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78.ミカの行動 Side ミカ
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Side ミカ
ユウが、ユウが、森からいなくなった!
ユウに会えない。ユウに会いに行けない。森番の家に行ったら会えたのに、もう会えない。
滅茶苦茶に走って家に帰る。ユウを追いかけたいのに、もういない。俺は離れないって言いたいのに。
きっと泣いてる。
ユウは時々離れて見てる。様子を窺ってる。きっと怖いんだ。ユウは飛ばされて一人きりだから。誰もいない捨て子だから。
ユウは自分をくれる。俺達に自分を差し出す。生きて行くために。俺達しか助けがないから。
魔法使いのことをユウの国の人に似てるって言ってた。きっと嬉しかったんだ。ユウの国を思い出せて。一人じゃないと思ったんだ。それで良いのに。一人じゃないと思えるのは凄く幸せなのに。
アルは欲張りだ。全部自分の物にしたいんだ。アルは一人でいたことが無いから、我儘なんだ。たった一人で眠ることを知らない。たった一人で過ごすことを、ずっとずっと一人でいることを知らない。ユウの気持ちも分からないんだ。
俺は我慢できる。ユウが帰ってくるなら、我慢できる。ずっと一人でいなくて良いって分かるのは、凄く幸せだから。
ユウはまた会いに来てくれる?俺に会いに来てくれる?森から追い出されたと思ってたら?もう森に来ちゃいけないって思ってたら?
ああ、俺、俺、アルを憎んでしまいそうだ。
ユウに会えなくなるなんて。ユウは連れて行ってくれるって言った。ユウの国へ帰るときも連れて行ってくれるって。
アルみたいに俺も気持ちが変わったと思われてたらどうしよう。俺は違うのに。俺はずっとユウと一緒にいるのに。
ユウに会いたい。
次の日、ユウと一緒に歩き回った場所を歩いた。体の中が空っぽになった気がして、ユウとのことも消えてしまうような気がして、思い出せる場所を歩いた。
一緒に食べたイチゴの木にも、粒々の木にも。こうして歩くと、色んなとこでユウと一緒だったと思う。また、また一緒に歩きたい。
一人で摘んで食べても味気なかった。ユウに食べさせてもらったことを思い出す。俺の口から、ユウも食べた。二人で食べさせ合った。楽しくて二人で笑った。
次の日も歩き回った。ユウが一人になりたくて池に行ったことを思い出して、池を目指す。ユウはキレイだと喜んで、二人でご飯を食べて、その後、触り合った。
ユウ、森に帰ってきて。
近付くと、池の側に何か白い色が見える。心臓の音が大きく聞こえ、足が速くなった。良く分からないのに、もしかしてと思う。
もう少し近付くと目をつぶった顔が見えて、叫んだ。
何で目をつぶってるの?何で倒れてるの?何で何で何で?嫌だ嫌だ嫌だ!
何度も叫んだら、目が開いた。でも動かない。動かないまま、小さく笑った。
ときどき目を開けて、段々動かなくなって、いなくなっちゃうんだ。じいさんも弟も森の捨て子も。
駆け寄って触ると熱かった。話はできる。ユウは何でもないことみたいに話す。頭まで鳥肌が立って、胸がグラグラして熱くて痛かった。
ユウにすごく腹が立った。わかってない。動けないと、すぐなんだ。すぐいなくなる。
俺はユウを離さないことに決めた。捨て子は、拾った家のものだから。俺が拾ったからユウは俺のものだ。
ユウは軽かった。薄くなってゴツゴツした。ご飯を食べてないんだ。食べないとすぐ弱るのに。また、悲しくて腹が立った。裸になったユウは痩せっぽちの捨て子だった。
俺が拾った捨て子だから俺が育てるんだ。誰にも渡さない。ユウの指から魔法使いの指輪を外して、外に置いた。
熱さましの薬草を煮出して飲ませてから、寝かせる。子供みたいなユウの頬に口付けたら、泣きながら眠った。
夜になって、ノックの音と魔法使いの声がした。
熱があることを話すと神殿の治療棟に連れて行くと言うから、家に入れなかった。熱だけ下がれば大丈夫なのに。しつこかったけど薬草は受け取ると約束したら帰った。
次の日にはアルとベルも来た。ドアも開けなかった。会いたいなんて!ユウを追い出したのに!ユウがいなくなりそうだったのに!絶対に会わせないと言ったら帰った。
ユウは渡さない。
熱はなかなか下がらなくて、ユウは寝て過ごした。起きたときも何も言わないで、黙ってじっとしてた。俺が側にいて、抱きしめたり撫でたりしたら、甘えて眠った。初めて見るユウだった。ユウは子供に戻ったみたいで俺のことを目で追ってた。
じいさんに拾われたばかりのころを思い出す。炭焼きの家に連れてこられて、寝る場所ができて嬉しいのと、本当に住んでいいのか怖いのとで、いつもじいさんを見てた。
熱が下がったユウに俺の家の子になると言ったら泣き出した。
一人で丸まって声を殺して泣く、そんなところも同じだった。
ユウは、アルのところに戻りたいのかもしれない。魔法使いのところに行きたいのかもしれない。
でも、もう離せない。あの体の中が空っぽになる気持ちは嫌だ。倒れたユウを見た時の気持ちも嫌だ。
ユウは俺をじっと見て、悲しくて泣くのに笑った。
分からない。ユウはどうして笑うの?悲しいのに。俺には言えない?俺と暮らしたくない?ユウはアルのところに戻りたい?戻れないから泣くの?ユウは何も言わない。ご飯も無いのに一人でいた。俺の家にこなかった。俺を連れて行くって約束したのに!離れないって約束したのに!ユウは一人でいなくなろうとした。俺を置いて行こうとした!俺はもう離さない。ユウが嫌でも離れない。無理矢理でも捕まえる。
気持ちが真っ暗で、胸が痛くてグルグルして、頭が熱かった。
泣いていたユウを俺の腕の中に入れ、覆い被さってユウを襲う。ユウは暴れたけど、痩せっぽちで力がなかった。オオカミに食べられる時はもっと酷いんだ。オオカミから逃げる時はもっと力がいるんだ。ユウ、叫んでもオオカミは止めないよ。
ユウは逃げようとしてたのに、俺を待ってたみたいだった。ユウの中はすごく熱くて、体全部で俺にしがみついて震えた。しがみつかれて、助けが間に合ったみたいで、すごく嬉しくて、俺もすごく熱くなってユウを抱きしめた。
ユウが俺を何度も呼ぶ。助けを呼ぶみたいに。その度に俺もユウを呼んだ。助けに行くために。ユウがうわ言で何度も、本当か聞く。俺は何度も答える。
ユウはきっと、ずっと怖かったんだ。拾っただけじゃダメなんだ。ちゃんと言い聞かせなきゃいけなかった。家の子になったから、もうずっと一緒だって。ずっと離さないって。
夜に目が覚めたらユウが俺に悪戯してた。俺が笑うとユウも笑った。それが嬉しくてまた、離さないって言ったらユウが頷いた。
ユウが俺の家の子になった!ユウが自分で頷いた。嬉しくてユウを抱きしめた。
朝起きてもユウは笑ってた。二人で木の実を食べた。ユウがいると嬉しい。二人だと楽しい。
魔法使いの話をした。魔法使いがいても、ユウは俺の家の子だから平気だ。ユウは俺の腕の中だから。そう思って顔中に口付けた。
俺の腕の中からユウが笑って俺を見る。それで、それだけで分かった。
ユウの中に俺がいて、ユウが俺のこと好きだって。凄く好きだって分かった。
体中が痺れた。息が止まって、眩しかった。陽の当たる緑の葉っぱが風に揺れてキラキラしてた。草は朝露が光って眩しくて、静かな風は気持ち良かった。
ユウは幸せに笑って、俺の腕の中で安心してた。
俺への贈り物だった。いま、全部が。
ユウは魔法使いのところに出掛けて、俺は帰りを待つ。ユウは帰ってくる、俺の所へ。俺がユウの居場所。
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Side ミカ
ユウが、ユウが、森からいなくなった!
ユウに会えない。ユウに会いに行けない。森番の家に行ったら会えたのに、もう会えない。
滅茶苦茶に走って家に帰る。ユウを追いかけたいのに、もういない。俺は離れないって言いたいのに。
きっと泣いてる。
ユウは時々離れて見てる。様子を窺ってる。きっと怖いんだ。ユウは飛ばされて一人きりだから。誰もいない捨て子だから。
ユウは自分をくれる。俺達に自分を差し出す。生きて行くために。俺達しか助けがないから。
魔法使いのことをユウの国の人に似てるって言ってた。きっと嬉しかったんだ。ユウの国を思い出せて。一人じゃないと思ったんだ。それで良いのに。一人じゃないと思えるのは凄く幸せなのに。
アルは欲張りだ。全部自分の物にしたいんだ。アルは一人でいたことが無いから、我儘なんだ。たった一人で眠ることを知らない。たった一人で過ごすことを、ずっとずっと一人でいることを知らない。ユウの気持ちも分からないんだ。
俺は我慢できる。ユウが帰ってくるなら、我慢できる。ずっと一人でいなくて良いって分かるのは、凄く幸せだから。
ユウはまた会いに来てくれる?俺に会いに来てくれる?森から追い出されたと思ってたら?もう森に来ちゃいけないって思ってたら?
ああ、俺、俺、アルを憎んでしまいそうだ。
ユウに会えなくなるなんて。ユウは連れて行ってくれるって言った。ユウの国へ帰るときも連れて行ってくれるって。
アルみたいに俺も気持ちが変わったと思われてたらどうしよう。俺は違うのに。俺はずっとユウと一緒にいるのに。
ユウに会いたい。
次の日、ユウと一緒に歩き回った場所を歩いた。体の中が空っぽになった気がして、ユウとのことも消えてしまうような気がして、思い出せる場所を歩いた。
一緒に食べたイチゴの木にも、粒々の木にも。こうして歩くと、色んなとこでユウと一緒だったと思う。また、また一緒に歩きたい。
一人で摘んで食べても味気なかった。ユウに食べさせてもらったことを思い出す。俺の口から、ユウも食べた。二人で食べさせ合った。楽しくて二人で笑った。
次の日も歩き回った。ユウが一人になりたくて池に行ったことを思い出して、池を目指す。ユウはキレイだと喜んで、二人でご飯を食べて、その後、触り合った。
ユウ、森に帰ってきて。
近付くと、池の側に何か白い色が見える。心臓の音が大きく聞こえ、足が速くなった。良く分からないのに、もしかしてと思う。
もう少し近付くと目をつぶった顔が見えて、叫んだ。
何で目をつぶってるの?何で倒れてるの?何で何で何で?嫌だ嫌だ嫌だ!
何度も叫んだら、目が開いた。でも動かない。動かないまま、小さく笑った。
ときどき目を開けて、段々動かなくなって、いなくなっちゃうんだ。じいさんも弟も森の捨て子も。
駆け寄って触ると熱かった。話はできる。ユウは何でもないことみたいに話す。頭まで鳥肌が立って、胸がグラグラして熱くて痛かった。
ユウにすごく腹が立った。わかってない。動けないと、すぐなんだ。すぐいなくなる。
俺はユウを離さないことに決めた。捨て子は、拾った家のものだから。俺が拾ったからユウは俺のものだ。
ユウは軽かった。薄くなってゴツゴツした。ご飯を食べてないんだ。食べないとすぐ弱るのに。また、悲しくて腹が立った。裸になったユウは痩せっぽちの捨て子だった。
俺が拾った捨て子だから俺が育てるんだ。誰にも渡さない。ユウの指から魔法使いの指輪を外して、外に置いた。
熱さましの薬草を煮出して飲ませてから、寝かせる。子供みたいなユウの頬に口付けたら、泣きながら眠った。
夜になって、ノックの音と魔法使いの声がした。
熱があることを話すと神殿の治療棟に連れて行くと言うから、家に入れなかった。熱だけ下がれば大丈夫なのに。しつこかったけど薬草は受け取ると約束したら帰った。
次の日にはアルとベルも来た。ドアも開けなかった。会いたいなんて!ユウを追い出したのに!ユウがいなくなりそうだったのに!絶対に会わせないと言ったら帰った。
ユウは渡さない。
熱はなかなか下がらなくて、ユウは寝て過ごした。起きたときも何も言わないで、黙ってじっとしてた。俺が側にいて、抱きしめたり撫でたりしたら、甘えて眠った。初めて見るユウだった。ユウは子供に戻ったみたいで俺のことを目で追ってた。
じいさんに拾われたばかりのころを思い出す。炭焼きの家に連れてこられて、寝る場所ができて嬉しいのと、本当に住んでいいのか怖いのとで、いつもじいさんを見てた。
熱が下がったユウに俺の家の子になると言ったら泣き出した。
一人で丸まって声を殺して泣く、そんなところも同じだった。
ユウは、アルのところに戻りたいのかもしれない。魔法使いのところに行きたいのかもしれない。
でも、もう離せない。あの体の中が空っぽになる気持ちは嫌だ。倒れたユウを見た時の気持ちも嫌だ。
ユウは俺をじっと見て、悲しくて泣くのに笑った。
分からない。ユウはどうして笑うの?悲しいのに。俺には言えない?俺と暮らしたくない?ユウはアルのところに戻りたい?戻れないから泣くの?ユウは何も言わない。ご飯も無いのに一人でいた。俺の家にこなかった。俺を連れて行くって約束したのに!離れないって約束したのに!ユウは一人でいなくなろうとした。俺を置いて行こうとした!俺はもう離さない。ユウが嫌でも離れない。無理矢理でも捕まえる。
気持ちが真っ暗で、胸が痛くてグルグルして、頭が熱かった。
泣いていたユウを俺の腕の中に入れ、覆い被さってユウを襲う。ユウは暴れたけど、痩せっぽちで力がなかった。オオカミに食べられる時はもっと酷いんだ。オオカミから逃げる時はもっと力がいるんだ。ユウ、叫んでもオオカミは止めないよ。
ユウは逃げようとしてたのに、俺を待ってたみたいだった。ユウの中はすごく熱くて、体全部で俺にしがみついて震えた。しがみつかれて、助けが間に合ったみたいで、すごく嬉しくて、俺もすごく熱くなってユウを抱きしめた。
ユウが俺を何度も呼ぶ。助けを呼ぶみたいに。その度に俺もユウを呼んだ。助けに行くために。ユウがうわ言で何度も、本当か聞く。俺は何度も答える。
ユウはきっと、ずっと怖かったんだ。拾っただけじゃダメなんだ。ちゃんと言い聞かせなきゃいけなかった。家の子になったから、もうずっと一緒だって。ずっと離さないって。
夜に目が覚めたらユウが俺に悪戯してた。俺が笑うとユウも笑った。それが嬉しくてまた、離さないって言ったらユウが頷いた。
ユウが俺の家の子になった!ユウが自分で頷いた。嬉しくてユウを抱きしめた。
朝起きてもユウは笑ってた。二人で木の実を食べた。ユウがいると嬉しい。二人だと楽しい。
魔法使いの話をした。魔法使いがいても、ユウは俺の家の子だから平気だ。ユウは俺の腕の中だから。そう思って顔中に口付けた。
俺の腕の中からユウが笑って俺を見る。それで、それだけで分かった。
ユウの中に俺がいて、ユウが俺のこと好きだって。凄く好きだって分かった。
体中が痺れた。息が止まって、眩しかった。陽の当たる緑の葉っぱが風に揺れてキラキラしてた。草は朝露が光って眩しくて、静かな風は気持ち良かった。
ユウは幸せに笑って、俺の腕の中で安心してた。
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