6人の夫と巫女になった私が精霊作りにはげむ1年間の話【R18】

象の居る

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番外編 実家への挨拶回りと結婚式

12.出産 Side リーリエ ※

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 Side リーリエ

 サヤカのお腹は順調に大きくなっている。この中に子供が入っているなんて不思議で仕方がない。私は医局の職員や産婆に聞いて、妊娠や出産の手はずを調べた。回復魔法の掛け方も通常とは違うから、習って本当に良かった。

 今年の精霊祭は港町で家族と一緒に過ごした。賑やかな街の様子が初めてのサヤカははしゃいでいて微笑ましい。

 そうして秋になり、子供が生まれた。

 いきなり破水したサヤカをベッドに寝かせ、ゲルトの家に走って産婆と乳母を馬車で運んでもらう。ゲルトとゲルトの母親も一緒に家に戻った。
 私とゲルトは部屋の外でサヤカの呻き声を聞きながら、ヤキモキして待つ。しばらくしたら呻き声が途絶えて小さな泣き声が聞こえた。扉が開き、ゲルトの母親が笑顔で手招きした。

「産まれたわよ」

 ホッとした気持ちで中に入ると、布に包まれたオオカミ族の赤ん坊を抱いたサヤカが疲れた顔で嬉しそうに笑っている。

「サヤカ、おめでとう」
「おめでとうございます」
「ありがとう。抱っこする?」

 差し出された赤ん坊は目も開かないフニャフニャした小さい生き物で暖かい。これがお腹にはいってたなんて信じられない。ゲルトも戸惑ったように抱き、母親に言われて乳母に手渡し乳を飲ませてもらった。

 妊娠は体の変化が大きいため、負担が少ないように回復は二週間くらいかけて行う。傷だけは先に回復をかけ、サヤカを寝かせるためみんなは部屋を出ていった。
 私は様子をみるために部屋に残り、眠ってしまったサヤカと籠に入った小さなオオカミ族の赤ん坊を見守る。

 ドタドタ階段を駆け上がる音がして、ラルフとヴェルナーが入ってきた。眠っている2人を見るラルフが盛大に尻尾を振っている。

「オレの子供かぁ。オレの息子……、うわー、なんつーかもう、たまんねぇなぁ」
「おめでとう」
「ああ。いや、ホント、想像以上に嬉しい」

 ラルフは赤ん坊とサヤカを交互に撫でている。

「先に食事をどうぞ。私がここにいますから」
「あ、いや、オレがいるわ。なんか胸いっぱいで腹へらねぇし。リーリエが先に飯食ってくれ」
「そうだな。リーリエいくぞ」

 ヴェルナーに促され、下で食事をした。ゲルトが屋台で買ってきてくれたらしい。あとから帰ってきたサミーとヨアヒムも顔を見てから食事に降りてきた。

「可愛いなぁ、赤ん坊。兄弟多いから俺も弟の面倒みてたんだよな」
「可愛いね。甥っ子の小さいころ思い出した」
「サヤカは明日、実家に移動しますからリーリエもお願いします」

 出産後は経験者がいたほうがいいという話を聞き、サヤカと私はゲルトの実家に1ヶ月ほど住まいを移すことになっている。

「楽しみだわ。オオカミ族の赤ちゃんも可愛いわねぇ」
「よろしく頼みます。俺たちも帰りに顔出しますんで」
「まかせておいて」

 ゲルトの母親は楽しそうに笑って請け負った。
 サヤカが目覚めてから、母親におむつの替え方や、乳母が置いていった乳のあげかたを全員で一緒に聞いた。ラルフは赤ん坊に乳をあげて幸せそうに笑っている。

 ラルフは赤ん坊に『ルディ』と名付けた。

 翌日はゲルトの実家に移動し、赤ん坊を抱いたサヤカと用意してもらった部屋に入った。毎日、皆が帰りに顔を出し夕食を一緒にとる。回復は予定通り、二週間後に完了した。

「ありがとう、リーリエ。人族は産後の回復が大変らしいけど、リーリエのおかげですっかり元通りだよ」
「サヤカが元気なら、それが私の幸せです」

 予定通り、一か月後に家に戻った。
 ラルフがサヤカを抱き上げてベッドに運んでいく。嬉しそうなサヤカはラルフとどんな話をするのだろう。

 慣れない育児に忙しくも幸せな日々をおくり、秋も半ばを過ぎるころ繁殖期がやってきた。
 体の中が騒めく。去年ほどではないが、それでもやはりパートナーがいると一人の頃より欲求が大きい。

「サヤカ、繁殖期が来ました」
「去年より落ち着いてるね」
「はい。でも、普段よりは騒がしいです」
「今年も一人占めしたい?」
「……いいえ。でも離れません。ずっと一緒にいます」

 優しく笑うサヤカと口付けを交わしていたら、ルディが泣き出したので抱き上げて乳をあげに下へ降りた。起きていたラルフにルディを渡し、乳を用意して匙で飲ませる。
 ヨアヒムとサヤカが出してくれた朝食を食べながら、みなに繁殖期がきたと告げた。

「わかった。去年と同じか?」
「いいえ。我慢してもらわなくて大丈夫です。私が混じるだけです」
「お、去年よりましになったな」
「精霊の種はもうないんだから、みんなも我慢して平気じゃない?」
「平気ではない」
「おめーは変わんねぇなぁ」

 サミーがヴェルナーをからかって笑い、サヤカも笑っている。ルディはラルフの腕の中でゲップをした。

 昼間、乳母にルディの世話を頼んでいるあいだ、サヤカと私は家のことをしたり昼寝をしたりする。夜中も授乳の世話をしているので眠らないと体がきついのだ。
 ベッドに横になったサヤカに抱き付くと、暖かい匂いがして体の奥が切なく痺れる。口付けをする私を受け止め、抱きしめてくれた。

「ん、あとは夜ね。久しぶりにオモチャ使う?」
「……はい」

 サヤカに可愛がられた日々を思い出して後ろの穴が切なく疼いた。


 夜、ルディをラルフに預けて2人きりになった。ベッドの上、裸で向かい合う。
 サヤカは、目くらましを解いた私を愛しそうに見つめ、濁りが混ざる目のまぶたに優しい口付けをくれた。なんでもないほうのまぶたにも。手の平は頬を包み、指先は肌をくすぐる。
 唇にふれた柔らかさに胸が早鐘を打った。私は口を開けてヒナのようにサヤカをねだる。温かい舌を流れ落ちる唾液を。

「……っぁ、…………ん、サヤカ、……ぁ、……はっ」

 サヤカの舌に絡みつかれてゾクゾクと肌が粟立つ。私の頬を撫でていた手がスルリと乳首へ降り、硬くなった先端を爪で引っ掻いた。
 体はすでに熱を帯びている。サヤカの乳首も硬くしこり、指でふれただけで甘い吐息を漏らした。
 指を忍ばせたら蜜に濡れた穴が私を待ちわびて、触れるだけでピクピクと吸い付いてくる。私はサヤカの中に押し込み、飢えを満たしたくて腰を振った。
 サヤカ、あなたが欲しくてたまらない。出会ったときから、ずっと。

 熱を吐き出した私を抱きしめる腕はあたたかくて、なんだか泣きそうになった。

 サヤカが潤滑油とオモチャを手元に寄せて、蠱惑的に囁く。

「お尻出して」

 私は期待と羞恥に震えながら四つん這いになって腰を上げた。

「可愛いね」

 私のお尻を優しく揉んで歯を立てた。甘噛みの刺激で背中に痺れが走る。体の中にいくつもの細波が立ち、私を震えさせる
 肛門にヌルリと舌が這い、頭まで鳥肌が立った。陰茎が熱を吐き出したいとズクズク脈打つ。

 手と舌でほぐされ蕩けそうな腰を突き出してその先を望むと、サヤカは笑って潤滑油を垂らし、ヒクつく肛門へ指を押し込んだ。

「っあ、ぁあっ、ん、んん、あ、サヤカ、あっあっあっ」

 久しぶりなのに、すぐに馴染んで快感を拾う。潤滑油をたっぷりつけたサヤカの指が中を押し撫でて私を高めていく。
 どこかの一点でハッキリした快感に変わり、射精感がこみ上げた。

「ぁっ、っああ、サヤカっ、あぁっ」
「気持ち良い? 出そう?」
「で、そう、ぁああっ、あぁっ、あっ、サヤカっ、ぁああぁんんっん」

 肛門の奥からこみ上げる快感が全身を貫いて、陰茎を握ったサヤカの手の中へ出ていった。

 私の息が整ってからオモチャに潤滑油を塗って準備する。サヤカの指より太いそれにゆっくりと侵入され、粟立つ背中が仰け反り体が捩れた。
 自分で動かして悶える羞恥に顔が熱くなり動きを止めると、サヤカが私の太ももを撫でた。

「可愛いから、もっと見せて。ね、リーリエ」

 サヤカの甘い言葉と、陰嚢を揉む指先に誘われて腰を動かす。

「……ん、ぁあ、サヤカ、……あ」
「可愛い。好き、リーリエ。大好き」
「っあぁ、サヤカ、好きです、っあぁ、サヤカ、サヤカ、欲しいっ」
「うん、あげる。可愛いリーリエにあげる」
「サヤカっ」

 奥まで入れて抜き、擦れるたびに頭が真っ白になってたまらない。羞恥はサヤカの囁きに溶かされ、求めるまま腰を振った。
 気持ち良い、サヤカ、いい、もっと、サヤカ。好きだと、好きだと言って。愛してると。

「愛してるよ、リーリエ。愛してる」
「っあぁあ、サヤカっ、んアァあぁあ、ああんんっぁぁ」

 全部が収縮して真っ白になった。

 気が付くと片付いたベッドでサヤカに寄り添われている。抱き付いて頬ずりすると頭を撫でてくれた。

「サヤカ」
「なぁに、リーリエ」

 甘える私を甘やかす優しい声音。幸せなのに涙がこぼれた。

「……私を愛してくれますか? 子供ができても、私を捨てないでくれますか?」

 魔力操作ができない私にため息ばかりついていた親が、産まれた弟を大切に抱きしめて笑っていた光景が浮かんだ。
 なんで今更こんなことを。魔法も自由に使えるのに。私が親なのに。

 でも涙が止まらない。なぜ。

「愛してるよ」

 サヤカが私をギュッと抱きしめて涙を吸い取る。

「最後まで一緒にいるって約束したでしょ。離さないよ」
「……はい」

 サヤカ、私を愛してください。

 抱きしめてくれる温かい腕の中で泣いた。
 こんななさけない私を突き離さず、涙と鼻水を拭ってくれるサヤカの慰めに心が震える。幸せを感じて泣きながら笑った。

「どうしたの?」
「子供と同じなので」
「ふふ、そうだね。赤ちゃんと同じ。私の可愛い赤ちゃんリーリエ」
「子供なのでおっぱいください」
「っふ、ふふっ、自分で言ってる。……おいで」

 温かい胸に触れて目をつぶる。抱きしめられる安心が心を満たして眠りを連れてきた。


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