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手紙の送り主の正体
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湊は悩んだ末に学校へ行くことにした。
手紙の送り主に会いたいと思ったからだ。
でも恐怖で足が竦んでいた。
久しぶりに着る制服は重たく感じた。
しかし、もうすぐ学校に着く。
重たい足を動かしながら歩いて行く。
登校中、吐き気がしたが何もない様に装った。
学校に着き、靴箱を見てみると手紙が入っていた。
必ず約束は守ります。
そう一言だけ書かれていた。
その手紙をポケットに入れ握り締めた。
そうすると少し気分が軽くなった気がした。
廊下をゆっくりと歩き震える手で教室のドアを開けた。
すると教室中がざわめいた。
「中村だ、久しぶりだなぁ」
後ろを振り返ると虐めの主犯の人物、笹原 佳代(ささはら かよ)が立っていた。
湊は一歩後ずさった。
(怖い・・・また虐められる・・・)
そう思った時思わぬ人物が間に割って入った。
その人物は以前虐めの対象になっていた村上晴美(むらかみ はるみ)だった。
「何よ村上!また虐められたいの?」
「・・・人を虐めてそんなに楽しいの?」
蔑んだ目で晴美は佳代を見据えた。
「~っ・・・!」
佳代は何も言い返さなかった。
「こっちに来て、中村さん」
「え、ちょっ・・・」
そう一言言うと晴美は湊の手を引き歩き始めた。
着いた先は屋上だった。
ぐいぐい引っ張られて歩いたので少し湊は戸惑った。
「あの・・・村上さん?」
「あ、晴美って呼んで?」
「・・・晴美さん・・・」
「何?」
「どうしてあんなことしたの?」
不思議そうに湊に聞き返した。
「あんなこと?」
「そうだよ!また笹原さんに目をつけられるわよ!?」
「・・・私はもう逃げないと決めたから」
「・・・!」
(もしかして・・・あの手紙の主は晴美さんなの?)
「手紙読んでくれた?」
そう訊ねられ大きく湊は頷いた。
「やっぱり晴美さんが手紙の送り主なの?」
「そうよ」
ポケットの手紙に触れながら湊は言った。
「手紙・・・嬉しかった。ありがとう」
「お礼を言うのは私の方よ?」
「?」
「あの時助けてくれてありがとう」
晴美は深々と頭を下げた。
「私を庇ったことでまさか虐めの対象が湊さんに移るなんて思わなかったの」
「・・・」
湊は真摯に謝ってくる晴美にかける言葉が思いつかなかった。
「私はこれから湊さんの事を全力で守っていくつもりよ」
思いもよらない言葉に耳を疑った。
「どうして、守ってくれるの?」
「私が湊さんを好きになったからよ」
「えぇ!?」
顔を真っ赤に染めて恥ずかしがる姿をみた晴美は湊に微笑みかけた。
「ねぇ、私の事少しずつでいいから好きになってくれない?」
「それってどういうこと?」
「私は湊さんに恋愛感情を抱いているの。でもいきなり受け入れてもらえるとは思っていないわ」
晴美の顔が少し寂しそうな表情に変わった。
その顔を見ていると胸が痛んだ。
「・・・それじゃあ、友達からってことでもいいの?」
「ええ。湊さんが嫌じゃなければー・・・」
湊は考えた。
あの手紙には随分救われてきた。
その手紙の送り主にも会えた。
湊の胸は高鳴っていた。
初めてされた告白に動揺したし、それが同性なのだから当たり前だ。
「返事はまた明日この屋上で聞かせてくれない?私は恋人になりたいと思っているの」
「!」
そう言い残し屋上から晴美は姿を消した。
手紙の送り主に会いたいと思ったからだ。
でも恐怖で足が竦んでいた。
久しぶりに着る制服は重たく感じた。
しかし、もうすぐ学校に着く。
重たい足を動かしながら歩いて行く。
登校中、吐き気がしたが何もない様に装った。
学校に着き、靴箱を見てみると手紙が入っていた。
必ず約束は守ります。
そう一言だけ書かれていた。
その手紙をポケットに入れ握り締めた。
そうすると少し気分が軽くなった気がした。
廊下をゆっくりと歩き震える手で教室のドアを開けた。
すると教室中がざわめいた。
「中村だ、久しぶりだなぁ」
後ろを振り返ると虐めの主犯の人物、笹原 佳代(ささはら かよ)が立っていた。
湊は一歩後ずさった。
(怖い・・・また虐められる・・・)
そう思った時思わぬ人物が間に割って入った。
その人物は以前虐めの対象になっていた村上晴美(むらかみ はるみ)だった。
「何よ村上!また虐められたいの?」
「・・・人を虐めてそんなに楽しいの?」
蔑んだ目で晴美は佳代を見据えた。
「~っ・・・!」
佳代は何も言い返さなかった。
「こっちに来て、中村さん」
「え、ちょっ・・・」
そう一言言うと晴美は湊の手を引き歩き始めた。
着いた先は屋上だった。
ぐいぐい引っ張られて歩いたので少し湊は戸惑った。
「あの・・・村上さん?」
「あ、晴美って呼んで?」
「・・・晴美さん・・・」
「何?」
「どうしてあんなことしたの?」
不思議そうに湊に聞き返した。
「あんなこと?」
「そうだよ!また笹原さんに目をつけられるわよ!?」
「・・・私はもう逃げないと決めたから」
「・・・!」
(もしかして・・・あの手紙の主は晴美さんなの?)
「手紙読んでくれた?」
そう訊ねられ大きく湊は頷いた。
「やっぱり晴美さんが手紙の送り主なの?」
「そうよ」
ポケットの手紙に触れながら湊は言った。
「手紙・・・嬉しかった。ありがとう」
「お礼を言うのは私の方よ?」
「?」
「あの時助けてくれてありがとう」
晴美は深々と頭を下げた。
「私を庇ったことでまさか虐めの対象が湊さんに移るなんて思わなかったの」
「・・・」
湊は真摯に謝ってくる晴美にかける言葉が思いつかなかった。
「私はこれから湊さんの事を全力で守っていくつもりよ」
思いもよらない言葉に耳を疑った。
「どうして、守ってくれるの?」
「私が湊さんを好きになったからよ」
「えぇ!?」
顔を真っ赤に染めて恥ずかしがる姿をみた晴美は湊に微笑みかけた。
「ねぇ、私の事少しずつでいいから好きになってくれない?」
「それってどういうこと?」
「私は湊さんに恋愛感情を抱いているの。でもいきなり受け入れてもらえるとは思っていないわ」
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その顔を見ていると胸が痛んだ。
「・・・それじゃあ、友達からってことでもいいの?」
「ええ。湊さんが嫌じゃなければー・・・」
湊は考えた。
あの手紙には随分救われてきた。
その手紙の送り主にも会えた。
湊の胸は高鳴っていた。
初めてされた告白に動揺したし、それが同性なのだから当たり前だ。
「返事はまた明日この屋上で聞かせてくれない?私は恋人になりたいと思っているの」
「!」
そう言い残し屋上から晴美は姿を消した。
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