白蛇の花嫁

えりー

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逃げ出す

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内側から鍵をかけられてしまった。
窓はある。
しかし少し高さがあった。
逃げ出すにいは少し時間がかかりそうだ。
都は逃げ出す方法を必死に考えていた。
すると銀が言った。
「ここから逃げ出そうなんてことは考えるなよ？」
「逃げるに決まってるでしょう！！」
「勝手に連れて来られていきなり嫁にしたいなんて言われても現実味がないわ」
「どうすれば、嫁になってくれる？」
銀は不思議そうに訊ねてきた。
都は言った。
「好きな人とじゃないと結婚なんて出来ない！」
「それでは好きになってくれ」
銀は全く引こうとしない。
「私はさっきも言ったけどただの人間なの！貴方の仲間ではないわ」
「分かっている。無力な人間なんだろう？」
（無力・・・確かにその通りだけど・・・）
面と向かって言われるとなんだか悔しくなる。
（見てなさい。絶対逃げ出してやるんだから！！）
都はそう思い銀を睨み付けた。
「俺はお前に好かれる努力をしたい。今から用意をしてくるから大人しくここで待っていてくれ」
「・・・」
（好かれる準備？一体何をする気なの？まぁ、でもその間に逃げる時間が出来る）
パタンとドアが閉まり外からも鍵がかけられた。
都はベッドのシーツをベッドボードに括り付けその端を持ち窓からゆっくり地上に降りた。
（思ったより高くなくてよかった）
都は安心した。
降りるときは下を見ることが怖かった。
だが意外とすぐ地に足がついた。
足元を見るとたくさんの蛇に囲まれていた。
足の踏み場もないほどの蛇たちだ。
都は身動きが取れなくなった。
「都。大人しくしていろと言っただろう？」
「・・・」
「窓にも鍵をつけておかなくてはな」
窓から逃げ出したこともバレていた。
銀は少し怒っていた。
彼の怒りが雰囲気から伝わってくる。
都は銀に抱えられ、また部屋へ連れ戻された。
「・・・都は蛇が怖くないんだな」
「うん。怖くないけど・・・」
あの状況ではさすがに逃げられない。
大量の蛇に囲まれていてもし踏んだら大変だ。
その為に都は身動きが取れなかったのだ。
都の家では蛇を祀る場所がある。
そのせいだろうか。
蛇を見て怖いとか気持ち悪いとか思ったことはないのだ。
「他の蛇たちもお前を歓迎している」
「でも、私は帰りたいの！」
「そうか」
淡々とそう言われてしまった。
（会話が続かない・・・）
「私じゃなくても他にたくさん仲間がいるじゃない。その中から相手を選んでよ」
「俺はお前が良い」
また会話が元に戻った。
本当に埒が明かない。
一体私の何がそんなに気に入ったのか・・・。
ただ助けただけなのに。
都には分らなかった。

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