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【05 結婚相手として】
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・【05 結婚相手として】
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ショタヌキもカフェと人間界に慣れてきたみたいで、箸はなんとか使えるようになってきて、鍋の底が焦げ付かないように混ぜるくらいならできるようになっている。
意外とレジの操作もできるようになり、まあ野田ゲーmakerにアップロードされたゲームのルール把握も悪くなかったし、やればできる子っぽい。
ただ包丁だけは相変わらず怖がって、できることはできるけども、時間が掛かってしょうがないといった感じだ。まあ包丁はマジで向き不向きあるからなぁ。
身長が足らず、ホールが全然なのは惜しいところだ。料理をテーブルに乗せられるほどの身長はまだない。来た時と同じように、机の板はショタヌキの鼻先だ。なので今はレジ専門として、レジ前に座らせている。
まあ慣れてきた=仲良くなってきたというわけだけども、今のところ襲撃はされていないので大丈夫。
ずっとビクビクしていてもしょうがないので、もうあんま気にしないようには一応している。
また慣れてきたのはショタヌキ自身だけじゃなくて、常連さんたちもだ。
「祥太くん、今日も元気?」
と、どう返しても笑いに繋がらなさそうなフリにもショタヌキは全力の、
「元気です!」
とショタとして百点の回答をして、常連さん(おばさんチーム)を喜ばせている。
ショタヌキも変化の術で逃げるようなことはしなくなり、ちゃんと仕事をしている。
そんなある日だった。
常連の女性がいつも通りL字のカウンターに座ったわけだけども、憂いを帯びた溜息ばかりしている。バーだったらエロい男に捕まってしまうくらいの。
こちとら野田ゲーmakerで毎日ゲーム作ってる女子なので、エロい出だしは一切しないけども、さすがに気になったので、
「何か相談がありましたら聞きますよ」
と言いながら、これでも喰らえという気持ちでお冷を出した。心の中は自由でいいから。私は全員に”これでも喰らえ”という気持ちでお冷を出す。
「相談、ですか、おっちゃんの時もしていましたよね」
おっちゃんとは私の祖父のことだ。そう呼ばせていたわけだ。ちょっと痛いなぁ。
常連の女性はまた溜息をついてから、
「おっちゃんの時は精神論ばかりでわたしはついていけなかったですよ。でも卯愛さんの相談は好評みたいですね」
何だこの説明的な台詞は。カフェモノのゲームのチュートリアルのお客さん?
私は謙遜を選択することにした。
「いえいえ、私の相談なんてたまたまですよ」
すると常連の女性は、よく聞くと機械みたいな音声で、
「いや本当にしっかり解決したって話を聞きますよ。やっぱりわたしの悩みを聞いてもらおうかな」
チュートリアルのお客さん過ぎる。
私が何を選んでも絶対この話になったんだろうな。
「実はわたし、結婚を決めた相手がいるのですが、その彼氏が本当に優しい人間が見定めたいんです」
もう、一度ゲームのイベントに感じてしまったら、ずっとゲームのイベントのような気がする。
絶対違うんだろうけども。目の前にいるのは、生身の人間なんだろうけども。
でも何かゲームのキャラクターぐらい美人で、ちょっと台詞も機械的な、感情が入りきっていない棒読みっぽいところもあり、ゲーム感がすごい。
いや真面目に相談してくれているんだから、ちゃんと答えなきゃ。
「じゃあ分かりました。私がダメな店員するので、店員に高圧的な人はカスなのでそれで見極めましょう」
すると常連の女性は優しく首を横に振ってから、
「いいえ、女性には全般的に優しいことは既に証明済みです。勿論小さなお子様にもね」
と言って、レジの前に設置した高めのイスにじっと座っているショタヌキのほうを見た。
そう言えば、ショタヌキっていざ食い逃げされそうになったら、追いかける能力無いな、と思った。イスにぴったり座り込んでいるから。性善説のレジだ。
「他に何か、案は無いでしょうか」
じゃあと思ったところで急にショタヌキが振り返って、こう言った。
「急にお尻を出してみて、ウケたら良い人だと思う!」
そのショタヌキのお尻からはいやらしさを感じない、マンキンの五歳児のお尻だったわけだけども、そんなんがいけるわけもなく、私は、
「おふざけはそれくらいにね」
と語気を強めて諫めると、ショタヌキはふて腐れるように俯いた。
いやこんなヤツの急な積極性はどうでもいいとして、
「そのお方は日本人ですか?」
「はい、日本人です。それが何か問題あるでしょうか」
「問題じゃなくて、例えばあれはどうですか? ハイキングしていたらコース上にあるお地蔵さんが倒れていて、それを直すかどうか見るみたいな」
このカフェの裏山は祖父が開拓して勝手に観光地したほどに整備されている。植物を植えて綺麗にしている。
序盤は丘なのでハイキングコースとしてちゃんとしているし、確かオブジェとしてかどうかは知らんけども、お地蔵さんがあったはず。
それを倒して置いておき、直すかどうか見るとかも全然アリなんじゃないか、と思っていると、常連の女性は大きく頷きながら、
「なるほど、無機物への対応は見たことありませんでした。でも」
と語尾を曇らせた常連の女性。一体何なんだろうと思っていると、
「そういうお地蔵様を元々倒しておくことが、わたしたちにとって罰当たりじゃないでしょうか」
なるほど、そうきたか。まあ祖父が勝手に設置したお地蔵さんなら、何の効果も無いだろうけども、ちゃんとしたいわれのあるお地蔵さんなら確かに嫌かもしれない。
でも、
「そういう、善の行為に使うならお地蔵さんも許してくれるんじゃないんですか」
「いいえ、そもそも彼氏を試すという、人を試すという行為は善じゃないと思います」
そんな、優しい人間かどうかを見定めたいって試す前提のアレじゃん。
ここにきてそんな否定の仕方されちゃぁ……待てよ、あるわ、方法。
私は少し自信満々に、
「じゃあお地蔵さんをこっちで用意すればいいんですね?」
すると常連の女性は怪訝な表情をしながら、
「それだけのために新しく作るのはお地蔵さんへの冒涜のような気がします」
「新しく作るのではなくて、祥太くんにお地蔵さんに化けて倒れていてもらうんです」
そう、ショタヌキがタヌキのあやかしということは常連さんなら皆知っていること。
常連の女性は顔がパァッと晴れて、
「それなら、確かに悪くないかもしれませんっ」
と言葉を弾ませた。
ショタヌキも自分が頼られたことが分かり、嬉しそうな横顔をして、体を揺らし始めた。ウキウキしているように。
一挙両得おつじゃん、みたいなネットの言い方が浮かんでしまい、若干自己嫌悪しつつも、段取りをつけて、後日、常連の女性とその彼氏がハイキングコースをちょっと歩くという話になった。
当日、一旦カフェに入ってコーヒーを飲んで、落ち着いてから、裏口からハイキングコースへ歩きに行った二人。勿論ショタヌキは既に所定の位置でスタンバイしている。
このカフェは裏口から直で裏山に出ることができるように設計されている。裏山というかまあ丘だけどね。もっと上に行けば山っぽくなるけども。
誰かが裏口を開けると、爽やかな草木というか葉緑体の香りがふわっと舞ってくる。この時期は隣家が草を電動機で刈っていることも多々あるので、なお草らしい青葉の香りが風に乗ってくる。
さて私は、目印の炒飯の準備をする。
彼氏は炒飯が好きらしく、戻ってきたところでお出しするという話だ。
そこで常連の女性が「あんかけもお願いします」と言ったら、成功した、うまくいった、これでいい、という意味合いで、何も無ければ、やっぱりこの彼氏はダメかも、という話だ。
ハイキングコースは自分で距離を決められるくらい道が枝葉になって別れているんだけども、まあ二十五分あれば充分堪能できるので、それくらいで戻ってくるという。
私は長ネギをカットし始めた。私は気付いたのだ、炒飯の美味しそうな香りって長ネギを炒めた香りだと。だから長ネギは多めに入れる。
卵は混ぜ過ぎないことがポイント。白身と黄身のマーブルになったほうが美味しい。まず少なめのごま油で長ネギを炒めてそこに卵を入れていく、今回はツナ缶で作ることにしたので、ツナ缶の油込みで入れていき、ご飯を入れて、チャッチャっと炒める……予定。
今作ったら早くできちゃうからね。
他のお客さんのお世話をして時間経過を待ち、ちょうど今くらいかなと思った時から実際に調理開始。
そんなところで裏口の扉が開き、常連の女性と彼氏が帰ってきた。
すると常連の女性が私へ向かって、こう言った。
「目玉焼き乗せてください!」
えっ? 目玉焼き? そんな話していなかったけども! でも何か常連の女性がハツラツとしていたので、まあ良くないことにはなっていないんだろうなと思いながら、目玉焼きを別で作り始めた。
炒飯ができたところで目玉焼きを上に乗せて、そのままこれでも喰らえって気持ちで炒飯を彼氏の前に置いた。全然、全料理でも”これでも喰らえ”と思っております。
その炒飯を彼氏は常連の女性と分け合いながら食べ始めた。一体何なんだ、若干モヤモヤしていると、裏口から普通にショタヌキが戻ってきて、何か戻ってくるの早いなぁ、と思った。
一応怪しまれずに、常連の女性と彼氏が帰ってから戻ってきたほうがいいって話をしていて、一時間後に戻るみたいな決まり事だったのに。
すると彼氏のほうがショタヌキに手を振って挨拶をしていて、あっ、これ、バレたんだと、と思って血の気が引いた。
でも常連の女性は笑顔で炒飯をほおばっているし、どういうことになったんだろうか。
常連の女性と彼氏がラブラブで帰ったところで私はショタヌキへ、
「ちょっと、祥太くん、何かちょっと違ったっぽいけども」
するとショタヌキは少し言いづらそうに、
「男の人が持ってくれたところで、くすぐったくて元に戻っちゃったんだ」
ダメ過ぎる。ショタらしいミスじゃぁないんだよ。
「でも持ってくれたということは直そうとしたことだし、そのあとの僕への対応も良かったみたいです。あやかしと知っても動じずみたいな」
まあ確かに人って緊急事態の時に一番素が出るらしいし、結果オーライといったところなんだろう。
でもそれならそこまで私が計算しておきたかった、とは思った。
私の相談力、まだまだだなぁ、とかどうでもいい言葉が浮かんだ。
・【05 結婚相手として】
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ショタヌキもカフェと人間界に慣れてきたみたいで、箸はなんとか使えるようになってきて、鍋の底が焦げ付かないように混ぜるくらいならできるようになっている。
意外とレジの操作もできるようになり、まあ野田ゲーmakerにアップロードされたゲームのルール把握も悪くなかったし、やればできる子っぽい。
ただ包丁だけは相変わらず怖がって、できることはできるけども、時間が掛かってしょうがないといった感じだ。まあ包丁はマジで向き不向きあるからなぁ。
身長が足らず、ホールが全然なのは惜しいところだ。料理をテーブルに乗せられるほどの身長はまだない。来た時と同じように、机の板はショタヌキの鼻先だ。なので今はレジ専門として、レジ前に座らせている。
まあ慣れてきた=仲良くなってきたというわけだけども、今のところ襲撃はされていないので大丈夫。
ずっとビクビクしていてもしょうがないので、もうあんま気にしないようには一応している。
また慣れてきたのはショタヌキ自身だけじゃなくて、常連さんたちもだ。
「祥太くん、今日も元気?」
と、どう返しても笑いに繋がらなさそうなフリにもショタヌキは全力の、
「元気です!」
とショタとして百点の回答をして、常連さん(おばさんチーム)を喜ばせている。
ショタヌキも変化の術で逃げるようなことはしなくなり、ちゃんと仕事をしている。
そんなある日だった。
常連の女性がいつも通りL字のカウンターに座ったわけだけども、憂いを帯びた溜息ばかりしている。バーだったらエロい男に捕まってしまうくらいの。
こちとら野田ゲーmakerで毎日ゲーム作ってる女子なので、エロい出だしは一切しないけども、さすがに気になったので、
「何か相談がありましたら聞きますよ」
と言いながら、これでも喰らえという気持ちでお冷を出した。心の中は自由でいいから。私は全員に”これでも喰らえ”という気持ちでお冷を出す。
「相談、ですか、おっちゃんの時もしていましたよね」
おっちゃんとは私の祖父のことだ。そう呼ばせていたわけだ。ちょっと痛いなぁ。
常連の女性はまた溜息をついてから、
「おっちゃんの時は精神論ばかりでわたしはついていけなかったですよ。でも卯愛さんの相談は好評みたいですね」
何だこの説明的な台詞は。カフェモノのゲームのチュートリアルのお客さん?
私は謙遜を選択することにした。
「いえいえ、私の相談なんてたまたまですよ」
すると常連の女性は、よく聞くと機械みたいな音声で、
「いや本当にしっかり解決したって話を聞きますよ。やっぱりわたしの悩みを聞いてもらおうかな」
チュートリアルのお客さん過ぎる。
私が何を選んでも絶対この話になったんだろうな。
「実はわたし、結婚を決めた相手がいるのですが、その彼氏が本当に優しい人間が見定めたいんです」
もう、一度ゲームのイベントに感じてしまったら、ずっとゲームのイベントのような気がする。
絶対違うんだろうけども。目の前にいるのは、生身の人間なんだろうけども。
でも何かゲームのキャラクターぐらい美人で、ちょっと台詞も機械的な、感情が入りきっていない棒読みっぽいところもあり、ゲーム感がすごい。
いや真面目に相談してくれているんだから、ちゃんと答えなきゃ。
「じゃあ分かりました。私がダメな店員するので、店員に高圧的な人はカスなのでそれで見極めましょう」
すると常連の女性は優しく首を横に振ってから、
「いいえ、女性には全般的に優しいことは既に証明済みです。勿論小さなお子様にもね」
と言って、レジの前に設置した高めのイスにじっと座っているショタヌキのほうを見た。
そう言えば、ショタヌキっていざ食い逃げされそうになったら、追いかける能力無いな、と思った。イスにぴったり座り込んでいるから。性善説のレジだ。
「他に何か、案は無いでしょうか」
じゃあと思ったところで急にショタヌキが振り返って、こう言った。
「急にお尻を出してみて、ウケたら良い人だと思う!」
そのショタヌキのお尻からはいやらしさを感じない、マンキンの五歳児のお尻だったわけだけども、そんなんがいけるわけもなく、私は、
「おふざけはそれくらいにね」
と語気を強めて諫めると、ショタヌキはふて腐れるように俯いた。
いやこんなヤツの急な積極性はどうでもいいとして、
「そのお方は日本人ですか?」
「はい、日本人です。それが何か問題あるでしょうか」
「問題じゃなくて、例えばあれはどうですか? ハイキングしていたらコース上にあるお地蔵さんが倒れていて、それを直すかどうか見るみたいな」
このカフェの裏山は祖父が開拓して勝手に観光地したほどに整備されている。植物を植えて綺麗にしている。
序盤は丘なのでハイキングコースとしてちゃんとしているし、確かオブジェとしてかどうかは知らんけども、お地蔵さんがあったはず。
それを倒して置いておき、直すかどうか見るとかも全然アリなんじゃないか、と思っていると、常連の女性は大きく頷きながら、
「なるほど、無機物への対応は見たことありませんでした。でも」
と語尾を曇らせた常連の女性。一体何なんだろうと思っていると、
「そういうお地蔵様を元々倒しておくことが、わたしたちにとって罰当たりじゃないでしょうか」
なるほど、そうきたか。まあ祖父が勝手に設置したお地蔵さんなら、何の効果も無いだろうけども、ちゃんとしたいわれのあるお地蔵さんなら確かに嫌かもしれない。
でも、
「そういう、善の行為に使うならお地蔵さんも許してくれるんじゃないんですか」
「いいえ、そもそも彼氏を試すという、人を試すという行為は善じゃないと思います」
そんな、優しい人間かどうかを見定めたいって試す前提のアレじゃん。
ここにきてそんな否定の仕方されちゃぁ……待てよ、あるわ、方法。
私は少し自信満々に、
「じゃあお地蔵さんをこっちで用意すればいいんですね?」
すると常連の女性は怪訝な表情をしながら、
「それだけのために新しく作るのはお地蔵さんへの冒涜のような気がします」
「新しく作るのではなくて、祥太くんにお地蔵さんに化けて倒れていてもらうんです」
そう、ショタヌキがタヌキのあやかしということは常連さんなら皆知っていること。
常連の女性は顔がパァッと晴れて、
「それなら、確かに悪くないかもしれませんっ」
と言葉を弾ませた。
ショタヌキも自分が頼られたことが分かり、嬉しそうな横顔をして、体を揺らし始めた。ウキウキしているように。
一挙両得おつじゃん、みたいなネットの言い方が浮かんでしまい、若干自己嫌悪しつつも、段取りをつけて、後日、常連の女性とその彼氏がハイキングコースをちょっと歩くという話になった。
当日、一旦カフェに入ってコーヒーを飲んで、落ち着いてから、裏口からハイキングコースへ歩きに行った二人。勿論ショタヌキは既に所定の位置でスタンバイしている。
このカフェは裏口から直で裏山に出ることができるように設計されている。裏山というかまあ丘だけどね。もっと上に行けば山っぽくなるけども。
誰かが裏口を開けると、爽やかな草木というか葉緑体の香りがふわっと舞ってくる。この時期は隣家が草を電動機で刈っていることも多々あるので、なお草らしい青葉の香りが風に乗ってくる。
さて私は、目印の炒飯の準備をする。
彼氏は炒飯が好きらしく、戻ってきたところでお出しするという話だ。
そこで常連の女性が「あんかけもお願いします」と言ったら、成功した、うまくいった、これでいい、という意味合いで、何も無ければ、やっぱりこの彼氏はダメかも、という話だ。
ハイキングコースは自分で距離を決められるくらい道が枝葉になって別れているんだけども、まあ二十五分あれば充分堪能できるので、それくらいで戻ってくるという。
私は長ネギをカットし始めた。私は気付いたのだ、炒飯の美味しそうな香りって長ネギを炒めた香りだと。だから長ネギは多めに入れる。
卵は混ぜ過ぎないことがポイント。白身と黄身のマーブルになったほうが美味しい。まず少なめのごま油で長ネギを炒めてそこに卵を入れていく、今回はツナ缶で作ることにしたので、ツナ缶の油込みで入れていき、ご飯を入れて、チャッチャっと炒める……予定。
今作ったら早くできちゃうからね。
他のお客さんのお世話をして時間経過を待ち、ちょうど今くらいかなと思った時から実際に調理開始。
そんなところで裏口の扉が開き、常連の女性と彼氏が帰ってきた。
すると常連の女性が私へ向かって、こう言った。
「目玉焼き乗せてください!」
えっ? 目玉焼き? そんな話していなかったけども! でも何か常連の女性がハツラツとしていたので、まあ良くないことにはなっていないんだろうなと思いながら、目玉焼きを別で作り始めた。
炒飯ができたところで目玉焼きを上に乗せて、そのままこれでも喰らえって気持ちで炒飯を彼氏の前に置いた。全然、全料理でも”これでも喰らえ”と思っております。
その炒飯を彼氏は常連の女性と分け合いながら食べ始めた。一体何なんだ、若干モヤモヤしていると、裏口から普通にショタヌキが戻ってきて、何か戻ってくるの早いなぁ、と思った。
一応怪しまれずに、常連の女性と彼氏が帰ってから戻ってきたほうがいいって話をしていて、一時間後に戻るみたいな決まり事だったのに。
すると彼氏のほうがショタヌキに手を振って挨拶をしていて、あっ、これ、バレたんだと、と思って血の気が引いた。
でも常連の女性は笑顔で炒飯をほおばっているし、どういうことになったんだろうか。
常連の女性と彼氏がラブラブで帰ったところで私はショタヌキへ、
「ちょっと、祥太くん、何かちょっと違ったっぽいけども」
するとショタヌキは少し言いづらそうに、
「男の人が持ってくれたところで、くすぐったくて元に戻っちゃったんだ」
ダメ過ぎる。ショタらしいミスじゃぁないんだよ。
「でも持ってくれたということは直そうとしたことだし、そのあとの僕への対応も良かったみたいです。あやかしと知っても動じずみたいな」
まあ確かに人って緊急事態の時に一番素が出るらしいし、結果オーライといったところなんだろう。
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