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一章
二重封印
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晴南達は一旦封木神社に戻った後で二実達の車で次の封印場所にやって来たのだった。
街灯で照らされた遊歩道を晴南達は歩いていた。
晴南が隣を歩いていた麻衣子に言った。
「夜の九木礼公園って誰もいないわね。」
麻衣子が晴南に言った。
「まあ昼間にしてもたくさんの人がいるわけじゃなけどね。」
晴南達は九木礼公園へとやってきたのだった。
九木礼公園は九木礼町の中心部付近にあり、休日には九木礼町民にとっての憩いの場になっていた。
九木礼公園は遊具があるだけの小さな公園ではなく、かなりの広さがありたくさんの木や花々が植えられていた。
晴南達は午前2時にここにやって来た。
九木礼公園は所々に設置されている街灯よって公園内が照れされており、真っ暗ではなくそれなりの明るさがあった。
九木礼公園の中は公園内を歩いて回れるように遊歩道が整備されていた。
最も管理が行き届いていない場所も少なくなく草がぼうぼうに生い茂っている場所も散見された。
すると晴南が二実に尋ねた。
「九木礼公園の中で何をするんですか?」
二実が晴南に言った。
「ほら九木礼公園の奥の方に石碑(せきひ)があるでしょ。あの石碑に用事があるのよ。」
晴南が二実に聞き返した。
「石碑(せきひ)??」
すると拓也が晴南に言った。
「あれじゃないか??公園の奥に大きな石が置いてあるだろう。」
晴南が納得した様子で拓也に言った。
「ああ、あるわね。あれ石碑だったんだ。何の文字も彫られてないからただの石ころだと思ってた。」
晴南達はそんな会話をしながら遊歩道を進んでいった。
そして晴南達は九木礼公園の奥にある石碑の場所へとやってきた。
すでに遊歩道は終わっており、この周辺には街灯もなく薄暗くなっていた。
石碑はぼうぼうに生い茂った雑草に取り囲まれていた。
二実達はその草をかき分けて石碑の前までやってきたのだった。
晴南の言う通りそこには石碑というよりは大きな岩が転がっているだけであった。
すると晃太が二実に尋ねた。
「そういえばこの石碑って何も刻まれてないんですけど?これは何の石碑なんですか?」
二実が晃太に言った。
「これはねえ、とあるオバケを封じる為の石碑なの。あんまり大ぴらにできないから何も刻まれてないんだと思う。」
晃太が二実に言った。
「それじゃあここにオバケが封じられているんですか?」
「ええ、ここに半分が封じられているわ。」
二実はそう言い終わると持ってきたポーチの中から紙を一枚取り出した。
その紙は赤黒く変色しており不気味な文字がたくさん記されていた。
二実はさらにポーチからテープを取り出すと、その紙にテープを張り付けてそのままその紙を石碑に張り付けたのだった。
二実がみんなに言った。
「オッケー、ここでの用事は済んだわ。それじゃあ次の場所に向かいましょうか??」
麻衣子が二実に尋ねた。
「えっ??もういいんですか??」
二実が麻衣子に言った。
「うん、次の場所に行きましょう。」
三緒が二実に言った。
「ねえ二実??思ったんだけど私と二実で分かれて動いた方が効率がいいんじゃない?」
二実が三緒に言った。
「うーん、確かにその方が効率はよさそうね。それじゃあ明日からは別々に行動していきましょうか。」
三緒が二実に言った。
「その方がいいと思うわ。」
晴南が二実に尋ねた。
「次はどこに行くんですか?」
二実が晴南に言った。
「九木礼トンネルよ。」
晴南が二実に言った。
「九木礼トンネルですか。」
晴南達は足早に九木礼公園を立ち去ると二実の車で九木礼トンネルに向かった。
二実と三緒はトンネルの近くに車を停めるとみんなを下ろした。
そして九木礼トンネルの前にやって来たのだった。
晴南が二実に言った。
「九木礼トンネルってこっちの方なんですね。」
三緒がみんなに言った。
「新しく第二九木礼トンネルが掘られたからこっちはほとんど使われなくなっちゃってるんだよね。」
晴南が二実に尋ねた。
「このトンネルにオバケがいるんですか?」
二実が晴南に言った。
「うーん、正確に言うとこのトンネルの周辺と言った方がいいかな?」
二実がみんなに尋ねた。
「この辺りは昔なんて呼ばれてたか知ってる??」
麻衣子が二実に言った。
「六林(ろくばやし)地区だから六林(ろくばやし)峠とかですか?」
三緒が麻衣子に言った。
「昔はこの辺は彷徨峠(さまよいとうげ)って言われてたらしいわ。昔はたくさんの人がこの辺りで道に迷ったらしいの。」
優斗が麻衣子に言った。
「この六林(ろくばやし)周辺の地形は起伏が激しいうえに似たような景色の場所が多いからね。霧もよく発生するから昔から迷子になる人が多かったらしいよ。それで安全な通行の為にこのトンネルが掘られたらしいよ。」
麻衣子が優斗に言った。
「へえそうなのね。」
二実が麻衣子に言った。
「ええ最も九木礼トンネルができたら今度はトンネル内での事故が多発したらしいけどね。」
二実はそう言うと再び歩き始めた。
だが二実は方向転換をして九木礼トンネルの中には入っていかずに山の方に向かって歩き出した。
晴南が二実を呼び止めて尋ねた。
「二実さん??トンネルの中に封印場所があるんじゃないんですか?」
二実が晴南に言った。
「封印場所はトンネルの外にあるのよ。」
二実はそういうと再び歩き始めた。
晴南達も二実の後ろに続いて歩いていった。
山道は急こう配の坂道になっており、晴南達は真っ暗な山道をLEDライトを照らしながら慎重に進んでいった。
少し進むと、うっそうとした林の中に突如古い石碑が姿を現したのだった。
冬湖が麻衣子に言った。
「こんな森の奥に石碑があるんですね?」
麻衣子が冬湖に言った。
「本当ね、こっちの石碑も草で埋もれちゃってるわね。」
二実が二人に言った。
「ええ、さっきと同じ石碑がここにも奉られているの。」
優斗が二実に尋ねた。
「同じ石碑ってどういう事ですか?」
二実が優斗に言った。
「ここのオバケは九木礼公園の石碑とこの石碑の二つで封印されてるって事よ。」
優斗が二実に言った。
「なんで二つの石碑が封印されてるんですか?」
二実が優斗に言った。
「一つの封印では抑えられなかったからじゃないかな。二重に封印を敷いてようやく封印できたんだと思う。」
優斗が二実に尋ねた。
「という事はここのオバケはかなり強力なオバケなんですか?」
二実が優斗に言った。
「ええ、かなり強力なオバケみたいよ。封印されてる今の状態でも禍々しい気配をヒシヒシと感じれるからね。とんでもないオバケだと思うわ。」
すると無色がみんなに言った。
「ああここに封印されているオバケはかなり強力なようだ。すさまじい霊力を感じる。」
麻衣子が二実に尋ねた。
「そんなオバケの封印を解放しちゃって大丈夫なんですか?」
二実が麻衣子に言った。
「かなり危険ではあるわ。封印を解放すればまたトンネル内での事故が多発するようになるかもしれない。ただ今は方法を選り好みできる状況じゃないしね。極力町のみんなに迷惑をかけないようにしたいけど、ある程度は仕方ないかなって思うわ。」
麻衣子が二実に言った。
「そうですね。」
二実がみんなに言った。
「それじゃあ封印を解除しましょうか。」
二実はそう言い終わるとポーチからさきほど使ったのと同じ赤黒く染まった紙を取り出した。
二実は取り出した紙はさきほどの紙と同様に紙の色が赤黒く染まっており、不気味な文様や文字がびっしりと書かれていた。
そして二実がその赤黒い紙をテープでさきほどと同じように石碑に張り付けたのだった。
三緒が二実に尋ねた。
「そういえばさっきも石碑に貼ってたわよね?ねえ二実?その赤黒い紙は何なの??」
二実が三緒に言った。
「呪いのお札よ。」
三緒が二実に聞き返した。
「呪いのお札??」
二実が三緒に言った。
「黒輪さんから作り方を聞きながら作ってみたのよ。石碑とかを壊すわけにはいかないでしょう。前回は使う機会がなかったけど、今回はちゃんと役に立って良かったわ。黒輪さんにも霊力をたくさん込めてもらったからかなり強力な呪いのお札になってるはずよ。これを石碑に張りつけるの。そうすれば石碑のオバケを封印する力と相殺されて疑似的に封印が解けるはずよ。」
三緒が二実に言った。
「いい封印解除の方法があるって言ってたのはこの事だったのね。」
「そういう事。」
「でも二実、だいぶ吹っ切れてきたわね。呪いのお札を作っちゃうなんて。」
「いや普通に石碑とか祠とかを物理的に壊して回る方が遥かに迷惑でしょ。」
「まあそれはそうなんだけど、だいぶ変わってきたなと思ってね。」
「当たり前でしょう。オバケは信用できないって意地を張り続けてもしょうがないじゃない。自分のやれる事をやっていくしかないじゃない。」
「全くその通りだね。」
「まあ呪いのお札を作ったり、オバケの封印を解除したりどんどん巫女の仕事からかけ離れていってるなとは自分でも思ってるけどね。」
そして晴南達は変化が起こるのを今か今かと待ち続けた。
だがなかなかオバケが起きてこず時間だけが流れていった。
結局その日の夜は何の変化が起きないまま夜が明けてしまった。
みんなが眠そうな顔をしていた。
晴南が言った。
「なかなかオバケさん起きてこないわね。」
三緒が二実に言った。
「どうするの二実??もう朝よ??夜が明けちゃったわよ。」
二実がみんなに言った。
「オバケさん達は基本夜に訪ねた方がいいらしいしね。」
すこし考えた後で二実がみんなに言った。
「うーん、仕方ないわね一旦切り上げましょう。みんな今日はここまで。続きは日没後になるわ。」
麻衣子が二実に言った。
「分かりました。」
麻衣子が二実に尋ねた。
「あでも封印解除しっぱなしでいいんですか?」
二実が麻衣子に言った。
「そうね、封印を解除したままはさすがにまずいわね。」
すると晴南が二実に言った。
「だったら勇雄さんに事情を話してここを通行止めにしてもらったらどうですか?」
二実が晴南に言った。
「そうだね、事故が起きても困るからそうしてもらおうか。」
拓也が二実に言った。
「なら後で親父に連絡しておきます。」
二実が拓也に言った。
「拓也君、ありがとうね。」
すると二実がみんなに言った。
「それと予想よりも長丁場になりそうだからみんな無理はしないでね。無理して参加しなくていいから。」
三緒が二実に言った。
「そうよね、みんなは昼間は学校があるもんね。さすがに昼間に学校に来て、夜は封印解除して回るのはキツイわよね。」
麻衣子が二実に言った。
「でもみんな私達を助ける為に動いてくれてるのに、肝心の私達が休んでて何もしないのはいいのかなって思ちゃいます。」
晃太が麻衣子に言った。
「そうは言っても仕方ないだろう。毎日一晩中起きてて、昼間も学校に行ってたらとてもじゃないが体が持たないぞ。」
晴南が麻衣子に言った。
「だったら交代で参加すればいいでしょう?」
麻衣子が晴南に言った。
「交代で参加か、確かにそれなら毎日徹夜しなくてもいいわね。」
晴南が麻衣子に言った。
「まあ私は大丈夫だから毎日参加するけどね。」
二実が晴南に尋ねた。
「いくら晴南ちゃんでも寝ないときついでしょ?」
晴南が二実に言った。
「大丈夫です、学校で昼寝をするつもりですから。」
優斗が晴南に言った。
「確かに今は授業時間が少ないから昼間に仮眠を取るのは有りだね。」
晃太が晴南に言った。
「でもそれは学校の授業を受けない前提って事だろう?学生なら授業はちゃんと受けるべきだぞ。」
麻衣子が晴南に言った。
「それに学校の机で昼寝しても疲れなんて取れないでしょ。そんなやり方は体力が有り余ってる晴南にしかできないわ。」
晃太がみんなに尋ねた。
「それじゃあ晴南以外は今日から交代で参加するって事でいいか?」
麻衣子が晃太に言った。
「いいと思うわ。」
冬湖が晃太に言った。
「いいんじゃないでしょうか。」
晴南がみんなに尋ねた。
「それで今日は誰が来てくれるの?」
優斗がみんなに言った。
「それじゃあ今日は僕たちが行くよ。」
晃太がみんなに言った。
「ああ、だからみんなは明日以降に備えて休んでてくれ。」
麻衣子が三人に言った。
「うん、それじゃあお願いね。晴南、晃太君。優斗君。」
三緒がみんなに言った。
「それじゃあ学校まで送るわね。」
晴南達は一旦封木神社まで戻るとそのまま九木礼中学校まで送ってもらうのだった。
街灯で照らされた遊歩道を晴南達は歩いていた。
晴南が隣を歩いていた麻衣子に言った。
「夜の九木礼公園って誰もいないわね。」
麻衣子が晴南に言った。
「まあ昼間にしてもたくさんの人がいるわけじゃなけどね。」
晴南達は九木礼公園へとやってきたのだった。
九木礼公園は九木礼町の中心部付近にあり、休日には九木礼町民にとっての憩いの場になっていた。
九木礼公園は遊具があるだけの小さな公園ではなく、かなりの広さがありたくさんの木や花々が植えられていた。
晴南達は午前2時にここにやって来た。
九木礼公園は所々に設置されている街灯よって公園内が照れされており、真っ暗ではなくそれなりの明るさがあった。
九木礼公園の中は公園内を歩いて回れるように遊歩道が整備されていた。
最も管理が行き届いていない場所も少なくなく草がぼうぼうに生い茂っている場所も散見された。
すると晴南が二実に尋ねた。
「九木礼公園の中で何をするんですか?」
二実が晴南に言った。
「ほら九木礼公園の奥の方に石碑(せきひ)があるでしょ。あの石碑に用事があるのよ。」
晴南が二実に聞き返した。
「石碑(せきひ)??」
すると拓也が晴南に言った。
「あれじゃないか??公園の奥に大きな石が置いてあるだろう。」
晴南が納得した様子で拓也に言った。
「ああ、あるわね。あれ石碑だったんだ。何の文字も彫られてないからただの石ころだと思ってた。」
晴南達はそんな会話をしながら遊歩道を進んでいった。
そして晴南達は九木礼公園の奥にある石碑の場所へとやってきた。
すでに遊歩道は終わっており、この周辺には街灯もなく薄暗くなっていた。
石碑はぼうぼうに生い茂った雑草に取り囲まれていた。
二実達はその草をかき分けて石碑の前までやってきたのだった。
晴南の言う通りそこには石碑というよりは大きな岩が転がっているだけであった。
すると晃太が二実に尋ねた。
「そういえばこの石碑って何も刻まれてないんですけど?これは何の石碑なんですか?」
二実が晃太に言った。
「これはねえ、とあるオバケを封じる為の石碑なの。あんまり大ぴらにできないから何も刻まれてないんだと思う。」
晃太が二実に言った。
「それじゃあここにオバケが封じられているんですか?」
「ええ、ここに半分が封じられているわ。」
二実はそう言い終わると持ってきたポーチの中から紙を一枚取り出した。
その紙は赤黒く変色しており不気味な文字がたくさん記されていた。
二実はさらにポーチからテープを取り出すと、その紙にテープを張り付けてそのままその紙を石碑に張り付けたのだった。
二実がみんなに言った。
「オッケー、ここでの用事は済んだわ。それじゃあ次の場所に向かいましょうか??」
麻衣子が二実に尋ねた。
「えっ??もういいんですか??」
二実が麻衣子に言った。
「うん、次の場所に行きましょう。」
三緒が二実に言った。
「ねえ二実??思ったんだけど私と二実で分かれて動いた方が効率がいいんじゃない?」
二実が三緒に言った。
「うーん、確かにその方が効率はよさそうね。それじゃあ明日からは別々に行動していきましょうか。」
三緒が二実に言った。
「その方がいいと思うわ。」
晴南が二実に尋ねた。
「次はどこに行くんですか?」
二実が晴南に言った。
「九木礼トンネルよ。」
晴南が二実に言った。
「九木礼トンネルですか。」
晴南達は足早に九木礼公園を立ち去ると二実の車で九木礼トンネルに向かった。
二実と三緒はトンネルの近くに車を停めるとみんなを下ろした。
そして九木礼トンネルの前にやって来たのだった。
晴南が二実に言った。
「九木礼トンネルってこっちの方なんですね。」
三緒がみんなに言った。
「新しく第二九木礼トンネルが掘られたからこっちはほとんど使われなくなっちゃってるんだよね。」
晴南が二実に尋ねた。
「このトンネルにオバケがいるんですか?」
二実が晴南に言った。
「うーん、正確に言うとこのトンネルの周辺と言った方がいいかな?」
二実がみんなに尋ねた。
「この辺りは昔なんて呼ばれてたか知ってる??」
麻衣子が二実に言った。
「六林(ろくばやし)地区だから六林(ろくばやし)峠とかですか?」
三緒が麻衣子に言った。
「昔はこの辺は彷徨峠(さまよいとうげ)って言われてたらしいわ。昔はたくさんの人がこの辺りで道に迷ったらしいの。」
優斗が麻衣子に言った。
「この六林(ろくばやし)周辺の地形は起伏が激しいうえに似たような景色の場所が多いからね。霧もよく発生するから昔から迷子になる人が多かったらしいよ。それで安全な通行の為にこのトンネルが掘られたらしいよ。」
麻衣子が優斗に言った。
「へえそうなのね。」
二実が麻衣子に言った。
「ええ最も九木礼トンネルができたら今度はトンネル内での事故が多発したらしいけどね。」
二実はそう言うと再び歩き始めた。
だが二実は方向転換をして九木礼トンネルの中には入っていかずに山の方に向かって歩き出した。
晴南が二実を呼び止めて尋ねた。
「二実さん??トンネルの中に封印場所があるんじゃないんですか?」
二実が晴南に言った。
「封印場所はトンネルの外にあるのよ。」
二実はそういうと再び歩き始めた。
晴南達も二実の後ろに続いて歩いていった。
山道は急こう配の坂道になっており、晴南達は真っ暗な山道をLEDライトを照らしながら慎重に進んでいった。
少し進むと、うっそうとした林の中に突如古い石碑が姿を現したのだった。
冬湖が麻衣子に言った。
「こんな森の奥に石碑があるんですね?」
麻衣子が冬湖に言った。
「本当ね、こっちの石碑も草で埋もれちゃってるわね。」
二実が二人に言った。
「ええ、さっきと同じ石碑がここにも奉られているの。」
優斗が二実に尋ねた。
「同じ石碑ってどういう事ですか?」
二実が優斗に言った。
「ここのオバケは九木礼公園の石碑とこの石碑の二つで封印されてるって事よ。」
優斗が二実に言った。
「なんで二つの石碑が封印されてるんですか?」
二実が優斗に言った。
「一つの封印では抑えられなかったからじゃないかな。二重に封印を敷いてようやく封印できたんだと思う。」
優斗が二実に尋ねた。
「という事はここのオバケはかなり強力なオバケなんですか?」
二実が優斗に言った。
「ええ、かなり強力なオバケみたいよ。封印されてる今の状態でも禍々しい気配をヒシヒシと感じれるからね。とんでもないオバケだと思うわ。」
すると無色がみんなに言った。
「ああここに封印されているオバケはかなり強力なようだ。すさまじい霊力を感じる。」
麻衣子が二実に尋ねた。
「そんなオバケの封印を解放しちゃって大丈夫なんですか?」
二実が麻衣子に言った。
「かなり危険ではあるわ。封印を解放すればまたトンネル内での事故が多発するようになるかもしれない。ただ今は方法を選り好みできる状況じゃないしね。極力町のみんなに迷惑をかけないようにしたいけど、ある程度は仕方ないかなって思うわ。」
麻衣子が二実に言った。
「そうですね。」
二実がみんなに言った。
「それじゃあ封印を解除しましょうか。」
二実はそう言い終わるとポーチからさきほど使ったのと同じ赤黒く染まった紙を取り出した。
二実は取り出した紙はさきほどの紙と同様に紙の色が赤黒く染まっており、不気味な文様や文字がびっしりと書かれていた。
そして二実がその赤黒い紙をテープでさきほどと同じように石碑に張り付けたのだった。
三緒が二実に尋ねた。
「そういえばさっきも石碑に貼ってたわよね?ねえ二実?その赤黒い紙は何なの??」
二実が三緒に言った。
「呪いのお札よ。」
三緒が二実に聞き返した。
「呪いのお札??」
二実が三緒に言った。
「黒輪さんから作り方を聞きながら作ってみたのよ。石碑とかを壊すわけにはいかないでしょう。前回は使う機会がなかったけど、今回はちゃんと役に立って良かったわ。黒輪さんにも霊力をたくさん込めてもらったからかなり強力な呪いのお札になってるはずよ。これを石碑に張りつけるの。そうすれば石碑のオバケを封印する力と相殺されて疑似的に封印が解けるはずよ。」
三緒が二実に言った。
「いい封印解除の方法があるって言ってたのはこの事だったのね。」
「そういう事。」
「でも二実、だいぶ吹っ切れてきたわね。呪いのお札を作っちゃうなんて。」
「いや普通に石碑とか祠とかを物理的に壊して回る方が遥かに迷惑でしょ。」
「まあそれはそうなんだけど、だいぶ変わってきたなと思ってね。」
「当たり前でしょう。オバケは信用できないって意地を張り続けてもしょうがないじゃない。自分のやれる事をやっていくしかないじゃない。」
「全くその通りだね。」
「まあ呪いのお札を作ったり、オバケの封印を解除したりどんどん巫女の仕事からかけ離れていってるなとは自分でも思ってるけどね。」
そして晴南達は変化が起こるのを今か今かと待ち続けた。
だがなかなかオバケが起きてこず時間だけが流れていった。
結局その日の夜は何の変化が起きないまま夜が明けてしまった。
みんなが眠そうな顔をしていた。
晴南が言った。
「なかなかオバケさん起きてこないわね。」
三緒が二実に言った。
「どうするの二実??もう朝よ??夜が明けちゃったわよ。」
二実がみんなに言った。
「オバケさん達は基本夜に訪ねた方がいいらしいしね。」
すこし考えた後で二実がみんなに言った。
「うーん、仕方ないわね一旦切り上げましょう。みんな今日はここまで。続きは日没後になるわ。」
麻衣子が二実に言った。
「分かりました。」
麻衣子が二実に尋ねた。
「あでも封印解除しっぱなしでいいんですか?」
二実が麻衣子に言った。
「そうね、封印を解除したままはさすがにまずいわね。」
すると晴南が二実に言った。
「だったら勇雄さんに事情を話してここを通行止めにしてもらったらどうですか?」
二実が晴南に言った。
「そうだね、事故が起きても困るからそうしてもらおうか。」
拓也が二実に言った。
「なら後で親父に連絡しておきます。」
二実が拓也に言った。
「拓也君、ありがとうね。」
すると二実がみんなに言った。
「それと予想よりも長丁場になりそうだからみんな無理はしないでね。無理して参加しなくていいから。」
三緒が二実に言った。
「そうよね、みんなは昼間は学校があるもんね。さすがに昼間に学校に来て、夜は封印解除して回るのはキツイわよね。」
麻衣子が二実に言った。
「でもみんな私達を助ける為に動いてくれてるのに、肝心の私達が休んでて何もしないのはいいのかなって思ちゃいます。」
晃太が麻衣子に言った。
「そうは言っても仕方ないだろう。毎日一晩中起きてて、昼間も学校に行ってたらとてもじゃないが体が持たないぞ。」
晴南が麻衣子に言った。
「だったら交代で参加すればいいでしょう?」
麻衣子が晴南に言った。
「交代で参加か、確かにそれなら毎日徹夜しなくてもいいわね。」
晴南が麻衣子に言った。
「まあ私は大丈夫だから毎日参加するけどね。」
二実が晴南に尋ねた。
「いくら晴南ちゃんでも寝ないときついでしょ?」
晴南が二実に言った。
「大丈夫です、学校で昼寝をするつもりですから。」
優斗が晴南に言った。
「確かに今は授業時間が少ないから昼間に仮眠を取るのは有りだね。」
晃太が晴南に言った。
「でもそれは学校の授業を受けない前提って事だろう?学生なら授業はちゃんと受けるべきだぞ。」
麻衣子が晴南に言った。
「それに学校の机で昼寝しても疲れなんて取れないでしょ。そんなやり方は体力が有り余ってる晴南にしかできないわ。」
晃太がみんなに尋ねた。
「それじゃあ晴南以外は今日から交代で参加するって事でいいか?」
麻衣子が晃太に言った。
「いいと思うわ。」
冬湖が晃太に言った。
「いいんじゃないでしょうか。」
晴南がみんなに尋ねた。
「それで今日は誰が来てくれるの?」
優斗がみんなに言った。
「それじゃあ今日は僕たちが行くよ。」
晃太がみんなに言った。
「ああ、だからみんなは明日以降に備えて休んでてくれ。」
麻衣子が三人に言った。
「うん、それじゃあお願いね。晴南、晃太君。優斗君。」
三緒がみんなに言った。
「それじゃあ学校まで送るわね。」
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新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
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