かみかかり

しまうま弁当

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31話 真の目的

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俺はすぐに下りの空根サービスエリアの近くまでやってきた。

インカム越しに海江田本部長と会話をする。

「どこから侵入する気だ?」

「侵入するのはどこから侵入しても同じです。粗木田ならば守護霊に周囲の警戒をさせているはずです。」

「とりあえず高速道路の外からの外部入り口から入る事にします。」

「一般道から入れる入り口があるからな。」

俺は車を降りてサービスエリアへと通じる道を登り始めた。

空根サービスエリアは丘の上に建設されており、空根サービスエリアに向かう為には坂道を上って行く必要があった。

俺は下りの空根サービスエリアに通じる道を登っていった。

「そういえば楠田本部長。」

「なんだね、春山警部?」

「サービスエリアの中は真っ暗ですが、電源は遮断してあるんですか?」

「ああ、粗木田の奴に電気を使わせない為にな。」

「可能なら電源を回復させてもらえませんか?」

「そうか、分かった。」

「数分で回復するはずだ。」

そして坂道を登っている間に空根サービスエリアの照明が回復したのだった。

一気に俺の周囲が明るくなったのだった。

そして俺は空根サービスエリアの外駐車場までやってきたのだった。

外駐車場にはたくさんの警察車両や一般車が止まっていた。

そこにはたくさんの遺体が転がっていた。警察官の遺体に加えて、ここに休憩に来ていて巻き込まれてしまった一般人の遺体もたくさん転がっていたのだった。

どの遺体も拳銃で頭を撃ち抜かれているようで、みんな頭からたくさんの血を流して死んでいた。

俺は死んだ人々を踏みつけないように、慎重に進んでいった。

「ではトイレから調べていきます。」

トイレの中にも巻き込まれた一般人と思われる人々が、拳銃で頭を撃ち抜かれて死んでいた。

死んだ人々が折り重なっており、足の踏み場もない状態だった。

トイレの中を確認していく。

そしてあらかた確認を済ませてインカムで報告した。

「トイレには関口の姿はなし。」

「了解。」

続いてサービスエリアのショップやフードコートが入っている建物へと入ってきた。

空根サービスエリアのショップが入っている建物は2階建ての大きな建物だった。

サービスエリアの中には動くものは何もなく、無残に殺された人々の遺体がころがっていたがとても静かだった。

「なんだかとても異様ですな。」

「そうなのか?」

「めちゃくちゃサービスエリアの中は明るいのに、あちこちに頭を撃ち抜かれた人々の死体だけが転がっているんですから。」

俺は最新の注意を払いながら、建物の中を調査していった。

広い建物を隅から隅まで調査していったが、どこにも粗木田の姿を見つける事はできなかった。

「楠田本部長、どこにも粗木田の姿はありません。」

「なんだと?」

「どうやら闇に紛れてすでに移動したようです。」

「闇に紛れて移動してしまったとすると、もう追いかける手立てはないぞ。この周辺の警察官はほぼいなくなってしまっている。」

粗木田は静岡から神奈川に移動している。

静岡県から神奈川に移動しているとなると、方角的にはやはり東京に向かっていると考えて間違いないだろう。

「粗木田はどこにいったと思う?」

「たぶん東京に向かったんだと思います。」

「東京か。」

「東京に行ってよからぬ事を計画しているはずです。」

「良からぬ事と言うと政府の転覆を謀るつもりか。」

「あるいは政府要人への襲撃を狙っているかもしれん。」

「たぶんそれも考えていない事はないでしょうが、粗木田が狙っているのはもっと厄介な事です。」

「厄介な事。」

「粗木田はこう言っていました。大いなる神の粗木田がこの世界に降臨すると。」

「ずいぶんイカれた事を言う奴なのだな、粗木田は。」

「だな。粗木田は本当にヤバイ奴だ。」

「ええ私も粗木田がイカれた奴だと思っていますが、大事なのは最後の粗木田がこの世界に降臨するという言葉です。」

「だから粗木田は政府の転覆や要人の襲撃を狙っているのではないのか?」

「海江田本部長のお考えではこの日本一か国を支配するに過ぎないんですよ。粗木田は言葉通り世界を支配しようとしているんですよ。」

「いくらなんでも話が飛びすぎじゃないか。」

「そうだな東京はたしかに中枢ではあるが、それはあくまでの日本の中枢であるというだけだ。いくら東京で大暴れした所でそれで外国の国がどうなったりはしないだろう。」

「いえそんな事はありません。」

「そうだろうか?」

「今行われいるイベントを襲撃すればそれが可能なのではないですか?」

海江田本部長が顔を青くしていた。

「おい、まさか粗木田の奴、今東京で開かれている世界経済発展会議に出席してきる各国首脳を襲撃するつもりか。」

「襲撃というよりは乗っ取りを狙っているのでしょう。」

「東京の住山スパイヤービルでは世界経済発展会議の為に各国から首脳級の要人が来日しています。粗木田の能力は守護霊を取り憑かせて、人を操らせる事です。」

「もし粗木田が守護霊を使って世界各国の首脳を意のままに操りでもしたら。」

「ええ本当に世界中の人々が粗木田を大いなる神として崇めなければならなくなります。」

「粗木田め、とんでもない事を計画したものだな。」

「しかし警視庁も各国要人の警備の為に多くの人数を割いているし、他の都道府県からも応援の警察官が行っているはずだ。さすがの粗木田でもそうやすやすと突破はできないのではないか?」

「粗木田が相手では人の数が意味をなさない事は、すでに証明されているかと。」

「そうだったな。」

「それで一つお願いがありまして。」

「なんだ?」

「私を東京の住山スパイヤービルに向かわせてくれないでしょうか?」

海江田本部長は深く考え込んでいた。

「粗木田の狙いが東京にいる世界経済発展会議に出席しているの各国首脳であるならば、ここに残っていてもあまり意味はないと思います。」

海江田本部長は納得してくれたようだった。

「そうだな、確かにその方がよさそうだ。春山警部、至急東京に向かって粗木田の狙いを阻止してほしい。ただ私は笠歌に戻らせてもらうよ。一緒に東京に向かってもあまり役に立てそうにないしな。」

「ありがとうございます。直ちに向かいます。」

そしてすぐに東京にいる俺の直属の上司である田島警視に電話をした。

この田島警視は自分が所属している特殊事件刑事応援室の部署で上司にあたる人物で、顔見知りであった。

「田島警視、突然すいません。」

「おお春山、どうかしたのか?」

「実は世界経済開発会議に出席している各国首脳を襲撃する計画があるようなんです。」

「なんだと、それは本当なのか?」

「田島警視、粗木田をご存じですか。」

「粗木田、ああ静岡や神奈川で暴れ回っている殺人鬼だろう。」

「その粗木田が各国首脳達の襲撃を企んでいる可能性があるんです。」

「なんだと!!」

「ただまだ確証までは得られていないんですが。」

「いや春山が言うんだから、たぶん合ってるんだろう。分かった俺から柳田警備局長に話をしておこう。」

「話をしておこうというのは。」

「ちょうど今、世界経済開発会議の警備本部にいるんだよ。ついでに言うと柳田警備局長がここの警備責任者なのさ。」

「そうだったんですか?」

「ああだから春山からの忠告ならたぶん聞いてくれるとは思う。すぐに柳田警備局長に話をしてみる。」

「ありがとうございます。でしたら田島警視、一つお願いがあるんですが。」

「なんだ?」

俺は田島警視に一つの頼み事をした。

そして電話を終えると俺はすぐに自分の車に飛び乗って、高速を使いながら世界経済開発会議が行われている東京の住山区にある住山スパイヤービルへと向かったのだった。
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