悪魔召喚~呼び出したら淫魔でした~

えりー

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悪魔召喚

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レオンは何百年もの間暗闇を彷徨っていた。
それはレンというヴァンパイアとの戦いに負けて暗闇の空間に閉じ込められていたのだ。
レオンはレンに負けたことが悔しくて仕方なかった。
「くそっ、一体いつになったらここから出られるんだ!」
日々荒んでいく心。
しかしいくら暴れたところでここから出ることは出来なかった。
そんなある日、声が聞こえた。
”大悪魔レオン、我が声を聞け。我と契約をー・・・”
”出でよ大悪魔レオン!!”
その声は暗闇を払いレオンを明るい世界へ導いた。
「眩しい!」
急に明るい所に引きずり出されたレオンは思わず声を上げた。
硬く閉じた目を開くと目の前に幼い少女が立っていた。
手には魔導書のようなものを持っていた。
「・・・本当に呼べた・・・」
少女はそう呟いた。
「・・・お前が私を呼んだのか?」
「はい。そうです」
少女はそう答えた。
「何の為に呼んだ?」
「寂しかったので傍にいてくれる相手が欲しくて」
「?」
レオンは少女の言っていることがわからなかった。
「呼ばれたからには契約を交わさねばならない」
「契約?」
レオンは少女に深いキスをした。
「んぅ、んん。んぅ!」
次の瞬間バチーンっと少女からひっぱたかれた。
「急に何をするんですか!?」
「~っ!痛いな。契約だ」
「お互いの唾液を取り込むことで契約は成立するんだ」
少女はきょとんとして言った。
「それじゃあこれでレオンは私と契約終わったって事?」
「ああ」
「レオンは私のもの?」
「・・・不本意だがな」
レオンは本当に不本意そうな顔をしていた。
叩かれた頬をレオンは押さえていた。
その姿を見た少女はこう言った。
「私、田辺巴たなべたつみといいます。何か冷やす物を取ってきます」
そう言い部屋から出て行った。
巴の部屋はとても広かった。
確かにこの部屋に1人は寂しいだろう。
巴はすぐに冷えたタオルを持って戻ってきた。
巴はレオンの頬にそっとタオルをあてた。
「!」
「痛みますか?」
「いや、大丈夫だ」
「それでお前の望みは?」
「傍にいてください」
その言葉にレオンは驚いた。
「まさかその為だけに私を呼んだのか?」
「はい」
はぁーっとレオンは深いため息をついた。
一度契約してしまうと契約は破棄できない。
レオンは巴が死ぬまで一生傍に居続けなければならなくなった。
せっかくさっさと望みを叶え、自由の身になれると思っていたのに・・・
レオンは自由になったらレンに復讐しに行くつもりだった。
しかしそれも出来ないようだ。
「私でなくても他に誰か傍にいてくれる人がいるだろう?」
「いません」
「本当か?」
「私には両親がいますがいつも海外に行っていますし、この大きなお屋敷でいつも1人きりです」
「レオンは何か都合が悪いんですか?」
「いや、契約した悪魔は契約主のものだ。故に、私はお前のものだ」
レオンはほんの何十年の事と思い今すぐ自由になることを諦めた。
人間の寿命は短い。
そう思うと少し落ち着いてきた。
「レオン?どうかした?」
「何でもない」
レオンは巴の望みを叶えてやることにした。
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