6人の夫と巫女になった私が精霊作りにはげむ1年間の話【R18】

象の居る

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第一章 巫女ってなんなんですか

25.考えたくないな ※

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 失業保険の手続きをして求人票を漁った帰り、気分転換したくて映画を見た。そのあとファミレスでワインを飲みながらご飯を食べ、店を出たとこで雨に降られた。地下鉄に揺られ、この先のことを考えてため息をつく。夜遅い閑散とした改札を通り薄暗くて長い階段を登る途中でくしゃみが出た。早く家に帰って濡れて冷えた服を着替えようと足を急がせる。バッグを肩に掛け直した途端、濡れたヒールが滑った。足がよろけて階段を踏み外す。真っ直ぐな石の階段は濡れていて滑りが良く、ぶつかっても止まることはなかった。見えていた出口はみるみる小さくなり、酷く大きな衝撃のあと、すべてがプツリと途切れた。

 驚きに目を開けたらほの明るい天窓が見えて、ここがどこなのかわからなかった。心臓が音を立てて息が切れている。しばらくして異世界だったと思い出した。あれは、夢? それとも最後の記憶?
 水を飲もうと体を起こしたら汗で湿ったパジャマが重くまとわりついた。気持ち悪い。風呂場に行って冷めたお湯で体を流す。温かいお湯につかりたいけど自分で出来ないことにため息が出る。
 ベッドに寝転び夢を思い出した。失業保険はすぐもらえるって言われてホッとしたんだっけ。ヒーロー映画を見てから、元気を出すならステーキでしょって思って赤ワインと一緒に食べたんだ。そっか、私は死んだっぽい。死んだから魂だけこっちにこれたのか。
 実感はないのにストンと納得できた。体から力が抜けてぼんやりする。
 一年後に元の世界に戻れるって言われたけど死んで終わりでしょ。あーあ、なんだそうか。

 目をつぶってたらいつの間にか眠ってたみたいで、リーリエに起こされた。今日も仕事を頑張っている笑顔のリーリエが眩しい。私とは違う、生きてる人の顔をしてる。
 お昼は何を食べたか覚えてない。でもいつも同じだからたぶん同じだろう。
 部屋に戻ってお茶を飲んでたらヴェルナーが来て、今日はヴェルナーの日だったと思い出した。

「ずっとぼんやりしてるけど何かあったのか?」
「ううん、どんなピアス作ろうか考えてたら寝不足になっただけ」
「街へ行くときは私も一緒だ」
「護衛だっけ。よろしくお願いします」

 そう言った私をヴェルナーが膝の上に横抱きに抱き上げた。抱きしめて頭にキスをする。

「今日は何する?」
「このまま。……会いたかった」

 私の顎をすくって唇を啄む。息を荒くして舌を忍び込ませ、硬くなったものを私の太腿に押し付けてきた。
 何も考えたくない私はヴェルナーの性欲に流されることにした。気持ち良いことだけ感じて頭を空っぽにしたかったから。それだけが私がここにいる理由だから。

 ヴェルナーの硬くなったものをズボンの上から撫でると息をこぼして口の合わせを深くした。私の後頭部を押さえて舌をニュルニュルとしつこく絡ませ、もう片方の手は服の上から乳房を揉んで乳首を指先でくすぐってくる。手で探ってズボンの紐をほどき窮屈そうなペニスを解放した。先っぽからはもう汁が出て指先で広げるとピクピク反応する。

「っは、ぁ、ベッドへ」

 息を切らしたヴェルナーが私を抱き上げてベッドに運んだ。2人で服を脱いで裸になる。熱の籠った目で私を見下ろすヴェルナーと向かい合った。

「待ち遠しかった。おかしくなりそうなほど」

 そう言って私を押し倒し、唇を重ねた。探るように動く舌が根元から舌先まで舐め、裏側を這い回り掬い上げては吸い付いて唾液を啜る。呻くヴェルナーが私の手に押し付けてくるペニスを何度も肛門の近くから優しく撫で上げた。

 私は何も考えないように体が感じたことだけを意識する。

 グニュグニュ舌を絡めながら両手で乳房を揉みこまれると、下腹がジンジンと疼きだす。押し潰した乳首を捏ねられて快感が背中を走り、声が零れた。

 ヴェルナーが衝動に突き動かされるように首筋や胸元へ吸い付いて痕をつけていく。指先で乳首を弾かれる快感と、いくつも小さな痛みが混ざり中がヒクついて腰が揺れた。乳首の先端を舌先でくすぐるように舐められ体が仰け反る。

「あぁっ、あっ、っんん、あぁあ、ぅっふぁ」
「ああ、もっと声を、サヤカ」

 そう言ってクリトリスの根元を指で挟み、軽く摘まんだ。摘ままれるたびに背骨を甘い電流が駆け抜ける。下腹の奥が疼いて飲み込みたいとヒクついていた。ヴェルナーに求められるまま声を出す。何も考えずに快感を味わい、ただ応えた。

「んあぁあっ、アぁ、ヴェルナー、んんっあ、あ」
「っふ、サヤカ、私を呼んで」

 中に入り込んだ指がクリトリスの後ろをリズミカルに押し、もう片方の手で根元を挟んで擦った。逃げられない強い刺激で、漏らしそうな感覚と絶頂の収縮が訪れ頭が白くなる。

「ッアア、ヴェルナー、ヴェルあぁっああ、あああっぁぁあーーーー」

 ヴェルナーの腕に掴まり指を太腿で挟みつけて達した。
 力が抜けて手を離すと指が抜けペニスが入り込んだ。ギラついた目のヴェルナーが私の腰を掴み、水音を立てて突き上げる。

「サヤカ、っは、ふっ、やっと、やっと、サヤカ、あぁあっはっ、くぅぅっう」

 ヴェルナーが動きを止めて腰を振るわせた。一息つくと、私の左足を自分の下に置いて交互に噛み合うような体勢にし、すぐに動き出す。手の平で円を描くように恥丘全体を揉まれ下腹の奥がヒクついた。

「んっああぁっ、あぁんっあ」
「っふ、は、すごい、サヤ、私にこんな、っく、ぅう、あっ、サヤカっあっ」

 奥をズブズブと割り広げられて擦られる快感が腰に痺れを広げた。欲しい所へ欲しいものが与えられ、それなのにもっと欲しいと中が吸い付いて収縮する。引き攣るような絶頂に仰け反って声を上げた。

「あぅっ、ンッアァあっアアアーーーーーーー」
「っぅくっううぅあぁ、っあ」

 押し付け合って硬直する。ドクドク跳ねるペニスが落ち着いてから目を開けると、息を切らしたヴェルナーと目が合った。繋がったまま体を屈めて私を抱きしめ唇を吸う。腰をゆっくり揺らしながら舌を絡め、熱いため息をついた。

「サヤカ、サヤカ、お願いだ、私に」

 おでこを擦りつけながら切ない声を出す。

「何したらいい?」
「私を見て、呼んで。夢じゃないと教えてほしい」
「ヴェルナー、愛称はヴェル? ヴィー?」
「ヴィーだ」
「ヴィー、ほら、さわれる」

 唇に頬にキスしながら言った。
 さわれるけど、これは夢だよ。だって私は死んでるから。もしかして死んだ私が見てる夢かも。早く夢から醒めると良いのに。
 ヴェルナーを慰めながらそれを打ち消して、なんだかわからない気持ちになる。そのあとは名前を呼ぶだけにしてキスをした。

 夕食後もやってきたヴェルナーに眠るまで抱かれ、次の日は昼まで眠った。


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