花売り娘は身代わり花嫁

えりー

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ローズの恋物語

里帰り1

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結婚して初めてまとまった休みが取れたロームは喜んでいた。
(これでゆっくりローズと過ごすことが出来る)
そう思うと嬉しくてつい顔に出てしまう。
にこにこしているとローズが言った。
「何かいいことがあったの?」
「ああ、久しぶりにまとまった休みが取れたんだ」
「え!?本当ですか?」
「本当だとも、どこかへ遠出するのもいいし家で2人でゆっくり過ごすのも良いな」
「何日くらいお休みが取れたの?」
ローズは何処かへ行きたそうだった。
「5日くらいだ。どこか行きたいかい?」
「久しぶりにお父様たちに会いたいです」
「ああ、それも悪くないな・・・こっちの軍部の報告もかねてローズの母国へ行ってみるか」
(ホームシックにはなっていなさそうだが一度国へ帰してやるのもいいかもしれないな)
ロームはそう思った。
結婚してローズは殆どをこの屋敷の中で過ごしている。
社交界へ行っておいでと言っても人が苦手だと言い行こうとしない。
社交界用にたくさんドレスを用意したが全く使われていない。
ローズは動きやすいドレスばかりを好んで着ている。
「そこでローズにお願いがあるんだが・・・」
「何?」
「お洒落をして行こう」
「え?何故?」
「俺が見たいから。ローズはいつもシンプルなドレスしか着ないじゃないか」
ローズは言った。
「だって動きやすいんですもの」
「淑女がそんなに動き回ってどうするんだい」
「・・・今更、フリルがたくさんついたドレスは恥ずかしくて着れないよ」
小さい頃は父の趣味でフリルのたくさんついた服を着せられていた。
その反動かもしれない。
「夫の頼みだと思って着てくれ」
「・・・わかったわ」
はーっと溜息を付きながらそう答えた。
「そんなに嫌なのかい?似合うのに」
「子供っぽく見えるじゃないですか」
ロームはそんなことないのになぁと思ったが何も言わなかった。
あまり刺激すると着ないと言い出しかねない。
こうしてローズは短い里帰りをロームとすることになった。
手紙を書き従者に託した。
手紙は明日にでもつくだろう。
きっとウィザードは俺に対して厳しく当たってくるだろう。
今から彼の反応が楽しみで仕方がない。
リーゼ様は娘との再会を純粋に喜ぶだけだろう。
特に何も言われないと思うが、一応覚悟をしておくとしよう。
翌日ローズはどのドレスを着ていくかメイドたちと相談した。
「ローズ様には絶対暖色系がお似合いですわ」
「いいえ、こちらの水色のドレスも似合われると思います」
「でもこっちらのフリルの多い淡いピンクの服も似合うと思います」
ローズは数時間着せ替え人形状態になった。
結局、淡い水色のフリルがふんだんにあしらわれたドレスを着ることになった。
アクセサリーは真珠のネックレスとイヤリングだった。
これを明日着るのかと思うと少し気が重たくなった。
でも母国へ帰れることは嬉しかった。
ローズは懐かしい屋敷を思い浮かべ顔を綻ばした。
1つ心配なのは父とロームが険悪にならないかだ。
この間の喧嘩は父は知らないはずだからきっと大丈夫だろう。
ロームは昔からあの気難しい父と仲がいい。
だからきっと大丈夫だろう。
そう考えたのが甘かったという事をローズは後で知る。


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