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ティと柚葉
ティの悩み
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ティは柚葉を拾って来たと言った本当は隣国から攫ってきたのだ。
隣国は人間を養殖して食べている。
その証拠に柚葉の肩には隣国の焼き印が押されている。
それをリハに言うか迷ったがもしその事で戦になったら大変だ。
隣国に行くまで人間を養殖しているなんて知らなかった。
どうやら秘密裏に行われているらしい。
もし、人間を愛するリハがこの事を知ったらと思うとぞっとする。
怒り狂い、隣国に攻め入りそうだ。
せっかく今は穏やかに過ごしているのにそんなこととてもじゃないが言えなかった。
以前のティなら人間の養殖に嫌悪感はなかっただろうが、今では凄まじい嫌悪感を抱いている。
「ティ?怖いお顔してどうしたの?」
「柚葉は獣人の俺が怖くないのか?」
「うん」
「何故だ?」
「だってティはあいつらと違うもん」
「・・・俺だって獣人だぞ?いつ柚葉に襲い掛かるか分からないぞ?」
柚葉はその言葉を聞き少し考えてから言った。
「ティになら食べられてもいいよ」
「え?」
「私はティが好き。優しいし。その人の体の一部になるならそれでいいよ」
年齢にそぐわない物言いだった。
柚葉は最初から生きることを諦めていた。
あのまま、あの養殖場にいてはいつか誰かに食べられてしまっただろう。
たくさん人間のいる中で何故柚葉だけを持ち出したのかティには分らなかった。
ただ檻の中で彼女と目が合い離せなかった。
気がつくと檻を壊し、彼女を攫っていた。
「柚葉はあのままあそこにいたかったか?」
「いたくなかったけどほかに選択肢がなかったよ」
それもそうだとティは思った。
「俺は人間はもう食べないと決めている」
柚葉はティの顔を両手で包んだ。
澄んだ瞳で見つめられ、ティは正直に言った。
「俺は最近まで惚れた人間がいた。だが、その人間は俺ではないほかの獣人を選んだ」
「振られたって事?」
子供は残酷だ。
あっさり踏み込んでほしくないところにまで踏み込んでくる。
「・・・そうだ」
情けないがその通りだ。
だから暫く城を留守にして旅にでも出ようと思ったのだった。
もふもふした体に柚葉が抱きついてきた。
「ティを振るなんて、見る目ないね」
「柚葉・・・」
幼い子供に慰められ少し虚しい気持ちになった。
だが、そう言われてティは少し嬉しくなった。
柚葉は不思議な娘だ。
彼女の言葉はすんなりとティの心にしみわたる。
「柚葉、旅で体が汚れているだろう?風呂に入って来い」
「ティ様は?」
「俺と一緒に入りたいのか?」
そう問うと柚葉は頷いた。
仕方なくティは人型になり一緒に入ることにした。
(まだ、ここに来たばかりで心細いのだろう)
柚葉は躊躇いもなく服を脱ぎ始めた。
ティは驚いた。
服の下にはいくつもの鞭の痕があった。
他にも青あざや生傷だらけだった。
タオルで石鹸を泡立ててその泡で優しく体を洗ってやった。
「ふふふふ、くすぐったいです」
一瞬秘部に触れてもいいものか迷ったがまだ子供だ。
洗うために触れる分は構わないだろう。
そう思い秘部に手を滑らせると柚葉は悲鳴を上げた。
「きゃぁぁ!!」
「え?」
「ティ様のスケベ」
「ちょっと待て、俺はただ洗ってやろうと思って・・・」
「そこは自分で洗えます!!」
顔を真っ赤にし、ティに抗議した。
「・・・悪かったよ。機嫌を直してくれ」
「・・・もうここには触らない?」
「ああ」
もとよりティは幼女趣味ではない。
「それならいいです」
そう言った柚葉の顔はまだ赤い。
そうして2人で浴槽に浸かり旅の疲れを癒した。
入浴が終わるころには柚葉は眠気に襲われていた。
眠たげにしている柚葉の体を拭いてやりベッドに運んでやった。
すると安心したように眠りについた。
(あの傷・・・酷かったな。他の人間もあんな扱いを受けているのだろうな)
そう思うと虫唾が走った。
しかし自分ひとりで解決できる問題じゃない。
「やっぱり、兄貴に相談してみるしかねぇか・・・」
(さすがにすぐに攻め込んだりはしないだろうしな)
柚葉の頭を撫でながらティはそう思った。
隣国は人間を養殖して食べている。
その証拠に柚葉の肩には隣国の焼き印が押されている。
それをリハに言うか迷ったがもしその事で戦になったら大変だ。
隣国に行くまで人間を養殖しているなんて知らなかった。
どうやら秘密裏に行われているらしい。
もし、人間を愛するリハがこの事を知ったらと思うとぞっとする。
怒り狂い、隣国に攻め入りそうだ。
せっかく今は穏やかに過ごしているのにそんなこととてもじゃないが言えなかった。
以前のティなら人間の養殖に嫌悪感はなかっただろうが、今では凄まじい嫌悪感を抱いている。
「ティ?怖いお顔してどうしたの?」
「柚葉は獣人の俺が怖くないのか?」
「うん」
「何故だ?」
「だってティはあいつらと違うもん」
「・・・俺だって獣人だぞ?いつ柚葉に襲い掛かるか分からないぞ?」
柚葉はその言葉を聞き少し考えてから言った。
「ティになら食べられてもいいよ」
「え?」
「私はティが好き。優しいし。その人の体の一部になるならそれでいいよ」
年齢にそぐわない物言いだった。
柚葉は最初から生きることを諦めていた。
あのまま、あの養殖場にいてはいつか誰かに食べられてしまっただろう。
たくさん人間のいる中で何故柚葉だけを持ち出したのかティには分らなかった。
ただ檻の中で彼女と目が合い離せなかった。
気がつくと檻を壊し、彼女を攫っていた。
「柚葉はあのままあそこにいたかったか?」
「いたくなかったけどほかに選択肢がなかったよ」
それもそうだとティは思った。
「俺は人間はもう食べないと決めている」
柚葉はティの顔を両手で包んだ。
澄んだ瞳で見つめられ、ティは正直に言った。
「俺は最近まで惚れた人間がいた。だが、その人間は俺ではないほかの獣人を選んだ」
「振られたって事?」
子供は残酷だ。
あっさり踏み込んでほしくないところにまで踏み込んでくる。
「・・・そうだ」
情けないがその通りだ。
だから暫く城を留守にして旅にでも出ようと思ったのだった。
もふもふした体に柚葉が抱きついてきた。
「ティを振るなんて、見る目ないね」
「柚葉・・・」
幼い子供に慰められ少し虚しい気持ちになった。
だが、そう言われてティは少し嬉しくなった。
柚葉は不思議な娘だ。
彼女の言葉はすんなりとティの心にしみわたる。
「柚葉、旅で体が汚れているだろう?風呂に入って来い」
「ティ様は?」
「俺と一緒に入りたいのか?」
そう問うと柚葉は頷いた。
仕方なくティは人型になり一緒に入ることにした。
(まだ、ここに来たばかりで心細いのだろう)
柚葉は躊躇いもなく服を脱ぎ始めた。
ティは驚いた。
服の下にはいくつもの鞭の痕があった。
他にも青あざや生傷だらけだった。
タオルで石鹸を泡立ててその泡で優しく体を洗ってやった。
「ふふふふ、くすぐったいです」
一瞬秘部に触れてもいいものか迷ったがまだ子供だ。
洗うために触れる分は構わないだろう。
そう思い秘部に手を滑らせると柚葉は悲鳴を上げた。
「きゃぁぁ!!」
「え?」
「ティ様のスケベ」
「ちょっと待て、俺はただ洗ってやろうと思って・・・」
「そこは自分で洗えます!!」
顔を真っ赤にし、ティに抗議した。
「・・・悪かったよ。機嫌を直してくれ」
「・・・もうここには触らない?」
「ああ」
もとよりティは幼女趣味ではない。
「それならいいです」
そう言った柚葉の顔はまだ赤い。
そうして2人で浴槽に浸かり旅の疲れを癒した。
入浴が終わるころには柚葉は眠気に襲われていた。
眠たげにしている柚葉の体を拭いてやりベッドに運んでやった。
すると安心したように眠りについた。
(あの傷・・・酷かったな。他の人間もあんな扱いを受けているのだろうな)
そう思うと虫唾が走った。
しかし自分ひとりで解決できる問題じゃない。
「やっぱり、兄貴に相談してみるしかねぇか・・・」
(さすがにすぐに攻め込んだりはしないだろうしな)
柚葉の頭を撫でながらティはそう思った。
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