白蛇の花嫁

えりー

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銀の想い

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銀は初めて都とあた時正直驚いた。
まさか掴んで投げられるとは思っていなかった。
あのままでも自分1人で何とか出来たのに人間の身でありながら危険を顧みずに蛇である銀を助けたのだ。
こんな人間もいるのかと銀は思った。
銀はその事がきっかけで都の事を気にし始めた。
社に帰った後も彼女の事が頭から離れなかった。
そして、自分が彼女を好きになっていることに気がついた。
都は銀の事をただの白蛇としか思ってなかったのだろう。
「俺は・・・人間に恋をしたのか・・・」
自分でも驚きだった。
人間との婚姻は禁忌ではないがあまり良くないものとされている。
しかし、彼女を忘れることなどできなくなっていた。
そして銀は彼女の元へ求婚しに行った。
だが、断られてしまった。
銀はショックだった。
でも、普通に考えて急に嫁になってほしいと言われて”はい”という者は少ないだろう。
しかも、都は好きになるまで待ってと言ってきた。
好きになれるかもわからないけどと付け足して。
銀は何としても都を手に入れたかった。
幸い1週間社に滞在してくれるという。
その間に無理やりにでも体を奪うつもりでいる。
それほど都に溺れている。
さすがに男としてもっと意識されれば好きになってもらえるだろう。
銀はそう考えた。
それが逆効果になるとも知らずに。
ただ、契りを交わすだけだ。
そう軽く考えていた。
だが、その事で都を傷つけることになるとは思っていなかった。
都はまだ銀の事をよく知らない。
だから知りたいと言っていた。
「俺の何を知りたいのだろう・・・」
答えられることには全て答えるつもりだ。
しかし、本当にそんな事で好きになってもらえるのだろうか？
銀は不思議に思っていた。
都は大人しそうに見えて意外と気が強い。
ここ数日でそれは実感した。
そんな一面にも魅力を感じてしまっている自分はおかしいのかもしれない。
それでも都の事で頭がいっぱいだ。
神の仕事をそっちのけで都に構いたくなる。
だが、朽ちた社でもここの神だ。
神の仕事はきちんとしなくてはいけないだろう。
自分にそう言い聞かせた。

都はどうすれば俺を好きになってくれるのだろう・・・。

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