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1章 最強のウィザード様

嗚呼、私のウィザードさま 「傷心のウィザード様?」

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灯魔台神館

レイが灯魔作業を行っている マリアが思う
(どうしよう… 儀式が終わったら きっと 私 ウィザード様に さっきのお返事を しないといけない…)
マリアがレイを見る 人々の驚愕の中レイが火の灯魔儀式を続けている

マリアが思う
(で、でもっ もしかしたら?また 私の思い過ごしかもしれない?だから もっと良く考えて!?ウィザード様が さっき言っていた言葉は?)
マリアの脳裏に記憶が蘇る

レイが言う
『ずっと我慢してて 意識しない様に 儀式とか集中してれば 忘れられるかと思ったんだけど でも』

マリアが困り頭を悩ませて思う
(う、う~んっ?駄目…っ やっぱり そう言う事にしか思い当たらない…っ いくら神聖なウィザード様だって やっぱり男の人なんだし… 奉者は基本 女性だし… …奉者って そう言う事だったのっ!?)
マリアがレイの姿を見る

レイが杖を掴み一振りすると 押さえられていた炎が舞い上がり 灯魔台に上部から叩き込まれる 激しい衝撃に人々やマリアが思わず目を閉じると 一瞬の後 静まった館内の灯魔台に静かに炎が上がり 人々が言葉を失う 

マリアが表情を落として思う
(そっか… やっぱり そうなのかもしれない… ウィザード様は 優しい人だったから 今まで私にあんな風に接してくれていたけど… 私にとっての ウィザード様は 子供の頃に見た あの時の ウィザードさまの意識のままだった…)

マリアの脳裏に14年前の景色が見える 

 幼いマリアがソニアの横に居るウィザードへ叫ぶ
 『助けてっ ウィザードさまっ!』

マリアが記憶の中のウィザードの姿とレイを重ねて見ていると レイが向き直り来た道を戻り歩く 人々が慌ててレイへ信仰の眼差しを向け 祈るようにレイの歩みを見守る

マリアがレイを見て思う
(あのウィザードさまは ”お母さんのウィザード様” …でも このウィザード様は… 私のウィザード様だから…)
マリアがレイを見る レイがマリアの前で一度立ち止まり マリアを見る マリアがレイを見る レイがマリアの前を去る 案内がマリアへ頭を下げて言う
「有難う御座いました マリア奉者様」
マリアが微笑して言う
「…はい それでは 失礼します…」
マリアがレイを追う

マンション レイの部屋

風が吹き レイとマリアが現れる マリアが考えていると レイがマリアを後ろから抱きしめて言う
「マリア」
マリアが言葉を飲み思う
(もう引き返せない… 私は 理由は何であれ 奉者になったんだから… 今更 逃げ出す事なんて出来ないっ それに… 勘違いだったとは言えっ 昨日は 1度 気持ちを…っ)
マリアが意を決してレイへ向き直ろうとする レイが言う
「ごめん マリア こんな事頼むつもりは無かったんだ 俺は マリアのウィザードさま だから マリアの為にって それだけを考えてた 俺がマリアに こんな事を頼むつもりなんて まったく無かったのに」
マリアが苦笑して言う
「いえ… い、良いんですっ 私も… 何も知らずに 奉者になってしまって… お仕えするウィザード様に 気を使わせてしまうなんて 本当は いけない事です」
レイが苦笑して言う
「マリア ありがとう」
マリアが微笑して言う
「ウィザード様…」
マリアが思う
(やっぱり 優しい… 大丈夫 このウィザード様なら きっとっ)
レイがマリアを抱きしめて言う
「俺 最後までウィザードらしく 居たかったけど やっぱ 限界で もう 我慢出来ない だから 早く」
マリアが表情をしかめて思う
(や… 優しく お願いし…)
レイがマリアを強く抱きしめ 息を切らす マリアが衝撃を受けて思う
(…お、重いっ 苦しいっ それに…っ!?)
レイが言う
「ごめん マリア さっきの魔法で 精神力使い切った」
マリアが思う

(精神力って何!?それって… もしかして…?もしかしてっ!?)

レイが僅かに息を荒くして 預けていた身を上げる マリアが思う
(―理性っ!?…みたいな物っ!?)
レイが言う
「それじゃ マリア」
マリアがレイの声に顔を上げる レイがマリアを見る マリアがレイの目にドキッとして思う
(こ… 怖いっ!やっぱり いつもの ウィザード様じゃないっ!?)
レイが言う
「急かして御免 でも 俺 マリアに 今すぐ イッてもらいたい」
マリアが衝撃を受けて思う
(ム、ムリ…っ!そんなっ 酷いっ いくらなんでも 最初は…っ!…それにっ 怖いのは 絶対嫌っ!)
レイが言う
「何でも良い マリアに任せる だから」
マリアが言う
「ご、御免なさいっ!でも!もう少し 落ち着いている時に お願いしますっ!ですからっ!もう一度っ!改めてっ!」
レイが言う
「けど マリア 俺 もう限界だから」
マリアがレイを振り払って逃げながら言う
「御免なさいっ!また 必ず 来ますからっ!」
マリアが外に出ると 走ってエレベータへ逃げ込み1階ボタンを押す 

ドアが閉まると 壁に背を付け 視線を落として言う
「あぁ… どうしよう…?」

エレベータが1階に到着する マリアが逃げる様に出て行く

会社

マリアが真っ白なモニターの前で悩んでいる マキが覗き込み疑問してから言う
「マリア?」
マリアが驚いて身をビクつかせてから言う
「キャッ!な、なんだ マキか… びっくりした…」
マキが呆気にとられて言う
「あ、ごめん?」
マリアが苦笑して言う
「ううんっ 私こそ ごめん …ちょっと 考え事してて」
マキが言う
「そうだったんだ?あのさ?良ければ… お昼 食べに行かない?」
マリアが気付いて言う
「あ… もう そんな時間だったんだ…?」
マキが微笑して言う
「うんっ 何か悩んでる時は とりあえず 腹ごしらえした方が良いよ!マリア!」
マリアが微笑して言う
「うん そうだね… それじゃ、リナも… あれ?」
マキが言う
「今日はリナ休みだよ?知らなかった?」
マリアが言う
「あ、うん… 珍しいね?何かあったの?」
マキが笑んで言う
「にっひっひ~ じ・つ・は!」

休憩所

マリアが言う
「デートっ!?」
マキが手作り弁当片手に言う
「そうなのですー!エリナの紹介で 同じ保育園の保育士さんなんだってー!」
マリアが言う
「えぇえ?…で、でも 何だか複雑だね?それじゃ その彼は 保育園では いつもエリナと一緒に居るって事でしょ?」
マキが言う
「そうそうー!でも リナは気にしてないって 言ってたよー?」
マリアが苦笑して言う
「そうなんだ… 私だったら ちょっと心配かなぁ…?」
マキが言う
「同じ保育園だって 別に 仕事で同じ職場の同僚ってだけだしー?エリナは リナと彼氏さんの 共通の知り合いって事に なるだけじゃない?」
マリアが言う
「あ… そっか…?」
マキが言う
「でも 良いなぁ~ 2人共」
マリアが疑問して言う
「良いって リナとその…?」
マキが苦笑して言う
「違う違う リナとマリア!」
マリアが疑問して言う
「え?私?」
マキが言う
「だって 2人とも 彼氏持ちじゃーん?居ないのは 私だけー!」
マリアが衝撃を受け 慌てて言う
「だ、だからっ 私とウィザード様は そんなんじゃ…っ!」
マリアがハッと思い出す マキが苦笑して言う
「またまた~!もう 隠さないで良いってば!隠すのは 私たち以外の人とー 神様にー!なーんちゃって!にゃはははっ!」
マリアが視線を泳がせる マキが溜息を吐いて言う
「あ~ぁ~… 私も もうあの人の事は すっかり 忘れて 良い人探そうかなぁ~」
マリアが気付いて言う
「あ!そ、その…っ あの人って… ウィザ… じゃなくてっ!れ、例の… 清掃員さんの事?」
マキが苦笑して言う
「うん… あの後 清掃業者の人に 聞いてみたんだけどね?臨時で雇った清掃員なんて居なかったとか 言われちゃって…」
マリアが衝撃を受け表情を困らせる マキが表情を落として言う
「これじゃ もう… 諦めるしかないよね…?」
マリアが困ってから言う
「…ねぇ?マキ?もし… もしっ だよ?その清掃員さんが 見つかったら… マキは お付き合い… するの?」
マキが言う
「もっちろん!だって すっごい 素敵だったもん!一目惚れっ!」
マリアが苦笑して言う
「本当は そんなに… 素敵な人じゃ ないかもよ?もしかしたら 本当は 怖い人… かも…?」
マキが言う
「それでも良い!」
マリアが驚いて言う
「…えっ?」
マキが言う
「確かに 最初は 見た目が綺麗な人だなって それだけだったけど… 話をして感じたの!」
マリアが言う
「話をして…?」
マリアが思う
(あの時 私 2人の後を追って聞いていたけど マキがそんなに 好きになるような 優しい言葉なんて全然無くて… むしろ 怖いと思った… あんなに排他的な言い方を するだなんて…)
マキが微笑して言う
「あー この人 誰かに頼る事を 知らない人なんだな~って!」
マリアが驚く マキが言う
「だからね?一緒に居てあげたいなーって思っちゃった!でも 本当は 私が一緒に居たいだけなのに 矛盾してるよねー?」
マキが笑う マリアが視線を泳がせて言う
「誰かに頼る事を 知らない…?」
マリアが思う
(そう言えば私… ウィザード様の事 何も知らない… 名前 …さえ!?)
マリアが手作り弁当を前に言葉を失っている マキが弁当を食べつつマリアを見て疑問して言う
「マリア?食べないの?」
マリアがハッとして言う
「あ、ううんっ!食べる!食べる!」
マリアが弁当を食べつつ考える

翌日 会社

マリアが思う
(とりあえず 次の灯魔儀式の予定は入れてみたけど… これを理由に 時間を伝えに来たって …行くべきかな?でも 儀式も無いのに それだけの用件で行ったら 今度こそもう逃げられない… だって時間はいつもと同じ 午前10時と 午後の3時…)
リナが出勤して来て マキと挨拶をしてから マリアを見る マリアが考えている
(…良く考えたら これって ウィザード様の言ってた お茶の時間と同じだったんだ …それなら 本当は 変えるべきなのかな?それとも…?)
リナがマキへ言う
「なんだか 凄く悩んでるみたいだけど 何かあったの?」
マキが言う
「さぁ~?昨日からなんですー」
マリアが思う
(…大体 灯魔儀式の時間なんて こう言う事は 普通に訊いたら良い筈なのに ウィザード様が あんな事言うから…っ …で、でも 本当にウィザード様のせいなのかな?やっぱり そう言う事も 奉者の勤め?そんな事 習ってないけど…?)
マリアが溜息を吐く
「はぁ~…」
リナが言う
「ほーら 来た」
マキが言う
「来た来た~ マリアの溜息~!」
マリアが疑問して言う
「え?」
リナが言う
「また ウィザード様の事で 溜息吐いているんでしょ?」
マリアが衝撃を受けて言う
「うっ… なんで 分かるの?」
マキが言う
「分かり過ぎ~」
マリアが苦笑して言う
「あ… はは…」
リナが言う
「奉者様は大変なんでしょ?こっちの仕事 手が回らないなら 何か手伝うわよ?マリア?」
マキが言う
「そうそう!大変な時は お互い様~!」
マリアが言う
「あ… ありがとう… でも 大丈夫!仕事に支障は…」
マリアの目前 真っ白なPC画面が開かれている マキが言う
「昨日から 全然 動いてないし~?」
マリアが驚き慌てて言う
「た、大変~っ!今日中に仕上げなきゃ いけないのにっ!」
リナが言う
「見積報告書でしょ?1日分手伝うわよ?」
マキが言う
「私も!」
マリアが言う
「ありがとう!本当に ごめんっ!」
マリアがリナとマキに資料を渡す

マンション 最上階

マリアがドアの前で溜息を吐く
「はぁ~…」
マリアがドアを見て困って思う
(おとといは 仕事に追われ 昨日は 今更って感じで 結局 今日まで来られなかった …ウィザード様 怒ってるかな?どうしよう…?)
マリアが表情を困らせた後 ドアを見て意を決してインターフォンを押し マリアが思う
(怒られるかもしれない… いきなり… 押し倒されるかもしれないっ でも… このまま逃げる訳にも行かないしっ!)
マリアがドアを開けて言う
「お、お早う御座いますっ!ウィザード様っ!」
マリアが正面を向いた状態から ふと気付いて横を向くと レイがキッチンのシンク近くで水を飲み終えた様子で振り向いて 一瞬2人が止まった後 レイが軽く息を吐いて言う
「お早う マリア」
マリアが言う
「あ、あの… 本当に 御免なさいっ ウィザード様 私…っ」
マリアが頭を下げる レイが呆気に取られた後苦笑して言う
「ああ 良いよ 何も マリアは悪く無い だから 俺に謝ったりなんかしないで」
マリアが驚いて顔を上げる レイが苦笑して言う
「この時間って事は 灯魔儀式の予定も 入ってるんだろう?」
マリアが言う
「は… はいっ お車の用意が出来ていますっ」
レイが言う
「うん じゃ 行こうか?」
マリアが言う
「は、はい…っ」

エレベータ内

マリアが回数ボタンの前でレイの様子を横目に見てから思う
(元気無いみたい… そうよね… だって 私が… …傷付けちゃったよね?謝らないと… あ、謝ったっけ?それで… 許してくれた…?なら?これで 良かったのかな?灯魔儀式にも行ってくれるみたいだし …今度こそ 神聖なウィザード 様…?)
マリアが横目にレイを見る レイは無表情に居る マリアが視線を逸らして思う
(これで 良かったんだよね…?)
エレベータが到着し マリアが出ると レイが続く

ポリニ灯魔台神館

マリアが見つめている レイが火の灯魔儀式を続けている マリアが思う
(ここも火の灯魔… 何だか意外?いつもなら 同じ灯魔は続かないのに… 偶然?)
マリアがレイの姿を見る

レイが杖を掴み一振りすると 押さえられていた炎が舞い上がり 灯魔台に上部から叩き込まれる 激しい衝撃に人々やマリアが思わず目を閉じると 一瞬の後 静まった館内の灯魔台に静かに炎が上がり 人々が言葉を失う

マリアが僅かに違和感を感じて思う
(同じ火の灯魔が 続いたせいかな?なんだか… いつもより 迫力が無いような…?)
マリアがレイを見ていると レイが向き直り来た道を戻り歩く 人々が慌ててレイへ信仰の眼差しを向け 祈るようにレイの歩みを見守る マリアがレイを見る レイの表情は見えない マリアが思う
(やっぱり いつもより… なんだか弱い感じがする いつものウィザード様なら もっと… 私が見ても 怖いと感じる 強さがあって…)
マリアがレイを見る レイがマリアの前を去る 案内がマリアへ頭を下げて言う
「有難う御座いました マリア奉者様」
マリアがハッとして言う
「あ、いえっ!…それでは 失礼します!」
マリアがレイを追う

マンション レイの部屋

風が吹き レイとマリアが現れる レイがマリアを解放すると マリアが気を取り直して言う
「お、お疲れ様でした!ウィザード様!」
レイが沈黙する マリアが一瞬驚いてから 表情を困らせて言う
「あ、そ… それでは いつも通り」
レイが言う
「マリア」
マリアがビクッとして言う
「は、はいっ!」
レイが言う
「午後の灯魔儀式は キャンセルして」
マリアが驚いて言う
「…え?」
レイがマリアを見て微笑する マリアが呆気に取られた後慌てて言う
「え、ええっと… り、理由を 確認させて頂けますかっ!?ウィザード様のご指示であってもっ そ、その… 一応 灯魔儀式には事前の準備がっ」
レイが言う
「うん 多分 出来ないと 思うから」
マリアが言う
「お、思うって…?具体的には… えっ?」
レイがマリアに抱き付く マリアが驚く レイが言う
「しばらく このままで居させて マリア」
マリアが困って言う
「あ… あの… つまり …そう言う理由で?」
レイが言う
「うん」
マリアが困り悩んで思う
(え~っと… それじゃ キャンセルの理由は… 失恋って事?それにより 灯魔儀式に望む気力の低下… そ、そんな事を 言わなくちゃ駄目って事?)
マリアが横目にレイを見る レイは動かない マリアが困って思う
(それは… 確かに 私が悪いかもしれない… でも… それを理由に 灯魔儀式をキャンセルするって 有りなのっ?そんなの会社だったら 絶対許されない …だからっ!)
マリアが意を決して言う
「だ… 駄目ですっ!」
レイが僅かに反応する マリアが言う
「お気持ちは分かりますがっ あ、後一回だけ 頑張って下さいっ!私も… で、出来るだけ 協力しますからっ!」
マリアがハッとして思う
(あっ!も、もしかしてっ 私 また 何か間違った事言っちゃったっ!?だとしたらっ!?訂正するなら 早くっ!)
レイが言う
「無理」
マリアが言う
「え?」
レイが言う
「もう 俺  何も  出来ない」
マリアが思わず言う
「は?」
レイが言う
「もう無理 だから 儀式はキャンセルして  それでマリア  今日はもう少し  このまま  一緒に居て?いるだけだけで  良いから」
マリアが怒って言う
「甘えないで下さいっ!ウィザード様っ!」
レイが驚く マリアがハッとして言う
「ご、ごめんなさい… で、でもっ!儀式のキャンセルは駄目です!もう一回だけ頑張って下さいっ!その後でしたら 予定を調整出来ますからっ!」
レイが言う
「う、うん」
マリアが言う
「それではっ!いつも通り また2時にお迎えに来ますっ!良いですねっ!?」
マリアが言い放つと共に ドアを出て去って行く

中央公園

マリアが溜息を吐いて言う
「はぁ… 言い過ぎちゃったかな… 奉者がウィザード様を叱るだなんて きっと 前代未聞…」
マリアの脳裏に 清掃員姿のレイが思い出される マリアが表情をしかめて言う
「…うっ でも ある意味 アノ人も 前代未聞なウィザード様だし… これって 良いコンビなのかも…?」
マリアがハッとして慌てて言う
「ち、違うっ!私とウィザード様はっ そう言うんじゃなくてっ!…って」
マリアが呆気に取られてから 肩の力を抜いて言う
「何… 私、1人で言ってるんだろう…?」
マリアが溜息を吐く

マンション レイの部屋

マリアがドアを前に表情を困らせてから 顔を左右に振って 気合を入れて言う
「よしっ!」
マリアがインターフォンを押して思う
(何だか いつも このドア開けるのが… で、でもっ もう 何も恐れるものですかっ!大丈夫っ 何が来ても もう怖くないっ!)
マリアがドアノブを掴んで思う
(強気に行かないとっ!)
マリアがドアを開けて言う
「失礼します!ウィザード様っ!お迎えに上がりましたっ!」
マリアが空かさず横を向いてシンクの辺りを見るが レイは居ない マリアが一瞬呆気に取られてから 気を取り直して室内へ向いて言う
「ウィザード様?」
マリアが様子を伺うとリビングのソファに人影がある マリアが気付き言う
「ウィザード様?お時間ですよ?」
マリアが待つが反応が無い マリアが表情を困らせて思う
(これは… …つまりボイコット?…だ、だとしても ウィザード様は 一応このドアさえ出れば ウィザード様らしく 振舞ってくれるからっ!?)
マリアが部屋へあがりつつ言う
「お、お邪魔します… ウィザード様~?」
マリアが思う
(何とかして玄関までっ あ…!でも もし 法衣とか着てなかったら ちょっと困るかも…?流石に その状態で引きずって行ったら…)
マリアがソファを見ると レイが法衣を纏った状態で座っていて マリアの気配に顔を上げて言う
「あ、マリア もう一度会えて 良かった」
マリアが一瞬疑問した後 気を取り直して言う
「…?何言ってるんですか?お時間ですよっ?もうお迎えの車も来ていますからっ!」
レイが言う
「ごめん やっぱ 無理みたいだ マリア」
マリアが一瞬困った後 気を引き締めて思う
(大丈夫っ こんな時こそ 強気に行かないとっ!)
マリアが言う
「無理じゃありませんっ 用意も出来ているなら そのドアさえ出てしまえば 大丈夫ですからっ!さぁ 立って下さいっ!」
マリアがレイの腕を掴んで引き上げると 軽々引き上がる マリアが一瞬呆気に取られた後言う
「え…?」
マリアが思う
(軽い…?こんなに?…あ、でも ひょっとしてこれも 魔法…とか?)
マリアが言う
「で、では… 行きますよ!?この1回さえ終われば 後は ゆっくり休んで下さって 結構ですから!」
マリアがレイの腕を引っ張ると レイが引かれるままに倒れる マリアが驚いて目を見開いて言う
「…え?」
レイの体の横に 杖が床に倒れ 音が響く マリアが立ち尽くして言う
「… … ウィザード… 様…?」
マリアが表情を驚かせたまま 身を屈めて言う
「ウィザード様?…え?嘘…?…ウィザード様?ウィザード様っ!?」
マリアがレイの肩を揺すって必死に叫ぶ
「そんな…っ どうしてっ!?ウィザード様っ!?ウィザード様ぁああっ!!」


続く
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