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3章 罪
【ファナエルSIDE】思いを踏みにじるノイズと罪科の理
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背中を向けて走っていくアキラの姿を目に焼き付ける。
さっき彼からキスをされた感覚が未だに私の頬を伝播している。
『ハネナシ……ミツケタ!!』
『ハネナシ……ミツケタ!!』
「邪魔だよ」
近づいて来る鳥頭の化け物達を軽く払いながら私はアルゴスが居るであろう場所へ足を踏みだした。
思えば昔は毎日の様にアルゴスに追いかけられていた事を思い出す。
今日みたいに本体が出てくるのは初めてだけど。
彼女から逃げ続けて、その間で私を受け入れてくれる人間を捜していた。
バスの中でアルゴスの気配を感じたあの時恐怖で固まってしまったのは、昔感じていた不安を一時に思いだしてしまったからなんだろう。
本当にこの世界に私を受け入れてくれる人間なんているのだろうか?
どこに逃げても現れる鳥頭の化け物を見続ける内にいつか発狂してしまわないだろうか?
こんなに苦労して手に入れた居場所がもし、自分の心を満たすものでなかったらどうしよう?
自分の居場所を見つけた時点で燃え尽きて、生きる気力を無くしてしまったらどうしよう?
この何か月の間に忘れていたあまりに大きな不安。
こんなものを抱えて何100年とよく人間界で過ごしてしたなと自分でも関心してしまう。
でも、もう大丈夫。
「今度のデート、アキラに何してもらおうかな」
彼がキスをくれた頬、彼が食べてくれた髪の毛、彼とお揃いの物を買った銀の腕輪。
これらに見る度、触れる度、スゥっと不安が引いていく。
『####……####!!』
『####……####!!』
グシャリ、ビシャリ。
ボーリングのピンが弾けるみたいに次から次へと鳥頭の化け物だった残骸が辺りに散らばる。
『####……####!!』
『####……####!!』
バリン、ガシャン。
アルゴスに操られている人間が意識を失いながら地面に倒れていく。
私に襲ってくる無数の敵は私の光で軽くひねりつぶしていく。
もうすでに周囲にいる有象無象の敵の姿は眼中には無かった。
「はやりこのやり方では貴方を止められませんね」
「止められないって分かっててこんな派手な事したの?」
「ええ、貴方の実力を確かめるなど色々役割がありますからね」
アルゴスはやれやれと肩を揺らしてそこに立っていた。
冷静さを纏う雰囲気を乱さない彼女に向って私は右手をスッと突き出した。
「アキラにはああ言ったけど、ここで私があなたを殺せばこの一件は解決だよね」
「何か良い事でもありましたか?さっきより何だか良い顔になっていますよ」
『ま、貴方に殺されるつもりなど毛頭もありませんが』
何か皮肉めいた事を言おうとしていた彼女の本心を私は静かに聞き取る。
その本心にノイズをかけて彼女の心を踏みにじる光を右手に集約させる。
『#、#####################』
「今ここで死んでもらうから」
右手に集まっていたノイズ交じりの光が射出する。
地面を抉りながら前へ進む光はアルゴスの胴体を捉え、轟音と共に爆発を起こした。
「威力がさっきより上がっていますね。原因はやはり牛草秋良との接吻と捉えて問題なさそうです」
爆発で舞い上がっていた煙が浮き上がる。
そこから現れたのは無傷で涼しそうな顔をしているアルゴスの姿だった。
「本来、精神にしか影響を及ぼさない天使の権能を物理的に作用させている貴方の力は侮れませんね。これを用意しておいて良かったですよ」
彼女の両手には緑色の鎖が握られていた。
その鎖はシンガンに所属している霊府琴音が使役していた悪魔の首に張り付いていた物と同じだった。
「なんで……?」
「それは『私が無傷で居る現状について』の疑問ですか?それとも『なぜ私が貴方と牛草秋良が接吻した事を知っているのか』についての疑問ですか?私は貴方のように心を覗く事が出来ませんので詳しく教えてくださるとありがたいのですが」
「あなたの目は私の神性を捉えるセンサーの役割しか無いんでしょ?どうしてアキラが私にキスしてくれた情景をあなたが見ているの」
これまで私が彼女の依代から逃げ続けられていたのは黒いガムが私の神性を抑えてくれていたからだ。
世界を監視すると謳われている彼女の目が他ならぬセンサーとしての役割しか持っていなかったからそこ私はこの町に来ることが出来た。
「大方、キルケーの日誌にでも書かれていたのでしょう。まぁ、先にそっちを聞いてしまう辺り貴方がどれだけ牛草秋良に入れ込んでいるかが良く分かります」
こちらを見ながら彼女は静かに笑う。
そんな彼女の心に呼応するように緑色の空はその深みを増してゆく。
「人間界には『能ある鷹は爪を隠す』なんて言葉があるようですが、これは真理ですね。この結界は普段使うことの無い強力な結界です。今の私はこの桜薬市のどこで何が起こっているのか全て手に取る様に分かります‥‥‥もちろん、貴方の想い人が今何をしているかさえも」
『今頃彼は、自分の親友と妹だったものに襲われている最中ですが』
「ッ‥‥‥アキラに何があったの?」
「さぁ?少なくとも今の貴方にそんな事を気にする余裕はありませんけどね」
彼女は仏頂面のまま煽るような口調でそんな事を言う。
次の瞬間、緑色に染まった空から真っ白な光が地面に注いだ。
光の発生源からは何かの大群がぞろぞろと天から舞い降りている。
目をこすってその群れをよく見ると、そこにには虚ろな顔をした天使と悪魔が綺麗な列をなしてこちらに向かっていた。
次から次へと……物量作戦で私を潰す気?
所詮呼び寄せた天使達も思考をした上で行動する生命体だ、私の力があればさっきみたいに払いのけれる。
『本当に良かったですよ。彼らを生贄にする許可が下りたのですから』
「へ?」
彼女の心の声を聞いて思わず変な声を出してしまった。
あの大群を全部生贄に……何を企んでるつもりなの。
「他生命体の心を監視し、悪しき心を抑制する天使の権能を持つ者、ゼーエル・ユピテル、ゴトエル・ユピテル、ラグミエル・ユピテル、以下100名。独自に編み出した文字により魂を操り、行動を強制させる悪魔の権能を持つ者、アメリ・シャイターン、エルゾ・シャイターン、メルル・シャイターン、以下100名。これらを全ての者を我が神器の糧とする」
アルゴスが持っていた緑の鎖が勢いよく天へと飛び上がる。
鎖の周囲に立ち尽くしている天使達と悪魔達は、骨格を抉る様な音を出しながら無理やりにその体を変形させて緑の鎖の一部になってゆく。
『この神器をフルに使うのはラグナロクの時以来でしょうか?どうあれコイツがあればファナエル・ユピテルに苦戦することは有りませんね』
詠唱を唱えながら心のそこで余裕そうな事を呟く彼女。
あの武器がどれだけの物かは知らないけれど、私の前で呑気に考え事をしたのは愚かだったね。
『##########################?#################################』
彼女の心にノイズをかける。
これによって生まれた私の光はアルゴスの詠唱を物理的に阻害する力を持っている。
堕天使になって歪みきった私だけが使えるこの力でアルゴスを倒す。
「天使の権能を取り込んだ我が神器は罪人の抵抗を阻害する盾となり、悪魔の権能を取り込んだ我が神器は罪人を裁く槍となるだろう」
「え?」
私の右手からノイズ交じりの光が発射される。
光は寸分の狂いも無くアルゴスに狙いを定めて彼女の身体を今にも砕こうとしていた。
そんな私の光が……彼女を守る様に動いた緑色の鎖に当たったその瞬間ー
パッと消える。
大砲なんかの何100倍もの威力が出せる私の光が、シャボン玉を割るみたいに簡単に。
「その名は神鎖グレイプニル。監視者たる私にの所有を認められた罪科の理を持つ物」
この町全体を覆えてしまうような長さを持つ緑色の鎖がグルグルとアルゴスを囲っている。
彼女が鎖の先端を持ち直すと、長尺の鎖は彼女の意図を読み取るように動き始めた。
「何が罪科の理よ、そんなの私の力があれば」
私は歯ぎしりをしながら何度も何度もノイズ交じりの光を放射する。
しかし、アルゴスの持つ鎖は私の攻撃をいとも軽く消し去り続けていた。
「無駄ですよ。グレイプニルは私に向けられた攻撃を相殺する能力を持っています。どんな権能も、どんな超能力も、どんな魔法も、どんな兵器も、グレイプニルの前では無力です」
「そんなデタラメな物があるはずが……」
「まぁ、相殺する物の威力の分グレイプニルを削らないといけないのですが……貴方を相手にこれだけの長さがあれば心配する必要もありませんね」
スンと冷たい視線を向けて私を見据える彼女。
それはこれから起こる一方的な戦いが始まる合図だった。
「いい加減お縄についてもらいますよ、羽無しの堕天使さん」
さっき彼からキスをされた感覚が未だに私の頬を伝播している。
『ハネナシ……ミツケタ!!』
『ハネナシ……ミツケタ!!』
「邪魔だよ」
近づいて来る鳥頭の化け物達を軽く払いながら私はアルゴスが居るであろう場所へ足を踏みだした。
思えば昔は毎日の様にアルゴスに追いかけられていた事を思い出す。
今日みたいに本体が出てくるのは初めてだけど。
彼女から逃げ続けて、その間で私を受け入れてくれる人間を捜していた。
バスの中でアルゴスの気配を感じたあの時恐怖で固まってしまったのは、昔感じていた不安を一時に思いだしてしまったからなんだろう。
本当にこの世界に私を受け入れてくれる人間なんているのだろうか?
どこに逃げても現れる鳥頭の化け物を見続ける内にいつか発狂してしまわないだろうか?
こんなに苦労して手に入れた居場所がもし、自分の心を満たすものでなかったらどうしよう?
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この何か月の間に忘れていたあまりに大きな不安。
こんなものを抱えて何100年とよく人間界で過ごしてしたなと自分でも関心してしまう。
でも、もう大丈夫。
「今度のデート、アキラに何してもらおうかな」
彼がキスをくれた頬、彼が食べてくれた髪の毛、彼とお揃いの物を買った銀の腕輪。
これらに見る度、触れる度、スゥっと不安が引いていく。
『####……####!!』
『####……####!!』
グシャリ、ビシャリ。
ボーリングのピンが弾けるみたいに次から次へと鳥頭の化け物だった残骸が辺りに散らばる。
『####……####!!』
『####……####!!』
バリン、ガシャン。
アルゴスに操られている人間が意識を失いながら地面に倒れていく。
私に襲ってくる無数の敵は私の光で軽くひねりつぶしていく。
もうすでに周囲にいる有象無象の敵の姿は眼中には無かった。
「はやりこのやり方では貴方を止められませんね」
「止められないって分かっててこんな派手な事したの?」
「ええ、貴方の実力を確かめるなど色々役割がありますからね」
アルゴスはやれやれと肩を揺らしてそこに立っていた。
冷静さを纏う雰囲気を乱さない彼女に向って私は右手をスッと突き出した。
「アキラにはああ言ったけど、ここで私があなたを殺せばこの一件は解決だよね」
「何か良い事でもありましたか?さっきより何だか良い顔になっていますよ」
『ま、貴方に殺されるつもりなど毛頭もありませんが』
何か皮肉めいた事を言おうとしていた彼女の本心を私は静かに聞き取る。
その本心にノイズをかけて彼女の心を踏みにじる光を右手に集約させる。
『#、#####################』
「今ここで死んでもらうから」
右手に集まっていたノイズ交じりの光が射出する。
地面を抉りながら前へ進む光はアルゴスの胴体を捉え、轟音と共に爆発を起こした。
「威力がさっきより上がっていますね。原因はやはり牛草秋良との接吻と捉えて問題なさそうです」
爆発で舞い上がっていた煙が浮き上がる。
そこから現れたのは無傷で涼しそうな顔をしているアルゴスの姿だった。
「本来、精神にしか影響を及ぼさない天使の権能を物理的に作用させている貴方の力は侮れませんね。これを用意しておいて良かったですよ」
彼女の両手には緑色の鎖が握られていた。
その鎖はシンガンに所属している霊府琴音が使役していた悪魔の首に張り付いていた物と同じだった。
「なんで……?」
「それは『私が無傷で居る現状について』の疑問ですか?それとも『なぜ私が貴方と牛草秋良が接吻した事を知っているのか』についての疑問ですか?私は貴方のように心を覗く事が出来ませんので詳しく教えてくださるとありがたいのですが」
「あなたの目は私の神性を捉えるセンサーの役割しか無いんでしょ?どうしてアキラが私にキスしてくれた情景をあなたが見ているの」
これまで私が彼女の依代から逃げ続けられていたのは黒いガムが私の神性を抑えてくれていたからだ。
世界を監視すると謳われている彼女の目が他ならぬセンサーとしての役割しか持っていなかったからそこ私はこの町に来ることが出来た。
「大方、キルケーの日誌にでも書かれていたのでしょう。まぁ、先にそっちを聞いてしまう辺り貴方がどれだけ牛草秋良に入れ込んでいるかが良く分かります」
こちらを見ながら彼女は静かに笑う。
そんな彼女の心に呼応するように緑色の空はその深みを増してゆく。
「人間界には『能ある鷹は爪を隠す』なんて言葉があるようですが、これは真理ですね。この結界は普段使うことの無い強力な結界です。今の私はこの桜薬市のどこで何が起こっているのか全て手に取る様に分かります‥‥‥もちろん、貴方の想い人が今何をしているかさえも」
『今頃彼は、自分の親友と妹だったものに襲われている最中ですが』
「ッ‥‥‥アキラに何があったの?」
「さぁ?少なくとも今の貴方にそんな事を気にする余裕はありませんけどね」
彼女は仏頂面のまま煽るような口調でそんな事を言う。
次の瞬間、緑色に染まった空から真っ白な光が地面に注いだ。
光の発生源からは何かの大群がぞろぞろと天から舞い降りている。
目をこすってその群れをよく見ると、そこにには虚ろな顔をした天使と悪魔が綺麗な列をなしてこちらに向かっていた。
次から次へと……物量作戦で私を潰す気?
所詮呼び寄せた天使達も思考をした上で行動する生命体だ、私の力があればさっきみたいに払いのけれる。
『本当に良かったですよ。彼らを生贄にする許可が下りたのですから』
「へ?」
彼女の心の声を聞いて思わず変な声を出してしまった。
あの大群を全部生贄に……何を企んでるつもりなの。
「他生命体の心を監視し、悪しき心を抑制する天使の権能を持つ者、ゼーエル・ユピテル、ゴトエル・ユピテル、ラグミエル・ユピテル、以下100名。独自に編み出した文字により魂を操り、行動を強制させる悪魔の権能を持つ者、アメリ・シャイターン、エルゾ・シャイターン、メルル・シャイターン、以下100名。これらを全ての者を我が神器の糧とする」
アルゴスが持っていた緑の鎖が勢いよく天へと飛び上がる。
鎖の周囲に立ち尽くしている天使達と悪魔達は、骨格を抉る様な音を出しながら無理やりにその体を変形させて緑の鎖の一部になってゆく。
『この神器をフルに使うのはラグナロクの時以来でしょうか?どうあれコイツがあればファナエル・ユピテルに苦戦することは有りませんね』
詠唱を唱えながら心のそこで余裕そうな事を呟く彼女。
あの武器がどれだけの物かは知らないけれど、私の前で呑気に考え事をしたのは愚かだったね。
『##########################?#################################』
彼女の心にノイズをかける。
これによって生まれた私の光はアルゴスの詠唱を物理的に阻害する力を持っている。
堕天使になって歪みきった私だけが使えるこの力でアルゴスを倒す。
「天使の権能を取り込んだ我が神器は罪人の抵抗を阻害する盾となり、悪魔の権能を取り込んだ我が神器は罪人を裁く槍となるだろう」
「え?」
私の右手からノイズ交じりの光が発射される。
光は寸分の狂いも無くアルゴスに狙いを定めて彼女の身体を今にも砕こうとしていた。
そんな私の光が……彼女を守る様に動いた緑色の鎖に当たったその瞬間ー
パッと消える。
大砲なんかの何100倍もの威力が出せる私の光が、シャボン玉を割るみたいに簡単に。
「その名は神鎖グレイプニル。監視者たる私にの所有を認められた罪科の理を持つ物」
この町全体を覆えてしまうような長さを持つ緑色の鎖がグルグルとアルゴスを囲っている。
彼女が鎖の先端を持ち直すと、長尺の鎖は彼女の意図を読み取るように動き始めた。
「何が罪科の理よ、そんなの私の力があれば」
私は歯ぎしりをしながら何度も何度もノイズ交じりの光を放射する。
しかし、アルゴスの持つ鎖は私の攻撃をいとも軽く消し去り続けていた。
「無駄ですよ。グレイプニルは私に向けられた攻撃を相殺する能力を持っています。どんな権能も、どんな超能力も、どんな魔法も、どんな兵器も、グレイプニルの前では無力です」
「そんなデタラメな物があるはずが……」
「まぁ、相殺する物の威力の分グレイプニルを削らないといけないのですが……貴方を相手にこれだけの長さがあれば心配する必要もありませんね」
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