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波紋
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リリィはミクが日直なので教室で暇を持て余していた。
すると教室にカイトが入ってきた。
リリィはカイトの元へ駆け寄った。
「・・・お帰り」
自分でも素っ気ない言葉だと思った。
だがミクのように言葉が紡げない。
リリィはその一言だけ言うとそっぽを向いた。
「ふっ・・・その反応を見ていると帰ってきたんだと実感できるよ」
そう言いリリィの頭を軽く叩くようにカイトはなでた。
その行為にリリィは真っ赤になった。
好きな人が自分に触れてくれている。
そのことが嬉しかった。
そして何より無事に帰ってきてくれたことが嬉しかった。
ミクのように素直になれない自分を少し憎く感じた。
ミクだったらきっとカイトに抱きつくだろう。
リリィはそんなに感情を表に出せるほど器用じゃない。
(きっとカイトもミクのような女の子を好きになるはず・・・)
そう卑屈になり始めた時、カイトが口を開いた。
「・・・帰ってきて一番初めにお前に会いたかったんだ」
「・・・?」
リリィが不思議そうにしていると真っ赤に顔を染めたカイトが言った。
「俺はリリィの事が好きなんだ」
「え?」
「ずっと前からリリィの事が好きだった」
そう言うとカイトはリリィの唇に自らの唇を重ねてきた。
リリィはそれをかわせなかった。
受け入れてしまった。
暫くそうしていると教室の前に人の気配を感じた。
緑色の髪が見えた。
(見間違うはずない・・・今、そこにいたのはミクだ)
ドンっとカイトの胸を押した。
するとカイトはようやく唇を離した。
「悪い・・・自分を抑えられなかった」
「・・・いや、嫌じゃなかったから大丈夫」
やはり可愛い言葉が言えない。
「リリィ・・・それじゃぁ、俺の想いを受け取ってくれるのか?」
リリィは暫く悩んだ。
そうして口を開いた。
「気持ちは嬉しいけど・・・カイトの想いは受け取れない」
「どうしてだ!?」
「ミクもカイトの事が好きだからだよ」
カイトは驚いた表情を浮かべた。
「私なんかよりミクを好きになって」
(友人を裏切る行為は出来ない)
ふり絞るような声でそう告げるとカイトはリリィを抱きしめた。
「俺が欲しいのはお前だけなんだリリィ」
その言葉を聞きリリィは真っ赤になった。
カイトの腕の力は強く、華奢なリリィはその腕から逃れられなかった。
「カイト・・・ゴメン。やっぱり私はミクが大事だから・・・」
そう言うとカイトの腕の力が緩んだ。
「わかった。今は諦める」
するりとリリィの体を離した。
「でも、完全に諦めたわけじゃないからな」
「・・・カイト、ありがとう」
そう言うとリリィは学校の寮へ戻りミクの元へ行った。
ミクはベッドに突っ伏し泣いていた。
(やっぱりみていたのか・・・)
「ミク・・・私は・・・」
泣いているミクの肩にそっと手をあてたが振り払われてしまった。
「・・・嘘つき、応援するって言ってくれたのに・・・裏切者!」
「泣かないでよ。ちゃんと断ってきた」
「でもカイトが好きなのはリリィなのよ」
か細い声で言うとミクはベッドから起き上がり部屋から出て行ってしまった。
(上手く伝えられたらいいのに・・・どうして私はこうなのかしら)
リリィはミクを傷つけた罪悪感とカイトの想いを受け入れられない自分に嫌気がさした。
(ミクとはもう今までの関係には戻れないかもしれないな)
そう思うと苦しくて堪らなくなった。
すると教室にカイトが入ってきた。
リリィはカイトの元へ駆け寄った。
「・・・お帰り」
自分でも素っ気ない言葉だと思った。
だがミクのように言葉が紡げない。
リリィはその一言だけ言うとそっぽを向いた。
「ふっ・・・その反応を見ていると帰ってきたんだと実感できるよ」
そう言いリリィの頭を軽く叩くようにカイトはなでた。
その行為にリリィは真っ赤になった。
好きな人が自分に触れてくれている。
そのことが嬉しかった。
そして何より無事に帰ってきてくれたことが嬉しかった。
ミクのように素直になれない自分を少し憎く感じた。
ミクだったらきっとカイトに抱きつくだろう。
リリィはそんなに感情を表に出せるほど器用じゃない。
(きっとカイトもミクのような女の子を好きになるはず・・・)
そう卑屈になり始めた時、カイトが口を開いた。
「・・・帰ってきて一番初めにお前に会いたかったんだ」
「・・・?」
リリィが不思議そうにしていると真っ赤に顔を染めたカイトが言った。
「俺はリリィの事が好きなんだ」
「え?」
「ずっと前からリリィの事が好きだった」
そう言うとカイトはリリィの唇に自らの唇を重ねてきた。
リリィはそれをかわせなかった。
受け入れてしまった。
暫くそうしていると教室の前に人の気配を感じた。
緑色の髪が見えた。
(見間違うはずない・・・今、そこにいたのはミクだ)
ドンっとカイトの胸を押した。
するとカイトはようやく唇を離した。
「悪い・・・自分を抑えられなかった」
「・・・いや、嫌じゃなかったから大丈夫」
やはり可愛い言葉が言えない。
「リリィ・・・それじゃぁ、俺の想いを受け取ってくれるのか?」
リリィは暫く悩んだ。
そうして口を開いた。
「気持ちは嬉しいけど・・・カイトの想いは受け取れない」
「どうしてだ!?」
「ミクもカイトの事が好きだからだよ」
カイトは驚いた表情を浮かべた。
「私なんかよりミクを好きになって」
(友人を裏切る行為は出来ない)
ふり絞るような声でそう告げるとカイトはリリィを抱きしめた。
「俺が欲しいのはお前だけなんだリリィ」
その言葉を聞きリリィは真っ赤になった。
カイトの腕の力は強く、華奢なリリィはその腕から逃れられなかった。
「カイト・・・ゴメン。やっぱり私はミクが大事だから・・・」
そう言うとカイトの腕の力が緩んだ。
「わかった。今は諦める」
するりとリリィの体を離した。
「でも、完全に諦めたわけじゃないからな」
「・・・カイト、ありがとう」
そう言うとリリィは学校の寮へ戻りミクの元へ行った。
ミクはベッドに突っ伏し泣いていた。
(やっぱりみていたのか・・・)
「ミク・・・私は・・・」
泣いているミクの肩にそっと手をあてたが振り払われてしまった。
「・・・嘘つき、応援するって言ってくれたのに・・・裏切者!」
「泣かないでよ。ちゃんと断ってきた」
「でもカイトが好きなのはリリィなのよ」
か細い声で言うとミクはベッドから起き上がり部屋から出て行ってしまった。
(上手く伝えられたらいいのに・・・どうして私はこうなのかしら)
リリィはミクを傷つけた罪悪感とカイトの想いを受け入れられない自分に嫌気がさした。
(ミクとはもう今までの関係には戻れないかもしれないな)
そう思うと苦しくて堪らなくなった。
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