ニドの魔剣は今日もくだらないことを語る

ぼうしや

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信仰と崇拝の魔神:ナサベルム・ドルヴァキオ

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この世界において、魔には多くの色があった。秩序と混沌、そこから生まれた万物が織り成す景色、事象、物語、それを観測する事で生まれた感情。
罪と罰、願いと執念、希望と絶望。その全てを記憶として保管し、魂に記録される事で生成されたエネルギーの源、それを条件付きの術として扱う事こそが、魔術。

曰く、火焔を“フレベラ”と唱え
曰く、水面を“ナミリス”と唱え
曰く、疾風を“リリガロ”と唱え

稲妻は“ヴノスルト”
岩土は“ゲルドラム”
氷結は“ミラギス”と唱えた

そして、その全てに寄り添う起源

光を“シャルキダイ”
闇を“ムルドゥナ”と讃えた。


そして…魔を追求するものが行き着くと言われる極地
その全てを俯瞰し観測する天を“ガギマダイ”、
己を全てとし観測する忌の底、禍を“ナサベルム”と呼んだ。


そしてその全てを知った者は誰もが口を揃えてこう言う。
神はその全てを知っていた。しかし、その全てを生み出してはいなかった。と




















―周囲に鮮血の雨が振る。


誰もが、目を見開いて認識した。他者の死を。
ポツポツと、生暖かいものが斑状に顔に掛かり、心臓の躍動を早める。

死を真近で認識すれば誰もが感じるだろう、己の死を。


「う、あ…」



「う、うわぁあああああああああああああ!」「どうなってんだ!?」「ひっ、ひいいいいいいいいいいいいい」
「首が!首が飛んでっ」「た、助けてくれぇえええ!」「神よ!どうか、どうか!我らを救いたまへ!」
「きゃああああああっ」「化物っ!化物の仕業だ!」「どうしてこんな事に!」「死にたくない!死にたくない!」


多くの人々が、悲鳴を上げ、かたよたと、足をもつらせながら走って逃げる。
野次馬は当然ながら、教会騎士団員も、護衛兵でさえも、皆が恐怖を増長させ、バタバタと足を動かす。
互いに肩がぶつかりながら、足を踏み合いながら、蜘蛛の子のように何処か、何処か遠くへと逃げようとする。


その足元には、首の取れた死体と、頭部を撃たれ上を仰ぎ倒れる司教。


「こ…れ、は?」


ニドは頭に毛糸玉をぐちゃぐちゃに詰められたような気持ちになった。


「サ、サンタ!?」


ラフの叫ぶ方向を目で追う。
遠くで見覚えのある人物が倒れている。首から上が無い。
だが、ニドはすぐに解った。横たわる彼の身体の横で見覚えのある顔が頭だけでこっちを見ている。


「うわぁあああああ!さ、サンタぁああああ!!」


途中で振り返ったアキオも走るのをやめてすぐに倒れたサンタに駆け寄る。




「どう…して?サンタ…?」


ニドは胸を強く押さえる。
彼はただのゴロツキ、そんな長い思い入れがあるわけでは無い。
なのに、そんな彼の死が、そこに転がる死体と比べものにならない程に自分の心を掻き乱している。

彼と少しばかり話しただけの記憶を思い出させられる。「嬢ちゃん」と呼ばれた声が耳の奥で勝手に響き渡る。


「い、いやだ…どうして…サンタ―」


『いいや、まだだ!まだだニド!!!』


「…っ、ジャバー!?」


(これは少々賭けになってしまうが…もう、これしかないんだっ)


『ラフ、あいつの真名は』


「は…し、名前?」


『ああ!名だ!全部教えろ!フルネームで!!早くしないと死神が来る!!』


「くっそ!よくわかんねえが…メルクリウス!サンタ・メルクリウスだ!!」


『サンタ・メルクリウス!奴の名は、サンタ・メルクリウス!!』


魔剣は死んだサンタを凝視する。
そして、そこには鎌を握りしめながら黒いフードを被る存在が、ゆらゆらとサンタの方へと近づく


(ちっ、相変わらず仕事が早いこって!!)


『ラフ、俺をサンタの所まで投げろ!!早く!』


「まったく!一体なんだってんだ!!!姐さん失礼すんぜ!」


ラフは呆然と立つニドの後ろ、魔剣に手を伸ばして抜くと
そのまま勢い良くサンタとアキオのいる方へと投げつける。


『アキオオオオ!そのままサンタの首をくっつけろおおおおお』


投げ槍のように飛んでくる魔剣の叫び声を聞き、アキオは余計な事は考えず、離れた頭をすぐに拾い体にくっつける。
そして、魔剣は二人の側の地へと刺さり、魔剣は唱える。


『“オーリー”“ネルロ”“ミグニト”“ディノア”“アザ”“ガリエラ”“シャルキダイ”』


すると、サンタの身体を一瞬にして光が包込み、切断された首が徐々に繋がっていく。


「こ、これは!?」


『光属性由来の上位回復魔術だ。首が繋がれば後は問題ねえ。こいつに関してはな』


魔剣はサンタの頭上でゆらゆらと見届ける死神を睨みつける。


『てめえの出番はねえよ…!クソが!!』


死神は魔剣の存在に気づくやいなや、その場から逃げるようにその姿を霧散させる。


「ジャバー!サンタ!アキオ!!」

「本当に…本当にどうなってるんだ!?」


後から駆け寄ってきたラフとニド。
ラフはすぐにサンタの身体をゆする。


「おい!サンタ!?おい!!おい!!」


「ラフ!待てって!首がくっついたばかりなんだ!」


目を開いたまま動かないサンタ。しかし、暫くして


「っはぁ!?はあっ…!く…首…!俺の首がっ!!?」


サンタは息を吹き返した。


『…なんとか間に合ったようだな』


魔剣のサンタに施した蘇生効果、そは魔剣の108程ある呪いの一つに由来するものだった。
前回のラフが呪いによって死んだ時と同様に
死者の名を知った瞬間、可能な限り蘇生させる呪い。
魔剣はサンタもラフと同様にゴロツキの前例にある、その名だけが全てかもしれないという懸念が賭けの要素として含まれていたが、アキオの懸命な判断も伴い、どうやらその賭けには無事勝ったようだ。


「よかった…!」


ニドは思わずサンタに抱きつく。
彼女は彼の胸に顔をうずめて小さく震えていた。その時の顔はきっと誰にも解らない。


「あ…え…あの…え?」


サンタは少し様子がおかしかった。
たかだか小さな少女に抱きつかれるだけの筈なのに、不思議と心が満たされる感覚。愛おしく思えてしまう感情。
それと向き合えない感情とが、妙な程で葛藤を起こしている。

それも魔剣による呪いである事にも気づかずに。


『…』


魔剣はそれを見て、ふと冷静になって先程の自信の行動を思い返す。

(どうしてだ。こんな人間の事なんか、別にいくら死のうがなんとも思わねえ。あそこら辺にいる人間だって同じだ…
クソ、まさかニドの魂に対して俺が踏み込み始めているのか?この…魔剣の俺が?人間らしさ等と―)




「だ、旦那…説明してくれよ!こいつぁ…一体どういう事だ、どういう事なんだよ!!」


『…………すまない』


「すまない…て、なんで旦那が謝るんだよ」


『呪いだ』


「呪い?」


魔剣は、他の死体らに目を向ける。その上には、先ほどの死神がゾロゾロと鎌を握り締めて振るっていた。


『―この周辺の奴らが斬首されてしまったのは…俺のもつ呪いがある奴の魔術に反応したせいなんだ。
俺の呪いの中には、10回まで所有者の死に至る事象を周辺の人間に不規則に肩代わりさせる事が出来る。それにサンタも巻き込まれたんだ』


「巻き込まれたって…そりゃあ…」

「待ってくれ、それが本当なら…」


アキオは周辺の死体を数える。司教を含めて6人。しかし、首が無いのは5人


「所有者って言ってたよな?…なら、本来請け負う死、斬首される事をこの子は、ニドは…5回も受けるハメになったっていうのかよ!?」


『そうだ…』


魔剣は、その明確で、徹底した殺意に驚きを隠せない。
限られた上級魔術師にしか使えない禍の魔術
それを、真逆の立場に位置する者が使っている事に。


「私が?どうして…」


『それは―』




「まさか。まさかだ。貴様にそのような呪いが掛かっていた等とは思わなんだよ…魔剣」



魔剣の話に割って入ってきたのは、頭を撃ち抜かれたはずの司教の声だった。
皆が一斉にその声の方へと顔を向ける。司教はその様子を気にもせず話を続ける。



「魔剣…そうさ、魔剣。まさか、そんなモノがこの場所に紛れていたとはな。それで、こんな小さな少女を所有者に選ぶとは…随分と趣のある事じゃないか。魔剣、それはあれか?彼の有名な御伽話、ドール=チャリオットの真似事かね」


司教は眉間に手を伸ばし、穴の空いた場所に指を入れた。
クチュ…と生々しい音を漏らしながら、顔色一つ変えずに、そこから銃弾を取り出す。


『お前…一体、何なんだ?』


「誰だとは随分な質問だな。見てわかるだろ?神の御心のままに。神の代弁者たる私が司教でなければ誰だというのだ?」


『違う。“ 誰か”なんて一言も言ってない。お前の中には何一つ魂を感じ取れない。あるのは…禍々しい意識の集合』


司教はその言葉に何一つ動じる事なく
檻の角で隠れるように見ているグレゴリーの方へと手を翳して、彼の腰に携えていた聖剣と呼ばれた剣を
まるで風に運ばせたかのように引き寄せ、手に取る。
その訳も分からね状況についにグレゴリーさえも「わっ」と悲鳴をあげて何処かへと走り去って行く。



「…ようやく。この儀式を以て、私こそが“神”となる筈が。本当に邪魔が入ってしまったようだな」


司教はその剣を鞘から取り出し、その刀身を月の光に当てて眺める。


「人は神に奇跡を望む。果ては都合の良い妄想を経て、己の辿った道筋さえ神のシナリオなのだと嘯く。
そう、全ては神の示したものだと歌い、信仰を捧げ、時を捧げ、祈りを捧げ、命も捧げる。崇高なる神からの奇跡を欲したいが為に、己の心にある不出来な感情を全て代価とし、この場所に捨て置く事で、己自身も神の側にいる。“幸せ”を得られるなどと。自分自身というものを何一つ観る事が出来ない、愚かなものよ…まるで理性を持った豚だ」


司教は溜息をつく。


「人の心は都。遠き昔のの賢者はそう言っていた。己の人生経験で得た情報の全てが心の内で都を作るのだと。
都には“全て”という意味合いを兼ねる。そして、いずれ自身の都は完成され、より堅牢となる。しかし、どうだ?その中に存在しえないモノ
有り得ない事実を招き入れたとして、果して人間はどうするのか、どう都合するのか…」



『…』


「捨てるか、崇拝するかだ」


その剣を、足元にいる騎士団員の死体に刺す。


「“黒き蓮”は、我々教団にとって大事な“駒”だった。人々に恐怖を植え付け、そこから生まれる不要な情欲を持った人間をこの教会に導く為のな。
そしてその人間どもの不要とした感情を、このエスカロッソが吸い取り、人々が救われたと思い込む裏で、この剣は“我”を創る」


『その剣…それで厄災を…黒き蓮の竜を生み出していたのか』


「そうだ、エスカロッソが吸った厄災の根源をそのまま竜に作り変える事は造作もなかった」


『造作もないだと?』


「ああ。人間の思念ほど柔らかく形を変え易いものはないからな。…本来は“黒き蓮”をこの檻の中に閉じ込め、剣によって神の奇跡とも言える“知恵持ちの竜”の創造を目的としていた。
しかし、必要である素体は討ち滅ぼされ、間の悪い事に…ギルドからの討伐依頼に、監査などと…随分とシナリオを大きく変えられたものだよ」



『知恵持ちの竜…神の祝福を賜りし厄災。なら、その竜の子は、お前が作ったもう一つの黒き蓮…お前はそれを模倣して神にでもなろうとしてたのか?』


「然り、神とは常に人の頂点に座すもの。人が成し得ぬ事の出来る力さえあれば、それは奇跡と呼ばれ、神の意思と呼ばれる。
神の意思を持つものは神同然。力こそが、意志なのだよ」


『そんなんじゃねえ…』


「何?」


『“あいつ”は、そんな人間の尺度じゃあ理解されるようなモノじゃねえって言ってるんだよ』


「あいつ…?はて、なんの事を言っているのだろうか。…だが、もはや話す事ももう無い。十分に知り得ただろう?」




“オーリー”


司教の方から魔剣と同じ詠唱が聞こえる。


“ナサグリム”


(“ナサグリム”、深淵の意。起源は混沌。またあれを使うつもりか)


“アザ”“ヴィサム”


『―祈りは死骸の袂、心は零度の真珠、』


「なんのつもりかね。聞いた事も無い詠唱、果たして間に合うかな?」


『由緒正しきディルベット、レメゲトンによる恐怖症、蘇生薬を飲む月、海辺の鎧、アガレスの衝動、破壊修復祭シャルルカンド、用法を知らぬ銀の針金、空の砂時計に入るケーキ』


“ノグレタ”“ディバン”


「ん?いや、違う…なんだそれは。そんな訳の解らない言葉を並べてどういうつもりだ。気でも狂ったか?」


(“解読不可の叛逆詩”…こいつで奴の魔術によるニドへの死の事象を歪めるしか―)


“ナサベルム”


ニドの首に再び先ほどと同じ魔術によって施された赤い輪が5つ囲う。

しかし、唐突に魔剣の視界が大きくブレる。
(なんだ…!?)


「首狩りの殉教――――」





…刹那に割り込む突風。





その勢いは司教が身を低くかがめ、司教は何かを感じ取る。
喉元に食らいつく何か…風?風圧?…否。




これは、斬撃





「な…………に?」



司教の胴から上が大きく舞い上がる。
それと同時に、耳を劈くような大きな音が響いた。

彼の背後、そこに佇む教会が横に一閃。大きく断ち切られている。
誰かが、司教が詠唱を終える前に、司教と教会ごとを両断したのだ。



この判断には、魔剣ですらも読み切る事が出来なかった。
その人外の斬撃を振り放ったのが、魔剣を握り締めたその主であった事に。


『ニド…!』


…奥の教会は崩れ、瓦礫が悲鳴をあげるようにガラガラと響く。


「あ、姐さん…?」


彼女のスカートが靡く。

そして、そのレンズの奥で爛々と煌めかせる紫紺の瞳は正面を見据え


「ねえ、教えてよ」


彼女は言う。


「あなたの言う事は何一つ解らない。まるでジャバーと同じ」


魔剣の刀身が、少しずつ赫く熱を帯びて滾っていく。


「でも、あなたの言葉は…とても不愉快なの、どうして?」


静かな声で問いただすも、その喉の奥からは微かな熱を隠らせている。



「ふはっ!ふはははははははははっ!理解出来ぬか!理解に及ばぬまま剣を抜き、衝動をその刃にて振り撒く。まっこと、人間とは相も変わらず業が深い
。さすれば小娘。貴様の都の内はとうに知れる。あまりにも小さく、あまりにも浅い。未だに世に放たれる事は度し難き者。翼無き雛よ!」


司教は胴体を両断され、上体だけを地に転がしながらも、地べたから頭を上げ、笑いながらそう言った。



やがて彼はその身に禍々しい空気を撒き散らす。
そして、それは渦を巻き、混沌がそれを包込む。


「なっ、なんだこりゃあ!?旦那!どうなってやがるんだい!!」

「そんな事よりも!とにかくここから離れよう!これはマジでやばいぞ!!」

「くそっ…!ニド…!!ここから逃げよう!」



三人の狼狽える声が聞こえる。
しかし、その言葉がニドの耳に届く事はない。
彼女は敢然と立ち、ジッとその司教の様子を凝視し続けている…観察している。



『ニド。覚えておけ』


「…。」


『本来神はこの世界においてただ一つだ。世界の構造、ヒエラルキーの頂点に座する唯一の存在。信仰に因んで奇跡を繋げし者、
それは天、“ガギマダイ”に位置する。それが神』



司教は既に人の姿を変わり果てている。
混沌の渦から伸びゆく腕、その大きな手に並べた爪は長く研ぎ澄まされ、身体の表面の全てが轟々たる筋肉質を外に曝け出している。
所々に不規則で不気味な骨格を四肢になぞらせ
禍々しい髑髏の頭に牙を連ね、背中に大きな蓮の花を象らせた巨躯の化物。


『だが、この世にはもう一つその名を冠する者がいる。人々の“我欲”から生まれし根を持つ存在、底の那由多より出し者、禍…“ナサベルム”の権威。悪魔でさえもその業に手を焼くと言われた意識を持つ厄災、世界はそれに畏怖と嫌悪の念を込めて名前をつけた。“魔神”と』




魔より出し者。普遍的視点に対を成し、我という主観から構成される存在。天へと望む魂が堕としていく廃棄物。
司教の心を都に例える話になぞるのならば、都から捨てきれず、その強大さに崇拝を選ぶ事はさながら神に等しく、それを魔神と呼ぶに相応しい。





「讃えろ、涙してその双眸に、記憶にヤキツケロ。私が、カミだ。」



大きく両手を広げて化物は語る。

己の強大さを、己の力こそが意思なのだと。








「神様とか、人の業なんて関係ない」



ニドは再び思い返す。
あの時、何度も何度も思い返した光景。

黒き蓮が二人を血の華に変えた瞬間を―



「あなたが、“誰か”の死に至る運命であるならば…私は、それに抗う。
あなたは言った、翼の無い雛…そう。私はそれ。だから、ちゃんと教えてよ」


ニドは魔剣を構える。



「私に教えて。あなたが、どうしてそんな風にならないといけなかったのかっ」
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