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ティ
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リハの弟ティが城に戻る日、唯奈は物凄く緊張した。
今までずっとリハと二人きりで他の獣たちと関わっていないのも一つの理由でもある。
もともと唯奈は人見知りだ。
それも王の弟と会うとなると緊張するのは当たり前だ。
しかも彼は人を食すらしい。
その話を聞き余計に身を強張らせた。
王の間へ行き、王であるリハの隣に座った。
膝に置いた手がカタカタと震える。
それを見たリハはそっと唯奈の手を包み込んでくれた。
リハは今日は人型を取ってくれている。
きっと少しでも唯奈が安心するように人型でいてくれているのだろうと唯奈は思った。
「ティ様は・・・どんな方なんですか?」
「欲望に忠実な男だ。私のいう事なんてまるで聞かんような男だ」
「・・・そうなんですね」
その時バンっと扉が開き突然見知らぬ狼が入ってきた。
「兄貴、また人間に入れ込んでいるのかよ」
「・・・ティ、まずは挨拶が先だろう?」
「はいはい。只今、辺境の地から戻りました」
「・・・まぁ、いい。・・・今度は俺の寵姫に手を出すな」
「寵姫!?その人間がか!?」
そう言いリハの隣に座っていた唯奈を指さした。
「ああ、いずれは公に妃として皆に紹介する予定だ」
「兄貴・・・人間は食べ物だぜ?それを愛するっという事がどういう事か分かっているのか?」
「・・・」
リハは黙り込んだ。
「王の弟にも挨拶できないような女か?」
「あ、すみません。唯奈と申します」
唯奈は慌てて挨拶をした。
するとティは笑った。
「ははははは。今度の女も前の女も似たような女だな」
そう言い目を眇めた。
どこか小馬鹿にされているような感じがしたがティが怖くて反論できない。
「・・・挨拶も済んだだろう。もうティは下がれ」
「ああ、そうさせてもらう。またな唯奈」
そう言い王の間から出て行った。
ティが部屋から出て行くと一気に緊張の糸が切れた。
「今のが・・・ティ様なんですね」
「ああ、ティは以前私が保護していた人間を喰らったんだ」
「!?」
「以前も異世界から女がやって来て私が保護していた。・・・恋人だったんだ」
「恋人・・・?」
「その恋人をあいつは殺して喰らった」
「・・・」
あまりにも壮絶な話に唯奈の頭は付いていかない。
「今もその恋人だった女性の事を愛しているんですか?」
思わず聞いてしまった。
聞かずにはいれなかった。
「私はその人の代わり何ですか?」
「違う。彼女の事は過去の事だ。今は唯奈を愛している。代わりにしているつもりはない」
唯奈はその言葉を聞き安心した。
「唯奈は私の事を愛しているか?」
「・・・はい」
「なら、私の言葉だけ信じろ。それから今日から唯奈は私の部屋で生活してもらう」
「え!?」
理由は聞かなくてもわかる。
ティが戻ってきたからだ。
ティはリハの言う通り危険な男だとすぐに分かった。
唯奈の事を見る目が恐ろしかった。
思わず身が竦んだ。
それでも一生懸命自己紹介をした。
あのティという男は本当にリハの弟なのだろうか。
正反対の性格をしていた。
ティには穏やかさがまるでない。
攻撃的で恐ろしい印象の男だった。
出来れば関わりたくないと唯奈は思った。
しかし、あれでも王の弟だ。
これから関わる機会がたくさんあるだろう。
一気に唯奈は気が重くなった。
今までずっとリハと二人きりで他の獣たちと関わっていないのも一つの理由でもある。
もともと唯奈は人見知りだ。
それも王の弟と会うとなると緊張するのは当たり前だ。
しかも彼は人を食すらしい。
その話を聞き余計に身を強張らせた。
王の間へ行き、王であるリハの隣に座った。
膝に置いた手がカタカタと震える。
それを見たリハはそっと唯奈の手を包み込んでくれた。
リハは今日は人型を取ってくれている。
きっと少しでも唯奈が安心するように人型でいてくれているのだろうと唯奈は思った。
「ティ様は・・・どんな方なんですか?」
「欲望に忠実な男だ。私のいう事なんてまるで聞かんような男だ」
「・・・そうなんですね」
その時バンっと扉が開き突然見知らぬ狼が入ってきた。
「兄貴、また人間に入れ込んでいるのかよ」
「・・・ティ、まずは挨拶が先だろう?」
「はいはい。只今、辺境の地から戻りました」
「・・・まぁ、いい。・・・今度は俺の寵姫に手を出すな」
「寵姫!?その人間がか!?」
そう言いリハの隣に座っていた唯奈を指さした。
「ああ、いずれは公に妃として皆に紹介する予定だ」
「兄貴・・・人間は食べ物だぜ?それを愛するっという事がどういう事か分かっているのか?」
「・・・」
リハは黙り込んだ。
「王の弟にも挨拶できないような女か?」
「あ、すみません。唯奈と申します」
唯奈は慌てて挨拶をした。
するとティは笑った。
「ははははは。今度の女も前の女も似たような女だな」
そう言い目を眇めた。
どこか小馬鹿にされているような感じがしたがティが怖くて反論できない。
「・・・挨拶も済んだだろう。もうティは下がれ」
「ああ、そうさせてもらう。またな唯奈」
そう言い王の間から出て行った。
ティが部屋から出て行くと一気に緊張の糸が切れた。
「今のが・・・ティ様なんですね」
「ああ、ティは以前私が保護していた人間を喰らったんだ」
「!?」
「以前も異世界から女がやって来て私が保護していた。・・・恋人だったんだ」
「恋人・・・?」
「その恋人をあいつは殺して喰らった」
「・・・」
あまりにも壮絶な話に唯奈の頭は付いていかない。
「今もその恋人だった女性の事を愛しているんですか?」
思わず聞いてしまった。
聞かずにはいれなかった。
「私はその人の代わり何ですか?」
「違う。彼女の事は過去の事だ。今は唯奈を愛している。代わりにしているつもりはない」
唯奈はその言葉を聞き安心した。
「唯奈は私の事を愛しているか?」
「・・・はい」
「なら、私の言葉だけ信じろ。それから今日から唯奈は私の部屋で生活してもらう」
「え!?」
理由は聞かなくてもわかる。
ティが戻ってきたからだ。
ティはリハの言う通り危険な男だとすぐに分かった。
唯奈の事を見る目が恐ろしかった。
思わず身が竦んだ。
それでも一生懸命自己紹介をした。
あのティという男は本当にリハの弟なのだろうか。
正反対の性格をしていた。
ティには穏やかさがまるでない。
攻撃的で恐ろしい印象の男だった。
出来れば関わりたくないと唯奈は思った。
しかし、あれでも王の弟だ。
これから関わる機会がたくさんあるだろう。
一気に唯奈は気が重くなった。
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