淡恋

えりー

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告白の返事

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湊は告白の返事に困っていた。
自宅に帰っても晴美の言葉が頭から離れなかった。
ー恋人になりたいー
(突然そんなこと言われても・・・)
晴美の告白に正直戸惑っていた。
不思議な事に晴美の告白に嫌悪感はなかった。
むしろ戸惑いつつも喜んでいる自分がいた。
「晴美さん・・・私のどこが好きなのかな・・・」
(明日までに返事をしなくてはいけないのかぁ)
しかし湊の中ではもう答えは出ていた。

翌日の朝学校の屋上へ行くと既に晴美の姿があった。
「お、おはよう晴美さん」
「おはよう湊さん」
「・・・」
「・・・」
2人の間に沈黙が流れた。
暫くお互い何も話さず登校してくる生徒たちの姿を屋上から眺めていた。
最初に沈黙を破ったのは湊だった。
「晴美さん!いきなり恋人にはなれないけど少しずつなら好きになっていけると思うの」
「・・・うん」
「初めは友達から始めてもらってもいいかな?」
「うん。ありがとう!それでいいよ」
晴美がそっと手を伸ばしてきた。
「約束の握手」
「うん」
そう答え湊は伸ばされた手を握り返した。
こうして2人は”友達”から始めることになった。
湊の気持ちの変化が訪れるのも時間の問題だった。
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