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第2話 死刑囚の朝は遅い
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「おい、ギギラ。いい加減起きろ」
「う~ん。あと5分」
「そう言い続けてもう15分経ったぞ?!いつになったら起きる気だ」
死刑囚の朝は遅い。
ただでさえ日の光が当たらない独房の中だ。
窓も無いこの空間では、今が夜なのか朝なのかすら分からない。
「と言うか、バラン君はよく時間測れるね。この部屋は時計も無いのに」
「お前が俺をこんな体にしたせいでな。ほら、ボチボチ飯が来る時間だぞ」
ギギラに声をかけるのは宙に浮ぶ小さき杖。
最後の被害者であり、ギギラにとって69番目の彼氏でもあるバラン・アルミハイトその人だ。
「ねぇバラン君。ギギラ、ご飯が来るまで暇だからなんか話題振ってよ」
「嫌だよ。何で俺がそんな事」
「だって、バラン君人間だった頃は暇さえあれば自慢話してたじゃん。あの時のスピリッツを思い出して!!ギギラが感じてる暇を無くして!!」
「あのな、ずっと俺達独房に居るか他の死刑囚と殺し合いしてるかなんだぞ?そうポンポンと新しい話題が出ると思うのか?」
もはやこんな掛け合いをするのも二人の間では当たり前の日常になった。
基本、ギギラの禁術で武器に変えられた人間は喋る事は出来ない。
杖となったバランがこうして話せているのは、単に彼が持つ杖としての能力がゆえだ。
「ギギラ・クレシア。朝食だ」
扉の向こう側からぶっきらぼうな看守の声が聞える。
すると、ギギラの前に残飯をかき交ぜた様な料理が空間転移された。
「まったく、ギギラにこんな料理食べさせるなんて」
ギギラは文句を言いながら容赦なくバランの持ち手を掴む。
「え、ちょッ、おいまて!!」と言う彼の叫びを無視しながら、ギギラはその杖の先端についている小さな刃を使って料理を始めた。
「超弱い魔法が使えて、先端に超小さい刃がついてて、おまけにお喋りも出来る。弱い能力の詰め合わせなのに居てくれると便利だよね~バラン君は」
「体べちゃべちゃになった……てか、それ褒めてんのか?それとも喧嘩売ってるのか?」
「ちゃんと褒めてるよ。バラン君のそう言う所が好きだから、私の彼氏コレクションに加えてあげてるんだよ」
その言葉を聞いて、バランは自分の顔が赤くなった様な錯覚を感じた。
確かに彼は大罪人ギギラ・クレシアの被害者だ。
しかしながら、バランは元々ギギラの恋人であったのだ。
自分の心を堕とした言葉を唱えられてしまっては、その時の思い出が蘇って仕方がない。
一方ギギラはと言うと、バランを使って残飯の塊を少しマシな程度に改良しながら朝食を取り始めていた。
「俺はお前のコレクションになって良い思いなんてした事ねぇよ」
「嘘だね。ギギラ分かるよ、バラン君は現状を好ましく思ってる」
「何でだよ」
「私の彼氏の中で唯一言語を喋れるという優越感。相手の力量を測る為に最適と言う理由で毎回戦闘で必要とされる事で満たされる自己顕示欲。人間時代のバラン君が欲しがっていた物が全部この生活にはある」
ギギラは淡々とバランの質問に答えた。
そんな当たり前の事、今更大げさに言う事も無いと言わんばかりに。
少しの間、沈黙が流れる。
バランがギギラの言葉に反論する事は無かった。
「ギギラ・クレシア。本日お前の試合が行われる事が決まった。時間になったら呼びに来るのでそれまで大人しく待っていろ」
沈黙を打ち破ったのは看守の声だった。
それを聞いたギギラは嬉しそうな表情を浮かべ、うきうきのテンションでバランに声をかけるのだった。
「今日は楽しい楽しい殺し合いの日だってさ。頑張ろうね、バラン君!」
「う~ん。あと5分」
「そう言い続けてもう15分経ったぞ?!いつになったら起きる気だ」
死刑囚の朝は遅い。
ただでさえ日の光が当たらない独房の中だ。
窓も無いこの空間では、今が夜なのか朝なのかすら分からない。
「と言うか、バラン君はよく時間測れるね。この部屋は時計も無いのに」
「お前が俺をこんな体にしたせいでな。ほら、ボチボチ飯が来る時間だぞ」
ギギラに声をかけるのは宙に浮ぶ小さき杖。
最後の被害者であり、ギギラにとって69番目の彼氏でもあるバラン・アルミハイトその人だ。
「ねぇバラン君。ギギラ、ご飯が来るまで暇だからなんか話題振ってよ」
「嫌だよ。何で俺がそんな事」
「だって、バラン君人間だった頃は暇さえあれば自慢話してたじゃん。あの時のスピリッツを思い出して!!ギギラが感じてる暇を無くして!!」
「あのな、ずっと俺達独房に居るか他の死刑囚と殺し合いしてるかなんだぞ?そうポンポンと新しい話題が出ると思うのか?」
もはやこんな掛け合いをするのも二人の間では当たり前の日常になった。
基本、ギギラの禁術で武器に変えられた人間は喋る事は出来ない。
杖となったバランがこうして話せているのは、単に彼が持つ杖としての能力がゆえだ。
「ギギラ・クレシア。朝食だ」
扉の向こう側からぶっきらぼうな看守の声が聞える。
すると、ギギラの前に残飯をかき交ぜた様な料理が空間転移された。
「まったく、ギギラにこんな料理食べさせるなんて」
ギギラは文句を言いながら容赦なくバランの持ち手を掴む。
「え、ちょッ、おいまて!!」と言う彼の叫びを無視しながら、ギギラはその杖の先端についている小さな刃を使って料理を始めた。
「超弱い魔法が使えて、先端に超小さい刃がついてて、おまけにお喋りも出来る。弱い能力の詰め合わせなのに居てくれると便利だよね~バラン君は」
「体べちゃべちゃになった……てか、それ褒めてんのか?それとも喧嘩売ってるのか?」
「ちゃんと褒めてるよ。バラン君のそう言う所が好きだから、私の彼氏コレクションに加えてあげてるんだよ」
その言葉を聞いて、バランは自分の顔が赤くなった様な錯覚を感じた。
確かに彼は大罪人ギギラ・クレシアの被害者だ。
しかしながら、バランは元々ギギラの恋人であったのだ。
自分の心を堕とした言葉を唱えられてしまっては、その時の思い出が蘇って仕方がない。
一方ギギラはと言うと、バランを使って残飯の塊を少しマシな程度に改良しながら朝食を取り始めていた。
「俺はお前のコレクションになって良い思いなんてした事ねぇよ」
「嘘だね。ギギラ分かるよ、バラン君は現状を好ましく思ってる」
「何でだよ」
「私の彼氏の中で唯一言語を喋れるという優越感。相手の力量を測る為に最適と言う理由で毎回戦闘で必要とされる事で満たされる自己顕示欲。人間時代のバラン君が欲しがっていた物が全部この生活にはある」
ギギラは淡々とバランの質問に答えた。
そんな当たり前の事、今更大げさに言う事も無いと言わんばかりに。
少しの間、沈黙が流れる。
バランがギギラの言葉に反論する事は無かった。
「ギギラ・クレシア。本日お前の試合が行われる事が決まった。時間になったら呼びに来るのでそれまで大人しく待っていろ」
沈黙を打ち破ったのは看守の声だった。
それを聞いたギギラは嬉しそうな表情を浮かべ、うきうきのテンションでバランに声をかけるのだった。
「今日は楽しい楽しい殺し合いの日だってさ。頑張ろうね、バラン君!」
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