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第1話 死刑囚ギギラ・クレシア
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「な、何だこれ?!俺の体が!!」
「君が悪いんだよ。ギギラと言う物がありながら他の女に色目使うんだから」
魔暦2000年。
王都周辺の都市で20歳から40歳までの男性が多数行方不明になる事件が発生した。
犯人の名はギギラ・クレシア。
人間を武器に変化させる禁術を持つ女だ。
「ギギラの価値観は多夫一妻制なの。何時だって決定権はギギラに有るんだよ」
「バカ!!本当にまずいって!!やめろ!!」
彼女は3年前に逮捕されている。
そんな彼女の罪状は死刑。
この国で死刑になった人間がたどる末路は二つ。
「君の名前は今日から【不全能の短剣杖バラン】だよ。私の寿命が来るまでの間、ず~っと一緒に居ようね」
民衆の前で凄惨な打ち首を受けるか、民衆の娯楽として死刑囚同士の殺し合いに興じるか。
◇
「ギギラもういいだろ!!折れるって!マジで俺折れちゃうから!!」
「大丈夫。バラン君はもうちょっと自分に自信持つべきだよ」
「言ってる場合かぁぁぁ!!」
最後の被害者であるバラン・アルミハイト氏は小さな杖になっていた。
魔法の杖と言い張るには小さく、本来魔石がはめ込まれている杖の先端部分にはナイフ程の大きさの刃が取り付けられている。
ここはコロシアム。
二人の死刑囚が互いの命を懸けて殺し合う様を娯楽とした監獄の施設の一つ。
そんな場所でギギラは短剣を持つ男と激しい斬り合いをしていた。
「てか、あいつ暗殺者なんだろ?何で真っ向からの戦闘がここまで強いんだよ」
「暗殺業も楽じゃないんだよ、きっと」
ギギラはバランをグルグルと回しながら寡黙な暗殺者と距離を取る。
そして、杖の先端から様々な属性の魔法を放った。
「おいおい。全然効いて無さそうだぞ?」
「バラン君の攻撃が効かないとか、いつもの事でしょ」
「うるせぇな!!」
「でも、バラン君のお陰でギギラ分かっちゃった」
【不全能の短剣杖バラン】となった彼の能力は『全ての属性の魔法を極貧スケールで放てる』と言うもの。
さらに、先端に刃物が付いているので小さなタガーとしても使えないことは無い。
器用貧乏を体現したような武器だ。
しかし、だからこそギギラは必ず最初にバランを使って戦うのだ。
彼が誇る無限の選択肢をぶつけて、敵の弱点をあぶりだす為に。
「彼、物理攻撃はちゃんとガードするのに魔法はずっとノーガードだよ」
「つまり、物理攻撃で攻めれば勝てるんだな!!なんか武器は無いのか?!」
「あるよ。今もほら、『僕を使って』って私の武器庫をトントン叩いてる」
暗殺者の間合いに入らない様、バックステップで距離を取りながらギギラはゲートを開いた。
そのゲートの先には、彼女が武器にした歴代の彼氏達が保管されている。
「彼氏No44、【嫉妬狂いの風穿弓ベイリル】」
そこから取り出されたのは、人の身長と変わらない大きさの弓だった。
ギギラはバランを投げ捨て、紫色に光る弓を手に取り、語りかけながら弦を引く。
「ねぇベイリル君。君の凄い所、皆に見せつけてやろうよ。ギギラがずぅっと感じてた君の凄さをもう一度この目に見せて」
その声に答えるように、弓が纏う光が脈動する。
ギギラは矢が装填されていない弓を迫りくる暗殺者の体に向け、その弦を弾いた。
するとどうした事だろう。
弓から空気の塊が一つの矢となって射出された。
大気は轟音を鳴らし、空気の矢は暗殺者の体を無慈悲にも貫く。
『勝者ァァァァァ!!!ギギラァァァァ・クレシァァァァァ!!!』
「やった~、ギギラの勝ち~」
「おいギギラ、てめぇ!!俺の事投げ飛ばしやがったな!!」
「バラン君は宙に浮けるから大丈夫でしょ」
死刑囚ギギラ・クレシア。
彼女は今日もコロシアムを駆け巡り、自分と同じ死刑囚を殺していく。
今までに集めた、69人の武器と共に。
「君が悪いんだよ。ギギラと言う物がありながら他の女に色目使うんだから」
魔暦2000年。
王都周辺の都市で20歳から40歳までの男性が多数行方不明になる事件が発生した。
犯人の名はギギラ・クレシア。
人間を武器に変化させる禁術を持つ女だ。
「ギギラの価値観は多夫一妻制なの。何時だって決定権はギギラに有るんだよ」
「バカ!!本当にまずいって!!やめろ!!」
彼女は3年前に逮捕されている。
そんな彼女の罪状は死刑。
この国で死刑になった人間がたどる末路は二つ。
「君の名前は今日から【不全能の短剣杖バラン】だよ。私の寿命が来るまでの間、ず~っと一緒に居ようね」
民衆の前で凄惨な打ち首を受けるか、民衆の娯楽として死刑囚同士の殺し合いに興じるか。
◇
「ギギラもういいだろ!!折れるって!マジで俺折れちゃうから!!」
「大丈夫。バラン君はもうちょっと自分に自信持つべきだよ」
「言ってる場合かぁぁぁ!!」
最後の被害者であるバラン・アルミハイト氏は小さな杖になっていた。
魔法の杖と言い張るには小さく、本来魔石がはめ込まれている杖の先端部分にはナイフ程の大きさの刃が取り付けられている。
ここはコロシアム。
二人の死刑囚が互いの命を懸けて殺し合う様を娯楽とした監獄の施設の一つ。
そんな場所でギギラは短剣を持つ男と激しい斬り合いをしていた。
「てか、あいつ暗殺者なんだろ?何で真っ向からの戦闘がここまで強いんだよ」
「暗殺業も楽じゃないんだよ、きっと」
ギギラはバランをグルグルと回しながら寡黙な暗殺者と距離を取る。
そして、杖の先端から様々な属性の魔法を放った。
「おいおい。全然効いて無さそうだぞ?」
「バラン君の攻撃が効かないとか、いつもの事でしょ」
「うるせぇな!!」
「でも、バラン君のお陰でギギラ分かっちゃった」
【不全能の短剣杖バラン】となった彼の能力は『全ての属性の魔法を極貧スケールで放てる』と言うもの。
さらに、先端に刃物が付いているので小さなタガーとしても使えないことは無い。
器用貧乏を体現したような武器だ。
しかし、だからこそギギラは必ず最初にバランを使って戦うのだ。
彼が誇る無限の選択肢をぶつけて、敵の弱点をあぶりだす為に。
「彼、物理攻撃はちゃんとガードするのに魔法はずっとノーガードだよ」
「つまり、物理攻撃で攻めれば勝てるんだな!!なんか武器は無いのか?!」
「あるよ。今もほら、『僕を使って』って私の武器庫をトントン叩いてる」
暗殺者の間合いに入らない様、バックステップで距離を取りながらギギラはゲートを開いた。
そのゲートの先には、彼女が武器にした歴代の彼氏達が保管されている。
「彼氏No44、【嫉妬狂いの風穿弓ベイリル】」
そこから取り出されたのは、人の身長と変わらない大きさの弓だった。
ギギラはバランを投げ捨て、紫色に光る弓を手に取り、語りかけながら弦を引く。
「ねぇベイリル君。君の凄い所、皆に見せつけてやろうよ。ギギラがずぅっと感じてた君の凄さをもう一度この目に見せて」
その声に答えるように、弓が纏う光が脈動する。
ギギラは矢が装填されていない弓を迫りくる暗殺者の体に向け、その弦を弾いた。
するとどうした事だろう。
弓から空気の塊が一つの矢となって射出された。
大気は轟音を鳴らし、空気の矢は暗殺者の体を無慈悲にも貫く。
『勝者ァァァァァ!!!ギギラァァァァ・クレシァァァァァ!!!』
「やった~、ギギラの勝ち~」
「おいギギラ、てめぇ!!俺の事投げ飛ばしやがったな!!」
「バラン君は宙に浮けるから大丈夫でしょ」
死刑囚ギギラ・クレシア。
彼女は今日もコロシアムを駆け巡り、自分と同じ死刑囚を殺していく。
今までに集めた、69人の武器と共に。
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