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フィンと真紀
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真紀はフィンによってその日は安静にさせられた。
フィンはとても親切な女性だった。
食事の用意もベッドで食べられるように配慮し、まだまともに歩けない真紀に手を貸してくれてお手洗いまで連れて行ってくれた。
何だか申し訳なくなってくる。
「フィンさんは、ウォン・・・様に仕えて長いんですか?」
「いいえ、最近使用人として入ったばかりです」
「あ、そうなんですか?何でも素早くこなしているからもう長いのかと思いました」
そう言うとフィンは赤くなっている。
「実は私、好きな人と同じ所で働きたくてここの使用人になったんです」
「そうなんですか!上手くいくといいですね」
「・・・そうですね」
応援してみたがフィンの顔は暗い。
(もしかしてライバルが多いのかな・・・)
そうなら尚更応援したくなった。
「ウォン様はどんな王様ですか?」
「そうですね、ウォン様は・・・即位されて間もないです。軍部寄りの王様で戦王と呼ばれることもありますね」
「戦王ですか・・・勇ましそうですね」
「ウォン様は荒れていた国を1つにまとめ上げて今の安全な国にした王ですよ」
「そうなんですか」
(ただのスケベな王様というわけではないのか)
「真紀様はウォン様の事お好きなんですか?」
「す、好きなはずないじゃないですか!?」
(フィンさんにはこの鎖と足枷が見えないのだろうか・・・)
「そうですよね。こんな事されているんですもの」
物言いたげに天上から下がる鎖を見た。
「昨夜歯向かったらこんな事になってしまいました」
「いろいろ事情がありそうですね」
「はい、実は私は異世界の人間なんです」
「え!?」
フィンは驚いた。
(異世界って珍しいよね。やっぱり・・・)
「やっぱり信じられませんよね?」
「いいえ、真紀様が言うのなら信じますよ」
そっと真紀の手を取り言った。
「心細いでしょう?」
「・・・はい」
(でも、今はフィンさんがいるから平気かな)
時間はもう夕方になっていた。
「そろそろ湯あみの準備をしてきます」
「ありがとうございます」
「ここはウォン様のお部屋なのでもうじきお戻りになります。体を清めておかないといけませんね」
「あの・・・別に私はウォン様の事何とも思っていませんよ!?」
その声は聞こえているのかいないのかフィンは浴室へ向かい入浴の用意を始めてしまった。
はーっと真紀は溜息を付いた。
軟禁状態にあるこの状態・・・。
不便はないのだが、今からまた抱かれるかもしれないと思うと身が竦む。
昨夜は泣いて懇願してもやめてもらえなかった。
むしろあの状態を楽しんでいる風にも見えた。
未だにウォンという人物がどういう人なのか知らないのに抱かれたくはない。
ただこの足枷を見ると普通の神経を持ち合わせているとは思えない。
いくら後宮内が危険だからとこんなことするなんて信じられなかった。
でも、足枷が無かったら大浴場に行って家へ帰ろうとしただろう。
瞬時に真紀の性格を把握したのなら王の素質も充分にある。
「真紀様、湯殿の用意が出来ました」
「はい、今行きます」
真紀はもうベッドから自分で出られるまでに回復していた。
真紀は着替えを持って浴室へ向かった。
フィンが体を洗おうとしたが自分で出来ると断った。
フィンは本当に親切だ。
断わるのも心苦しくなったが、他人に体を洗われるのは恥ずかしい。
入浴中は1人にしてもらうことにした。
どうせ足枷がついているし何処にも行けない。
(もう一度湯ぶねに沈んだら家に帰れないかな)
そう思い試してみたが苦しいだけだった。
結局あの大浴場じゃなければいけないのだろうか・・・。
フィンはとても親切な女性だった。
食事の用意もベッドで食べられるように配慮し、まだまともに歩けない真紀に手を貸してくれてお手洗いまで連れて行ってくれた。
何だか申し訳なくなってくる。
「フィンさんは、ウォン・・・様に仕えて長いんですか?」
「いいえ、最近使用人として入ったばかりです」
「あ、そうなんですか?何でも素早くこなしているからもう長いのかと思いました」
そう言うとフィンは赤くなっている。
「実は私、好きな人と同じ所で働きたくてここの使用人になったんです」
「そうなんですか!上手くいくといいですね」
「・・・そうですね」
応援してみたがフィンの顔は暗い。
(もしかしてライバルが多いのかな・・・)
そうなら尚更応援したくなった。
「ウォン様はどんな王様ですか?」
「そうですね、ウォン様は・・・即位されて間もないです。軍部寄りの王様で戦王と呼ばれることもありますね」
「戦王ですか・・・勇ましそうですね」
「ウォン様は荒れていた国を1つにまとめ上げて今の安全な国にした王ですよ」
「そうなんですか」
(ただのスケベな王様というわけではないのか)
「真紀様はウォン様の事お好きなんですか?」
「す、好きなはずないじゃないですか!?」
(フィンさんにはこの鎖と足枷が見えないのだろうか・・・)
「そうですよね。こんな事されているんですもの」
物言いたげに天上から下がる鎖を見た。
「昨夜歯向かったらこんな事になってしまいました」
「いろいろ事情がありそうですね」
「はい、実は私は異世界の人間なんです」
「え!?」
フィンは驚いた。
(異世界って珍しいよね。やっぱり・・・)
「やっぱり信じられませんよね?」
「いいえ、真紀様が言うのなら信じますよ」
そっと真紀の手を取り言った。
「心細いでしょう?」
「・・・はい」
(でも、今はフィンさんがいるから平気かな)
時間はもう夕方になっていた。
「そろそろ湯あみの準備をしてきます」
「ありがとうございます」
「ここはウォン様のお部屋なのでもうじきお戻りになります。体を清めておかないといけませんね」
「あの・・・別に私はウォン様の事何とも思っていませんよ!?」
その声は聞こえているのかいないのかフィンは浴室へ向かい入浴の用意を始めてしまった。
はーっと真紀は溜息を付いた。
軟禁状態にあるこの状態・・・。
不便はないのだが、今からまた抱かれるかもしれないと思うと身が竦む。
昨夜は泣いて懇願してもやめてもらえなかった。
むしろあの状態を楽しんでいる風にも見えた。
未だにウォンという人物がどういう人なのか知らないのに抱かれたくはない。
ただこの足枷を見ると普通の神経を持ち合わせているとは思えない。
いくら後宮内が危険だからとこんなことするなんて信じられなかった。
でも、足枷が無かったら大浴場に行って家へ帰ろうとしただろう。
瞬時に真紀の性格を把握したのなら王の素質も充分にある。
「真紀様、湯殿の用意が出来ました」
「はい、今行きます」
真紀はもうベッドから自分で出られるまでに回復していた。
真紀は着替えを持って浴室へ向かった。
フィンが体を洗おうとしたが自分で出来ると断った。
フィンは本当に親切だ。
断わるのも心苦しくなったが、他人に体を洗われるのは恥ずかしい。
入浴中は1人にしてもらうことにした。
どうせ足枷がついているし何処にも行けない。
(もう一度湯ぶねに沈んだら家に帰れないかな)
そう思い試してみたが苦しいだけだった。
結局あの大浴場じゃなければいけないのだろうか・・・。
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