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舞踏会(後編)
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ついに舞踏会当日になった。
ルークも正装をしている。
王の象徴であるマントを羽織っている。
赤いマントは黒い服とよく合う。
マントのふちには何かの毛皮がついている。
触らせてもらったが今までに触ったことのない手触りだった。
「今日も、もしかしたら嫌な思いをするかもしれないぞ」
「平気です。だってルーク様が守ってくださるもの」
「そうか・・・。では行くとしよう」
「はい」
ルークに差し伸べられた手を取り2人は会場にやって来た。
ドア越しに活気に満ちた声や歌が聞こえる。
本当に国民も参加できる舞踏会のようだ。
警備兵にドアを開けてもらい2人は中に入った。
2人が入ると会場が静まり返ってしまった。
するとルークが言った。
「今日は皆の為に開いた舞踏会である。存分に楽しんでいくが良い」
その言葉を聞いた国民たちは歓声を上げた。
「ルーク様はやっぱり凄い方ですね」
「何故、そう思う?」
「だって皆あんなに楽しそうに過ごしています。全てルーク様のおかげです」
「・・・あまり褒めるな。恥ずかしくなる」
珍しくルークは頬を染めていた。
(ルーク様が照れている・・・珍しい!!)
意外なところで意外な一面が見れ、ブランシュは嬉しくなった。
「ブランシュ、我々も踊りに行こうか」
「はい」
そう答え、ルークとブランシュは民衆の中に入り踊り始めた。
ルークのリードはやはり上手く踊りやすかった。
「ブランシュはやはりダンスが上手い」
「ありがとうございます」
そう素直にお礼を言った時だった。
曲が終わった。
すると若い国民の娘たちがルークに話かけてきた。
「ルーク王もしよろしければ私達とも踊って頂けませんか?」
「しかしー・・・」
「ルーク様行ってきてください。私は疲れたので休んでいます」
「・・・わかった。だがブランシュは他の男と踊るなよ!?」
「はい、わかりました」
疲れたなんて嘘だ。
国民と交流して欲しかったのだ。
しかし、若い娘たちと踊るルークを見ていると胸の中がもやもやしてきた。
だから、目を逸らした。
ブランシュは気分転換に飲み物を取りに行くことにした。
その時ドンっと人にぶつかられてしまった。
ブランシュは尻もちをついた。
よろけて立ち上がろうとしたら手を差し伸べられた。
ブランシュは一瞬戸惑ったがその手を取った。
相手は以前廊下であった大臣だった。
「失礼しました。王妃様」
「・・・いいえ、こちらこそぼんやりしていたので」
「王も楽しそうにしていらっしゃいますが王妃様も楽しんでいらっしゃいますか?」
「はい」
「その割には浮かない顔をしていらっしゃいますね」
まるで探りを入れるような目つきで見られた。
「そんなことありません」
「何かお悩みでも?」
(やっぱり探りを入れられているのね)
「いいえ。そんなものはありません。日々幸せに過ごしております」
ブランシュはにっこりと微笑みそう答えた。
「そういえば御子はまだだとか・・・その事ですかな?」
「ですから悩みはありませんとー・・・」
そう言いかけた時ルークがこちらへ向かってきた。
大臣の表情は固くなった。
「・・・何用だ?」
「い、いいえ。今、少し話していただけでございます」
「ほう。どんな話だ?私にも聞かせてもらおうか?」
「いいえ!!王に聞いて頂くような話ではありません」
「では、王妃にも聞かせる必要はないのではないのか?」
「はっ、申し訳ございませんでした」
「今宵は国民との交流の場。大臣も国民の中で踊ってみてはいかがか?」
「私は今日は体調がすぐれませんゆえ、もう城へ戻ります」
大臣はそう言うと速足で会場の外へ出た。
「大丈夫か?ブランシュ」
「はい」
「何か言われていたようだが・・・子供の事だろう?」
「聞いていらっしゃったんですか?」
「いや、何となく。勘だ」
ルークは会場を見渡した。
「少し夜風にあたりに行くか」
「はい」
2人はそう言い手を取り合い歩き出した。
「あの大臣は自分の娘を妃にもらって欲しいだけなんだ」
「・・・そうなんですか」
「だから、今日は必ずブランシュに接触すると思った。目を離して悪かったな」
「いいえ、今日は国民との交流の場ですから・・・仕方ありません。それに私なら平気です」
ブランシュは微笑んで見せた。
その笑みは儚げだった。
ルークはブランシュを抱きしめた。
「ブランシュ、もしも子が出来なかった時は養子をもらおうと思っている」
「え!?でもそんなことしたらルーク様の王家の血が・・・」
「俺はブランシュ以外は抱きたくない」
「そんなの駄目です・・・もし出来なかったら妃をもらってください」
ルークは目を見開きその発言に驚いた。
「・・・お前はそれでいいのか?」
「嫌です!!嫌ですが・・・」
ブランシュは言葉が見つからなかった。
今日、国民の娘にも嫉妬する始末。
もしルークが妃をもらうことになったら自分は嫉妬に狂ってしまいそうになるだろう。
「・・・とにかく俺はもう決めたからな」
「・・・ルーク様必ず2人の子供を作りましょうね!」
「ああ、そうだな。後ろ向きに考えても前には進めないからこの話はここで終わりにしよう」
この後ルークとブランシュは会場に戻り国民たちとの交流を楽しんだ。
夜も更けようやく舞踏会も閉会を迎えることになった。
皆、ちりぢりに家路につく。
ルークとブランシュも部屋に戻る事にした。
舞踏会は無事に終わりを迎えることが出来た。
ルークも正装をしている。
王の象徴であるマントを羽織っている。
赤いマントは黒い服とよく合う。
マントのふちには何かの毛皮がついている。
触らせてもらったが今までに触ったことのない手触りだった。
「今日も、もしかしたら嫌な思いをするかもしれないぞ」
「平気です。だってルーク様が守ってくださるもの」
「そうか・・・。では行くとしよう」
「はい」
ルークに差し伸べられた手を取り2人は会場にやって来た。
ドア越しに活気に満ちた声や歌が聞こえる。
本当に国民も参加できる舞踏会のようだ。
警備兵にドアを開けてもらい2人は中に入った。
2人が入ると会場が静まり返ってしまった。
するとルークが言った。
「今日は皆の為に開いた舞踏会である。存分に楽しんでいくが良い」
その言葉を聞いた国民たちは歓声を上げた。
「ルーク様はやっぱり凄い方ですね」
「何故、そう思う?」
「だって皆あんなに楽しそうに過ごしています。全てルーク様のおかげです」
「・・・あまり褒めるな。恥ずかしくなる」
珍しくルークは頬を染めていた。
(ルーク様が照れている・・・珍しい!!)
意外なところで意外な一面が見れ、ブランシュは嬉しくなった。
「ブランシュ、我々も踊りに行こうか」
「はい」
そう答え、ルークとブランシュは民衆の中に入り踊り始めた。
ルークのリードはやはり上手く踊りやすかった。
「ブランシュはやはりダンスが上手い」
「ありがとうございます」
そう素直にお礼を言った時だった。
曲が終わった。
すると若い国民の娘たちがルークに話かけてきた。
「ルーク王もしよろしければ私達とも踊って頂けませんか?」
「しかしー・・・」
「ルーク様行ってきてください。私は疲れたので休んでいます」
「・・・わかった。だがブランシュは他の男と踊るなよ!?」
「はい、わかりました」
疲れたなんて嘘だ。
国民と交流して欲しかったのだ。
しかし、若い娘たちと踊るルークを見ていると胸の中がもやもやしてきた。
だから、目を逸らした。
ブランシュは気分転換に飲み物を取りに行くことにした。
その時ドンっと人にぶつかられてしまった。
ブランシュは尻もちをついた。
よろけて立ち上がろうとしたら手を差し伸べられた。
ブランシュは一瞬戸惑ったがその手を取った。
相手は以前廊下であった大臣だった。
「失礼しました。王妃様」
「・・・いいえ、こちらこそぼんやりしていたので」
「王も楽しそうにしていらっしゃいますが王妃様も楽しんでいらっしゃいますか?」
「はい」
「その割には浮かない顔をしていらっしゃいますね」
まるで探りを入れるような目つきで見られた。
「そんなことありません」
「何かお悩みでも?」
(やっぱり探りを入れられているのね)
「いいえ。そんなものはありません。日々幸せに過ごしております」
ブランシュはにっこりと微笑みそう答えた。
「そういえば御子はまだだとか・・・その事ですかな?」
「ですから悩みはありませんとー・・・」
そう言いかけた時ルークがこちらへ向かってきた。
大臣の表情は固くなった。
「・・・何用だ?」
「い、いいえ。今、少し話していただけでございます」
「ほう。どんな話だ?私にも聞かせてもらおうか?」
「いいえ!!王に聞いて頂くような話ではありません」
「では、王妃にも聞かせる必要はないのではないのか?」
「はっ、申し訳ございませんでした」
「今宵は国民との交流の場。大臣も国民の中で踊ってみてはいかがか?」
「私は今日は体調がすぐれませんゆえ、もう城へ戻ります」
大臣はそう言うと速足で会場の外へ出た。
「大丈夫か?ブランシュ」
「はい」
「何か言われていたようだが・・・子供の事だろう?」
「聞いていらっしゃったんですか?」
「いや、何となく。勘だ」
ルークは会場を見渡した。
「少し夜風にあたりに行くか」
「はい」
2人はそう言い手を取り合い歩き出した。
「あの大臣は自分の娘を妃にもらって欲しいだけなんだ」
「・・・そうなんですか」
「だから、今日は必ずブランシュに接触すると思った。目を離して悪かったな」
「いいえ、今日は国民との交流の場ですから・・・仕方ありません。それに私なら平気です」
ブランシュは微笑んで見せた。
その笑みは儚げだった。
ルークはブランシュを抱きしめた。
「ブランシュ、もしも子が出来なかった時は養子をもらおうと思っている」
「え!?でもそんなことしたらルーク様の王家の血が・・・」
「俺はブランシュ以外は抱きたくない」
「そんなの駄目です・・・もし出来なかったら妃をもらってください」
ルークは目を見開きその発言に驚いた。
「・・・お前はそれでいいのか?」
「嫌です!!嫌ですが・・・」
ブランシュは言葉が見つからなかった。
今日、国民の娘にも嫉妬する始末。
もしルークが妃をもらうことになったら自分は嫉妬に狂ってしまいそうになるだろう。
「・・・とにかく俺はもう決めたからな」
「・・・ルーク様必ず2人の子供を作りましょうね!」
「ああ、そうだな。後ろ向きに考えても前には進めないからこの話はここで終わりにしよう」
この後ルークとブランシュは会場に戻り国民たちとの交流を楽しんだ。
夜も更けようやく舞踏会も閉会を迎えることになった。
皆、ちりぢりに家路につく。
ルークとブランシュも部屋に戻る事にした。
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