本殿を仕切る木戸を開けて拝殿から本殿が見えるようにした。
拝殿には大きな祭壇が置かれており神聖な雰囲気であった。
拝殿には木製の簡素な椅子が人数分置かれており各々が着席していった。
三緒が二実に尋ねた。
「拝殿に来たのはいいけどこの後どうすればいいのかな?」
二実が三緒に言った。
「たぶん呼べばいいんじゃない??」
すると二実が呼びかけてみた。
「フウキ様?聞こえますか??」
フウキ様の声が拝殿内に響いた。
「ええ聞こえます。」
二実がフウキ様に言った。
「すいません、リグロさん達と話をしたいんですけど。」
フウキ様の声が響いた。
「そのまま待っていてください。」
少しして拝殿の中に黒い球体の暗闇と甲冑姿の黒い影の騎士が姿を現した。
黒輪(こくりん)とリグロであった。
リグロがみんなに尋ねた。
「うむ、待たせてしまったかな?」
晴南がリグロに言った。
「いえ、大丈夫です。今来たばかりですから。」
リグロが晴南に尋ねた。
「彼女の家にはもう行って来たのかね??」
晴南がリグロに言った。
「はい、二実さん達に霊視をしてもらったんですがたぶん私達の知り合いの柚羽(ゆずは)らしいんです。」
晴南達はあの後に判明した事をリグロ達に説明した。
リグロがみんなに言った。
「そうかやはり君たちの知り合いだったか。」
晴南がリグロに尋ねた。
「あのう?柚羽を九木礼に連れてきてくれたのはリグロさんなんですか?」
リグロが晴南に言った。
「いや彼女を九木礼に連れてきたのはフウキ殿だ。彼女が明井田でさまよっていたところをフウキ殿が見つけたらしい。」
すると晴南がフウキ様に尋ねた。
「あのうフウキ様?どういう経緯だったのか教えてくれませんか??」
フウキ様の声が拝殿に響いた。
「柚羽さんは三象(さんしょう)によって自殺させらてしまいました。私は晴南さん達を明井田にこさせないように神通力を注いでいたので、柚羽さんの事は後手に回ってしまったんです。柚羽さんが巻き込まれていたと分かったのは明井田大規模火災が発生した後でした。ただ彼女の魂を異世界送りする事だけは何として阻止したいと思いました。それで明井田駅周辺をさまよっていたを彼女を見つけて九木礼まで連れてきたのです。」
すると優斗が尋ねた。
「異世界送(いせかいおく)りというのは??」
フウキ様の声が響いた。
「異世界送りというのは、異世界門(いせかいもん)をつかって地球の人々の魂を異世界まで送る事です。」
優斗が尋ねた。
「それじゃあ異世界門(いせかいもん)というのは??」
するとリグロが優斗に言った。
「異世界門(いせかいもん)というのはその名の通り、異世界と地球をつなぐ門のようなものだ。私もこの異世界門を使ってこの地球にやってきたのだ。もっとも私の場合は見つからないようにこっそり使わせてもらったがな。」
優斗がリグロに尋ねた。
「という事は異世界門を管理しているのは??」
リグロが優斗に言った。
「恐らく異世界側の門は女神セルティアが管理し、地球側の異世界門を象(しょう)が管理しているのだろう。」
リグロが優斗に言った。
「この異世界門というのは地球の人々の魂を送る手段になっている。」
拓也がリグロに尋ねた。
「俺達はまだ生きてるから守ろうって言うのは理解できるんですが、なんで幽霊になった子まで守ろうとしてるんだ?」
麻衣子が拓也に言った。
「そうよね、異世界に行ったらセルティアが新しい命として転生させてくれるんでしょう?別に邪魔しなくてもいいわよね?」
するとフウキ様の声が響いた。
「残念ながらセルティアは全ての地球の人々の魂を転生させている訳ではありません。転生させている魂はほんの一部にすぎません。セルティアは地球の人々を転生させるに値しない魂だと決めつけているんです。」
フウキ様の声が響いた。
「セルティアは勇者として召喚し魔王軍と戦わせる場合だけ転生を認めるのです。これ以外では女神セルティアは地球の人の魂を異世界転生させる事はありません。」
晃太がフウキ様に尋ねた。
「えっ??じゃあなんで地球の人達の魂を異世界に送っているんですか??」
フウキ様の声が響いた。
「燃料にするためです。」
晃太がフウキ様に尋ねた。
「燃料??どういう事ですか??」
フウキ様の声が響いた。
「地球の人々の魂を限界まで燃やして神通力を生成しているのです。魂を極限まで燃やして魂に最大限の苦痛を与えると大きな神通力が生成させるのです。」
麻衣子がフウキ様に尋ねた。
「燃やされた人達の魂はどうなってしまうんですか??」
フウキ様の声が響いた。
「消滅します。」
麻衣子が尋ねた。
「消滅ってどういう事ですか?」
フウキ様の声が響いた。
「そのままの意味です。消えて無くなってしまうのです。」
麻衣子が言った。
「そんな??」
冬湖が言った。
「そんなのってひどすぎます。」
晴南がリグロに尋ねた。
「セルティアは地球の人達になんでこんなひどい事をするんですか?」
リグロが晴南に言った。
「セルティアは地球の人々を価値のない人々であると考えているからだろう。」
リグロがみんなに言った。
「だが問題はそれだけではない。」
優斗がリグロに尋ねた。
「どういうことですか?」
リグロが優斗に言った。
「異世界門を魂が通る事じたいが大きな問題なのだ。異世界門というのは神々が世界間の移動の為に使うものなのだ。異世界門は巨大な力を持つ神々や魔物しか使う事ができない。異世界門は人の魂を安全に異世界に送れるようなものではないのだ。異世界門を通った魂は大きく傷ついてしまう、そして魂が傷つけば大きな痛みを感じるはずだ。肉体を傷つけられる時とは比較にならないほどの強烈な痛みがな。実際大半の魂は異世界まで辿り着けずに悶えながら消滅していた。」
優斗がリグロに聞き返した。
「それ本当なんですか??」
リグロが優斗に言った。
「ああ、魂というのは本来は別の世界に送れるようにはできていない。魂というのは同じ世界で何度も輪廻を繰り返すようにできているのだ。同じ世界を輪廻しているだけなら魂が傷つくことはない。だが別の世界に送れば魂は傷ついてしまう。それが異世界門を使って魂が送られているのだ。そんな事をすれば魂が消滅するに決まっている。私ですらこの異世界門を通り地球にきた時はかなり消耗したのだ。」
三緒がフウキ様に尋ねた。
「それじゃあ柚羽ちゃんをお祓いしないでって言ったのは、その異世界門が関係してるんですか?」
フウキ様の声が響いた。
「はい、現在異世界門は明井田の地に降りています。ですので明井田周辺にいる魂達は全て異世界に送られてしまいます。下手にお祓いをすれば柚羽さんが九木礼より弾き出されて異世界門に吸い込まれてしまう恐れがあるからです。さらに異世界門は成仏した魂も吸い込んでしまうのです。」
三緒がフウキ様に言った。
「それでフウキ様はお祓いをしないでって言われたんですね。」
三緒がフウキ様に尋ねた。
「それじゃあ明井田大規模火災の現場に行った時に幽霊達が一斉に消えてしまったのって??」
フウキ様の声が響いた。
「はい、恐らく異世界門に吸い込まれてしまったのでしょう。」
すると二実がフウキ様に尋ねた。
「待ってくださいフウキ様??それじゃあ明洋(あきひろ)はどうなったんですか??明洋の幽霊はその時に明井田大規模火災の現場にいたんですけど??」
するとフウキ様の声が響いた。
「恐らく異世界門に飲み込まれ異世界送りになったと思われます。燃料にされたかドルイアまでたどり着けずに消滅したかのどちらかでしょう。」
二実がため息をつきながら言った。
「そんな!!!」
すると二実がその場に座り込んでしまった。
そして頭を抱えながら大きな声で言った。
「どうしよう??明洋(あきひろ)を助けてあげようって思ってたのに!!魂まで消滅させてしまってたなんて!!」
二実が大きな声で言った。
「明洋、ごめん!!本当にごめん!!本当に知らなかったの!!」
二実が目に涙を浮かべながら言った。
「私助けてあげったかったの!!明洋の無実を証明してあげたかったの!!!それなのに!!!目の前にいたのに!!すぐそこで話しかけてくれてたのに!!!何も、何もできなかった!!!」
フウキ様の声が響いた。
「二実さん!!落ち着いてください!!」
だが二実は相変わらず大きな声を出し続けていた。
二実の顔には後悔の色がにじみ出ていた。
「私が目の前にいたのに明洋の魂を消滅させてしまった!!たぶん敏子(としこ)や里穂(りほ)ちゃんの魂も!!!」
三緒が二実に言った。
「二実!!落ち着いて!!!」
だが二実は変わらず悔み続けていた。
「私のせいだ!!私がいたのに助けられなかった、救ってあげられなかった!!ただ異世界に送られるのを黙って見てるしかできなかった!!!ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!」
すると三緒が大きな声で言った。
「二実!!」
そしてパアーンと頬を叩く音がした。
三緒が二実の頬にビンタを食らわせたのだった。
二実が三緒の方を見つめていた。
「三緒???」
すると三緒は落ち着いた口調で二実に言った。
「二実っていつもすごいって思ってた。なんでも挑戦できて、新しい事を難なくひらめけたりして積極的に行動できる二実が羨ましかった。でもだからこそ言わせてもらうわ。二実??あなたにだってできない事はあるの!!!あなただって間違える事はあるの!!!だからそんなに自分を責めないで!!ここにいる誰も二実も責めたりなんかしないわ。」
リグロが二実に言った。
「その通りだ。少なくともこれは巫女殿の責任では決してない。貴方は全力で明洋という青年を助けようとしたのだ。きっと明洋という青年も巫女殿の行動を喜んでくれるはずだ。」
晴南が二実に言った。
「そうですよ、二実さん!!明洋さんも二実さんが無実を信じてくれて喜んでくれてると思います。」
冬湖が二実に言った。
「みんなで力を合わせて乗り切りましょう。」
優斗が二実に言った。
「まあ僕達じゃ話を聞いてあげるくらしかできませんけど。」
二実が泣きながら言った。
「ありがとう、みんな!!」
二実はまだ泣いていたがかなり落ち着きを取り戻していった。
そして話が再開された。
二実が尋ねた。
「でもお祓いや成仏が無理となると柚羽(ゆずは)ちゃんはどうすればいいんですか?」
黒輪(こくりん)が二実に言った。
「妖(あやかし)になるしかないだろうな。」
二実が黒輪(こくりん)に聞き返した。
「あやかしになる?柚羽ちゃんをオバケにするって事ですか?」
今度はフウキ様の声が拝殿内に響いた。
「はいその通りです。異世界門が降りてきているこの状況ではお祓いや成仏は全て異世界送りとなり危険極まりありません。となるとオバケになるしか方法はありません。」
晴南が黒輪(こくりん)に尋ねた。
「それって簡単にできる事なんですか?」
黒輪(こくりん)が晴南に言った。
「簡単ではないな。可能ではあるが危険も大きい。」
リグロが晴南に言った。
「柚羽(ゆずは)殿が霊力を暴走させてしまったら自ら出した霊力に飲み込まれ魂は消滅してしまうだろう。ただそれでも異世界送りをされて柚羽殿の魂を完全に消滅させてしまうよりは、妖(あやかし)になる方が遥かにマシであると考える。」
晴南がリグロに言った。
「分かりました。」
リグロが晴南に言った。
「彼女が飲み込まれないように我々も手を貸そう。」
晴南がリグロに言った。
「お願いします。」
リグロが黒輪に言った。
「ふむ、そうなるとすぐに動いた方がいいかもしれませんな。話を聞く限り彼女はもうかなりの霊力を貯め込んでいるのようです。時間を費やすのは得策ではないかと?」
黒輪がリグロに言った。
「そうですな、ではこれから向かうのはいかがか?」
リグロが黒輪に言った。
「異存はありません。」
リグロがみんなに言った。
晴南がみんなに言った。
「それじゃあ美咲の家に向かいましょう。」
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出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
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その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
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けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
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それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
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