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26.森番の家で
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朝、目が覚めるとエーミールはいなくなっていて、エーミールが置いていった石をアルに渡された。この石を持っているとエーミールが会いに来れるらしい。
微妙な顔の三人と帰り支度をした。宿を出て馬車に乗り、町について森へ帰る。三人は言葉少なで、何を言ったらいいのかわからずに、ただただ、アルの後ろを歩いた。
家に着いたのは夕方で、私はへとへとだった。ベルは火打ち金で竈に火をつけ、アルは取り敢えずの水汲みに行くと言うので、付いて行こうとしたらヘロヘロなので断られた。
サーセン。体力ゴミで。
ベルが簡単なスープを仕込むのを、持ち出した椅子で横に座り、眺めながら話し掛けた。
「ベル、教えて。私、分からないから。皆の気持ちが」
「・・・俺は不安。アルもミカもそうだと思う。ユウが魔法使いに取られてしまいそうで」
「あー、実験台に」
「・・・それもある。けど、エーミールは筆頭魔法使いで、俺達よりずっといい生活ができる。ユウは、森に居るの?エーミールの家に行って戻ってこないんじゃないかって、俺、不安なんだ」
「森に住むって条件出したのに」
「でも、魔法使いの家で良い生活したら、俺達の家に戻ってこないと思って」
・・・よし、ここは素直だ。素直に言っておこう。後から襤褸が出ないように。
鼻から息をゆっくり吐いて、話す。
「良い生活は魅力的だね。私は働き者じゃない。怠惰だし。・・・でも、ベルとアルに会いたい。ベルとアルとミカちゃんに会いたい。大変だけど、ベルとアルと家に居るのは好きだよ。ベルの焼いたお肉は美味しいし」
「・・・スープは?」
「あー、スープは色んな味がして忙しい。でも、慣れたかな」
「スープだって頑張ってるのに」
拗ねた声のベルの腰に腕を回し、肩に顔を擦り付けた。
「・・・・・ベル、ごめん」
胸に震えが込み上げる。ああ、怖い。共感ではなく同情で、縋られる立場の優越を感じているのかもしれない。この胸の震えだって、ただ、自分の為だけにあるようだ。ベル、ごめん。あなたの気持ちに寄り添えないし、分からない。ベル、不安になってくれるあなたが好きだ。ベル、泣きそうなあなたが愛しくて欲情する。ごめん。
うなじにキスをすると、ベルが小さく身じろぎをした。
「ベル、ごめん。ベルと交尾したくてごめん」
「・・・何それ。ユウって変。・・・・・俺と、俺達と、一緒に、居てくれる?」
「私は双子が好きだよ。双子とに交尾するってそそられる。ベルがアルに欲情するのも好き。背徳感が好き。ベルの優しさと気遣いが好き。ベルは何でそんなに可愛いの?」
「・・・・・ユウは、ユウは変。・・・俺、ユウが必要なんだ。だって・・・だって、ユウは、俺を許してくれるでしょ?」
「うん、許す。ベルは可愛いから許しちゃう」
「ユウ、行かないで」
ベルは私に縋り付いて泣いた。私はベルに寄り添えないことに泣いた。ベルと私の乖離に泣いた。ベルの髪を撫でて、撫で回して、私はどうしたいのだろう。抱きしめて泣いた。
ベル、ベル、可愛い人。
顔を上げ、涙で滲んだ目で見つめるベルの瞼にキスを落とす。
分からないけど、何かは知らないけど言葉は出てくる。本当がどうかなんて知らない。自分に酔ってたって、それがなんだっていうんだ。酔って、それが一時しのぎになるなら、一時しのぎだって必要なんだ。
「ベル、愛してる。ベル、愛してる。ベル、ベル、ベルンハルト、愛してる」
「ああ、ユウ、ユウナギ、俺、俺達を置いて行かないで、ユウナギ。行かないで」
抱き合って二人ですすり泣く。
ベルと私は欲望をぶつけ合って、どこにも行けない。ベルと私はお互いに欠けていて、欠け跡は合わない。ベルの欠片はアルなのに、組み合わない。私の欠片はどこかわからない。欠けたもの同士でどうにも出来ない。
「ベル、抱かれてよ。アルと一緒に、可愛がるから」
「うん。ユウ、俺、ユウを齧りたい。お願い、ユウナギ、俺を許して」
「ベル、良いよ。許すから」
ベルは私の肩を出し、思い切り齧りついた。痛くて痛くて、ベルにしがみ付いて泣く。ベルは泣きながら腰を摩り付け、呻いて震えた。
「あああっ、ユウナギっ、ああっあっ。・・・・・ユウ、俺を罰して。俺、ダメなんだ。ユウに痛いことしたい。・・・ユウっぅ、俺に酷いコトして良いから、だから、俺を嫌わないで」
腰を摩り付けながら独白する、拗れまくってわけがわからないベルの性癖に、わけがわからな過ぎて笑いが込み上げる。
「っぐ、グフッ、ベル、あはは、変な人。あははは。もう、痛いのに笑える。もう、可愛いな。ベルのバカ。出しちゃったの?」
「・・・出ちゃった」
「ベル、出す時は言ってって言ったよね?ベルはお仕置きされたいの?」
「うん、お仕置きしてよ」
「フッ、アハハ、ベル、して貰いたかったらお仕置きじゃないでしょ、ご褒美でしょ。アハハ、もう、ベル、アハハハッ、なんでそんなに可愛いの?」
「ユウ、俺を可愛がって」
「いいよ」
射精が終わったベルのペニスをズボンから取り出して舐めていたら、アルが帰ってきて、その途端、ベルは私の頭を押さえて思い切り腰を振り、声を上げながら吐精した。
手にベルの精液を吐き出してアルを見やる。
「ベルが、もう本当に困った人なの。ッフフ、変な人なんだよ」
「ユウだって変でしょ。俺、ユウの所為で変になったんだよ」
拗ねて言い募るベルと額を合わせて笑いながら唇だけのキスをする。笑ってしまう。本当に困った人なんだもん。
毒気を抜かれた顔で私達を抱きしめるアルが、私の泣き跡に口付け、ベルの泣き跡を指で拭う。
「・・・わからないが、楽しそうだな」
「そうだよ、アル。婚姻して森に一緒に住むんだよ。アルは、ベルと私、変人二人の面倒を見るの。大変だね」
笑いながらアルの頬にキスをするとアルも笑って答える。
「それはいいな。楽しそうだ」
「アルは凄いね。私なら、ベルと私の面倒見るなんて御免だよ」
「俺はユウほど大変じゃないからね」
「えー、そうかな」
「そうだよ」
「そうだな。ユウの面倒を見るのは大変だ」
三人で笑いながらスープを作り、食事の後は三人でベッドに入って何度もキスしながら何度も達した。
微妙な顔の三人と帰り支度をした。宿を出て馬車に乗り、町について森へ帰る。三人は言葉少なで、何を言ったらいいのかわからずに、ただただ、アルの後ろを歩いた。
家に着いたのは夕方で、私はへとへとだった。ベルは火打ち金で竈に火をつけ、アルは取り敢えずの水汲みに行くと言うので、付いて行こうとしたらヘロヘロなので断られた。
サーセン。体力ゴミで。
ベルが簡単なスープを仕込むのを、持ち出した椅子で横に座り、眺めながら話し掛けた。
「ベル、教えて。私、分からないから。皆の気持ちが」
「・・・俺は不安。アルもミカもそうだと思う。ユウが魔法使いに取られてしまいそうで」
「あー、実験台に」
「・・・それもある。けど、エーミールは筆頭魔法使いで、俺達よりずっといい生活ができる。ユウは、森に居るの?エーミールの家に行って戻ってこないんじゃないかって、俺、不安なんだ」
「森に住むって条件出したのに」
「でも、魔法使いの家で良い生活したら、俺達の家に戻ってこないと思って」
・・・よし、ここは素直だ。素直に言っておこう。後から襤褸が出ないように。
鼻から息をゆっくり吐いて、話す。
「良い生活は魅力的だね。私は働き者じゃない。怠惰だし。・・・でも、ベルとアルに会いたい。ベルとアルとミカちゃんに会いたい。大変だけど、ベルとアルと家に居るのは好きだよ。ベルの焼いたお肉は美味しいし」
「・・・スープは?」
「あー、スープは色んな味がして忙しい。でも、慣れたかな」
「スープだって頑張ってるのに」
拗ねた声のベルの腰に腕を回し、肩に顔を擦り付けた。
「・・・・・ベル、ごめん」
胸に震えが込み上げる。ああ、怖い。共感ではなく同情で、縋られる立場の優越を感じているのかもしれない。この胸の震えだって、ただ、自分の為だけにあるようだ。ベル、ごめん。あなたの気持ちに寄り添えないし、分からない。ベル、不安になってくれるあなたが好きだ。ベル、泣きそうなあなたが愛しくて欲情する。ごめん。
うなじにキスをすると、ベルが小さく身じろぎをした。
「ベル、ごめん。ベルと交尾したくてごめん」
「・・・何それ。ユウって変。・・・・・俺と、俺達と、一緒に、居てくれる?」
「私は双子が好きだよ。双子とに交尾するってそそられる。ベルがアルに欲情するのも好き。背徳感が好き。ベルの優しさと気遣いが好き。ベルは何でそんなに可愛いの?」
「・・・・・ユウは、ユウは変。・・・俺、ユウが必要なんだ。だって・・・だって、ユウは、俺を許してくれるでしょ?」
「うん、許す。ベルは可愛いから許しちゃう」
「ユウ、行かないで」
ベルは私に縋り付いて泣いた。私はベルに寄り添えないことに泣いた。ベルと私の乖離に泣いた。ベルの髪を撫でて、撫で回して、私はどうしたいのだろう。抱きしめて泣いた。
ベル、ベル、可愛い人。
顔を上げ、涙で滲んだ目で見つめるベルの瞼にキスを落とす。
分からないけど、何かは知らないけど言葉は出てくる。本当がどうかなんて知らない。自分に酔ってたって、それがなんだっていうんだ。酔って、それが一時しのぎになるなら、一時しのぎだって必要なんだ。
「ベル、愛してる。ベル、愛してる。ベル、ベル、ベルンハルト、愛してる」
「ああ、ユウ、ユウナギ、俺、俺達を置いて行かないで、ユウナギ。行かないで」
抱き合って二人ですすり泣く。
ベルと私は欲望をぶつけ合って、どこにも行けない。ベルと私はお互いに欠けていて、欠け跡は合わない。ベルの欠片はアルなのに、組み合わない。私の欠片はどこかわからない。欠けたもの同士でどうにも出来ない。
「ベル、抱かれてよ。アルと一緒に、可愛がるから」
「うん。ユウ、俺、ユウを齧りたい。お願い、ユウナギ、俺を許して」
「ベル、良いよ。許すから」
ベルは私の肩を出し、思い切り齧りついた。痛くて痛くて、ベルにしがみ付いて泣く。ベルは泣きながら腰を摩り付け、呻いて震えた。
「あああっ、ユウナギっ、ああっあっ。・・・・・ユウ、俺を罰して。俺、ダメなんだ。ユウに痛いことしたい。・・・ユウっぅ、俺に酷いコトして良いから、だから、俺を嫌わないで」
腰を摩り付けながら独白する、拗れまくってわけがわからないベルの性癖に、わけがわからな過ぎて笑いが込み上げる。
「っぐ、グフッ、ベル、あはは、変な人。あははは。もう、痛いのに笑える。もう、可愛いな。ベルのバカ。出しちゃったの?」
「・・・出ちゃった」
「ベル、出す時は言ってって言ったよね?ベルはお仕置きされたいの?」
「うん、お仕置きしてよ」
「フッ、アハハ、ベル、して貰いたかったらお仕置きじゃないでしょ、ご褒美でしょ。アハハ、もう、ベル、アハハハッ、なんでそんなに可愛いの?」
「ユウ、俺を可愛がって」
「いいよ」
射精が終わったベルのペニスをズボンから取り出して舐めていたら、アルが帰ってきて、その途端、ベルは私の頭を押さえて思い切り腰を振り、声を上げながら吐精した。
手にベルの精液を吐き出してアルを見やる。
「ベルが、もう本当に困った人なの。ッフフ、変な人なんだよ」
「ユウだって変でしょ。俺、ユウの所為で変になったんだよ」
拗ねて言い募るベルと額を合わせて笑いながら唇だけのキスをする。笑ってしまう。本当に困った人なんだもん。
毒気を抜かれた顔で私達を抱きしめるアルが、私の泣き跡に口付け、ベルの泣き跡を指で拭う。
「・・・わからないが、楽しそうだな」
「そうだよ、アル。婚姻して森に一緒に住むんだよ。アルは、ベルと私、変人二人の面倒を見るの。大変だね」
笑いながらアルの頬にキスをするとアルも笑って答える。
「それはいいな。楽しそうだ」
「アルは凄いね。私なら、ベルと私の面倒見るなんて御免だよ」
「俺はユウほど大変じゃないからね」
「えー、そうかな」
「そうだよ」
「そうだな。ユウの面倒を見るのは大変だ」
三人で笑いながらスープを作り、食事の後は三人でベッドに入って何度もキスしながら何度も達した。
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