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竜王
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竜王は11年前美乃梨と契約を結んだ。
その印に”花嫁の印”を刻んだ。
契約内容は両親を助ける代わりに自分を差し出すというものだった。
美乃梨の両親は美乃梨を連れ家から近くの山にハイキングに来た。
だが、知らずに竜王の支配する異世界に3人で迷い込んでしまった。
当時、人間嫌いだった竜王は幼い子供の美乃梨は人間界に帰し、両親は処刑すると言い出した。
それを聞いた美乃梨は、竜王相手に強気な姿勢を見せた。
竜王は自分に歯向かってくる存在に強く惹かれた。
美乃梨は「自分に差し出せるものがあるなら何だって差し出す」と言ってきた。
幼いながら必死に両親を庇う姿は美しくも見えた。
誰も信用せず生きてきた竜王はこの時初めて信じてみようと思った。
だが、そう簡単に人間不信は治らず1ヶ月城に滞在することを美乃梨に命じた。
美乃梨も承諾し、両親だけ人間界に帰すことにした。
美乃梨と過ごしているうちに徐々に竜王は美乃梨を愛するようになった。
まだ幼いので娶るわけにはいかない。
よその神々や男に横取りされる前に自分の印を刻み所有物であることを示した。
あの印がある限り竜王の子供しか孕めない。
はじめて生まれた独占欲だった。
「美乃梨・・・」
愛しい娘の名を何度呟いた事か。
あの印には異性を惹きつけてしまうという効力もあった。
おかげで美乃梨は何度も窮地に立たされることになったが、その度助けてやった。
いつも美乃梨の事を異世界から水で作った水晶で見ていた。
だから彼女に危険が及ぶときはすぐに分かった。
水を媒体にし、異世界と人間界を繋ぎ行き来した。
初めに彼女を助けた時違和感を感じた。
「あなただぁれ?」
美乃梨は一緒に過ごした1ヶ月間の記憶を失っていることに竜王は気が付いた。
幼い彼女に記憶を戻すとどんな副作用がでるか分からない。
記憶の重さに耐えきれず死んでしまうかもしれない。
そう思うとそれは出来なかった。
美乃梨と愛し合った頃が今では遠い昔のように感じる。
無理やりにでも記憶を今なら戻しても大丈夫だろう。
しかし、本人が自分で思い出すと言い張り突っぱねられてしまった。
多少ショックだったがやはり自分で思い出してほしいという気持ちが強かった。
あの印の効力は印を付けた本人・・・竜王にも効力がある。
もう記憶が戻らずとも抱いてしまいたいと思うほどだ。
だが何とか自制心で耐えている。
なるべく一緒に居ないほうがいいことは分かっているがそれは出来そうにない・・・。
少しでも時間を作り一緒に過ごしたいという気持ちが強い。
竜王はこの異世界の王。
水を統べる竜王と民からの信頼も厚い。
やることは水が足りない場所の水路を広げる事、書類整理などたくさんある。
この世界は水を統べる竜王がいるのでどこの異世界からも侵略されることはない。
何故なら水は命の源でもあるからだ。
異世界は無数に存在する。
どんなに好戦的な異世界の王でも竜王を恐れていた。
それほど竜王は強い力を持っていた。
そんな竜王に初めて歯向かったのは美乃梨だけだった。
初めは興味本位だった。
ほんの戯れのつもりだった。
まさか本気で人間を、しかも幼い少女を愛してしまうとは思っていなかった。
「早く思い出してくれ美乃梨・・・気が狂いそうだ」
そう言い書類を整理する机に突っ伏した。
自分の欲求に耐えるのがやっとだ。
美しく成長した美乃梨を早く抱いて自分の物にしたいと強く思った・・・。
だが、無理やり行為に及んで嫌われるのは避けたかった。
合意の上で結ばれたい。
なので暫く記憶が戻るまで待つことにした。
その印に”花嫁の印”を刻んだ。
契約内容は両親を助ける代わりに自分を差し出すというものだった。
美乃梨の両親は美乃梨を連れ家から近くの山にハイキングに来た。
だが、知らずに竜王の支配する異世界に3人で迷い込んでしまった。
当時、人間嫌いだった竜王は幼い子供の美乃梨は人間界に帰し、両親は処刑すると言い出した。
それを聞いた美乃梨は、竜王相手に強気な姿勢を見せた。
竜王は自分に歯向かってくる存在に強く惹かれた。
美乃梨は「自分に差し出せるものがあるなら何だって差し出す」と言ってきた。
幼いながら必死に両親を庇う姿は美しくも見えた。
誰も信用せず生きてきた竜王はこの時初めて信じてみようと思った。
だが、そう簡単に人間不信は治らず1ヶ月城に滞在することを美乃梨に命じた。
美乃梨も承諾し、両親だけ人間界に帰すことにした。
美乃梨と過ごしているうちに徐々に竜王は美乃梨を愛するようになった。
まだ幼いので娶るわけにはいかない。
よその神々や男に横取りされる前に自分の印を刻み所有物であることを示した。
あの印がある限り竜王の子供しか孕めない。
はじめて生まれた独占欲だった。
「美乃梨・・・」
愛しい娘の名を何度呟いた事か。
あの印には異性を惹きつけてしまうという効力もあった。
おかげで美乃梨は何度も窮地に立たされることになったが、その度助けてやった。
いつも美乃梨の事を異世界から水で作った水晶で見ていた。
だから彼女に危険が及ぶときはすぐに分かった。
水を媒体にし、異世界と人間界を繋ぎ行き来した。
初めに彼女を助けた時違和感を感じた。
「あなただぁれ?」
美乃梨は一緒に過ごした1ヶ月間の記憶を失っていることに竜王は気が付いた。
幼い彼女に記憶を戻すとどんな副作用がでるか分からない。
記憶の重さに耐えきれず死んでしまうかもしれない。
そう思うとそれは出来なかった。
美乃梨と愛し合った頃が今では遠い昔のように感じる。
無理やりにでも記憶を今なら戻しても大丈夫だろう。
しかし、本人が自分で思い出すと言い張り突っぱねられてしまった。
多少ショックだったがやはり自分で思い出してほしいという気持ちが強かった。
あの印の効力は印を付けた本人・・・竜王にも効力がある。
もう記憶が戻らずとも抱いてしまいたいと思うほどだ。
だが何とか自制心で耐えている。
なるべく一緒に居ないほうがいいことは分かっているがそれは出来そうにない・・・。
少しでも時間を作り一緒に過ごしたいという気持ちが強い。
竜王はこの異世界の王。
水を統べる竜王と民からの信頼も厚い。
やることは水が足りない場所の水路を広げる事、書類整理などたくさんある。
この世界は水を統べる竜王がいるのでどこの異世界からも侵略されることはない。
何故なら水は命の源でもあるからだ。
異世界は無数に存在する。
どんなに好戦的な異世界の王でも竜王を恐れていた。
それほど竜王は強い力を持っていた。
そんな竜王に初めて歯向かったのは美乃梨だけだった。
初めは興味本位だった。
ほんの戯れのつもりだった。
まさか本気で人間を、しかも幼い少女を愛してしまうとは思っていなかった。
「早く思い出してくれ美乃梨・・・気が狂いそうだ」
そう言い書類を整理する机に突っ伏した。
自分の欲求に耐えるのがやっとだ。
美しく成長した美乃梨を早く抱いて自分の物にしたいと強く思った・・・。
だが、無理やり行為に及んで嫌われるのは避けたかった。
合意の上で結ばれたい。
なので暫く記憶が戻るまで待つことにした。
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