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ウォン
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ウォンは国王の子として何不自由なく暮らしてきた。
欲しいものはすぐに手に入った。
しかし、今欲しいものは1人の少女だ。
物とは違い意思がある為そう簡単には手に入らない。
そして自分はどうやらその少女に嫌われているらしい。
体は手に入れた。
だが体を重ねるごとに心が離れていくのを感じる。
こんなに欲しいと思っても簡単に手に入らないものがある事を初めて知った。
側近のランファに相談してみることにした。
すると白い目で見られた。
「俺は何か間違いを犯しているんだろうか・・・」
「ウォン様・・・言わせていただきますが無理やり処女を奪い、足枷をつけて軟禁状態にしていらっしゃることが問題かと思います。その後もその少女を抱いているようですし」
「だが、後宮は危険な場所なのはランファも知っているだろう」
「はい」
「俺の母は父の寵愛を受け嫉妬に駆られた女どもに苛められ気を病み自害した」
「・・・ですがその少女もそうなるとは限らないのでは?」
「・・・だが鎖を外すと不安に駆られて仕事に身が入らないんだ」
ランファは不安になった。
こんなにも1人の少女に入れ込んでいる主の姿は初めて見る。
「贈り物などしてみてはいかがですか?」
「贈り物?今までそんなものしたことがないからわからん」
ランファは呆れた。
「贈り物はこちらで準備いたします」
「ああ、頼む」
ウォンはランファに頼んで公務へと向かった。
その頃真紀は何とかして天井にかかっている鎖を取ろうと躍起になっていた。
思い切りひぱっても、揺らしても取れない。
「こんな事してもしバレたらウォン様お怒りになりますよ?」
近くでその光景を見ていたフィンに優しく諭されてしまった。
「でも、私またこのままここに居たら・・・」
(抱かれてしまう)
昨夜の事を思い出しどうにかして逃げたい気持ちになった。
そして行動に移して今に至る。
色々やってみたけど結局駄目で真紀は諦めた。
その時部屋をノックする音が聞こえた。
フィンがドアを開けると他の使用人が入ってきた。
「こちらの品々はウォン様からの贈り物です。お納めください」
「え?ウォンから?」
(どうしていきなり贈り物なんて・・・)
訝しみながら品を見てみた。
綺麗な衣装と花だった。
「・・・」
呆気に取られていると後ろからフィンが嬉しそうに声をかけてきた。
「今日はこれを着てお出迎えしましょう」
「えぇ!?嫌です」
「何故ですか?せっかくの綺麗な衣装なのに・・・」
フィンは心底不思議そうに聞いてきた。
「だって、もらう理由がないもの」
花は可哀そうだからフィンに花瓶に活けてもらった。
そうして夕方になりウォンが帰ってきた。
「・・・贈り物は気に入らなかったのか」
贈り物を身につけていない真紀にそう訊ねた。
「もらう理由がないから、貰えない」
「だが花は受け取ってくれたようだな」
「あのままにしておくと枯れてしまうでしょう?受け取ったわけじゃないわ」
フイっと顔を背けると壁に剣が突き立てられた。
「では、お前は何を望む」
もう少しで顔に剣があたるところだった。
「私の・・・望みは元の世界へ帰ることよ」
真紀は震える声で言った。
「それは出来ない」
しかしすぐに拒否された。
「何でよ!あの大浴場に行けば帰れるかもしれないのに!」
「帰さない!元の世界には帰さない!!」
そう言ってウォンは真紀を抱きしめた。
「・・・何でよ・・・」
「真紀が欲しいんだ」
耳元でそう囁かれた。
体にぞくりとしたものが走った。
「今日も抱くの?」
「今日は・・・抱きたいが我慢する。これ以上嫌われたくないからな」
「?」
「不満なのか?」
真紀は慌てて首を横に振った。
その日の晩はただ抱きしめられて眠るだけだった。
(一体何なのよ・・・)
真紀はウォンの変化が理解できなかった。
ウォンは知らず知らずのうちに真紀に恋をしていたのだ。
欲しいものはすぐに手に入った。
しかし、今欲しいものは1人の少女だ。
物とは違い意思がある為そう簡単には手に入らない。
そして自分はどうやらその少女に嫌われているらしい。
体は手に入れた。
だが体を重ねるごとに心が離れていくのを感じる。
こんなに欲しいと思っても簡単に手に入らないものがある事を初めて知った。
側近のランファに相談してみることにした。
すると白い目で見られた。
「俺は何か間違いを犯しているんだろうか・・・」
「ウォン様・・・言わせていただきますが無理やり処女を奪い、足枷をつけて軟禁状態にしていらっしゃることが問題かと思います。その後もその少女を抱いているようですし」
「だが、後宮は危険な場所なのはランファも知っているだろう」
「はい」
「俺の母は父の寵愛を受け嫉妬に駆られた女どもに苛められ気を病み自害した」
「・・・ですがその少女もそうなるとは限らないのでは?」
「・・・だが鎖を外すと不安に駆られて仕事に身が入らないんだ」
ランファは不安になった。
こんなにも1人の少女に入れ込んでいる主の姿は初めて見る。
「贈り物などしてみてはいかがですか?」
「贈り物?今までそんなものしたことがないからわからん」
ランファは呆れた。
「贈り物はこちらで準備いたします」
「ああ、頼む」
ウォンはランファに頼んで公務へと向かった。
その頃真紀は何とかして天井にかかっている鎖を取ろうと躍起になっていた。
思い切りひぱっても、揺らしても取れない。
「こんな事してもしバレたらウォン様お怒りになりますよ?」
近くでその光景を見ていたフィンに優しく諭されてしまった。
「でも、私またこのままここに居たら・・・」
(抱かれてしまう)
昨夜の事を思い出しどうにかして逃げたい気持ちになった。
そして行動に移して今に至る。
色々やってみたけど結局駄目で真紀は諦めた。
その時部屋をノックする音が聞こえた。
フィンがドアを開けると他の使用人が入ってきた。
「こちらの品々はウォン様からの贈り物です。お納めください」
「え?ウォンから?」
(どうしていきなり贈り物なんて・・・)
訝しみながら品を見てみた。
綺麗な衣装と花だった。
「・・・」
呆気に取られていると後ろからフィンが嬉しそうに声をかけてきた。
「今日はこれを着てお出迎えしましょう」
「えぇ!?嫌です」
「何故ですか?せっかくの綺麗な衣装なのに・・・」
フィンは心底不思議そうに聞いてきた。
「だって、もらう理由がないもの」
花は可哀そうだからフィンに花瓶に活けてもらった。
そうして夕方になりウォンが帰ってきた。
「・・・贈り物は気に入らなかったのか」
贈り物を身につけていない真紀にそう訊ねた。
「もらう理由がないから、貰えない」
「だが花は受け取ってくれたようだな」
「あのままにしておくと枯れてしまうでしょう?受け取ったわけじゃないわ」
フイっと顔を背けると壁に剣が突き立てられた。
「では、お前は何を望む」
もう少しで顔に剣があたるところだった。
「私の・・・望みは元の世界へ帰ることよ」
真紀は震える声で言った。
「それは出来ない」
しかしすぐに拒否された。
「何でよ!あの大浴場に行けば帰れるかもしれないのに!」
「帰さない!元の世界には帰さない!!」
そう言ってウォンは真紀を抱きしめた。
「・・・何でよ・・・」
「真紀が欲しいんだ」
耳元でそう囁かれた。
体にぞくりとしたものが走った。
「今日も抱くの?」
「今日は・・・抱きたいが我慢する。これ以上嫌われたくないからな」
「?」
「不満なのか?」
真紀は慌てて首を横に振った。
その日の晩はただ抱きしめられて眠るだけだった。
(一体何なのよ・・・)
真紀はウォンの変化が理解できなかった。
ウォンは知らず知らずのうちに真紀に恋をしていたのだ。
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