自殺志願少女と獣の王

えりー

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夢を見た

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学校に行っていじめにあっているときの夢を見た。
唯奈の瞳から大粒の涙が流れる。
気配に敏感なティが部屋に飛び込んできた。
「何かあったのか!?」
ティはべろりと涙を舐めた。
ティは獣の姿だったので唯奈はリハだと思った。
(リハ様だ)
もふもふして温かい。
「リハ様・・・。怖い夢を見ました。ここの世界に来る前の夢です」
ティはそのまま黙って、リハのふりをしてやることにした。
「皆が私を虐めるんです。家族も皆冷たくて、誰も助けてくれなくて・・・」
「・・・今はどうなんだ」
「え?」
「今は幸せなのか?」
「はい、リハ様もティ様もいてくださるから」
その言葉を聞いてティは驚いた。
今、確かに唯奈はティもいるから幸せと言った。
唯奈は今半分寝ぼけている。
「お2人とも優しくて大好きです」
「ティとリハ・・・どちらが好きだ」
「・・・選べない・・・」
そう一言唯奈は言ってコテンっと寝てしまった。
もふもふの毛に包まれて気持ちよさそうに眠っている。
また抱きたい衝動に駆られてきた。
それを必死で我慢し、ティは全身で唯奈を包み込んだ。
もう、落ち着いたらしい。
唯奈はもう泣いていない。
ティにも唯奈のぬくもりが伝わる。
妙な気分になっていく。
だが、また一人にすると泣き出すかもしれない。
そう思うとそばを離れられない。
ティは重たい溜息を付き、彼女の傍にいることにした。

唯奈は次の日目が覚めた。
気がつくともふもふしたものに包まれていた。
それがティだと気づくまで暫くかかった。
ティは目を覚ました。
大きなあくびをした。
獣の姿ではあまり会ったことがなかったのでここまでリハ様に似ているなんて思わなかった。
じっとその姿を見ているとティは言った。
「人型の方が良いか?」
「いいえ、そんなつもりじゃ・・・」
「・・・」
2人の間に沈黙が落ちる。
「昨夜、私、寝ぼけて変な事言ってませんでしたか?」
彼女は昨夜のことは覚えていないらしい。
「・・・いいや、何も言ってなかった」
本当の事を話したらどんな顔をするだろう。
いっそ言ってしまおうかとも思ったがアレがきっと彼女の本心だろう。
兄貴と俺の間で揺れ動いているのだろう。
「それよりティ様、どうしてここにいるんですか!?」
今頃になってそう聞かれた。
「昨夜、お前が泣いているのを見つけてここに来たんだ。離れたらまた泣き出しそうだったからここにいたんだ」
「あ、ご迷惑かけてすみません・・・もう何で泣いてたか忘れてしまいましたから大丈夫ですよ」
唯奈がそう言うと人型になり、唯奈を押し倒した。
「正直に言う、唯奈。俺と兄貴、どちらが好きかわからなくなってないか?」
「!」
図星だった。
2人はあまりにも似すぎている。
犯されたときの嫌悪感も今では無くなっていて傍にいてもらえると安心する。
あの時の事を思い出すと下腹部が疼きだした。
「き、着替えますから、部屋の外で待っていてください」
ベッドから慌てて降りようとしよろめいた。
「おっと」
そう言って唯奈を抱きとめた。
すると蜜の香りがわずかにした。
「唯奈、お前濡れているんじゃないのか?」
「そんなことありません!!」
「そうだよな、唯奈が愛しているのは兄貴だもんな」
「はい」
唯奈はそう答えた。
唯奈の頭をぽんぽんっと撫でティは部屋から出て行った。

「唯奈・・・」
いっそ今晩にでも抱いてしまおうか。
あんなにいい匂いの蜜を嗅がせられたら理性が飛びそうになった。
今はかろうじて踏みとどまったが一緒にいれば居るほど唯奈に惹かれていく自分がいる。
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