死刑囚ギギラ・クレシアは禁術【武器化】で歴代彼氏を保管中

アカアオ

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第13話 誰よこの女ぁ!!

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 「ねぇバラン君……コレ、ギギラの聞き間違いじゃないよね」
 「まぁ、そうだな」

 ギギラの体調もすっかり回復したとある日の事。
 時刻は朝、いつもであれば看守が朝食を届ける時間だ。

 変化など訪れるはずもない監獄生活の中で今、大きな異変が巻き起こっていた。
 まぁ、大きな異変と言っても……『ギギラ・クレシアにとっての』ではあるが。

 「朝食、食べないのですか?」

 看守のその声を聞いてギギラは確信する。
 看過できない変化が起こっているのだと。

 「やっぱり看守の声が女になってる!!」

 「別にどうでも良くないか?」
 
 「バラン君本気で言ってる???この若干清楚系っぽい声、この前のラーナとか言う女と同じタイプだよ。ギギラこういうタイプ嫌いなの」

 「お前、相変わらず女の子に当たりきついよな」

 いつもの事ながら、二人でギャーギャーと言い合いをする。
 普段なら、ここで看守が朝食だけを空間転移させるのだがー

 「私が嫌いでも構いませんが、料理は食べて頂かないと」

 今日の看守はなんとドアを開けて獄中に侵入してくる始末だった。
 姿を現した女は、今までの看守より綺麗でバッジの多い制服を纏っていた。

 一目見て上位の役職についている人間だと分かるほどに。

 顔は整っているが終始無表情。
 そんな彼女が、この場には似合わない『食欲をそそる良い匂い』を添えながら現れたのだ。

 「せっかく体調が戻ったのですから」

 ギギラとバランはその女が持っている朝食を見て絶句する。
 いつもなら残飯が並んでいる皿の上に、綺麗な焼き加減の肉とみずみずしいサラダが添えられている。

 「おぉ。久しぶりに美味しいそうな……ってぎゃぁぁぁぁ!!」

 呑気に料理を見つめていたバランをギギラが掴む。
 ギギラはそのままバランの先端にある刃物部分を目の前の女に突き刺そうとした。

 「無駄ですよ」
 「だろうね。無策でギギラの部屋には来ないだろうし」
 「だったら俺を使って攻撃しないで?!」

 バランの言葉を無視してギギラは観察する。
 目の前の女はさっき、魔法や禁術の様な『何か』を発動する素振りを見せなかった。

 だけど、ギギラの攻撃は女に当たらない。
 まるで二人の間にある見えない壁を攻撃している様だった。

 禁術を封じている結界の影響か?
 いや、それとはまた違う異質な感じがする。
 
 ギギラは漠然と、目の前の女から嫌な何かを感じ取っていた。

 「一体全体どういう風の吹き回し?君のその服装も今までの看守とは大違いだし、ギギラに対する扱いが明らかに違うよね……何者なの?」

 「私の名前はジェーエル・モランシーと申します。一応、この場所では監獄長補佐官をやらせていただいています」

 「要はここのNo2な訳だよね。そんな人がどうしてギギラに構うの?」

 「監獄長から貴方を担当する様にと頼まれたので。その際、扱いは自由にして良いと言われましたので、美味しい物でも送ろうかと」

 ギギラはジェーエルの言葉を話半分に聞きながら彼女を観察する。
 その際にうっすらと、ジャーエルの背中に『何か』がもたれかかっているのをギギラは見つけた。

 それは人ならざる者であると直感する。
 その人ならざる者はジェーエルの耳を両手で塞ぎながら何かの呪文を唱えていた。

 「何か見えましたか?」
 「いや、何でもないよ」

 ギギラはため息を吐きながら腕を引っ込める。

 少なくとも、ここで戦うのは得策じゃない。
 一旦、いつものルーティンに戻った方が良いだろうと自分をなだめながら。

 ジェーエルは食事の乗った皿を床に置き、後ろへ振り向いた。
 
 「今日は決闘があります。精々死なない様にかんばって下さい」

 「へぇ応援するんだ。ギギラの事」

 「私、貴方に15万賭けてますから」

 ジェーエルはそれだけ言葉を残すと、独房から姿を消した。
 残されたギギラとバランは唖然としながら誰も居ない扉を見つめる。

 「アイツ、さらっと賭博してる宣言しやがったな。監獄長補佐官とか言ってたけど、大丈夫なのかよ」

 「さぁね。よく分からないけど、ご飯食べて切り替えよう。どうせ今のギギラ達に出来る事は少ないんだから」

 ギギラはそう言いながら今日の朝食を食べた。
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