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贈り物
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寂しさがピークに達していた琴音は急いだ。
電話先で凄く不機嫌な声を聞いていたからもしかしたら帰ってしまうのではと心配になったのだ。
(翔に会いたい)
そう思いながら足を進めた。
そしてようやく喫茶店に辿り着いた。
いつもの席に翔が座っていた。
琴音は翔へ駆け寄った。
「翔さん、待たせてごめんなさい」
「・・・さっきは悪かった」
「?」
「冷た言い方をしてしまっただろう?」
「それはもういいですよ」
そう答え琴音はにっこりと微笑んだ。
琴音はほっとした。
「寒かっただろう。もう3月なのにな」
「そうですね、今年は寒いですね」
「・・・」
「・・・」
2人とも無言になってしまった。
暫くの沈黙の後最初に口を開いたのは翔だった。
「今日は突然呼び出して悪かった」
「私が悪いんです!謝らないでください。それで用事って何ですか?」
はぁーっと溜息をつきがしがしと翔は頭をかきながら俯いた。
「え?どうしたんですか?」
「琴音、今日が何の日か知っているか?」
「え?3月14日ですけど?」
「今日はホワイトデーだろう!?」
琴音は今まで異性と付き合ったことをした事が無かった。
だからホワイトデーを意識したことが無かったのだ。
真っ赤になっている翔を見て不思議に思っていると翔から小箱を渡された。
無言で開けるように促された。
じっと見られていると開けにくい。
「本当に開けて良いんですか?」
「ああ、受け取ってもらわないと意味がない」
「・・・じゃあ、開けますね?」
包装を丁寧にとるとまた箱が出てきた。
更に箱のふたを開けると中には小さな宝石のついた綺麗な指輪が入っていた。
「わぁ・・・」
「これがバレンタインのお返しだ」
よく見ると指輪の内側にI Love youと彫られていた。
嬉しくて感情が溢れてきた琴音は思わず口に出してしまった。
「好きだよ・・・I Love you・・・」
愛してるという言葉を口にすることが恥ずかしかったので英語で言った。
そうすると翔も小声で気持ちを伝えてくれた。
「俺も好きだよ。I Love you」
翔が琴音の持っていた指輪を貰い、左手の薬指にはめた。
「え!?」
「本命は琴音だからな」
そう言われ琴音は涙を流し始めた。
泣き顔を見られたくなくてハンカチで隠しながら泣いた。
その姿を見て翔がつぶやいた。
「琴音は昔から泣き虫だったからな」
「昔?」
「ああ、琴音が幼い頃俺たちは一度会っているんだ」
「やっぱりあの時の男の子が・・・翔なんですか?」
琴音は大きく目を開いて翔に訊ねた。
「良かった。覚えてくれていて。・・・と言っても琴音と出会うまで俺も忘れていたんだけどな」
「あの病院で会ってから私は貴方を探していたみたい」
「何の話だ?」
「私、幼い頃から人を探す癖があって・・・翔と出会ったら治まったんです」
「そうか。もう一度出会えて嬉しいよ」
「私もです」
「これからは傍にいられるな」
「はい!」
やはり翔は優しい。
愛おしい、好きすぎておかしくなりそうだった琴音は思わず翔に抱きついた。
他のお客さんの注目の的になっている。
「琴音・・・他の人が見ているぞ」
「良いんです。他人の目とか気になりません」
「・・・俺もだよ」
「「I Love you」」
2人の声が重なった。
ほぼ同時に口にした言葉だった。
「最近忙しかったのは仕事を増やしたからなんだ」
「この指輪そんなに高いのですか?」
「・・・値段を聞くのは無粋だぞ?」
(一体いくらしたんだろう)
「本当に私なんかが貰ってもいいのですか?」
「自分をそんな風に思っては駄目だ」
「すみません。嬉しすぎて!」
「これからも仲良く恋人らしくやって行こうな」
「はい!!」
そう言うと翔は琴音にキスをした。
触れるだけの軽いものだけど琴音と翔は幸せな思いでいっぱいだった。
電話先で凄く不機嫌な声を聞いていたからもしかしたら帰ってしまうのではと心配になったのだ。
(翔に会いたい)
そう思いながら足を進めた。
そしてようやく喫茶店に辿り着いた。
いつもの席に翔が座っていた。
琴音は翔へ駆け寄った。
「翔さん、待たせてごめんなさい」
「・・・さっきは悪かった」
「?」
「冷た言い方をしてしまっただろう?」
「それはもういいですよ」
そう答え琴音はにっこりと微笑んだ。
琴音はほっとした。
「寒かっただろう。もう3月なのにな」
「そうですね、今年は寒いですね」
「・・・」
「・・・」
2人とも無言になってしまった。
暫くの沈黙の後最初に口を開いたのは翔だった。
「今日は突然呼び出して悪かった」
「私が悪いんです!謝らないでください。それで用事って何ですか?」
はぁーっと溜息をつきがしがしと翔は頭をかきながら俯いた。
「え?どうしたんですか?」
「琴音、今日が何の日か知っているか?」
「え?3月14日ですけど?」
「今日はホワイトデーだろう!?」
琴音は今まで異性と付き合ったことをした事が無かった。
だからホワイトデーを意識したことが無かったのだ。
真っ赤になっている翔を見て不思議に思っていると翔から小箱を渡された。
無言で開けるように促された。
じっと見られていると開けにくい。
「本当に開けて良いんですか?」
「ああ、受け取ってもらわないと意味がない」
「・・・じゃあ、開けますね?」
包装を丁寧にとるとまた箱が出てきた。
更に箱のふたを開けると中には小さな宝石のついた綺麗な指輪が入っていた。
「わぁ・・・」
「これがバレンタインのお返しだ」
よく見ると指輪の内側にI Love youと彫られていた。
嬉しくて感情が溢れてきた琴音は思わず口に出してしまった。
「好きだよ・・・I Love you・・・」
愛してるという言葉を口にすることが恥ずかしかったので英語で言った。
そうすると翔も小声で気持ちを伝えてくれた。
「俺も好きだよ。I Love you」
翔が琴音の持っていた指輪を貰い、左手の薬指にはめた。
「え!?」
「本命は琴音だからな」
そう言われ琴音は涙を流し始めた。
泣き顔を見られたくなくてハンカチで隠しながら泣いた。
その姿を見て翔がつぶやいた。
「琴音は昔から泣き虫だったからな」
「昔?」
「ああ、琴音が幼い頃俺たちは一度会っているんだ」
「やっぱりあの時の男の子が・・・翔なんですか?」
琴音は大きく目を開いて翔に訊ねた。
「良かった。覚えてくれていて。・・・と言っても琴音と出会うまで俺も忘れていたんだけどな」
「あの病院で会ってから私は貴方を探していたみたい」
「何の話だ?」
「私、幼い頃から人を探す癖があって・・・翔と出会ったら治まったんです」
「そうか。もう一度出会えて嬉しいよ」
「私もです」
「これからは傍にいられるな」
「はい!」
やはり翔は優しい。
愛おしい、好きすぎておかしくなりそうだった琴音は思わず翔に抱きついた。
他のお客さんの注目の的になっている。
「琴音・・・他の人が見ているぞ」
「良いんです。他人の目とか気になりません」
「・・・俺もだよ」
「「I Love you」」
2人の声が重なった。
ほぼ同時に口にした言葉だった。
「最近忙しかったのは仕事を増やしたからなんだ」
「この指輪そんなに高いのですか?」
「・・・値段を聞くのは無粋だぞ?」
(一体いくらしたんだろう)
「本当に私なんかが貰ってもいいのですか?」
「自分をそんな風に思っては駄目だ」
「すみません。嬉しすぎて!」
「これからも仲良く恋人らしくやって行こうな」
「はい!!」
そう言うと翔は琴音にキスをした。
触れるだけの軽いものだけど琴音と翔は幸せな思いでいっぱいだった。
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