執着

流風

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飲み会

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 英治と俺と翔と裕太。高校時代からの仲間4人で飲み会をする事になった。
 英治と俺は同じ大学に通ってるから、頻繁に会うが、翔は美容師、裕太は別の大学に通っているので、会うのは正月以来だ。

 どうやら今回の飲み会は近況報告会と言う名の、翔の惚気話報告会となりそうだ。
 噂によると翔は人生初の彼女が出来た事で、浮かれきっているらしく、みんなに自慢話をしているらしい。



 今までこのグループで彼女がいるのは俺だけだった。裕太は高校時代に彼女がいたが、今はフリー。英治はまだ、女性とお付き合いをした事がない。


 自慢したいのだろう。
 現在、酒を片手に翔が英治に惚気まくっていて英治のテンションが駄々下がりだ。

「可愛い俺の白衣の天使。結依ちゃんは可愛い。白衣の天使っていい響きだよな。俺好き。でも、今の看護師って白い服じゃないし、パンツスタイルだし、昔の看護師さんの制服が良かったなぁ。結衣ちゃんに着て欲しい」

 酔っているのか発言がおかしくなってきた翔が、看護師の服装についてボヤきはじめた。翔の彼女は病院は違うが、俺の彼女と同じ看護師らしい。翔の彼女は紫系のパンツスタイルの制服で俺の彼女は水色系のパンツスタイルの制服だ。

 翔が言うように、昔のナース服っていうのを着てもらいたいという気持ちはわかる。男の浪漫だ。

 えへへへ(´∀`)と言いながら話している翔に、英治が「店に行け。店に。制服着てくれるヤラシイお姉さんの店に行け。そして彼女にフラれろ」とぼやいてる。


「そうそう、言い忘れてたけど、もう少ししたら結依ちゃんが友達連れて遊びに来るから紹介するわ~」

 突然の翔の爆弾発言。

「は?」

「え?今から?」

「え?友達?フリー?フリーの子?」

 英治と裕太が挙動不審になった。

「おい、合コンじゃないよな?」

「結依ちゃんは皆に紹介するだけだよ。取るなよ。圭太」

「取らねぇよ。俺には鈴音がいる」

「そうだ。圭太はおとなしくしていろ」

「結衣ちゃんのお友達は俺たちのものだ」

 熱く拳を付き合わせる英治と裕太。好きにしろよ!手なんか出さねぇよ!!

 30分ほどして、本当に結依ちゃんと女の子2人が現れた。全員看護師らしい。

 そのまま一緒に飲み始めたが……その内の一人から、妙に視線を感じる。

 自意識過剰?いや、やはりじっと見つめられている。裕太が小声で「あの子、圭太の事好きなんじゃね?流石だな、モテ男!」と揶揄ってくるが……俺には彼女がいます。頼むから、英治か裕太を見つめてくれ。

 居酒屋から、二次会はカラオケに移り、そして何故かそこで俺の記憶は途絶えた。
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