竜王と契約の花嫁

えりー

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それからの2人

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2人の関係は一気に変わった。
それは美乃梨の記憶が戻ったからだ。
記憶の戻った美乃梨が竜王と結ばれて2人の間の距離が無くなった。
竜王は嬉しそうにしているが美乃梨は毎晩、抱かれ日中は起き上がれないほどぐったりとしている。
「美乃梨・・・愛し合おう」
「今日はダメ!!もうっ、毎日抱かれているんだよ!?」
美乃梨に拒絶され、竜王は少し驚いた。
「何故だ?あんなに気持ちよさそうにしているのに」
「そういう事言わないでって言っているじゃない!」
真っ赤になりながら美乃梨は反論したが竜王はどうも天然らしく分かってはくれない。
「美乃梨が怒っている理由が分からん」
(本当に鈍感なんだから・・・)
もう抱かれるときは痛くはないけどこのまま怠惰な生活を美乃梨は送りたくなかった。
「抱かれるのが嫌とかじゃなくて・・・りゅうの事は好きだけど」
「では、問題ないじゃないか」
「・・・」
暫くにらみ合いが続いた。
最初に目を逸らしたのは竜王だった。
「わかった、今晩は引こう。だが、明日は抱くからな」
そう宣言し、長椅子へ行こうとした。
「何で長椅子!?」
美乃梨は引き留めた。
「同じ床に入ったら抱いてしまうかもしれないだろう?」
「嫌、眠るのはりゅうと一緒が良い」
それに王を長椅子へ追いやるわけにはいかない。
「美乃梨には危機感がないのか?」
「我慢させて申し訳ないとは思っているけど・・・」
はーっと竜王は溜息をつきベッドへ戻ってきてくれた。
「・・・我儘言ってごめん」
「早く寝ろ、あとなるべくこっちへ来るな」
今度は美乃梨が拒絶される番だった。
「うん、ありがとう」
「俺に抱かれるのがお前の仕事だろう」
「え?」
「世継ぎを産んでもらわねばならん」
「あっ・・・」
竜王は少し不機嫌になりながらそう言った。
それを聞いた美乃梨は目を丸くした。
軽く眩暈を起こしそうだった。
この城には後宮がない。
竜は番1人を愛する。
それ以外の者は眼中にない。
「そういえばこの城には後宮が無いのね」
「あったほうがいいのか?」
美乃梨は焦って訂正した。
「駄目!!りゅうが他の人抱くなんて耐えられない!」
「安心しろ。俺はお前だけいれば良い。他の女はいらん」
美乃梨は胸をなでおろした。
(そういえばりゅうは今何歳なのだろう)
「ねぇ、りゅう」
「何だ?」
「りゅうは今いくつなの?」
竜王は目を閉じ考えている。
「・・・わからん。もう覚えていない」
見た目は20代だが本人は年齢が分からないらしい。
「そんなに歳なの?」
「ああ100年以上は生きている」
「100年!?」
竜の寿命は長いらしい。
部屋の明かりが消された。
「これ以上起きてると襲うぞ?」
「!!」
「もう寝てくれ」
そう言われ美乃梨は久しぶりにゆっくり眠ることが出来た。
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