11 / 12
漫才二度目の披露
しおりを挟む
その日の朝のホームルームで、僕たちがまた漫才をすることを予告した。
その時に、ブーイングが起きた。勿論、僕に、だ。
「あんなことしたのに、よくまたやろうとするな」
「いやオレのほうが面白いのにな」
「また静かに黙る時間を見ないといけないのか」
など、散々な言われよう。
でもそんなことは分かっている。それでも僕はやってやるんだ。
昼休み。僕と豪太くんと麻衣ちゃんで最後の確認。
そして午後からの授業。あの時と同じように、廊下に出た僕と豪太くん。
「あの練習のようにやればいけるから、絶対大丈夫だ」
豪太くんが語気を強め、僕を励ました。いや大丈夫だ。絶対できるはずだ。だから。
「今度こそ、恥かかせないよ、豪太くん」
「おう! その意気だ!」
豪太くんが教室の扉を叩き、咲山先生に合図を送り、呼び込みが始まる。
「5年B組から生まれた漫才コンビ! ゴウタクです! どうぞ!」
「「はいどうも! よろしくお願いします!」」
と入った直後からだった。
なんと、スポーツの場でよく使われる、ブーブーというブーイングが響き始めたのだ。
まさかこんな露骨に嫌がられるなんて、と思った瞬間、心臓が口から出そうなほど緊張してきた。
さすがの音量に豪太くんは勿論、咲山先生も困っている。
こんなの漫才をする環境じゃない。
「ちょっと! ちょっと! そういうことは止めなさい!」
咲山先生が焦って声を出し、手を大きく振りながら、やめさせようとする。
いやでもこんな時にこそ冷静だ。この状況をしっかり見るんだ。
クラスメイトの視線はほぼ全員僕を見ていた。
少なくてもブーイングをしている人は全員僕を見ていた。
その表情をよく見ると、一つ分かった。
結局、これは嫉妬なんだ。
クラスの人気者と一緒にいるのが、何故オマエなんだ、ということなんだ。
だから僕を引きずり降ろそうとしているんだ。
じゃあどうすればいいか。ここは一発認めさせるしかない。
このまま黙っているだけじゃ何も変わらないから。
「一人に対して、こんな全員でブーイングですか! みんなで同じ行動やってその他大勢感、半端無いですね!」
この台詞が教室中に響き、シーンとした。
いやこれ認めさせるとかじゃなくて、喧嘩売っちゃった!
でも静かにはなった。チャンスだ。その隙をすかさず突くのは豪太くんだ。
「ブーイングなんてあった? 俺すごいオナラをしていたから分からなかったわ」
「自分のオナラの音量オーラに包まれていたんですか! ブーイングありましたよ!」
「というか俺、オナラで浮いていなかった?」
「あぁ、もう全然見ていなかったです! ブーイングしていたほうしか見ていませんでした!」
「何か頭が痛いんだけども」
「いや浮いて教室の天井に頭ぶつけたとかないですよ! ブーイングで耳が痛くなって頭にきたんじゃないんですかっ!」
「確かに頭にきたわぁ、ブーイングって。ハッキリ言って怒ってるからな」
「いや結局ブーイング聞こえていた!」
「バレた、恥ずかしい、でもオナラしていたことはバレなかったみたいだから良かった」
「いやでもオナラしていたことは自分でバラしていましたよ!」
「マジでかっ! いつの間に!」
「というか社会科漫才師はどうしたんですかっ!」
ここで僕が本題に戻した。何故なら掴みがもう十分だったから。
基本的にブーイングをしていた人たちは男子だ。
安易ながら男子にオナラネタは利く。
豪太くんもそれを分かっていて、オナラネタで掴みを入れた。
あとは練習通りの漫才をするだけだ。
結果、僕と豪太くんの漫才はそのまま完璧に終え、終わった時にクラス全員から拍手がもらえた。
そして何よりも、漫才中は常に笑いに包まれて、大ウケといってもいい状態だった。
ブーイングをしていた男子たちも、僕を見る目は嫉妬からすごいというような目に変わっていた。
その時に、ブーイングが起きた。勿論、僕に、だ。
「あんなことしたのに、よくまたやろうとするな」
「いやオレのほうが面白いのにな」
「また静かに黙る時間を見ないといけないのか」
など、散々な言われよう。
でもそんなことは分かっている。それでも僕はやってやるんだ。
昼休み。僕と豪太くんと麻衣ちゃんで最後の確認。
そして午後からの授業。あの時と同じように、廊下に出た僕と豪太くん。
「あの練習のようにやればいけるから、絶対大丈夫だ」
豪太くんが語気を強め、僕を励ました。いや大丈夫だ。絶対できるはずだ。だから。
「今度こそ、恥かかせないよ、豪太くん」
「おう! その意気だ!」
豪太くんが教室の扉を叩き、咲山先生に合図を送り、呼び込みが始まる。
「5年B組から生まれた漫才コンビ! ゴウタクです! どうぞ!」
「「はいどうも! よろしくお願いします!」」
と入った直後からだった。
なんと、スポーツの場でよく使われる、ブーブーというブーイングが響き始めたのだ。
まさかこんな露骨に嫌がられるなんて、と思った瞬間、心臓が口から出そうなほど緊張してきた。
さすがの音量に豪太くんは勿論、咲山先生も困っている。
こんなの漫才をする環境じゃない。
「ちょっと! ちょっと! そういうことは止めなさい!」
咲山先生が焦って声を出し、手を大きく振りながら、やめさせようとする。
いやでもこんな時にこそ冷静だ。この状況をしっかり見るんだ。
クラスメイトの視線はほぼ全員僕を見ていた。
少なくてもブーイングをしている人は全員僕を見ていた。
その表情をよく見ると、一つ分かった。
結局、これは嫉妬なんだ。
クラスの人気者と一緒にいるのが、何故オマエなんだ、ということなんだ。
だから僕を引きずり降ろそうとしているんだ。
じゃあどうすればいいか。ここは一発認めさせるしかない。
このまま黙っているだけじゃ何も変わらないから。
「一人に対して、こんな全員でブーイングですか! みんなで同じ行動やってその他大勢感、半端無いですね!」
この台詞が教室中に響き、シーンとした。
いやこれ認めさせるとかじゃなくて、喧嘩売っちゃった!
でも静かにはなった。チャンスだ。その隙をすかさず突くのは豪太くんだ。
「ブーイングなんてあった? 俺すごいオナラをしていたから分からなかったわ」
「自分のオナラの音量オーラに包まれていたんですか! ブーイングありましたよ!」
「というか俺、オナラで浮いていなかった?」
「あぁ、もう全然見ていなかったです! ブーイングしていたほうしか見ていませんでした!」
「何か頭が痛いんだけども」
「いや浮いて教室の天井に頭ぶつけたとかないですよ! ブーイングで耳が痛くなって頭にきたんじゃないんですかっ!」
「確かに頭にきたわぁ、ブーイングって。ハッキリ言って怒ってるからな」
「いや結局ブーイング聞こえていた!」
「バレた、恥ずかしい、でもオナラしていたことはバレなかったみたいだから良かった」
「いやでもオナラしていたことは自分でバラしていましたよ!」
「マジでかっ! いつの間に!」
「というか社会科漫才師はどうしたんですかっ!」
ここで僕が本題に戻した。何故なら掴みがもう十分だったから。
基本的にブーイングをしていた人たちは男子だ。
安易ながら男子にオナラネタは利く。
豪太くんもそれを分かっていて、オナラネタで掴みを入れた。
あとは練習通りの漫才をするだけだ。
結果、僕と豪太くんの漫才はそのまま完璧に終え、終わった時にクラス全員から拍手がもらえた。
そして何よりも、漫才中は常に笑いに包まれて、大ウケといってもいい状態だった。
ブーイングをしていた男子たちも、僕を見る目は嫉妬からすごいというような目に変わっていた。
0
あなたにおすすめの小説
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
大事なのは最後まで諦めないこと——and take a chance!
(also @ なろう)
小さな歌姫と大きな騎士さまのねがいごと
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしとある国で、戦いに疲れた騎士がいました。政争に敗れた彼は王都を離れ、辺境のとりでを守っています。そこで彼は、心優しい小さな歌姫に出会いました。
歌姫は彼の心を癒し、生きる意味を教えてくれました。彼らはお互いをかけがえのないものとしてみなすようになります。ところがある日、隣の国が攻めこんできたという知らせが届くのです。
大切な歌姫が傷つくことを恐れ、歌姫に急ぎ逃げるように告げる騎士。実は高貴な身分である彼は、ともに逃げることも叶わず、そのまま戦場へ向かいます。一方で、彼のことを諦められない歌姫は騎士の後を追いかけます。しかし、すでに騎士は敵に囲まれ、絶対絶命の危機に陥っていました。
愛するひとを傷つけさせたりはしない。騎士を救うべく、歌姫は命を賭けてある決断を下すのです。戦場に美しい花があふれたそのとき、騎士が目にしたものとは……。
恋した騎士にすべてを捧げた小さな歌姫と、彼女のことを最後まで待ちつづけた不器用な騎士の物語。
扉絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
25匹の魚と猫と
ねこ沢ふたよ
児童書・童話
コメディです。
短編です。
暴虐無人の猫に一泡吹かせようと、水槽のメダカとグッピーが考えます。
何も考えずに笑って下さい
※クラムボンは笑いません
25周年おめでとうございます。
Copyright©︎
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
【完結】夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで
猫都299
児童書・童話
タイムリープしたかもしれない。中学生に戻っている? 夫に愛されなかった惨めな人生をやり直せそうだ。彼を振り向かせたい。しかしタイムリープ前の夫には多くの愛人がいた。純愛信者で奥手で恋愛経験もほぼない喪女にはハードルが高過ぎる。まずは同じ土俵で向き合えるように修行しよう。この際、己の理想もかなぐり捨てる。逆ハーレムを作ってメンバーが集まったら告白する! 兄(血は繋がっていない)にも色々教えてもらおう。…………メンバーが夫しか集まらなかった。
※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、Nolaノベル、Tales、ツギクルの6サイトに投稿しています。
※ノベルアップ+にて不定期に進捗状況を報告しています。
※文字数を調整した【応募版】は2026年1月3日より、Nolaノベル、ツギクル、ベリーズカフェ、野いちごに投稿中です。
※2026.1.5に完結しました! 修正中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる