吸血鬼の姫は恋をご所望

えりー

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水城

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「・・・見つけた」
水城はそう呟いた。
水城の家は悪魔祓いを専門にしている家系だ。
その為転校の多い水城だったが、まさか人間に交じって普通に学校生活をしている吸血鬼に出くわすなんて思いもよらなかった。
水城には妹がいたが、吸血鬼の餌食となり帰らぬ人となった。
それから水城は悪魔というよりは吸血鬼退治を専門とするようになった。
水城は吸血鬼を恨んでいる。
それが善良な吸血鬼であってもそうでない者でも関係なく。
見つけ次第殺していく。
今日あった吸血鬼は善良そうだった・・・。
とても美しい容姿をしていた。
吸血鬼は皆美しい容姿をしているが、今日見た吸血鬼は特別な者に見えた。
今まであんなに美しい吸血鬼を見たことがない。
きっと位の高い者なのだろう。
(あの吸血鬼を殺せば少しは恨みが薄らぐだろうか・・・)
とにかく明日からあの葵という吸血鬼に近づいてみよう。
ロザリオも効かない。あの様子なら聖水も効かないだろう。
何か殺すヒントが近づけば見つかるかもしれない。
そう思うと心が騒ぐ。
(ああ・・・早く殺したい)
そう思い机に飾られた写真立てを手に取った。
そこに映し出されていたのは幼くして死んだ彼の妹だった。
明日から学校へ行くのが楽しみだ。
水城はニヤリと笑い顔を歪めた。

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