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第6話 彼氏No59 悪食の咢ブロン
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【悪食の咢ブロン】
その武器の元となった人物、ブロンはギギラにとって59番目の彼氏だ。
『僕の趣味って変でしょう?食べる事が好きで、食べる事が人生そのものなんです』
『それって意外と普通じゃない?』
『あの家の屋根をいつか食べてみたいって言ったら……流石におかしいでしょう?』
『ん~確かに』
ギギラとブロンのデートにはいつも『食』があった。
ある時は巷で噂の美味しいレストランに、またある時は評価最悪のレストランにも。
モンスターを倒してその場で食べる事もあれば、毒のある植物をどうにかして食べられる様に料理をした事もある。
いつか、人間が食べられない物も食べれる様になったらどんな味がするだろうなんて談義を寝る前に語った事もあるぐらいだ。
『でもぉ、ギギラだって趣味の異常さでは負けてないよ』
『どんな趣味なんですか?』
『男集め……彼氏コレクション?そんな感じかな。今は彼氏58人いるんだ~』
基本、人間にとって『食べる事が好き』と言う言葉は『美味しい物を食べるのが好き』と言う意味に置き換えられる。
でも、ブロンは違った。
食べるという行為そのものが好きな男だったのだ。
それこそ、まだ誰も食べた事のない食材を目にするとよだれが止まらなくなるほどに。
ギギラはそんな彼の人間性に惹かれて恋人関係になった。
互いに異常者を自覚する二人の関係は今日にいたるまで円満だと言えるだろう。
彼女はブロンを武器にしたあの日の事を今でも覚えている。
◇
「貴方……一体何を?」
「何って、食べてるんだよ。君の分身を」
ラーナ・エークレーはその光景を見て絶句した。
ほんの数秒前まであふれる程いた自分の分身たちが、ギギラ・クレシアに『食べられている』のだ。
「闇落ち聖女の踊り食いだよブロン君。もっと酷い味がするかと思ったけど、案外美味しいねぇ!」
ギギラが装着したマスクに取りついている牙がラーナの分身の体を貫く。
すると、マスクの表面から魔法陣が現れ牙で突き刺した体を吸い込んでいくのだ。
その動きは最初こそぎこちなかったが、一つ、二つと体を食べていく間に洗練されていく。
死刑囚同士の殺し合いは、いつの間にか異常者カップルの食事の場へと変貌していた。
「こっちに来ないでください!!」
ラーナは気が付けば手を組み、神に祈りを捧げていた。
その傍らで分身体が有象無象に生み出され、ギギラに向かって突進する。
「ブロン君はまだ食べれそう?」
だが、その選択はすべてにおいて悪手だった。
「そっか、まだ腹八分目なんだ!!ギギラもまだ食べれるよ!!」
ギギラは装着しているマスクが帯びた魔力の増減を感じ取ってブロンと意思疎通をする。
ラーナが死ぬ物狂いで生み出した分身体は、異常者二人の胃袋を悦ばせるだけだ。
「なんなの……一体何なんですか、貴方は!!」
「ね~ね~ブロン君。ギギラ一つ気になる事があるの」
「嫌だ……私はこんなの」
「分身と本体ってさぁ……味は変わるのかな?」
捕食者の目がラーナに向けられる。
一度ターゲットにされたらどうなるか、その末路は自分の分身体が身をもって表している。
今後自分に降りかかる結末を感じた狂った聖女はその恐怖に抗う事すら出来なかった。
「ぼ~っとしちゃってどうしたの?」
「あー」
そうして最後は呆気なく訪れる。
「それじゃぁ、いただきます」
最後は神に救われる事も無く、悲鳴や断末魔を上げる事も無かった。
間抜けな声をあげ、醜いと思っていたギギラの胃袋にラーナ・エークレーは収まっていくのだった。
その武器の元となった人物、ブロンはギギラにとって59番目の彼氏だ。
『僕の趣味って変でしょう?食べる事が好きで、食べる事が人生そのものなんです』
『それって意外と普通じゃない?』
『あの家の屋根をいつか食べてみたいって言ったら……流石におかしいでしょう?』
『ん~確かに』
ギギラとブロンのデートにはいつも『食』があった。
ある時は巷で噂の美味しいレストランに、またある時は評価最悪のレストランにも。
モンスターを倒してその場で食べる事もあれば、毒のある植物をどうにかして食べられる様に料理をした事もある。
いつか、人間が食べられない物も食べれる様になったらどんな味がするだろうなんて談義を寝る前に語った事もあるぐらいだ。
『でもぉ、ギギラだって趣味の異常さでは負けてないよ』
『どんな趣味なんですか?』
『男集め……彼氏コレクション?そんな感じかな。今は彼氏58人いるんだ~』
基本、人間にとって『食べる事が好き』と言う言葉は『美味しい物を食べるのが好き』と言う意味に置き換えられる。
でも、ブロンは違った。
食べるという行為そのものが好きな男だったのだ。
それこそ、まだ誰も食べた事のない食材を目にするとよだれが止まらなくなるほどに。
ギギラはそんな彼の人間性に惹かれて恋人関係になった。
互いに異常者を自覚する二人の関係は今日にいたるまで円満だと言えるだろう。
彼女はブロンを武器にしたあの日の事を今でも覚えている。
◇
「貴方……一体何を?」
「何って、食べてるんだよ。君の分身を」
ラーナ・エークレーはその光景を見て絶句した。
ほんの数秒前まであふれる程いた自分の分身たちが、ギギラ・クレシアに『食べられている』のだ。
「闇落ち聖女の踊り食いだよブロン君。もっと酷い味がするかと思ったけど、案外美味しいねぇ!」
ギギラが装着したマスクに取りついている牙がラーナの分身の体を貫く。
すると、マスクの表面から魔法陣が現れ牙で突き刺した体を吸い込んでいくのだ。
その動きは最初こそぎこちなかったが、一つ、二つと体を食べていく間に洗練されていく。
死刑囚同士の殺し合いは、いつの間にか異常者カップルの食事の場へと変貌していた。
「こっちに来ないでください!!」
ラーナは気が付けば手を組み、神に祈りを捧げていた。
その傍らで分身体が有象無象に生み出され、ギギラに向かって突進する。
「ブロン君はまだ食べれそう?」
だが、その選択はすべてにおいて悪手だった。
「そっか、まだ腹八分目なんだ!!ギギラもまだ食べれるよ!!」
ギギラは装着しているマスクが帯びた魔力の増減を感じ取ってブロンと意思疎通をする。
ラーナが死ぬ物狂いで生み出した分身体は、異常者二人の胃袋を悦ばせるだけだ。
「なんなの……一体何なんですか、貴方は!!」
「ね~ね~ブロン君。ギギラ一つ気になる事があるの」
「嫌だ……私はこんなの」
「分身と本体ってさぁ……味は変わるのかな?」
捕食者の目がラーナに向けられる。
一度ターゲットにされたらどうなるか、その末路は自分の分身体が身をもって表している。
今後自分に降りかかる結末を感じた狂った聖女はその恐怖に抗う事すら出来なかった。
「ぼ~っとしちゃってどうしたの?」
「あー」
そうして最後は呆気なく訪れる。
「それじゃぁ、いただきます」
最後は神に救われる事も無く、悲鳴や断末魔を上げる事も無かった。
間抜けな声をあげ、醜いと思っていたギギラの胃袋にラーナ・エークレーは収まっていくのだった。
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