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番外編
6.みんなで楽しもう1
しおりを挟むなぜか知らないが、エーミールの部屋で夫全員に囲まれて迫られてる。
「今日はね、みんなで交尾することにしたんだ」
ミカがニコニコと宣言した。
「・・・なんで?」
「だって、ユウの色んな気持ち良いトコ知りたいんだもの」
「妻を喜ばせるために知りたいと言っているんだ、教えたら良いだろう?」
「・・・でも、全員に見学されるの?」
「大丈夫だ。私もヘルブラオと一緒に動くから」
それのどこらへんが大丈夫なのか聞きたい。真面目な顔して言ってるところが、物凄く腑に落ちない。
「俺達との交尾もいつも通りだから大丈夫だよ」
えっ?両方の組と?学んだことを即実践!ってこと?何が大丈夫なの?アルも頷いてんなよ。
固まって立ち尽くしてる私をミカが抱きしめる。
「ユウは恥ずかしいんだよね?」
ミカの胸に顔を埋めて頷いた。見学されながらのセックスって恥ずかしいどころの話じゃないんだけど。
「俺、ユウとあっちの部屋でちょっと話するから待ってて」
ミカがみんなにそう言って部屋を移り、私の手を引いてベッドの上に座る。
ところで、なんで5人揃い踏みしてんの? 何が起こったの?パニくってんだけど。
「なんで5人揃ったの?」
「アルがね、ユウがもう気にしなくてもいいように、魔法使いと交尾するユウが見たいんだって。ユウをね、安心させたいって言ってたよ」
アルが?私のために?だってアルは?嫌じゃないの?
「・・無理してる?」
「してないよ。もう気にしたくないんだよ。俺はね、誰のことも気にしないから、いつもユウと二人だけでいるような気持ちなんだ。アルもそうなりたいんだよ」
そうか。気にしてるってことは、オリヴァの影がちらつくってことか。気にしなかったら考えないし、ちらつかないよね。だから、アルの前でオリヴァと寝ると。なんじゃそりゃ、ショック療法か?突飛過ぎない?
でも、そこまで言われて断れる私だと思う?アルが決心してるのに、和解の時なのに、私がまいた種を回収するのに、断れないでしょ。無理でしょ。ミカって確信犯?ニコニコしてんのにえげつないことして。
私を太腿の上に向かい合わせに抱き上げ、唇に小さいキスをいくつもしながら甘えるように話す。
「他にも理由があるんだ。ユウ、俺もユウの気持ち良いトコもっと知りたい。俺、ユウにさわるとユウの中に入りたくて堪らなくて夢中になって忘れちゃうんだ」
濃いまつ毛に縁どられた熱っぽい瞳がすぐ近くで私を見つめてる。甘やかな囁きが胸の内に広がり、腰と後頭部にまわったミカの手が優しく私を支える。温かい舌に唇の粘膜を舐められるとむず痒くて息が零れ、ミカの服に掴まった。肉厚の舌に口の中をゆっくり撫でられて肌が粟立ち、背中がしなる。
ミカってずるい。そんな嬉しいこと言われたら、なんでも許したくなるのに。
「ねえ、ユウ、わかる?俺、もうユウに夢中なんだ」
耳にかかる熱い息と、下腹部に擦り付けられる熱い塊が体を溶かす。ミカの唇が私の口を覆い、舌ぜんぶを咥えて吸い付き始めた。
これダメ、これされたら流されちゃう。簡単に流される自分に抵抗したくて、押し返したらいつもより強めに吸われ、腰に痺れが走った。ダメなのに続きが欲しくなってしまう。私もミカにして、飲み込みたい。
ミカの頬を挟んで舌を咥えて吸い付き、流れ込む唾液をこくりと飲む。揺れる腰を抱かれ、そっと侵入してきた指に体が震えた。
いつの間にかズボンから出たミカのペニスが、汁を湛えて私を待ってる。ミカの大きな手に支えられてゆっくり腰を落とし、ぜんぶ飲み込んだ。
ああ、もう流されちゃった。もう、止まれない。
隣の部屋に待たせてるのに、流された背徳感が痺れを増幅させ、腰を振って快感を追っていく。
「ミカのばか。・・っふっ、バカバカ。はっ・あっ・・こんなこと、して」
「うん、ユウ、好きだよ、ユウ、俺の子、ああ、気持ち良い、ユウ」
「あっ・・ん、好き、ミカっ・・ああっ、ダメ・・あああっ」
「ユウっ、はっ・・ああ、もう、出そう、ユウ、そんなに、ああっ」
昇っていく途中でミカに強く抱きしめられ、下からガツガツと突き上げられた。夢中なミカに、その刺激に、愛しさに攫われて、抱き付きながら絶頂を迎える。
二人で息を切らして抱き合ってると、エーミールが顔を覗かせてベッドへきた。片眉を上げて嫌味を言う。
「良い話し合いだったみたいだな」
「・・・うん」
「ユウは優しいからお願い聞いてくれるんだ、ふふっ」
ミカが頬にキスをして笑う。まいったな、そんな顔されたら負けですよ。私の負け。
「ユウナギ、こちらへ。体を洗おう」
「・・ん・・っふ」
硬いままのペニスをゆっくりと抜いて息を吐き、エーミールのほうへ移動すると、腰を抱かれて浴室へ連れて行かれる。お互いに裸になり、浴槽の縁に立たされ、エーミールが膝立ちになった。
「掻き出すから、動かないように」
指が中に入り優しく動いて出入りするので、快感の余韻が残る体が反応して声が出てしまう。
「っは・・まだ?・・あっ」
「まだだ」
納得したのか、洗い流して、お尻の洗浄道具を出してくる。
「・・・それもするの?」
「なぜだ?楽しんでるだろう?」
「エーミールだけの特別だと思ってた」
「・・・ユウナギ・・指だけにするか?」
「・・それなら」
トロリと嬉しそうな顔をしたエーミールに洗浄される。何回やっても恥ずかしい。
洗い終わって腰を抱かれながらベッドに行くと、見物人が揃ってこっちを見るから、ビビる。体を拭いた布を巻き付けたままベッドに座り、エーミールに抱き寄せられる。
「・・私だけ裸は嫌だから、みんなも脱いで」
そう言うと、森の夫達は裸に、魔法使い達はローブの下は裸になった。
オリヴァもベッドの上に乗り、目を見ながら私の手に口付ける。手に舌を這わせながら私を見る目がギラギラと熱を孕んで、不穏なのに色気があり、目だけで犯されてるみたい。なんだか怖いのにゾクゾクする。
オリヴァに目を奪われていたら、エーミールに頬を引き寄せられ、口付けられた。柔らかい唇が優しく動く。濡れた舌が唇を舐め、もどかしい刺激を与えられた。
片手をオリヴァにあずけたまま、エーミールに押し倒され、布を剥ぎ取られる。見られてる中で裸を晒すのが恥ずかしく、手で隠そうと体を縮めたら、手を取られてしまい、緊張が走る。頭の上に伸ばされた腕はオリヴァに捕まり、体を晒されてしまった。
見下ろすエーミールの濡れた目にゾクリとして、急いで目を閉じて顔を逸らした。
「恥ずかしいのか?」
「・・恥ずかしいよ」
小さな声で答えると、耳を舐めながら囁いてくる。手や指を舐められるぞわぞわした感覚が腕から這いあがり体を捩った。
「ユウナギ、そんな可愛らしい態度だと、余計に恥ずかしい目に遭うぞ」
「遭わせるのエーミールでしょ」
「グラウもだ。あいつは大喜びしてる」
エーミールが余裕たっぷりに笑うと、艶めかしさに下腹部が疼き、中がヒクついた。
「そんな濡れた目をして。体はもう待ち焦がれているみたいだな」
硬くしこった乳首を、口の端を上げて笑うエーミールの指に摘ままれて引っ張られ、背がしなり、声が出る。
指を離してそのまま下腹にすべらせ、太腿を掴んで広げるので抵抗した。
「ユウナギ、見えないだろう?」
「見えなくていい」
「それでは教えがいがない」
ミカが近付いて、片足のかかとを掴んでキスをし、優しく撫で擦る。
「ユウ、可愛い。ねえ、見せてよ」
「ミカ、危ないよ、近付いちゃダメ」
「うん、ここにいてユウを見てる」
片足をミカのほうに引っ張って足の間を広げられた。優しくえげつないことするな、ミカ。
そうこうしてると、オリヴァが目の前に移動して私の頬を挟み、欲望を湛えた目で覗き込んでキスをする。すぐに舌を絡め取られて息を零し、下半身からの刺激で腰が跳ね、声が漏れる。
「ユウナギ、気持ち良さそうだな」
色気まみれの意地悪な顔して、濡れた声で責められる。こんなオリヴァを見せられて心臓が跳ねるなんて知りもしないくせに。知らない振りして顔を背けると、楽しそうに笑ってる。
下半身から絶え間なく送り込まれる刺激で体が快感を追いかけ始めるのに、どこか頭が覚めて落ち着かない。
アルは?本当に平気?
投げ出したままの手がそっと握られ、目線を向けるとアルが覗き込んでいた。
「・・・危ないよ」
「ああ、ユウの手を握るだけ」
愛し気に目を細めて笑い、手を握るので、強く握り返した。
アル、本当に?
私の手に指に口付けては舌を這わせる。それは私をいたわっているようで、宥めているようで、慈しんでいるようで、愛されているように思えて胸が震えた。
オリヴァが乳房を甘噛みして、エーミール指が会陰を這う。私はアルの頬を引き寄せてキスをした。私の喘ぎはアルの舌に絡めとられて飲み込まれる。
キスを交わしながら、うんと小さな声で囁く。平気なの?平気。本当に?本当に。
「俺だけに与えてくれただろ?だから平気だ」
「うん」
「ユウ、待ってるんだ。俺も早くユウと繋がりたい」
額を擦りつけながら囁く、甘い甘い声の熱さに胸がつかまれて体が疼いた。求められる喜びに、心と体がとけて柔らかくなる。
「気持ち良いところを教えて。ユウ、俺とも一緒にしよう」
「うん、アル、しよう、一緒に」
「愛してる、俺のユウ」
「私も愛してる」
アル、ありがとう、アルフレート。そうして、ほどけて夫達の愛撫を受け入れる。
アルに手を握ってもらったまま、もう片手でオリヴァの耳を撫でた。
オリヴァが乳首の先端を爪で引っ掻きながら、もう片方を強めに甘噛みした。体が跳ねてオリヴァを見ると、私を見て意地悪く笑ってる。もーこの人は。
アルと手を繋いで、背骨を這いのぼる羞恥を感じながらオリヴァとエーミールの愛撫で快感に飲み込まれていく。みんなを抱きたいな。うんと優しく、すごく意地悪に。
体中あちこちからの刺激が、視線が、私を絶頂まで押し上げ、足を突っ張って硬直した。
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