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1章 最強のウィザード様

嗚呼、私のウィザードさま 「お雑炊とウィザード様」

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会社

マリアが溜息を吐く
「はぁ~… もぅ…」
リナとマキが言う
「出たわ マリアの溜息」
「”もぅ” まで付いた!」
リナとマキが顔を見合わせ 微笑して言う
「マーリーア?」
「今度は どうしたの?」
マリアが言う
「実は…」
リナとマキが期待して言う
「実は!?」
「なになにっ!?」
マリアが顔を逸らして思う
(言えない… 私の勘違いで ウィザード様が ”餓死しそうに”なった だなんて…)
リナとマキがマリの視線の先へ向かう マリアが更に顔を背けて思う
(しかも ウィザード様は… ”食べ物を手に入れる方法”を 知らなかった だなんて…)
マリアが溜息を吐いて 小声で言う
「…でも 確かに ウィザード様が ”スーパーで買物してる” だなんて… 想像出来ないし…」
リナが言う
「え?スーパー?」
マキが言う
「買物?」
マリアが慌てて言う
「ち、違うのっ!その…っ 実は…」

昼休み

リナとマキが驚いて言う
「ウィザード様がっ!?」
「入院しちゃったっ!?」
マリアが手作り弁当を前に言う
「う、うん…」
リナとマキが顔を見合わせる マリアが言う
「あっ でも!すぐに退院出来るみたいで 後は自宅療養でも良いみたい …だから 午後は半休を取って お迎えに行くの」
リナが言う
「そう… 急みたいだけど 午後の仕事は大丈夫なの?」
マキが言う
「何か有るなら 替わって置くよ?」
マリアが言う
「う、うん 大丈夫…っ ありがとう2人とも 今日は大した仕事は無かったから!」
マリアが思う
(こんなにしょっちゅう 2人に迷惑は掛けられないから 書類作成を持ち帰りにしたって事は 隠しておかなきゃ…)
マリアが1人頷く マキが言う
「それで ウィザード様は ”何で” 入院しちゃったの?」
マリアがギクッとする リナが心配げに言う
「何か病気?でも すぐに退院って事は 怪我?」
マリアが慌てて言う
「えっと… な、なんか…っ ちょっと 修行を強化し過ぎちゃった… みたいで!?た、倒れちゃって…」
マリアが思う
(う、嘘じゃないわっ?食事制限… は ウィザード様の… 魔力強化の修行の1つ …だものっ!?)
マキが言う
「それって もしかしてさぁ?」
マリアが驚いて思う
(えっ!?気付かれちゃったっ!?)
リナが言う
「ええ そうでしょ?マリア?」
マリアが観念して思う
(えぇえっ!?そんな…っ どうしてっ!?私何か 余計な事…っ!?)
リナが言う
「焼けちゃうわね!マリア!」
マリアが疑問して言う
「え?」
マキが言う
「愛するマリアの為に 修行を強化しちゃう ウィザード様っ!」
リナとマキがキャッキャッと騒ぐ マリアが衝撃を受けて言う
「ち、違っ!」
リナが言う
「違わないわよ!マリア!」
マリアが言う
「そ、そんなんじゃないのっ 本当に…っ!」
マキが言う
「もぅ マリア 鈍感だねー?そんなんじゃぁ ウィザード様が 可愛そうじゃーん?」
マリアが言う
「もぅっ!本当に 違うったらっ!?」

病院

マリアが通路を歩いて来てふと気付いて足を止めて言う
「ん?何だろう?」
マリアの視線の先 入院患者やその見舞い人と思われる人たちが集まっている マリアが近付くとコソコソと声が聞こえる
「ウィザード様じゃないかって?」
「凄い綺麗な男の人が…」
マリアが呆気に取られると わざとらしく咳払いをする
「う、うんっ!」
近くに居た人たちがハッとして慌てて逃げる マリアがつんと澄まして 堂々とドアの前に立ちノックをして言う
「失礼します」
マリアがドアを開け しっかりとドアを閉める マリアがドアを後ろ目に確認してから視線を向けると レイが微笑して言う
「マリア 来てくれたのか」
マリアがレイの近くへ向かい ドアを伺いながら言う
「大丈夫でしたか ウィザード様?ドアの前に 野次馬みたいな人たちが居たみたいですけど?」
レイが言う
「うん、大丈夫だよ 知ってたから」
マリアが驚く レイが食べていた病院食を口にする マリアが言う
「知ってたって…」
レイが言う
「外は何処も同じだよ?だから早く部屋に戻りたくて 病院は いつでも 退院して良いんだろ?」
マリアが言う
「あ、はい ウィザード様の退院手続きは 必要ない筈です お医者様や ご自分の判断で 自由にされて良いって習いましたから」
レイが言う
「うん じゃ 早速帰るよ」
マリアが言う
「はい、それでは お車を呼びますね?」
マリアがバックの中の携帯を探しつつ出口へ向かおうとする レイが言う
「あ、その前に マリア」
マリアが立ち止まると振り返って言う
「はい?」
レイが顔を背けて言う
「出口付近のクローゼットにあると思うから さりげなく当然の様に 法衣を持って来てもらえないかな?」
マリアが疑問して言う
「え…?」
レイがマリアへ向き直ると 冷たい表情をしている マリアが一瞬驚いてから気付いてドアへ視線を向ける ドアが僅かに開かれている マリアが理解して言う
「はい では ただいま お持ちします」
マリアがクローゼットへ向かい 法衣を取ってレイの下へ向かう マリアがドアからレイを隠す状態で立ち 視線をドアへ向ける レイが微笑して言う
「ありがと マリア」
マリアが視線をドアへ向けたまま言う
「これじゃ 本当に息も吐けないですね?」
レイが体の向きを変え 着ている入院服を脱ぎながら言う
「前は別に 気にしなかったんだけど 今は ”マリアのウィザード様”だからな?」
マリアがレイへ向きつつ言う
「”私の” と言いますか… 病室とは言え ウィザード様の…」
マリアがハッとして言葉を止め 慌てて顔を逸らして言う
「あ、あのっ!私、外に出てますねっ!」
レイが疑問して言う
「え?そこに居てくれても 助かるけど?」
マリアが体の向きを変えて言う
「い、いえっ!それよりもっ あの失礼な人たちを 追い払って来ますからっ!」
レイが不思議そうに言う
「ん?ああ そう?」
マリアがドアへ向かって行く レイが入院服を脱ぐ マリアがドアに向かって来ると 部屋を覗いていた人たちが慌てて逃げる マリアがドアを出て しっかりと閉めてから 携帯を取り出して ドアの見える位置にある通話スペースへ向かう

マンション 前

車が到着し マリアが降りてマンションの入り口へ向かうと レイがやって来る マリアがレイへ僅かに微笑してからエレベーターへ向かう レイが追って歩く

エレベーター内

マリアが回数ボタンの前に立ち レイが中央付近に居る エレベーターが上昇する中 マリアが気付いて言う
「そう言えば?このエレベーターにウィザード様と一緒に乗って お部屋に向かうのって 初めてウィザード様とお会いした  あの時 以来ですね?」
レイが苦笑して言う
「ああ あの時と違って 部屋の場所は分かってるけど 魔力も精神力も 足りてないのは同じかな?」
マリアが言う
「あの…?魔力は分かる気もするのですが その… 精神力って 何ですか?」
レイが言う
「そうだなぁ?簡単に言っちゃえば 気合?」
マリアが一瞬呆気に取られた後 思わず笑う レイが微笑して言う
「マリア ウィザードの素質 有りそうだよ?」
マリアが驚いて言う
「え?」
レイが言う
「俺より有りそうだもん?精神力」
エレベータが到着する マリアが呆気に取られた後 怒って言う
「そ、それって!?どう言う意味ですかっ!?ウィザード様っ!?」
レイが帽子で表情を隠しつつ 笑ってエレベーターを降りる マリアが追って降りて言う
「もう…っ」
マリアが一度怒って見せてから 楽しそうに微笑すると気付いて思う
(あれ…?何だか 良いかも…?)
マリアが一瞬立ち止まり レイを見る レイはゆっくり歩いていて 軽く顎を引きマリアを横目に見て微笑する マリアが呆気に取られた後 天井に付いている防犯カメラを見て 苦笑すると 急いで向かってドアを開ける

マンション レイの部屋

マリアが言う
「では ウィザード様は ゆっくり休んでいて下さいね?私 食料買って来ますか… らっ!?」
レイがマリアに抱き付く マリアが衝撃を受ける レイが言う
「うん ごめん マリア マリアだけに イかせて」
マリアが反応し視線を逸らして言う
「い、いえ…」
マリアが思う
(もう…っ 分かってはいるけどっ …こうやって 抱き付かれながら 言われたから… 変に 考えちゃっただけで… 普通に考えれば別にっ!?)
レイがマリアの耳元で そっと言う
「マリアに負担掛けて ごめん 辛かったら 無理しないで 言って やっぱ 俺も 一緒にイくから」
マリアが赤面して レイを引き剥がして言う
「あ、あのっ!ウィザード様っ!?そ、その…っ 言葉もですがっ 特に 耳元で言うの止めて下さいっ そう言う風にして 言われると…っ!」
マリアが強く目を閉じて思う
(変に 意識しちゃうのは 当然よっ!!)
レイが一瞬疑問した後 苦笑して言う
「ん?ああ そっか?ごめん マリア 俺まだ 外に居る感覚で こっそり喋んなきゃって?ここなら 普通に喋って良かったんだった」
マリアが驚いて言う
「え?…それじゃ」
マリアがハッとして思い出す

マリアがレイの近くへ来ると レイが小声で言う
『燭魔台の状態が 凄く悪いから 修繕を依頼しないと 効力も薄れるって 伝えておいて』

マリアが呆気に取られて思う
(そ、そう言う事…?ウィザード様が外で 奉者へ言葉を伝える時は 他の人に聞こえないように ああやって… つまり その癖だったのっ!?)
マリアがレイを見る レイが微笑して言う
「それじゃ 俺 少し休むね?マリア 重い物とか 持てなかったら 無理しないで 少しでもあれば それで十分だからさ?」
マリアが苦笑して言う
「もぅ…」
レイが疑問して言う
「え?」
マリアが気を取り直し微笑して言う
「そんなに心配してくれなくても 大丈夫ですよ ウィザード様?私、こう見えても  力はありますから!」
レイが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「ああ そっか?そう言えば 俺も この前 軽々と持ち上げられちゃったもんな?」
マリアが衝撃を受ける レイが微笑して寝室へ向かいつつ言う
「それなら 大丈夫かな?じゃ お休み マリア」
マリアが言う
「は、はいっ お休みなさい ごゆっくり」
レイが寝室に入りドアを閉める マリアが軽く息を吐いた後立ち去る

スーパー

マリアが買い物かごを手に周囲を見渡して言う
「…と、来てみたけど 何買ったら良いかな?来る前に 一応 失礼して 冷蔵庫は見てみたけど…」
マリアの脳裏に冷蔵庫内の様子が思い出される マリアが苦笑して思う
(本当に 綺麗さっぱり 何も無かった… 以前、お部屋の確認をした時には 食料も置かれてたけど… あの感じだと 大体5日分位…?あれから 補給されてなかったのだとしたら …ウィザード様 5日目以降 どうやって生きてたんだろう?)
マリアが米コーナーを見上げながら思う
(そう言えば お米だけは 5日以上ありそうだった 私たちの食べている 白い精米じゃなくて 玄米だった …そっか 玄米ってダイエットにも良いって言うし 栄養もあるって言うよね?)
マリアが玄米を手に取りながら言う
「栄養か…」
マリアが精肉コーナーを見ながら思う
(食事制限って言うと やっぱり鶏肉って気もするけど 豚肉の方が栄養はあった筈… どの位買っていこう?最初の時みたいに 5日分位かな?冷凍しておけば大丈夫だし?)
マリアが商品を手にしながら言う
「後は…」
マリアが野菜コーナーを見ながら思う
(もちろん 野菜も必要よね?でも 確認の時に 冷蔵庫は見たけど 野菜室まで見なかったな… 何を買っていったら良いかな?大体 こんな買い方だと 何か料理を作ろうにも 何の献立も思い付かない… 私、買い方間違ってるかも?)
マリアが立ち止まりバックを漁りながら思う
(何か資料になる物は無いかな?講習会で受け取った資料は全部持って来たけど… 食べ物に関しては 食事制限をしてるって事くらいしか 聞いてなかった筈で…)
マリアが資料を見ようとして衝撃を受けて言う
「あっ!…そう言えば 仕事持ち帰りしてたんだった… 早く帰って仕上げないと 間に合わなくなっちゃう… っと そうじゃなくて?資料は?何か…?」
マリアが困って思う
(う~ん やっぱり無いみたい… どうしたら…?あ、そうだ!)
マリアが気付いて 携帯を取り出しながら言う
「こうなったら 直接 先生に確認してみよう きっと ご存知な筈だし」
マリアが携帯で電話をする

スーパー 外

マリアが大荷物を持って出て来て言う
「うぅ~っ やっぱり お米に加えて お肉や野菜や果物 トドメに…」
マリアの脳裏に電話から聞こえる講師の声が思い出される

『季節の野菜や果物 それから100%果汁の飲み物なども 食事代わりにご飲用される事もあるから 欠かさないように』

マリアが表情を苦しめて思う
(これが一番重い… 1人で運ばなきゃいけないから 1本にしちゃったけど 1リットルで1キロだもの お米も軽いのに変えたけど 他のも全部重いから まとまるとキツイ…)
マリアの脳裏に電話から聞こえる講師の声が思い出される

『そう言えば 君は前半の講義を 全て欠席していたね?宅配業者の資料は 受け取っていないのかな?必要なら 後日本部へ取りに…』

マリアが思う
(近い内に貰いに行こう… ウィザード様は 一緒に来てくれるみたいに言ってたけど それこそ ウィザード様に荷物運びをさせるだなんて スーパーで買物させるのと同じ位 出来ない事だもの…)
マリアがタクシー乗り場へ到着して一息吐いて言う
「それに…」
マリアの脳裏に電話から聞こえる講師の声が思い出される

『所で 今頃この様な質問をしてくると言う事は 今まで食料の調達は どうしていたのかね?もしや副職の為に お母様に頼っていたと言うのでは 少々 専属の奉者として…』

マリアが表情を落として言う
「ウィザード様の食料調達って 奉者の仕事だったんだ… …知らなかった」
タクシーが到着する マリアが荷物を持って乗り込む

夜 マリアの部屋

マリアがノートPCを操作し終えて言う
「は~… 何とか終わった…」
マリアが時計を見る マリアが苦笑して言う
「もう こんな時間…」
マリアのお腹が鳴る マリアが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「お腹すいちゃった 何か食べよう」
マリアが席を立つ

キッチン

マリアが料理を作りながら ふと気付いて言う
「そう言えば…?」
マリアが料理を皿に盛りながら思う
(先生に聞いた物を買うだけで精一杯で でも 何か引っかかると思ったら そうよ…?)
マリアが調味料を見て手に取りつつ言う
「調味料とか バターや小麦粉 カレー粉とかの半レトルト物や トマトピューレとかも全然買わなかった… 調味料は元々あったとしても 冷蔵庫には何も無かったし…」
マリアが思う
(あのウィザード様がわざわざ 生のトマトから ピューレを作るとも思えない お肉と野菜じゃ 野菜炒めくらいしか考え付かないけど …大丈夫かな?)
席に着き料理を前に思う
(それに 精神力…?いつも軽々使う 魔法を使う気合も無い状態で お料理なんて出来るかな?)
マリアが食事を食べようとして止めて言う
「やっぱり 心配…」
マリアが思う
(折角 退院したのに また倒れちゃうかもしれないもの …ドタキャンしちゃった ライズ村の灯魔儀式も 急いだ方が良い筈だし …あ、それなら 電話をして体調確認を?)
マリアが携帯を手にして気付いて言う
「…番号なんて知らないわ?それに 元々携帯なんて 持ってそうにないし…」
マリアが思う
(あの部屋には電話があったけど インターフォンに出ないウィザード様が 電話に出るとは思えない)
マリアが時計を見て思う
(今から行くにしては やっぱり遅過ぎるし… それじゃ 明日のお昼休み?…ううんっ そうだ!)
マリアが苦笑して言う
「朝一番で 行ってみよう!」
マリアが食事を食べる

マンション 最上階

ドアの前 マリアがインターフォンを押そうとした手を止めて言う
「う~ん… これは 押すべきよね?こんな朝一番に 突然訪問するんだから …起しちゃうかもしれないけど」
マリアがインターフォンを押してから 鍵を開けて言う
「お早う御座います ウィザード様」
マリアが部屋の中を見渡してから 部屋へ上り寝室へ向かうと ノックをして言う
「朝早くにすみません ウィザード様 起きてますか?」
部屋の中からレイの声が聞こえる
「マリア?」
マリアが微笑し言う
「失礼します」
マリアがドアを開ける レイが起き上がり顔を向けて言う
「マリア どうかしたのか?何か?」
マリアが微笑して近くへ来て言う
「お加減はどうですか?」
レイが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「う、うん 悪くないけど?」
マリアが言う
「昨日は お食事 食べましたか?」
レイが言う
「あ、えっと マリア ありがとう 食べ物持って来てくれて 重かっただろ?一杯有ったから」
マリアが苦笑して言う
「確かに ちょっと重かったですけど 今度は宅配を頼もうと思って」
レイが言う
「宅配?」
マリアが言う
「お部屋の前に置いて行ってくれるそうですよ?留守でも大丈夫みたいで」
レイが言う
「そうなのか」
マリアが言う
「それより お食事は?」
マリアがサイドテーブルに置かれているコップに気付いて言う
「もしかして 飲み物だけですね?」
レイが言う
「う、うん でも 大分」
マリアが言う
「ちゃんと食べないと 元気になれないじゃないですか?今 何か軽いもの作るんで 待ってて下さい」
レイが驚いて言う
「え?マリアが?」
マリアが微笑してから立ち去る レイが呆気に取られている

キッチン

マリアが米をとぎ 水と共に鍋に入れ火を点ける マリアが思う
(時間が少ないから 炊飯器よりこの方が早いし… やっぱり 病み上がりって言ったら お粥かお雑炊… 病院食の感じだと ここはやっぱり お雑炊かな?栄養有りそうだし)
マリアが冷蔵庫を開ける

寝室

マリアがサイドテーブルにトレーを置いて言う
「はい お待ちどう様でした!」
レイが呆気に取られて言う
「これ マリアが?」
マリアが小皿へ取り分けながら言う
「私、割と小さい頃から お料理 作ってましたから 食べられない事は無いと思いますよ?はいどうぞ?」
マリアが微笑する レイが言う
「そうだったのか?俺 マリアは 料理なんて作らないんだと思ってたよ」
レイが雑炊を受け取って食べる マリアが言う
「え?そうですか?難しいものは作れませんけど 家庭料理くらいなら?」
レイが言う
「美味しい」
マリアが微笑する レイが言う
「ありがとう マリア 凄く美味しいよ ちょっと辛いけど」
マリアが衝撃を受けて言う
「え?そんなに味付け 強くしてない筈ですが…」
マリアが思う
(あ… ひょっとして?ずっと 断食状態だったら 味に敏感なのかも?)
レイが言う
「病院食以外で ちゃんとした食事食べるの 久しぶりだな?こんなに美味しいものだったんだな?」
マリアが言う
「今度は 食料を欠かしませんから ちゃんと ご飯を食べて下さいね?」
レイが言う
「うん ありがとう マリア」
マリアが微笑してからハッとして言う
「あ、いけないっ!時間…っ!」
レイが言う
「ん?時間?」
マリアが携帯で時計を確認してから言う
「それじゃ ウィザード様 お大事に!また来ますから!」
レイが微笑して言う
「うん 待ってるよ マリア」
マリアが微笑してから 時計を見てハッとして慌てて出て行く


続く
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