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会議の場
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今日は初めて王族会議に出る日だ。
ただ、王の隣に座っていれば良いと言われたが唯奈は緊張している。
リハは唯奈を抱きしめた。
「唯奈、たわいもない話をするだけだ。そんなに緊張しなくていい」
「はい・・・」
リハは唯奈の背を撫でた。
2人は手をつないで会議の間へやって来た。
戸を開けるとすでに大勢の王族たちが席についていた。
皆、唯奈を見ている。
「人間風情が・・・」
「この場に相応しくない」
そんな声が聞こえてきた。
今日の王は狼の姿だ。
その声はもちろんリハの耳に届いていた。
リハは歯をむき出しにして事を荒立てるのを耐えている。
唯奈はそんなリハの手を握り、言った。
「私なら大丈夫」
その時戸が開きティが入ってきた。
「悪い兄貴、少し遅れた」
「・・・良いから早く座れ」
「今日の議題は・・・」
何やら難しい話が始まった。
初めて出る会議だ。
内容はよく分からないが話はきちんと聞いておかなくては。
唯奈はそう思い毅然とした態度でリハの横に座った。
ティが部屋に入って来てくれてから唯奈の事を悪く言う者がいなくなった。
それほどティは皆から恐れられているらしい。
自分はそんなティに愛していると言われてしまった事を思い出し顔が赤くなった。
ティは一体どんなつもりでそう言ったのだろう。
「どうした、唯奈。顔が赤いぞ」
「あ、大丈夫です」
リハはぷにぷにの肉球で唯奈の頬に触れた。
「そうか?」
「はい」
皆が見ている前でさすがにこういうやり取りは恥ずかしい。
「王は余程唯奈さまがお好きなのですね」
「全く人間なんぞにうつつを抜かす王だなんて・・・」
「人間が会議にいるせいで話がなかなか進まぬ」
その声を聞き唯奈は席を立った。
「申し訳ございません。私は退席します、失礼いたします」
「唯奈・・・」
「早く話を終わらせて部屋へ戻ってきてくださいね」
そうリハに耳打ちし、唯奈は会議の間を後にした。
あれ以上話し合いの邪魔をしたくないと思ったのだ。
しかし、やはりどこか悲しい気持ちが胸に刺さったままだ。
部屋に戻るとほっとした気分になった。
本当はあの場に最後までいるべきだったのは分かっている。
だが、話が進まないのは困る。
それが自分のせいならなおさらあの場にいてはいけないと思った。
部屋の戸をノックする音が聞こえた。
「はい」
そう返事をするとティが部屋の戸を開け中に入ってきた。
「ティ様・・・」
あの時の事を思い出し身を硬くした。
「そう怯えなくても何もしない。唯奈の様子を見に来ただけだ」
「私なら平気ですよ」
「・・・俺にまで強がらなくていい」
「本当は傷ついているんだろう?王の妃として認めてもらえないから」
その通りだ。
出来れば他の王族から祝福してもらいたい。
しかし、それは難しいようだった。
「何故、認めてもらえないのでしょうか?」
「気にすることはないあいつらは単に人間が嫌いなだけだ」
唯奈はその言葉がとても重たく感じた。
気がつくとティも狼から人型になっていた。
ティは椅子に腰かけるともう一脚の椅子に腰かけるよう由奈に促した。
由奈は言われた通り椅子に腰かけた。
「由奈は今のままで良いのか?」
「私ができる事はありませんから・・・」
言っていて虚しくなってきた。
「ふーん」
そうティは呟き唯奈の唇にキスをした。
「!!」
「んっ」
「んぅ」
口腔内を犯すようなキスに唯奈は驚いた。
頭を固定されているので逃れることが出来ない。
長いキスから解放されたとき、唯奈は息が上がっていた。
「何もしないって・・・いいました・・・」
「気が変わった」
「唯奈、今日お前に無礼な振る舞いをした奴らを消してやろうか?」
「い、いいえ!!そんなことしなくていいです」
「俺は消したいんだが唯奈がそう言うなら生かしておいてやるか」
「その気持ちだけ受け取っておきます」
「唯奈は優しいな。もし消したい相手が出来たら言えよ」
「・・・はい」
これはもしかして慰められているのだろうかと唯奈は思った。
唯奈の落ち込んでいる姿を見て会議の場から追ってきてくれたのだろう。
やはり、ティは優しいのかもしれない。
「俺は兄貴に見つかる前に行く」
「はい、ありがとうございました」
そう言いティににっこり微笑んで見せた。
するとティは少し驚いた表情をした。
ティは窓からひらりと外へ出て行ってしまった。
すると戸が激しく開きリハが部屋に入ってきた。
「唯奈!ここに今までティがいただろう!?」
「はい」
「何もされなかったか?」
「・・・キスをされました」
リハは人型になり机の上に唯奈を押し倒した。
そうして唇を重ねてきた。
歯列をなぞり、舌を吸われ甘噛みされた。
それを繰り返されていると変な気分になってくる。
口の端からこぼれた唾液もリハは舐めとる。
本当に獣のようなキスだった。
ようやく解放されたときは口の中が痺れてしまっていた。
「・・・会議は上手くいきましたか?」
「ああ、お前には悪いことをした」
「良いんです。皆さんその内私が王の隣にいることに慣れてくれると良いですが・・・」
「・・・本当にな」
そう言いリハはもう一度軽く唯奈の唇にキスをした。
ただ、王の隣に座っていれば良いと言われたが唯奈は緊張している。
リハは唯奈を抱きしめた。
「唯奈、たわいもない話をするだけだ。そんなに緊張しなくていい」
「はい・・・」
リハは唯奈の背を撫でた。
2人は手をつないで会議の間へやって来た。
戸を開けるとすでに大勢の王族たちが席についていた。
皆、唯奈を見ている。
「人間風情が・・・」
「この場に相応しくない」
そんな声が聞こえてきた。
今日の王は狼の姿だ。
その声はもちろんリハの耳に届いていた。
リハは歯をむき出しにして事を荒立てるのを耐えている。
唯奈はそんなリハの手を握り、言った。
「私なら大丈夫」
その時戸が開きティが入ってきた。
「悪い兄貴、少し遅れた」
「・・・良いから早く座れ」
「今日の議題は・・・」
何やら難しい話が始まった。
初めて出る会議だ。
内容はよく分からないが話はきちんと聞いておかなくては。
唯奈はそう思い毅然とした態度でリハの横に座った。
ティが部屋に入って来てくれてから唯奈の事を悪く言う者がいなくなった。
それほどティは皆から恐れられているらしい。
自分はそんなティに愛していると言われてしまった事を思い出し顔が赤くなった。
ティは一体どんなつもりでそう言ったのだろう。
「どうした、唯奈。顔が赤いぞ」
「あ、大丈夫です」
リハはぷにぷにの肉球で唯奈の頬に触れた。
「そうか?」
「はい」
皆が見ている前でさすがにこういうやり取りは恥ずかしい。
「王は余程唯奈さまがお好きなのですね」
「全く人間なんぞにうつつを抜かす王だなんて・・・」
「人間が会議にいるせいで話がなかなか進まぬ」
その声を聞き唯奈は席を立った。
「申し訳ございません。私は退席します、失礼いたします」
「唯奈・・・」
「早く話を終わらせて部屋へ戻ってきてくださいね」
そうリハに耳打ちし、唯奈は会議の間を後にした。
あれ以上話し合いの邪魔をしたくないと思ったのだ。
しかし、やはりどこか悲しい気持ちが胸に刺さったままだ。
部屋に戻るとほっとした気分になった。
本当はあの場に最後までいるべきだったのは分かっている。
だが、話が進まないのは困る。
それが自分のせいならなおさらあの場にいてはいけないと思った。
部屋の戸をノックする音が聞こえた。
「はい」
そう返事をするとティが部屋の戸を開け中に入ってきた。
「ティ様・・・」
あの時の事を思い出し身を硬くした。
「そう怯えなくても何もしない。唯奈の様子を見に来ただけだ」
「私なら平気ですよ」
「・・・俺にまで強がらなくていい」
「本当は傷ついているんだろう?王の妃として認めてもらえないから」
その通りだ。
出来れば他の王族から祝福してもらいたい。
しかし、それは難しいようだった。
「何故、認めてもらえないのでしょうか?」
「気にすることはないあいつらは単に人間が嫌いなだけだ」
唯奈はその言葉がとても重たく感じた。
気がつくとティも狼から人型になっていた。
ティは椅子に腰かけるともう一脚の椅子に腰かけるよう由奈に促した。
由奈は言われた通り椅子に腰かけた。
「由奈は今のままで良いのか?」
「私ができる事はありませんから・・・」
言っていて虚しくなってきた。
「ふーん」
そうティは呟き唯奈の唇にキスをした。
「!!」
「んっ」
「んぅ」
口腔内を犯すようなキスに唯奈は驚いた。
頭を固定されているので逃れることが出来ない。
長いキスから解放されたとき、唯奈は息が上がっていた。
「何もしないって・・・いいました・・・」
「気が変わった」
「唯奈、今日お前に無礼な振る舞いをした奴らを消してやろうか?」
「い、いいえ!!そんなことしなくていいです」
「俺は消したいんだが唯奈がそう言うなら生かしておいてやるか」
「その気持ちだけ受け取っておきます」
「唯奈は優しいな。もし消したい相手が出来たら言えよ」
「・・・はい」
これはもしかして慰められているのだろうかと唯奈は思った。
唯奈の落ち込んでいる姿を見て会議の場から追ってきてくれたのだろう。
やはり、ティは優しいのかもしれない。
「俺は兄貴に見つかる前に行く」
「はい、ありがとうございました」
そう言いティににっこり微笑んで見せた。
するとティは少し驚いた表情をした。
ティは窓からひらりと外へ出て行ってしまった。
すると戸が激しく開きリハが部屋に入ってきた。
「唯奈!ここに今までティがいただろう!?」
「はい」
「何もされなかったか?」
「・・・キスをされました」
リハは人型になり机の上に唯奈を押し倒した。
そうして唇を重ねてきた。
歯列をなぞり、舌を吸われ甘噛みされた。
それを繰り返されていると変な気分になってくる。
口の端からこぼれた唾液もリハは舐めとる。
本当に獣のようなキスだった。
ようやく解放されたときは口の中が痺れてしまっていた。
「・・・会議は上手くいきましたか?」
「ああ、お前には悪いことをした」
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「・・・本当にな」
そう言いリハはもう一度軽く唯奈の唇にキスをした。
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