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1章 最強のウィザード様

嗚呼、私のウィザードさま 「理想通りのウィザード様?」

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会社

マリアが溜息を吐く
「はぁあ~~…っ」
マキとリナが顔を見合わせてから リナが苦笑して言う
「マリア …駄目だったの?」
マリアが言う
「へ?」
マキが苦笑して言う
「しょうがないよ マリア エリナだって きっと…」
マリアが言う
「あ いや、違うのっ 灯魔作業はしてもらえる事になって 今日仕事が終わったら 早速行く予定 …保育園もその時間なら 子供たちも皆帰ってるから 人目に付かなくて 丁度良いって?」
リナが微笑して言う
「なんだ それなら 良かったじゃない!」
マキが喜んで言う
「流石 マリアのウィザード様ー!」
リナが微笑して言う
「マリアの日々の溜息が 報われたのかしら?」
マリアが衝撃を受ける リナとマキが疑問して言う
「マリア…?」
マリアが苦笑して言う
「あ… いや… 何でも…」
リナが言う
「ふふっ 神聖なるウィザード様も 恋人のマリアのお願いには それこそ 神をも恐れず 規則を破っちゃうとか?正に ラブロマンスよね?」
マキが言う
「ホント ホント!これぞ 愛の力っ!」
マリアが慌てて言う
「ち、違っ!」
リナが微笑して言う
「隠さなくても良いじゃない?私たちも 約束通り 燭魔台へウィザード様が灯魔して下さる事は 内緒にしておくから!…と、その代わり?」
マキが言う
「神聖なるウィザード様とは~?一体 何処までその神聖なる領域を 踏み外しちゃったのかな~?」
リナとマキがキャッキャッ騒ぐ マリアが赤面して言う
「ちょっ ちょっと待ってっ!本当に 違っ!」
課長が咳払いをする マリアたちが衝撃を受け 黙って仕事に戻る マリアが書類を前に思う
(神聖なるウィザード様は…)
マリアが思い出してから 思う
(想像以上に ”神聖過ぎて” こっちが勝手な誤解をしていました… だなんて… 言えない)
マリアが溜息を吐く リナとマキが遠目に見て含み笑いを合わせる

保育園

エリナが驚き言葉を失う マリアが微笑して言う
「お待たせ エリナ!」
エリナがレイを見て言葉を失った状態から ハッとして慌てて言う
「ウィ、ウィザード様っ 本日は…っ こちらの 勝手なお願いを 聞き入れて頂きましてっ!」
マリアが一瞬呆気に取られた後 苦笑して言う
「エリナ 大丈夫よ?そんなに緊張しないで?」
エリナがマリアを見て困って言う
「マリア…」
マリアが微笑して言う
「それで 燭魔台は何処?」
エリナがハッとして言う
「は、はいっ では ご案内致します…っ!」
エリナが向かう マリアが微笑してから一度レイを見てエリナに続く レイが続く

レイが燭魔台の様子を見ている マリアとエリナが少し離れた位置に居る レイが燭魔台の状態に僅かに目を細めてから マリアへ向く マリアが気付きレイの下へ行く マリアがレイの近くへ来ると レイがマリアの耳元に小声で言う
「燭魔台の状態が 凄く悪いから 修繕を依頼しないと 効力も薄れるって 伝えておいて」
マリアが驚いてからレイを見て言う
「…あっ はいっ」
レイが一度頷く マリアがエリナの下へ戻る エリナが疑問していると マリアがエリナへ言う
「エリナ あのね…」
マリアがエリナへ伝えていると レイが燭魔台に手をかざし 杖を構えて魔力を収集しつつ調整をする マリアがエリナへ伝え終えると エリナが言う
「…そうなんだ 分かったわ すぐに修繕を依頼する 有難う マリア」
マリアが一瞬呆気に取られた後 微笑して言う
「うん!」
マリアとエリナがレイを見る レイが作業を続けていて しばらくすると 燭魔台に静かに炎が灯る エリナがホッとする マリアが微笑する

マンション レイの部屋

レイとマリアが現れる マリアが言う
「お疲れ様でした!ウィザード様!」
レイが言う
「ああ 本当に疲れた」
マリアが軽く驚いて言う
「え?」
レイが言う
「唯でさえ 耐久力の低い燭魔台なのに あんなにボロボロで ちょっとでも加減ミスったら ぶっ壊しそうで すげぇ ハラハラしたよ」
マリアが呆気に取られて言う
「そう… だったんですか?とても そんな風には見えなくて …いつもの儀式の時と同じ感じでしたが?」
レイが言う
「そりゃぁ マリアのお願いで ”マリアのウィザード様”として行ったんだからさ?カッコ悪い所 見せられないだろ?」
マリアが呆気に取られていた状態から 微笑して言う
「ウィザード様… 有難う御座いましたっ!」
レイが部屋へ上がりながら言う
「うん 何よりキツイ修行になったよ もうやりたくないけど って事で 俺もう休む お疲れ様~ マリア」
マリアが呆気に取られた後言う
「あ、はい お疲れ様でした …お休みなさい」
レイが寝室へ入りながら言う
「お休み~」
レイが寝室に入りドアを閉める

会社

マリアが微笑して書類を揃えて言う
「お仕事 完了!」
リナが言う
「な~に?マリア?随分嬉しそうだけど?」
マリアが疑問して言う
「え?」
リナが言う
「何か良い事でも あったのかしら?」
マリアが呆気に取られてから言う
「ううんっ 無い!無い!何にも無いよ?」
リナが言う
「本当に?」
マリアが苦笑して言う
「本当よ~ それ所か 奉者の仕事が忙しくて こっちの仕事が間に合わなくなって 朝一番で書類をまとめに来たんだよ?これを課長に提出して 今度はすぐに ウィザード様の所へ行かないと」
リナが言う
「あら そうだったの?そうよね 今日はマリア いつも休みの日だものね?お疲れ様 奉者様?」
マリアが言う
「ホントに今回は奉者様してたって感じ いつもなら3日や4日に1度なのに 今回はエリナの保育園の件もあって 結局 毎日顔を合わせる事になっちゃって」
マキが言う
「羨ましいな~ マリアは~?だって それって 結局 マリアが会いたいと思えば いつでも会えるって事じゃない?私なんて もう二度と あの清掃員さんに 会えないのに~」
マリアが衝撃を受ける マキが溜息を吐く リナが一度呆気に取られた後 苦笑して言う
「そうよね 会えない人の事を思うと 溜息が出ちゃうのよね?…いつもの 誰かさんみたいに?」
マリアが反応して慌てて言う
「だ、だから あれは …違ったのっ!その… 私の勘違いで… あっ 課長!書類出来ましたーっ!」
マリアが書類を持って走って行く マキが溜息を吐く リナが軽く笑う

マンション

マリアがタクシーを降り 急いでエレベータへ向かう エレベータ内でマリアが時計を見て言う
「うん!いつもより ちょっとだけ 遅くなっちゃったけど…」
エレベータが到着する マリアが急いでドアへ向かう マリアがドアの前で一呼吸置き インターフォンを押してからドアを開けて言う
「お早う御座います ウィザード様 お迎えに上がりました!」
マリアが身構え思う
(…く、来る!?)
マリアが間を置いてから 疑問して顔を向けた先 レイが微笑して言う
「お早う マリア」
マリアが呆気に取られた後 ハッとして言う
「あっ えっと…?…お車の用意が…」
マリアが思う
(あれ…?)
レイがマリアの横を過ぎながら言う
「うん、行こう」
マリアが呆気に取られてレイを見る レイがドアを出て行く マリアがハッとして慌ててドアを出て 思い出した様に鍵を掛けてから 走って向かう

エレベータ内

エレベータが降下している マリアが回数ボタンの前に立ちつつ 横目にレイの様子を伺ってから視線を逸らし 表情を困らせてから 思い出した様に言う
「…あ!ウィザード様?昨日は… 有難う御座いましたっ!」
マリアがレイを見る レイがマリアを見てから微笑して言う
「うん」
マリアが疑問し言い掛ける
「… … … あ、あの…?」
エレベータが到着する マリアが気付き ドアが開くとレイが出て行く マリアが追う

車内

マリアが助手席に乗り込み運転手へ言う
「お早う御座います アミス村の灯魔台神館まで お願いします」
マリアが良い終える頃 後部座席にレイが乗り込んで来る 運転手がマリアへ向いて言う
「はい お早う御座います それでは アミス村の灯魔台神館へ 向かわせて頂きます」
マリアが微笑して頷いてから ルームミラーで後部座席を様子見る レイは目を瞑って俯いている マリアが前方を向いてから思う
(何だろう…?何だか いつもと 違う…?)
マリアが再びルームミラーでレイを見る

アミス村灯魔台神館

人々が見つめる先 レイが魔力を収集している マリアがレイを見ながら思う
(結局 神館前まで出迎えの人が居たから 声を掛けられなかったけど…)
周囲の設備から風が舞い上がる マリアが反応して思う
(風の灯魔… ウィザード様が得意だって 言ってた…?)
周囲に風が巻き上がり 上部に集中する 人々が驚き驚愕する中 マリアがレイを見て思う
(普段と見た目は変わらないけど 昨日だって 違いは見えなかったのに 凄く緊張してたみたいに言ってたし… …それじゃ 見た目じゃ 分からないのかも?)
上部に集中した風が一気にレイへ向かって来る 人々が息を飲む中 風がレイの前にある杖に防がれる マリアが見つめる先 レイが杖を掴み振りかざすと 風の攻撃が上部に弾かれ灯魔台へ叩き込まれる 人々が怯える中 マリアが思う
(やっぱり 部屋へ戻ったら 聞いてみよう…)
マリアが小さく言う
「うんっ」
辺りが静まった中 灯魔台から静かに風が渦巻き始める 人々が言葉を失う レイが向き直り来た道を戻り歩く 人々が慌ててレイへ信仰の眼差しを向け 祈るようにレイの歩みを見守る マリアが微笑する

マンション レイの部屋

マリアが地に足が着く感覚を得ると 振り返り微笑して言う
「お疲れ様でした ウィザード様!」
レイが言う
「うん お疲れ様 次も いつもの時間だろ?」
マリアが呆気に取られてから言う
「え…?あ、はい…」
レイが言う
「じゃ また 2時に迎えに来て」
レイが部屋へ上がって行く マリアが呆気に取られたまま言う
「は、はい… あのっ?」
マリアが呼び止めようとするが レイはさっさと寝室に入ってドアを閉める マリアが呆気に取られてていた状態から 肩の力を落とし部屋を出て行く

中央公園

マリアが手作り弁当を前に溜息を吐く
「はぁ…」
マリアがふと気付いて思う
(あれ?私 今 なんで溜息なんか…?)
マリアが余り手を付けていない弁当を見てから 表情を落として思う
(ちょっと前までは 溜息の理由が分かっていたのに…)
マリアの脳裏に レイへの誤解の数々が思い出される マリアが思う
(あれは 全部 私の勘違いだった… ウィザード様は ただ私と一緒に お茶を飲みたかっただけで… あ、あのっ 抱擁なんかは!?き、きっと その…っ 神聖なウィザード様の 全く下心の無い 感情表現の1つでっ?ア、アノ言葉も… そう …だから 今の状態こそ ウィザード様の 私へ対する 紛いの無い姿!)
マリアが表情を落としている事に気付き ハッとして言う
「い、良いじゃないっ!?とっても!?そ、そうよっ!これこそ 神聖な ウィザード様っ!」
マリアが表情を落として言う
「なのに… 何で…?何だか とっても…」
マリアが思う
(…寂しい?)
マリアが弁当を片付け 静かに立ち上がる

マンション レイの部屋

インターフォンが鳴り マリアがドアを開けて言う
「失礼します ウィザードさ…」
マリアが言い掛けると レイが抱き付いてきて言う
「マリアー!」
マリアが疑問して言う
「…ま?」
マリアが呆れつつ思う
(ア… アレ…?)
マリアがレイを剥がそうとしながら言う
「あの…っ ウィザード様…っ!?」
マリアが思う
(戻ってる…?折角 神聖なウィザード様になったかと思ったら…?)
レイが言う
「マリア 俺 やっぱ 耐えられないみたいだ」
マリアが衝撃を受けて思う
(え!?たっ 耐えられないってっ!?)
マリアがハッとして思う
(―て、待ってっ!?違うかもしれないっ!あっ!もしかして またっ!?一緒に… お茶が飲みたかった とかっ!?きっと そう言う事でっ!?)
マリアが苦笑して言う
「あ、あのっ ウィザード様っ?」
レイが言う
「ずっと我慢してて 意識しない様に 儀式とかに集中してれば 忘れられるかと思ったんだけど でもっ」
マリアが言葉を失ったまま思う
(え?え…?それは… やっぱり!?)
レイがマリアを見つめて言う
「マリアに負担掛けるって 分かってても 俺には やっぱり マリアしかいないんだっ だから マリア!」
マリアが驚き思う
(そ、そんな!?だ、駄目よっ!?やっぱりっ!?そんなのはっ!…だ、だってっ!?)
マリアがハッとして言う
「あ!あの!で、ではっ!ウィザード様っ!?」
レイが言う
「な、何っ?」
マリアが顔を引きつらせつつ苦笑しながら言う
「い、今は 時間が無いですからっ!?ぎ、儀式へ… 行きましょうっ!?それで その…っ お話の続きは… か、帰って来てからっ …でっ!?」
レイが苦笑して言う
「そ、そっか そうだよな?分かった 急に ごめん 俺 もう 限界近いみたいで マリアを見たら つい」
マリアが衝撃を受けて思う
(私を見たらっ!?…や、やっぱりっ!?そう言う事なの…っ!?)
レイが気を取り直して言う
「それじゃ 行こう マリア 時間は 大丈夫?」
マリアが時計を見てから言う
「あ、は、はい… 少し早めに戻って来たので 今出るなら いつも通りですっ」
レイが言う
「そっか なら 良かった」
レイが出て行く マリアが困惑しつつ追って出て行く


続く
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