ポンコツな私と面倒な夫達 【R18】

象の居る

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番外編2

8.お礼はベッドで ※

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 なんというか、みんなに声を聞かれながらするのはちょいと恥ずかしく、モダモダな気持ちになってしまい、本当に寝るのか聞くと、エーミールが大袈裟に眉を下げて悲しそうな顔をした。
この人はいつのまに、こんな顔芸をするようになったんだろ。

「久しぶりに会えた妻を抱かせてくれないのか? それは酷過ぎるだろう?」
「だって、恥ずかしい」
「なぜだ? いつも全員と寝てるのだろう?」
「いつもはみんな一緒だし……聞かれてるのが、恥ずかしい」
「そうだな。今夜は私が独り占めするから、他は全員聴衆だ。我々は観客がいて盛り上がるし、夫達は明日が待ち遠しくなる。良いこと尽くめなのだから、楽しむと良い」
「私はそういう趣味ないよ」
「私はある。さあユウナギ、ベッドに入って。久しぶりに会えた妻と愛し合いたい夫を、悲しませるような真似はしないだろう?」
「……しないけどさ」

 そういう趣味があんのかよ。悪趣味エーミールめ。

 灯りを消し、みんながベッドに入った静かな部屋に衣擦れの音がする。私とエーミールが服を脱いで抱き合う音。キスを交わす音。乱れる吐息。押し殺しても零れる声。
エーミールの手で胸を揉まれ、乳首に触れられるたび、背骨を電流が駆け上がるようで、背中のしなりがおさまらない。

「……肌の粟立ちがおさまらないな。ここも、こんなに硬くして」

 痛いほど硬くしこった乳首を舌と指で弾かれる。もう片方の指先は、蜜を塗り広げるように窪みから花芯の根元をクルリクルリと焦らすように撫でた。
快感を逃そうとして体を揺らしたのに、指先が起こす痺れに飲み込まれて、快感だけが増幅される。

「……っ、やっ、…………ぅっ、……あっ、ダメっ……っ」
「何がダメなんだ?」
「……声が、出る……っぅぁ……ぁ」
「出してくれ。私が下手くそだと思われる」
「……あっんんんっ、……っや」

 乳首を甘噛みされて体が跳ねた。声を押し殺すのが苦しくて、涙が滲み体が捩れる。

「そんな抵抗は可愛いだけだぞ。煽っているのなら、乗っておこう」

 そう言って私の足を押し広げ、甘い息を漏らしながら挿入した。口を覆っていた手を外されて両手をシーツに抑えつけられると、快感がせり上がって喉から叫びが溢れた。

「……っっん、んぁっ、っぁあああアアーーーーー」
「っふ、ユウナギ、ああ、こんなに」

 漏れてしまった声は止められず、そのまますぐに絶頂の叫びに変わった。
 ゾクゾクした痺れが背中をおかしくさせ、体が仰け反って震える。

 エーミールは息を切らして腰を振り、刺激を欲しがる私の体は夢中で縋り付いた。
飲み込みたいと奥が蠢き、背骨を這い上がる情動が頭を痺れさせる。すぐにまた突き上げられて、堰が切れた快感に押し流された。

 切ないエーミールの呻きが、私の胸に染み込んで愛しさに変わる。

「っく、あ、ユウナギ、……っあ」
「エーミール・レオン、愛してる?」
「愛している、ユウナギ、ユウナギ、くっ、ぅ」

 呻いて硬直するエーミールと強く抱き合って、蠕動を体の中で感じる幸せに、ため息が出た。2人で荒い呼吸を繰り返し、汗ばんだ体で抱き合う。
なんだか愛しくて首にいくつもキスをしていると、頬ずりされた。

「会いたかった」
「うん。私も。会えて嬉しい」
「本当か? 会いに来るまで私のことなど忘れていただろう」
「ううん、気まずくて考えないようにしてただけ」
「ほら、考えもしない」
「会ったら嬉しくてしょうがないよ、エーミール。もっとして」
「……嬉しいお誘いだが、他の夫に譲ろう。このままじゃ眠れないだろうから」
「エーミールは?」
「……私は、また近い内に来るからそのときで良い」
「……うん」
「筆頭、ホントに良いの? 俺、眠れないよ、ユウ。お願いこっちに来て」

 2人で寝ていたベッドまでベルが勢い良く迎えに来て腕を差し出した。

「眠るときに戻って来れば良い。なるべく早めに切り上げてくれ」
「うん、わかった。譲ってくれてありがとう筆頭」

 肩に布を掛けてから、ベルに腕を引かれていつものベッドに入る。少しの距離なのに体が冷えてしまい、アルとベルに挟まれて温まった。

「ユウってば、恥ずかしがって可愛いし、凄く気持ち良さそうなんだもの。俺、眠れないよ」
「ユウ、あんな声聞かされたら眠れない」

 そう言ったアルの熱い息と舌が口の中に侵入してきた。強めに揉みしだかれる胸の刺激に揺れる腰は、ベルに抱えられ割れ目をなぞられる。
私の喘ぎはアルに食べられ飲み込まれた。十分に潤っている私の中に入り込んだベルが掻き回し始める。甘いベルの声に胸が疼き、貪られる興奮で下腹がヒクついた。

「ね、ユウ、俺、すぐ出ちゃう、ユウ、ああっぁ、ユウ」

 アルの舌に占領されてる口からは声が出せず、代わりにベルの手を握った。
熱を吐き出したベルが私の手を握り返し、背中に頬ずりをして、お願い、と言いながら抜かずにまた動き出す。
アルの手もいつもより熱く、強引に動く。双子が興奮しているのが嬉しくて、背中がゾクゾクした。

 体をずらして、涎を零してるアルの先端に唇でふれた。舌でくるりと亀頭を舐めて涎をつけ、少しずつ進んで根元まで咥える。
アルの呻きとベルの喘ぎが聞こえ、2人と繋がってるのだと思うと、喜びで体が痺れた。アルに吸い付いて頭を動かすと、濡れた声で私の名を呼ぶ。ベルは私の名を叫んで、出ちゃうと言った。

 2人の震えと精を受けて、私の中が充足する。

 息の落ち着いた2人があちこちにキスをしながら拭いてくれるから、くすぐったくて笑った。

「ミカはいいの?」
「俺は明日で良いよ。昼の間中、俺のものだから」

 大きな手で頬を撫でられ、微笑み合うとおでこにキスをされた。

「そろそろいいか? ユウナギ、私のところへ来て暖めてくれ」
「うん」

 エーミールに返事をし、みんなのおでこにキスをしてからベッドへ戻った。
毛皮の下に潜り込んでエーミールにくっつくと、体を丸めて私に抱き付いてくる。エーミールのサラサラした髪を撫でて抱きしめ返したら、小さな声が聞こえた。

「グラウの気持ちも少し解かるな」
「なに?」
「私のことは?」
「愛してるよ、エーミール・レオン・ヘルブラオ。お休み、私の大事な夫」
「……ああ、ユウナギ、お休み」

 甘えたように頬ずりをしてから、目をつぶり静かになった。私はウトウトしながらオリヴァへの罰を考え、いつのまにか眠りに落ちた。

 翌朝、身支度のあとお茶を飲みながらエーミールと話をする。

「化粧水を作ってもらおうと思って」
「私が渡しているだろう?」
「うん。夏はいいんだけど、冬は乾燥するからもうすこし保湿できるのがほしい。オリヴァは薬草を扱ってるんでしょ? 丁度良いかと思って」
「そうだな。ただし、3回は突き返すことだ」
「なんで?」
「そんなに難しい課題ではないし、1回で許せば大したことないと思われる。大事なことだと分からせたいのなら、それなりの対応が必要だ」
「……うん、わかった」

 嫌われたくなくて甘くなっちゃうな。でもそれはオリヴァにとっても良くないことなんだよね。こういうふうに甘い顔をするから、大したことないと思われちゃうのか。
毅然とした対応って、私の一番苦手なやつだよ。厳しいな。

 言伝てはエーミールに頼み、あとはひたすら結果待ち。辛い。
嫌われたくないし、会いたいけど、このままだと前彼と同じことになりそうだ。私が押し潰されてしまう。それは健全じゃないってわかってるけど、ご機嫌伺いしてしまう性質は無くなりそうにない。


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